XV「世界は広いですわ……」

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 翌日――光暦二〇二年元日、昼。
 灰色の威容、グランディス城。
 ドラゴンマスターが大怪我をして戻ったと聞いて、ケイン三世は大慌てで貴族用の病室にむかった。
 もちろん、兄が心配なのではない。
 一対一で兄弟はむかいあった。
 兄のジョージは、全身を木綿の包帯で巻いてあった。痛々しい姿だった。
 弟は何事があったのか訊ねた。
 兄は弟に、昨日の出来事を伝えた。
 激戦でトライヒルが死亡し、ウインドが逃亡した。竜はまだ戻っていない。
 弟は怒り、兄をののしった。
 すぐにウインドを捜索し、殺せと命じた。
 だが兄は、意外なことを教えた。
 竜にウェザーの力が発現したという。
 これはまさに棚ボタだ。
 弟王は怒りも忘れ、狂喜した。
 ステラ・トライヒルが失われたとたんひょっこりと代用が現れたのだ。ケイン三世は、戻らない竜の探索を全軍に指示した。
 弟王はジョージには対抗心を持っていたが、竜はそれほど意識していない。彼にとって竜は国の従属物、巨大な獣にすぎない。それは現実からかけ離れた認識であった。慣れとは恐ろしい。
 こうしてウインドもステラも忘れ去られ、真実は永遠に闇に封じられる。
     *        *
 白い街道を、のんびりと二頭立ての馬車が進んでいる。
 御者は赤髪の剣士フェザー・リンド。顔や手に絆創膏を張りまくり、右腕には麻布で包帯をしている。
 幌を張った荷台には少女と少年。キュロットスカートを穿いた活発的な服装のステラ・トライヒルと、緑色の旅装束のティモシー・ラッセルヒルだ。
 二人ともやはり怪我を包帯等で覆っている。ステラはおもに左肩の脱臼と左足首捻挫。ティムは背中を中心とする全身の打撲傷だ。ついでに二人とも、軽い感電によるショックを受けている。さすがに至近はまずかった。
 三人とも怪我人のおかしな彼らは、誰憚ることなく堂々と街道をゆく。これは逃走でも家出でもなかった。ステラの両親も交え、当事者たちが話し合って決めた、最善の方策だった。
 すなわち、ステラを死んだことにするのだ。もちろん、全員が口裏を揃える。これは驚いたことに、ステラ自身の提案だった。ステラは、自分がもはやハーシュヒルにいられないことをすでに悟っていたのだ。
 フェザーの仕事は八五〇ジールの前払い報酬で、二人をセントノヴァ正聖教皇領まで連れていくこと。戦争の元になるステラは、東方にいてはいけない。
 セントノヴァにさえ行けば、ステラの安全は保証される。正聖教皇の絶大な権威がステラを各権力から守り、術士発祥の土地柄がステラを目立たなくする。
 ステラの両親は反論できなかった。Fがステラの後押しをして、ほぼ完璧な理論武装を担当してくれた。それでなくともドラゴンマスターには逆らいにくい。
 ステラは父コリンと母アンジェに泣かれた。
「お父様、お母様……」
 ステラは久しぶりに両親に甘えた。両親も、ステラを思いっきり可愛がった。翌朝には慌ただしく旅立つことが決まっていた。
 だからこそ、心のわだかまりや意地が吹き飛び、本心からむきあうことができた。
 なんでもないことだった。
 ステラは、ずっと両親に心を閉ざしていた自分を深く恥じた。仕事に忙しい父親を理解しようとしなかった。母親のヒステリーを疎ましいとしか思っていなかった。
 逃避した神父さまとティムはひたすら優しかった。それが心地よかった。だからステラは両親から逃げ続けた。
 父は仕事に逃げ、母は叫びに逃げた。互いに意地ばかりが膨らみ、逃げることばかりに夢中になっていた。逃げることさえやめれば、こんなに簡単に寄り添えるのに――
 本当に、なんでもないことだった。
 いまやすべての壁が消えた。
 三人は互いに夜半まで謝りつづけた。
 翌朝目が覚めると、ステラを中に三人が川の字に寝ていた。話し疲れて、大部屋の絨毯の上で眠ってしまったのだ。布団がかけられてあった。誰かが察して、起こさずそっとしてくれたのだろう。
 両親に挟まれたステラは、幼子になった気分ですっかり気恥ずかしかった。
「世界は……暖かいですわ」
     *        *
 ステラがハーシュヒルから出る。
 最初に聞いたとき、ティムは反射的に憤りを感じた。だが考え直すと、それは東方諸国のためであり、同時にステラ本人のためである。
 ティムはすぐに、自分もついていきたいと申し出た。道中ステラの精神的安定を、幼なじみである自分が支えるのだ――と論拠を忘れない。だが本心は別にある。
