IX「一目惚れを信じます!」

よろずなホビー
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 太陽の下に帰ってきて二パック後、地下トンネルの入口から泥水が勢いよくあふれ出してきた。ウィルは鉄砲水から逃れるために上空に逃れた。
 見ればコープス川が一望できる。増水がおさまって透明度を取り戻していたコープス川のほぼ中央に、泥色に汚れた領域があった。そこから大量のあぶくが発生している。
「残念。爺さんの作品が沈んじまった」
「痛いっ、ウィル――離して」
 ウィルはステラを無理矢理引いたままだ。
「すまん」
 ウィルは掴んでいたステラの腕を離した。
 ――ステラは、唐突に落ちた。
「きゃああああ」
「げ!」
 ウィルは慌ててステラを追いかける。
 地上までわずか二ヘクトフィングのところで、ウィルはステラをキャッチした。
 そのまま急減速し、地面に降りる。
 ウィルは尻餅をつくかっこうになった。
「だいじょうぶか」
 ステラは、ウィルの腕の中で青ざめた顔で身震いしている。
「ありがとう……飛ぶのって難しいのね」
「最初にしてはよくやったほうだ――立てるか?」
「ええ……」
 ステラは半ば放心したままで足を動かし、地面の感触を確認するとウィルの腕から抜け出た。ウィルはその後に立ち上がる。
 ウィルが尻の泥をはたき落としてからステラを探すと、彼女は泥水の噴出がおさまったトンネルの前にぽつんと立っていた。
 ――やばっ。
 ウィルは背筋に凍るものを感じた。
     *        *
 ステラは階段を下りた。だが一〇段以上は下れない。そこからは水だ。
 泥水は静かに波打っている。しかし石壁は泥と同色に染まっている。ただのいままで、凍える冷たい泥水が吹きだしていたのだ。
「……先生」
 ステラはぽつりと言った。
「ゾーン先生! アーガイル先生!」
 泥水に歩み寄った。そのまま水の中に入っていこうとする。
「だめだ!」
 後ろから首もとを羽交い締めにされる。ウィルの腕だ。思えば、けっこう太い腕だ。
「いや、助ける!」
 ステラは髪を振り乱して抵抗した。ウィルはステラを留めようとする。だが足場が泥で踏ん張れない。
「溺れるぞ」
「……大丈夫よ! 私のもうひとつの力を使えば……」
「もうひとつの?」
 ウィルの力が一瞬弱まった。
 それを逃さず、ステラは無理な体勢で水に右足を入れる。
「冷やっ」
 条件反射で、すぐに右足を抜く――だがそれで完全にバランスを崩した。ステラは泥水に身を投げだす格好になった。
「ステラ!」
 ウィルが右腕を伸ばす。ステラはそれを掴んだが――
 泥水に水柱が立った。
     *        *
 若い女は途方に暮れている。
 泥まみれのゾーンが目を開かない。
 最初の水術が作動する直前、急に天井が落下した。水に呑まれながら別の術で自由を確保したが、ゾーンは溺れた。
 懸命に探した。
 そして見つけた。
 助けたはよかった。夢中で脱出して、気づけばゾーンの呼吸が――止まっていた!
「……ゾーン!」
 アーガイルはゾーンを揺する。
 動かない。体は暖かいのに……
 アーガイルの体は震えている。アーガイル自身も濡れているうえ気温が低い。だけど、あきらめという寒さには負けたくない。
「ゾーン!」
 アーガイルは人工呼吸を施す。口と口を合わせ、空気を送り込む。迷いも、ためらいもなかった。
 はじめて会ったときから――
 アーガイルは、ゾーンの胸を規則正しく強く押す。
 はじめて会ったときから、好きだった。
 一緒にいると胸が張り裂けそうになる。この二ヶ月、話をするだけで幸せだった。一〇代前半の生娘じゃあるまいし、年甲斐もない――でも恋は恋だ。
「ゾーン……あの思慮深い、きれいな瞳を見せてよ――ルイス……」
     *        *
「どうして……」
 焚き火を前に、毛布にくるまったステラはつぶやいていた。
「どうしてこんなことに」
 ここはテントを張った空き地だ。
 二人分の服は木に張った綱に干して乾かしている。乾いたとしても、洗濯しないとどうしようもないほど汚れていた。
「どうして……」
 ステラはまたつぶやく。
 ウィルは半ばうんざりした顔で答えた。
「お前が無理をするからだ」
「濡れたことでなくてよ!」
 ステラはウィルを毅然と睨んだ。
「どうして先生たちと戦ったの?」
「戦うつもりは最初からなかった。まさかいきなり戦闘になるなんてな――」
「トンネルが崩れた」
「あれはむこうの過失だろうが……」
 ステラの目に、ほろりと涙が溢れた。
