新しいメイン機はミラーレスカメラ。画質の劇的な改善こそないが、慣れれば撮影が楽に、かつ便利になるぜ。得られる画質のわりに軽いし。
ニコンZの色再現にはびっくりしたぜ。(後述) これがEXPEED6の威力か。
ソニーα7/α9シリーズの大ヒットと市場拡大をみたキヤノン・ニコン・ライカ・パナソニック・シグマの5社が、2018年夏フルサイズミラーレス市場への参加を発表した。
10年来ニコンをメイン機とするユーザーなので、ほぼすべてのツールを使い回せるニコンのフルサイズミラーレスを買った。標準ズームとマウントアダプターが付属するキットだぜ。ソニーの競合機(α7III)に総合スペックで劣る(※追記:2019/05/16大きく改善)が、これまでのメイン機Dfと比べたら「なにを買って」も利便が向上する状況だったので、経済性を優先した。システム再構築とか骨折りだしな。
Zシリーズの開始に際し、ニコンは新マウントを採用している。ニコンZマウントはスチル用35mmフォーマットでもっとも大口径なキヤノンEFマウントより1ミリだけ広く、もっともフランジバック(マウントの深さ)の短いソニーEマウントより同じく2ミリだけ短い。両方で業界最高を更新している。大口径&ショートバックはレンズ設計の自由度が高くなり、高画質化や軽量化に繋がるらしい。
ニコンDfやミルバス2/100Mのときのような興奮はなかったので、発売日に買うようなことはせず、割高なご祝儀価格を避けている。1ヶ月以上待ってネット最安で1割ほど下がり、量販の店頭価格から7~9万円も安く済んだぜ。価格差から実店舗限定のPayPay祭りはスルーした。ポイント込みなら得する店もあったが最寄り200キロ、海も渡る。交通費でマイナスだった。
4500万画素オーバーだったZ7からダウンしたニコンZ6は、およそ2450万画素。値段で10万円安く、連写性能ではZ7を上回るが、ハイブリッドAFセンサーのカバー範囲がすこし狭い。低輝度AF検出範囲はZ6が1段有利(※追記:1.5段へ拡大)。それ以外はほぼすべて同じ。
外見と操作性はニコンFマウントの一眼レフから多くを継承している。グリップは深くて大きく、使いやすさでソニーα7/9系を上回っていると評価されている。右手だけでも操作可能なレイアウト。シャッターボタンはプロ機とおなじ構造を採用し、とても扱いやすいストローク感覚だ。
正面から金色が消え、ロゴも地味だ。最近の流行に合わせており、目立ちまくるニコンDfと真逆。
背面。親指を添えるサムグリップは強固でこれもプロ機と同等の仕様。先行するソニーに数値スペックで勝てないと分かってるからか、使いやすさやハンドリングといった、道具としての質感で対抗してきた。おかげさまで使用感は良好。ボタン配置は最近のニコン高級機をベースとし、右手のみによる片手操作を考慮している。AF-ONボタンが押しやすく、親指AF運用を積極的に行える。369万画素のファインダーは有機ディスプレイに防汚コート、倍率0.8(ニコンデジカメFX機歴代最高倍率、DXクロップ時1.2倍)と、見やすさを徹底追求された。
ミレーラス機はレフ機より小サイズとなる関係で、大きさの制約からボタンが不足しがちだ。ゆえにクイックメニュー(ニコンはiボタン)を自由にカスタマイズできるようになった。すくなからずのメーカーがずっと前から標準採用してるが、ニコンでは意外なことにZ6/Z7が初だぜ(通常のメニューモードの最後へ付け足す形での類似機能は以前からあったが、ワンアクションではない)。写真だと通信・記録・動画系の項目をすべて操作系へ変更している。RAWでしか写さず、動画もほとんどまったく撮らない。
コマンドダイヤルはニコン中級機で採用されている内容。ユーザーセッティングは1に三脚静物(フィギュアレビュー含む)絞り優先、2にサイレント手持ち絞り優先、3に同シャッター優先を登録。それ以外はわりとノーマル。露出やシャッター関連を細かく設定しておけるが、変更が面倒になれば緑色のAUTOだ。いろんな設定を無視してカメラが「これでええんか?」と即断してくれるぜ。設定を守りつつ判断してくれる慎重な紳士がPオート。
※追記:2度のファームアップでキヤノン機あるいはソニー機に近い操作設定も可能になったぜ!