 セントノヴァの博物学は大陸随一の規模だと聞く。大好きなステラと共にあり、また学問を修める――ティムの夢は、旅立つことで両立が叶うのだ。
 それに自分が王子と知った今、この国にはかえって居づらい。ケイン三世にはすでに三人の王子がいる。なにかの拍子でどこぞの野心家に擁立され、彼らと王座を争うという愚は犯したくない。
 コリン・トライヒルはティムの腕を取り、娘を頼むと涙ぐんで言ってきた。出資者の一言で、ティムの旅立ちは皆に認められた。
 父トーマス神父は反対しなかった。
 旅立ちのとき、父は頭を撫でて見送った。
 ティムは泣いたが、育ての父はいつも通りだった。
「風のように自由で在れ!」
 聖職者のくせに神の言葉でなく、父の言葉で祝福した。
     *        *
 セーラ・キー・ファウラーの墓前に、トーマス・ラッセルヒルが来た。四角い墓石は竜巻の被害を奇跡的に受けなかった。墓を掃除して、トーマスは死者に語りかけた。
「すいません。あまりに慌ただしかったので、出立の墓参りをさせるのを忘れてました」
 と、墓石に水滴が落ちた――
「セーラ様……じつに立派な門出でしたよ」
 いつもは豪気な神父の肩が震えた。
     *        *
 ジョージ・キー・ファウラーは、風翔遠話で竜が戻ったとの連絡を受けた。車椅子に乗り、部下に押させて竜の元にむかう。
 舞い上がって竜捜索の陣頭に出た弟王は城の外、邪魔する者はいない。部下を下がらせて、一対一でむかい合う。
 ディアノスはいつも通り大仰に寝そべっているが、つきあいの長いFに見破られた。
「――ディアノス。ばつが悪そうだな」
【…………】
「トーマスから聞いたぞ。皆殺しにすると言ったそうだな。でも結局は誰も殺せなかった。その気になれば禁術の広域真空結界で簡単に皆殺しにできたくせに……手加減の妙はまさに職人芸だったぞ」
【あの中に我が倒すべき敵はいなかった】
「こやつ、すっかり丸くなりおって」
【……ふん】
 ディアノスは自分の感情や行為を不思議がった。狂ったあと、無意識で手加減しつつ戦ったことをだ。ディアノスは、狂っていた間のことをかなり鮮明に覚えていた。
 この一三年、ハーシュヒルを侵そうとした敵と見えないところで戦い、天術で安定した気候を維持させているうちに、すっかり本当の守護神になってしまったようだ。
 目的は戦うことだったはずなのに、なぜだろう。思えば、冷静なときは敵に風術しか見せないようにしている。かつて『天術を操ることが知れると面倒だ』とFが言ったのを、律儀に守っているのだ。
 戦いを望むなら、さっさと天竜の正体を周囲に曝せばいい。恐怖した周辺国が勝手に同盟を組んで攻めてくる。なのにいまは争いを防ぐのも使命としている。
 これは――いいかもしれない。幻獣大陸にいたころは、果たして自分の欲望以外のために戦ったことがあっただろうか?
「じつはな、言いにくいことがある……」
 Fは難しい注文をいくつか付けてきた。
 ディアノスはあっさりと受け入れた。
【つまりケインの鳥頭に、我の強力すぎるを教え込めばいいのだろ――我は脅威でなく、恐怖なり、と】
「……すまない」
【だがしょせん鳥頭ゆえ、理解できるか心配だ。術弟子どもの件もある。変な約束をしおって、これからが大変だぞ、盟友よ】
「私は大丈夫だ。新たな生き甲斐を見つけたからな。セーラの言葉に縛られていたつもりが、ティムを守ることに置き換わった」
【旅立つ者をどうやって守るつもりだ】
「さきほど手を打ったばかりだ」
 Fは空を見上げた。
「あいつの孫を見ずして、どうして死ぬことができよう――私の目的は王の威光を守るはずだったのにな……民のために存在する、本当の正義の味方もいいかもな」
【我が思うに、汝には昔からその気があった。自覚しようとしなかっただけだ】
「言うな。さあ、今年の遊覧飛行に出ようか。おまえの飛ぶ姿を見ないと、安心できない連中が城下にひしめいているぞ」
【重傷者のくせに、大丈夫か?】
「お、ディアノスが人の心配をするとは」
【……ふん】
     *        *
 エレナ・アーガイルが恋人の様子を見に部屋に入ると、彼は優しく笑って出迎えた。
「エレナ――今日はいい日だ!」
 寝台のゾーンはすばやく半身を起こす。
 それを見てエレナは嬉しそうに笑った。
「だいぶ回復してきたわね」
「――エレナ! 私はやったぞ。行く、いける! ゆくことになった! 行くぞ!」
 顔をほころばせて繰り返し叫んでいる。
 エレナはルイス・ゾーンのはしゃぐ様子が面白いので、思わず吹きだした。