「……ごめんなさい。ウィルは私のために、よかれと思って行動してくれているものね。ウィルに責任がないことはよく分かるわ。ゾーン先生が無茶さえしなかったら……私、術ってやはり怖いわ。嫌い」
「でもな――」
 ウィルは焚き火に薪を放り込んだ。
「俺たちが助かったのは、術のおかげだぞ」
 しばらくステラは答えなかった。うつむく。涙が止めどなく溢れている。
「伝えたかっただけなの……」
 その言葉は、ぽつりと漏れた。
「……私は、ただティムに伝えたかっただけなのに!」
 そして嗚咽混じりで本格的に泣きだした。
 ウィルは黙ってステラのすぐ隣まで移動し、その背中をさすってやる。と、ステラはウィルに思いっきり抱きついてきた。突発的な行為であったが、左手で毛布をしっかりと押さえているのはさすがだ。
 ウィルは自分の胸に顔をうずめる泣き虫の扱いに困った。思わず抱きしめてやろうかと、一度は両腕をステラを包む形に持っていったが、やはり止めた。
 俺にその資格はない。
 しょうがないので、されるがままに任せた。
 ただ、これだけは伝えた。
「あいつらはマスターだ。術で助かっているかも知れないぞ。なにしろ、脱出口は二つあるからな」
「……うん」
 ステラは、弱く頷いた。
     *        *
 ゾーンは夢を見ていた。
 想い出だ。
 寒村の葡萄農家の三男がある日、風を伝わる声を聞いた。風翔の遠話だった。
 この日以来、少年――私は普通の人にとって、化け物同然の存在になった。
 大人だけでなく、友人たちも私を怖れた。
 私はひとりぼっちになった。
 どこかの兵隊が来て、村から連れ出された。以来、村には戻っていない。
 田舎の修技館で、ランクヒルと出会った。
 ランクヒルも一人ぼっちだった。
 力を怖れて離れた連中を見返そうと、二人で誓った。
 なのにどこで間違えたのだろう。
 私はずっと、力に振り回されてるだけだ。
 だが止まることができない。
 自分では止まれない。
 誰か、私を止めてくれ……
 帰ってきて――
 ――なんだ?
 誰かが私に囁いてくれている。
 帰ってきて――
 どういうことだ?
 待て、いま行ってやる――
 ……ゾーンはゆっくりと目を開いた。
 アーガイルが心配そうにのぞき込んでいた。前に垂れた金髪がオーロラのように、アーガイルの顔全体を包んでいた。
 なぜ暖かいのだ――
 ゾーンは起きあがる。布団だ。ゾーンは、自分がベッドに寝ていたのだ。
「……ここは」
「ニューファズ村の南集落です」
「そうか――南ということは、戻ったのか」
「ええ」
「戻った……戻って来たのか!」
 ゾーンの声が急に荒くなった。
 焦点がずれ、灰色の虹彩が縮まった。
「なぜ追わなかったアーガイル!」
「……ゾーンは気を失ったのですよ――」
「え……私が気を失った?」
「急に天井が崩れてきて、術の発動が遅れて――火が消えて暗くなって……」
 アーガイルの体が、震えている。
「――かろうじて撥水空泡で私は……泥水の中で必死に探して――精一杯でした」
 紳士のゾーンは即座に態度を正した。
「……それはすまない。怒鳴って済まなかった――ありがとう」
 アーガイルは目を擦って涙を拭いた。
「ゾーン、もう追うのは止めましょうよ」
「どうしてだ? 追うぞ……私が倒す」
「無理よ」
「なぜだ?」
「気がついてないの? その怪我」
「怪我……」
 ゾーンはようやく気づいた。上半身が裸だった。腹や肩に、厚く包帯が巻かれてある。
 自分の体をあちこち触る。
「いまは痛み止めが効いているのか。肺をすこし汚水で痛めて……肋骨二本と右大腿を骨折、いずれも手術済み。水術による新陳代謝促進が、治癒効果を期待できないレベルの傷。つまり重傷。ついでに左耳の鼓膜にもダメージか。全治――三週間」
 しばらく動けなくなったのに、希望が叶ったかのような、安堵した言い様であった。
     *        *
 なんて正確な診断かしら。
 アーガイルは小さく笑った。
 よかった、いつものゾーンに戻っている。
「さすがはゾーン、まったくその通り――ついでにここは、村の病院です」
「……すまない、アーガイル先生」
「どうしていきなり謝るの?」
「不可抗力とはいえ、先生の唇を奪っただろう――あの水温だ、状況から考えて私は呼吸停止に至ったはずだ」
「……いいえ」
 アーガイルは微笑んだ。
「私は、好きでやったのよ――」
 アーガイルはおもむろにゾーンの顔に自分の顔を寄せた。唇と唇が合わさる直前で止める。距離わずか一〇フィング。ゾーンの汗ばんだ臭いが届く。でも不快ではない。
「ゾーン――私、あなたが好きです」