新旧のメイン機を上から眺めたところ。ミラーレスはスリムだな。ニコンZはしかしこれでもソニーα7系より一回り大きい。ニコンDfはフルサイズ機としてニコンFマウント最小最軽量だが、それでもビッグだぜ。なおニコンZ6とキヤノンの競合機EOS
Rはほぼおなじサイズだ。ソニーの小型化技術はカメラ業界でも突出しており、重さだとバッテリー&メディア込みでZ6とα7IIIは意外なことに25gしか違わない。
ところで私はニコンDfやほかの所有機の感想などでたびたびAFが弱いと文句を言ってたが、ニコンZ6でついに束縛より解放された。このカメラにはシングルポイントAF時にローライトAFモードというものを設定でき、これが最高で「-4EV」に対応している。露出レベルで「-4段」がどれくらい暗いかというと、下の写真くらい真っ暗な状況。右下の丸にピントを合わせた。
※2019/05/16追記 ファームアップで「-6段」へと拡大。キヤノン機の最高性能と同じ。
現像で持ち上げると、ナナチのフィギュアにしっかりピントが合っている。これはニコンDf(最高-1EV)・ニコンD3400(同-1~0EV)・フジフイルムX100T(推定+1~2EV)では、マニュアルフォーカスでないと不可能な芸当だ。ローライトAF時はピントが合うのが通常より遅めになるので注意。明るい場所だと自動的に無効化されるので、ローライトAFを常時オンにしていても問題ない。通常でのZ6のAF感度はF2.0で最高-2EV(※発売時・現-3.5EV)だ。ちなみにZ7は同-1EV(※-2EVへ拡大)と、ちょっと心許ない。ライバルとなるソニーα7IIIはF2.0で-3EV、キヤノンEOS
RはF1.2レンズが必要だが最高-6EVを実現している。数値スペックで勝てないニコンが使いやすさで勝負するのも頷ける。
※追記:パナソニックSシリーズも最初から-6EV(F1.4)だった。
※2019/05/16追記 ファームアップでZ6は「-3.5EV/F2.0」・Z7「-2EV/F2.0」へと拡大。あくまでも明るいレンズ装着時しかも絞り開放での最高値であって、撮影シーンの大半でAF性能は落ちるぜ。ニコンZ6の露出制御はF5.6まで実絞り。肝心な「F5.6時のAF感度」は公開されていない。それはニコンだけでなくソニーやキヤノンもおなじ。ミラーレスは暗いレンズや絞りを絞ればそれだけでAF性能を落とす。おなじ-2EV・-3EV対応としても、AF性能は同グレード帯ならレフ機のほうが上とされてるので、-3EV対応だと喜ぶのは禁物だ。そのためのローライトモードだし。
背面液晶はタッチ操作に対応し、可動式。下の写真で MADE IN JAPAN という文字列が見えるな。ニコンZ6とZ7はスペック&操作系から「入門~中級機」だが、高級機向けの国内生産ラインで製造されている。メイドインジャパン神話はまだ残っており、国外でのセールス、とくにアジア地域での受けが違ってくるぜ。ニコンの社運を賭けている。製造番号は5895と若いぜ。計画だと月産2万台予定だから、初回ロットではないだろうが、ごく初期の生産個体であるのは間違いない。初物でよく起こる初期不良は2ヶ月早く発売されたニコンZ7が踏み台となってくれたおかげで、Z6では修正済みだ。
本体から離れ、アクセサリー類に入る。まずカメラを支えるストラップだが、付属のものは使ってない。初期生産購入の特典として、銀糸で刺繍されたストラップが付いてきたが、やはり使わない。DfもX100TもD3400も純正は未使用だ。
2011年よりオプテックの伸縮ストラップを継続使用している。ニコン純正でも同種のOEM製品があるが割高なので乗り換えずそのままだ。写真はいつものニコン巻き。
バッテリーは新発売のEN-EL15bだが、EN-15およびEN-15aも使用可能。付属は1個で、予備を1つ追加購入。容量1900mAh。
ニコンZ7/Z6のバッテリーライフはスペック表の公値だと300枚ちょっととずいぶん少なく、ソニーα7IIIの半分くらいしか持たないが、それは電源オンで30秒に1枚ずつという規定があるのが関係している。ニコンZはファインダーも液晶も高画素で、電力消費が多い。「使いやすさ」すなわち視認性でソニー競合機を上回った結果、バッテリーライフが短くなった。