「どうしたの、まるで子供みたい」
「おっと、興奮しすぎた――風翔遠話で指令があった。怪我が治り次第、私はステラ・トライヒルとティモシー・ラッセルヒルの旅路を見守るべく、セントノヴァを目指す。私の怪我が治るまでは、ランクヒルが受け持つらしい」
「え……セントノヴァ?」
 ゾーンは様々なことを一気に説明した。
 F副学長がドラゴンマスターであること。トライヒル脱走事件の終結、ステラとFの秘密のやりとり――
 エレナはおおきな話に驚いていた。
「……だからルイスってば、いつもF先せ――様に対して、やたらと丁寧だったのね」
「とにかくだ。このような長期に渡る任務は、術力より頭のほうが問われる。だから頭脳明晰な私がいくのさ」
「そんなこと、ふつう自分で言う?」
 エレナはあきれて笑っていたが、すぐにあることに気づいた。
「待って! ……ルイス、長期って?」
「おそらく半年かそれ以上か」
「いやよ……そんなに長く会えないなんて」
「一緒に来てくれ」
「……え?」
「きみも一緒に来てくれないか、エレナ」
 エレナは目をつむった。しばらくして、頬を染め、ゆっくりと頷いた。
     *        *
 フェザーは不思議な気分であった。
 突飛なことで帰る動機が出来たのだ。
 出奔してもう六年を越える。数々の冒険を体験してきた。一度戻り、親父たちの様子を見るのもいいだろう。
 それにしても面白い。かつて分散した術士の血が、セントノヴァに帰ろうとしている。
 ステラはユニバースの血を濃く継いでいる。こんな田舎で、分散した血はどういうふうに再凝縮を果たしたのだろうか……
 ――なんだ?
 上着のポケットに手紙が入っている。
 開くと、ステラの母からフェザー宛ての手紙だった。いま着ている上着は、アンジェ・トライヒルが餞別にくれたものだ。
 何気なく読み始めたフェザーであったが、その内容に途中から手紙を持つ手が震えた。
     *        *
 ――光暦一八八年夏。
 元気な赤子を出産したセーラは、産後三日目、いきなり夫のジョージに連れられ、馬車で逃げるように城を出た。
「私の命が危うい。おまえも確実に狙われる」
 王位継承問題で事態は切迫していた。
「おれは術士だ。暴竜の力を得てみせる。それが死なずにすむ唯一の手段だ」
 反対するセーラを無視して、ウルフズヒルにむかおうとした。
「待って! ――わかったわ。ついていきます。ちょうど私の妹が近くに住んでいるわ。今夜はそこで休みましょう」
「そうだな」
 当時成功しつつあったトライヒルメーン牧場にお邪魔した。もちろん身分を隠して。
 妹アンジェと会ったセーラは、いきなり切り出した。
「……アンジェお願い、赤子を取り替えて」
 実は姉だけでなく妹にも、生まれて三日の赤子がいた。二人は子供のころから仲が良く、結婚後も週に一度は手紙をやりとりしていた。手紙の中で、二人は前々から最初の子供はそろって産もうと言ってきた。だがまさか、おなじ日に産まれるとは……
 もちろんセーラは、アンジェに子が産まれているのを知っていた。そして牧場主の若社長コリンが、四つ目の牧場を開く営業のため留守だったことも。
 一方セーラの夫ジョージは、命懸けの政争で赤子どころではなかった。なんとこの三日、自分の子の性別も知らない有様だった。
 夫たちは、共に自分の子をよく知らない。
 それゆえセーラは言い出たのだ。
「あなたの息子と、私の娘を取り換えて!」
 最後の手段であった。セーラは我が子ごと牧場に身を寄せようとしたのだが、暗殺者を警戒したジョージが認めなかったのだ。ジョージは術士、下手な暗殺者より強い。
 アンジェは葛藤したが、姉に説得され、やがて首肯した。
 ――そして神に背く大罪は実行された。
 セーラとアンジェの家は、五〇年戦争で落ちぶれた騎士だった。父はサーと呼ばれる身分であったが、生活は苦しかった。
 貴族の誇りだけは教えられた二人は、やがて野望を抱く。
 射止めるなら、最高の人がいい。
 二人は見事に成功する。
 姉は、術士とはいえ王族。
 妹は、成功しつつあった実業家。
 成功した結果、二人には血筋や家格を優先する気風が備わった。
 セーラの子が竜に殺されるかも知れない。
 貴き王家の血が、野蛮な竜に冒される。
 子を換えるという大罪を犯しても、王家の血を守れたならそれは正義だ……たとえ我が子が身代わりで死んでも。
 そう信じて、妹は承諾した。
 ――間もなく後悔する事態になった。
 罪の意識からか、子を授からなくなった。夫との仲は急速に冷えていく。ヒステリー癖も出てきた。アンジェは罪の意識を拭う必要に迫られた。