「……これはまた、ストレートだ」
「私は本気です」
「…………」
 さしものゾーンもひるんでいた。
 アーガイルは、どうして大胆な行為に出られるのか不思議だった。いままで幾度か男性とつきあってはきたが、いずれもむこうから申し込まれた交際だった。
 だがみんな、アーガイルの術力に怖れをなして離れていった。男が強い社会なので、女性の術士はなかなか結婚相手が見つからない。力のある女性を受け入れる、包容力のある男は実に少ないのだ。
 生まれてはじめて自分から誘う。しかも術士相手に。きっと人工呼吸の件で、怯えの枷が取れたのだ。いまのうちが好機だった。度胸がつづくうちが――ゾーンが私を受け入れてくれるか、これは賭けだ。この歳での交際は、結婚が前提となる。
「アーガイル先生……」
 ゾーンの緊張の息づかいが、アーガイルの頬を暖める。アーガイルの熱い息づかいも、ゾーンの鼻の辺りを暖める。
 二人の仲を考えれば、異常なまでの接近だ。エレナ・アーガイルは、しかしこの距離の効果を熟知している。
 いままで彼女を口説き落とした男性は、全員がこの距離まで切り込んできている。だが諸刃の剣でもある。倍以上の男性がこの距離で自爆した。ほかの男性は、切り込む前に勝手に自沈して消えた。
 今度は逆用してやるのだ。容姿も性格も好かれやすいという自負だけはある。
 と、ゾーンが自信なさげに言った。
「アーガイル先生――私は、あなたのようにいい先生ではない」
 如実な効果があった。自分の弱点をさらけ出す。いままでなかったことだ。
「いいえ。ゾーンは……私が知っています。ゾーンはステラちゃんに、あんなに熱心に教えていたじゃない。いい先生ですよ」
「……私は前の風術教師、ランクヒルに対する対抗意識で暴走する男だぞ」
「――バスナヒル地方の術士修技館の同期だと聞いています。中央で成功しようと、二人一緒で都に出てきたことも」
「……そうとも。ライバル同士だ」
 ゾーンはアーガイルから目を反らした。
「私は出向命令でランクヒルに負けたと思ったよ。正直、配置転換の原因となったステラを恨んだ。それが会ってみると、なんとも素直で良い子じゃないか――」
 アーガイルは静かにうなずく。
「――おかげで私は、新たな職場に順応しようと努力できた……なのに、なのに!」
 ゾーンの頬に、一筋の涙。
「私は――ステラに拡風衝を放った!」
 拳を力強く握る。血が止まり、白く変色するほど、強く。
 エレナは迫力に押し黙る。
「私は戦士じゃない。傭兵の言ったことをいま理解したよ。こんなことは誇り高き戦士がやることじゃない――なあ、先生」
「はい」
「私は、じゅうぶんに頑張った、と思うか」
「……ええ。全力で走ってきましたわ。わずか一月半とはいえ、つぶさに見てきた私が保証します。疲れたでしょう。もうこのへんで、一度足を休めてもいいはずですよ」
「――アーガイル先生」
「はい……」
「私も大人だ。あなたが私を好きなのは分かっていた。だがいまの私は心に余裕がない」
「え……」
「私がランクヒルのくびきから解放されたら――そのときは、あなたのことをエレナ、と呼んでも構わないか」
 エレナ・アーガイルは、軽く唇を震わせた。
「…………」
 ゾーンは焦った。
「すまない、こういうのはずるい言い方だな。まるであなたの純愛を無視している」
「私は自分の一目惚れを信じます!」
 アーガイルはいきなりゾーンの唇を奪った。
「!」
 短い、しかし甘美な接吻であった。
 離れたアーガイルの顔には、先ほどと違う、強い意志が溢れていた。
「いまの答えで、すでに私を受け入れたと解釈します。ならば私がゾーンを、ランクヒルめから開放して見せますわ!」
「まるでだだっ子だ……叶わないな」
 ゾーンは恥ずかしそうに笑った。
「ステラといい、女はいきなり化ける。強いものだ。だから長生きする」
「当然よゾーン。でなくて子供を産めますか」
「私の理想は、高度な駆け引きで育む、大人の恋愛だったのだがな……」
 エレナは勝利を確信した。真面目一辺倒なゾーンはやはり恋愛にうぶだ。ゾーンにとっての高度とは間違いなく話術であり、エレナが不器用なりに行動心理戦術を総動員していたことに気づいていない。
 エレナは白い歯を見せて笑った。
「ストレートもいいでしょ?」
 ここはゾーンに華を持たせる。
「今後はルイスと呼んでくれ、エレナ」
 手に入れた。
「はい――ルイス」
 はじめて自分で動いて手に入れた。
 エレナは心の中で誓った。
 ルイスはまだ私のことを本気で好きではない。だがこの幸せのチャンス、絶対に物にして見せよう。本気にさせて見せるわ!