30秒間隔での計測だから短くなるのであって、連写ではずっと数をこなせる。それを手振れ補正を切り、物理シャッターも使わない省エネ状態で連写してみると……
992枚まで来ても、上面液晶の電池目盛りは1個も減らない。
1392枚でも減らない。
1828枚で指が疲れたので止めたが、まだ電池の残量目盛りはフル表示だったぜ。ごく最近の機種からの採用となったサイレント撮影、燃費すこぶる良し。このあと撮影結果を液晶で見てると、すぐ目盛りがひとつ減った。
テスト連写はずっとRAW保存時の最高速(秒速9コマ)を維持しており、処理落ちはなかった。支えてるのは秒速400メガで記録するXQDカードだぜ。保存領域がなくなるまで止まることなく連写可能だ。
メディアの記録スロットはシングル。完全なアマチュアというかむしろエントリー機仕様だぜ。レビュー時点での競合2機種のうち、ソニーのほうが2スロットだが、ソニーはα7IIIを入門機扱いしている。とんでもねえ初心者機もあったものだ。同機はスペックの多くでレビューしてるニコンZ6さらにEOS
Rも上回るぜ。システム一式を揃えるのに目が飛び出るような追加出費が掛かるので導入を諦めた。フィギュアを大量に買ってる私に2社マウントは維持できない。ニコン純正ですらF2.8通しズームを一度も買えた試しがないのだ。
20万円とかする高級レンズはメイン用途のマクロだけだな。写真はカールツァイスのミルバス・マクロプラナーだぜ。お値段は中望遠写真用マクロ世界最高額だが、おかげさまで解像力もマクロレンズとして世界トップクラス。
マウントアダプターを介して、ニコンFマウントレンズの大半をニコンZへ装着できる。機能も大半を使用可能だ。ニコンユーザーならアダプターさえあれば追加投資は不要。
説明ではマニュアルフォーカスのピーキング機能が社外レンズで効かないとされてたのに、実際に買うと余裕で使えており、なんの不自由も感じない。ニコンZ7発売後にユーザーの声を受けて知らぬ間に仕様変更されたと思われるぜ。
ところでアダプターを付けてると、中望遠マクロ&三脚使用時のバランスがすこぶる良い。ニコンDfだとトップヘビーでバランス悪かった。キヤノンの100mmマクロは三脚座があるので羨ましかったが、やっと同等のバランス環境を手に入れた。
※2019/03追記:ただしクイックシューをFTZに付けた状態で、FTZの取り外しができなくなる欠点を有する。何度か不便を生じ、原則カメラ側の装着に戻った。フィギュアレビューでは100mm以外で写す構図も多い。
フィギュアレビューの撮影風景だ。マニュアルレンズなら電子ビューファインダー中心で、AFレンズなら液晶中心で写す。ソニーのフラグシップ機とおなじ高画素ファインダー&背面液晶により、視認性は良好。光学ファインダーを超えてるとはよく言ったものだ。電子ビューファインダーは高級機ではすでに光学ファインダーを逆転したとされているっぽい。
AF速度はかなり高速。これまで使ってきた機種がいずれもAF能力の弱いカメラだったため、はっきり言って環境は向上した。Z6/Z7の高速AFはイメージセンサーの受光センサーの間に直接AF専用のセンサーを埋め込み、従来のAFと併用するハイブリッドで速度と精度を両立したもの。詳しくは検索で! 最近のデジカメではわりとスタンダードなやり方。
フィギュアレビュー撮影は1回でだいたい数十分から最長で2時間くらい掛かるので、フル充電からの撮影開始でないと、バッテリーが持たない。露出固定を常用する関係から、撮影が始まれば終わるまでスイッチは入れっぱなしとなる。途中で用事が入って抜けても、ずっと電源オンだ。
そのため量販店の展示機がよく付けてるアレ、外部給電を導入するつもり。ただレビュー時点で現行のアダプターが生産終了となり、2019年1月末に後継モデルが発表&発売予定なので、それまで待つ。ニコンの説明だと後継モデルもZ6で使用可能とのこと。
先のフィギュア撮影風景に混ざってたツールに、カラーチェッカーがある。マクベスチャートと呼ばれるもので、色見本を元に理想の光源で写された色を再現・補正できる。ニコンDfの黄色味を潰すのに屋内外で常用してきた。