 風の噂で元御者とともに旅をする子の話を聞き、もしやと思って必死に探した。
 数年後に見つけ、呼んだ。
 一目でわかった。やはり我が子だった。
 罪滅ぼしで、ティムを側に置いた。
 だが仕事を優先しすぎる夫コリンへの不満から、ヒステリーは改善されなかった。
 ステラが牧場からいなくなると、しかしコリンは目に見えてふさぎ込んだ。
 跡継ぎのいない牧場。
 アンジェはティムのことを話そうか悩んだ。
 だがそれがステラを否定することになるという別の罪の意識にさいなまれ、言い出せないうちに今日を迎えた。
     *        *
『私は夕べ、姉の娘も深く愛していたことをようやく確かめることができました。後継者の件ですが、別にトライヒルの血筋が継ぐ必然はないでしょう。有能な者が継げばいいのです。長年のくびきから開放していただき、ありがとうございます、ウインドさま』
 それで文章は締めくくられていた。
 なるほど。
 これならステラの術力や、ティモシーの思慮深さが納得できる。
 フェザーは深いため息をついた。
 大変だな俺。相手は一国のお姫様と、多国籍大企業の御曹司だぞ……
 アンジェおばちゃんはなぜ見ず知らずの俺なんかに、こんな重大な事実を突きつけたのだろうか?
「あ~あ、どうしろと言うんだ?」
「なんか言った? フェザー」
 ステラが顔を出す。こうして見ると、なんとなく気高さがないとも言えない。
「……ステラの母ちゃんな、もしかして俺のファンだ、とかないよな?」
「――え、どうしてわかったの? 神父さまによくウインドの話を語らせていたわ」
「……また神父さまか」
 フェザーはステラに見えないように、手紙を細かくちぎりはじめた。
 アンジェおばちゃんは、捌け口が欲しかっただけのようだ――ならばこのようなものは無くすべきだな。感動の別れに水を差す必要はないだろう。
 てのひらを広げ、切れ端を風に流す。
「実の親より育ての親、実の子より育ての子」
 つぶやきも冬の風に吸い込まれた。
 真実を知らないほうが、かえってみんな幸せになれるだろう。
 そういやこの二人、結婚はどうなるんだ?
 ――あ、従兄弟か。なら大丈夫だな。
 それよりも俺自身の大問題があるぞ。
 これからの長い道中、神父さまには幾度悩まされることになるだろう。なにしろセントノヴァまで、五〇〇〇ハークもあるのだ。
     *        *
 ステラは気分がよかった。
 両親や住み慣れた牧場と今生の別れかも知れないのに、とても気分がよかった。
 おもいきって挑んでよかった。
 ずいぶんと運命が助けてくれたり、怪我をしたり、おおくの人に迷惑をかけたけど、とにかく無事ないまがある。
 冒険が終わり、旅がはじまる。
 旅の共にウインドとティム。
 大好きな二人が、付き添ってくれるのだ。
 ウインドもティムも、なにがあっても解決してくれそうな頼もしさを持っている。
 だから、旅にまったく不安がない。
 むしろ楽しくてしょうがない……
 ――だいすきな二人?
 ステラの頭はパニックになる。
 どうして私はフェザーにキスをしたの?
 ステラは顔を真っ赤にして頭を抱えた。
「どうしたのですか、ステラさま」
 ティムが心配そうに話しかける。
 ステラは弾けた。
「よくてティム! 私はあなたが大好きなんだからね」
 まるで脅迫するような勢いでティムに寄りかかる。
「痛いですステラさま」
「ティムは私が好き? 恋い慕っている?」
「――ええと」
「なに顔を赤くしてるのよ! 恥ずかしくないったら。ほら、言いなさいよ! 聞いたわよ、王子さまですって? 王子ならしゃきっと言いなさいよ! 私だって子爵家の娘だから、貴族同士で身分が釣り合うでしょ? ほらほら!」
「おいおい、当てられるほうの身になれよ」
「フェザーは私が拾ったんだから黙ってて!」
「おおこわこわ、触らぬ魔神になんとやら」
「私、魔神じゃないぃぃー!」
「なら、すこしおとなしくするこったな。恋に一生懸命なのもいいが、燃えるなよ」
「うう……恥ずかしいかも」
 そこに真っ赤なティムの顔が寄ってきた。
「ステラさま――いっそ燃えましょう。私はあなたを、愛しいと思っております」
 ティムの唇が近づいてくる。
 触れ合う寸前、ステラは小声で唱えた。
「世界は広いですわ……」
 いつのまにか、ハーシュヒルには珍しい雪が降りはじめていた。
     *        *
     了 2000/08

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