     *        *
 ウィルが乾風陣の結界を施したおかげで、服は昼すぎには乾いた。だがステラがすっかり消沈し、足はろくに進まなかった。
 仕方がないので、早々にウィルはキャンプ地を設置した。ステラは役立たず同然だったので、すべてを一人でこなした。
 食事時も、ステラは半ば放心した状態だった。ステラはウィルが渡した瓶詰めの温めたコーンスープを黙って飲んだ。
 飲み終わって一言だけ漏らした。
「おいしい……」
 涙を流すので、ウィルはため息をついた。
 その夜――
「おい、ステラ」
 テントの中でウィルが、ステラを無理矢理起こした。
 ステラは寝ぼけ眼で、
「……なんです?」
「生きてたぞ!」
 ウィルが、よく分からないことを言う。
 ステラは怪訝な顔でウィルを見た。
「どういうことなの?」
 ウィルは急にステラの手を取った。
 そして毛布を煽ってテント内に風を起こした。風があれば風術が使える――
『……以上により、Zは綱を渡れなくなった』
 ステラの頭に響く、突然の声。
「えええ!」
 ステラは最初驚いていたが、
『Aも綱渡りが不得意なので、一人だけで先に行かせるのは無理だ』
「……この声」
 ステラの顔が、にわかにほころぶ。反対に、その目からは涙が溢れ――
「この声、ゾーン先生だ!」
「もう一人の術教師も無事らしいな」
「アーガイル先生も? よかったあ!」
 ステラは、狭いテントの中であることも忘れて、飛び上がり――テントはたちまち崩れた。二人の上に布が覆い被さる。
 ウィルとステラはばたばたと暴れて、すぐにテントから這い出た。ステラはしかしその喜びが止まらない。頬を緩ませ、全身で歓喜しつづけた。歓声を上げながら、夜着で寒さを忘れて飛び跳ねまわる。
 ウィルはやれやれとテントを建て直す。
「負傷したことは教えないほうがいいな。水を差すこともねえ」
 ウィルがテントを直し終わったところに、ステラが寄ってきた。
「ねえ、すごい術ね」
「風翔握話という裏技だ。戦術士や術弟子崩れの傭兵くらいしか知らない。風翔遠話を横から聞き取るずるい中期術でな、ステラにはさらにそれを伝える術を使った」
「……ありがとう、ウィル」
 ステラはウィルに密着し、顔を寄せた。
「お?」
 ステラは――猫が軽く舐めるようなキスを、頬にしてくれた。
 ウィルがかすかに濡れた部分をさすっていると、ステラは出会って以来もっとも魅力的な、満面の笑みを浮かべた。
「お、れ、い」
 そして、にわかに体をぶるぶるとさせ、
「くしゅん」
「寒いだろう、さっさと中に入れ」
「はーい」
 ステラとウィルはテントに戻った。
 毛布を被ってすぐ、ウィルがステラの手を握ってきた。
「どうしたの?」
「しっ、まだ遠話が続いている。大事な場面だ――」
 ウィルは毛布でにわか風を起こした。
 ――ステラの頭に、ふたたびゾーンの声。
『……すまなかった、烏を持つS・Tよ』
 それで、ゾーンの声は終わった。
「ふう――ぎりぎりで間に合った。これは暗号だ。烏は俺のこと、S・Tはそのままステラのイニシャルだな。まったくこちらが盗聴しているのを想定してるとは」
「……ウィル、返事できる? 私から」
 ウィルは、首を振った。
「やめておけ」
「どうしても伝えたいことがあるの。お願い、風翔遠話を教えて――」
 ウィルは迷っていたが、ステラがあまりに真剣な面構えだったので、
「……わかった。だが相手がどこにいるか分からない遠話はとくに難しいぞ。いくらおまえが天才でも、すぐに使えるかどうか」
     *        *
 病院のベッドで眠るゾーン――
 その閉じた目から、一粒の涙が零れた。
 看病疲れでベッドの脇に寝ていたアーガイルは、ゾーンのかすかな嗚咽で目を覚ました。
「ルイス! どうしたのルイス」
「……エレナ、私は幸せ者だ。なんて幸運な男なのだ――私は許された。神よ!」
     *        *
『先生、Tです。私、先生を利用しましたの。先生の熱心さに乗る形で、使えそうな術ばかり覚えました――ごめんなさい。だから、先生には罪はありません。私は先生を恨んでいません――今度会ったときは、ぜひ笑ってください。そのとき、私も笑い返します』

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