Nikon NIKKOR Z 24-70mm f/4 S

機材
購入:2018/12 分類:ズームレンズ

 テレ端が短い以外、欠点はない。F4通しの小三元級でありながら、すべてのニコン純正標準ズームを過去のものとする驚異のレンズだぜ。 Zマウントの高画質路線を象徴するレンズのひとつになりそう。一般ユーザーによる標準ズームの使用頻度は単焦点とは比較にならないほど多い。 ニッコールZレンズの名称はFマウントから簡略化されている。最後にSと付けるだけで、どんな特性や性格を持つかを代弁させているぜ。 操作は難しくない。スイッチはオートフォーカスかマニュアルフォーカスかを選ぶものがあるだけ。ニコンZマウントの防振機能はカメラ本体側にある。鏡胴外装は金属で、手触りの質感はいい。内部にエンプラが使われ、重さを軽減している。 インナーズームではなく、にょきにょき伸びる。さらに沈胴式で、ワイド端から最短状態まで縮む。これを安っぽいと見る人もいるが、軽さや移動時のコンパクトを実現するには、安っぽさと向き合うべきと思うぜ。 このレンズはレビュー時点でフォトショップにまだレンズプロファイルがないようだが、ニコンZで写したRAWファイルはカメラ内のデータベースより与えられた内蔵補正情報を反映できる仕様になっていた。収差の多くがあらかじめ自動補正されることで、細かい作業に集中できる。 実際の写りを見てみよう。最初から絞り開放を多用してる。ズームレンズでありながら、単焦点のような立体感を伴う。 秘密は絞り開放での解像力の高さにある。下は解像力を示す曲線で、上にあるほど高解像ということだ。Z24-70mmはニコンFマウントの標準ズーム最高峰、現行F2.8通し24-70mmより四隅まで解像する。ニコンDfで使ってきた24-85mmは……比較以前。絞らないと話にならない。 ついでにボケもズームとしてかなり良好だ。光点のボケを見るのが手っ取り早い。 輪郭のエッジが煩くなく、ボケ内部の縞模様も目立たない。なんだこのスーパーレンズ。すごすぎる。 下はわざとコントラストを強めに補正したもの。数段ぶんの極端な補正によって、ようやく年輪ボケが浮かび上がる(オレンジ色)。しかもくっきりではない。24-85mmなら盛大な木の年輪のような縞模様が出てるところだ。 ボケの輪郭が弱いので、こういう輝点の連なりも比較的柔らかく写せる。まるで単焦点レンズのような描写だ。 写りの良さが客観的に示されたので、積極的に絞り開放で写したくなる。 人工物以外にも、植物も得意。 背景のボケがやはり静かだ。煩い要素はさほどない。これが沈胴式の非インナーズームレンズだという。常識が覆る。 ZマウントのSラインはレンズ後部のナノクリスタルコーティングと表面の耐候フッ素コートを標準実装し、防塵防滴考慮のシーリングを主だった可動部にまんべんなく施されている。AFも静音高速なステッピングモーターだ。至れり尽くせりで、そのうえ画質もいいときた。四隅までしっかり解像。 F4で解像してると、下のような描写も可能。ほかの標準ズームなら解像してくれるのは中央部だけで、周辺部は解像が落ちて遠景からの浮かびあがりが目立たなくなる。 燃える炎の描写。逆光耐性が高く、火のみを的確に捉える。 ちょっと絞ったもの。無難に解像。 色乗りは濃いね。コントラストの高さは、鏡胴内壁での反射の少なさを示唆している。高性能の裏返し。 小売ならレビュー時点で11〜13万円もするレンズだが、カメラと抱き合わせたキット付属なら、6〜7万円相当で買える。ほぼ半額ときたか。ニコンはこういうところをなぜか宣伝しない。 この高性能レンズの影響で、標準マクロの引退が決まった。これまで標準ズームがイマイチだったので標準マクロを残してきたが、ここまで描写性能が高いと、中望遠マクロと共演させて見劣りすることはないぜ。
 最高撮影倍率は0.3。APS-Cクロップなら見かけ上およそ0.45倍となり、ハーフマクロとしてふるまう。ポテンシャルは高い。

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