これがマクベスチャート、色見本合わせの効果だ。メーカーや発売時期を問わず、どのカメラで写そうがほとんど同じ色を出力する(露出差による明るさは別)。再現している色は理想の太陽光で照らされたと仮定したバランスで、メーカーの個性が否定されるデメリットもあるが、カメラが自動判定したホワイトバランスをそのまま使うなら色味は残る。
裏面照射型CMOSセンサーのお掃除セットはニコン純正のキットを継承。ミラーレス機はイメージセンサーユニットに汚れが付着しやすいので、掃除の頻度はレフ機より上昇した。※追記 購入1ヶ月ですでに「5回」。フィギュア撮影は絞り込むので、個人的に許容できないサイズの目立つホコリが付けば1個でも掃除する。
超音波振動によるイメージセンサークリーニングは長時間化してるが効果はいまいち。自分で清掃するほうが確実だったりする。
レンズはアダプターが必要だが、ストロボやリモコンはそのまま使える。標準ズームが高性能高画質だったので、ワンフェスといったイベント撮影はノーマル状態に純正スピードライトを付けた装備で済ませられそうだ。マクロレンズはお休みかもな。
これで量ると1650gだった。ニコンDfに標準ズーム付けただけで1300gくらいに達するから、ミラーレスの軽量化効果はありがたいな。
スピードライトのストロボ発光は、このカメラで重宝する機能のひとつ、サイレント撮影時には使えない。従来通り、シャッター音をパシャパシャさせながら写すぜ。電子先幕シャッターは利用可能なので、響く音は後幕だけだな。
※2019/05/16追記:電子先幕にはシャッタースピード制限の欠点があったが、ファームアップによりオートで使い分ける機能が実装された。あとはサイレント時の超高速シャッタースピードさえ実装されれば、ようやく先行メーカーと並ぶ。
サイレント撮影は物理シャッターなしで写すモードで、音がほとんど消えると同時に、連写に強くブレも少なく、ついでに電力消費も減るなど多くのメリットをもつが、欠点も抱えている。下がそのひとつで、フリッカーが明滅してる。
分かりやすい例を示す。フリッカーだ。光源の点滅を写真が拾ってしまう現象で、蛍光灯でよく問題になっていたが、LEDでも1/1000秒といった速めのシャッタースピードならフリッカーが発生する。これは物理シャッターではかなり低減できるが、電子シャッターは丸ごと拾ってしまう。ほかにも動きモノが歪むといった欠点をもつ。現在これらを解決するグローバルシャッターの開発がされており、ソニーがコンデジ・スマホ向けのサイズで実用化に成功している――が、10倍以上の面積をもつフルサイズ機はまだまだ先。
※追記 野外撮影でサイレントシャッターの欠点が派手に出た。黄色の丸に「偽色」、赤色の丸には偽色に加え「モアレ(構造模様)」まで浮かんでいる。いずれも安いコンデジやスマホだと日常的に起きる現象だが、物理シャッターを搭載する高価なデジカメではほとんど生じない。物理シャッターにはデジタル由来の様々な不備を打ち消す、あるいは抑制効果があり、サイレントの多用は禁物だ。
ところでマクベスチャートでの補正などの比較をしていて気づいたことがある。
ニコンZの色再現、パねえぜ。これ補正する必要あるのかってくらい。ニコンZ6の画像エンジンは初搭載となるEXPEED6だ。処理されている情報量および正確さはニコンDfのEXPEED3から何十倍に増えてるんだろう。
EXPEEDシリーズ初期は番号がひとつ増えるたび、十倍とか数十倍って凄まじい勢いで処理速度あるいは情報量を激増させてきた。まるでかつてのPC黎明期に起きた爆発的な進化速度で、それだけデジカメというジャンルがエレクトロニクス的にまだ若く成長途上ということだ。
フォトショップが2018年に新設した「Adobeカラー」というカラープロファイルが、マクベスで補正した状態に近い。ニコン標準と並べると、赤以外はおおむね近似だ。
これによって解放される作業がある。下は屋内でコーンスープを写したものだが、まるでポタージュスープのような色になった。じつはカラーチェッカーで野外撮影用に作成したカメラプロファイルを充ててみた。
すなわち、カラーチェッカーのマクベスチャートによる補正は、光源が変われば役立たずどころか足を引っ張るお邪魔虫となる。下のように、なんじゃこれって色になってしまうんだぜ。光源ごとにサンプルを取得し、プロファイルを作成しなくてはいけない。
ところがそれは野外撮影の幅が広がり、機材も増えてくると、現実的じゃなくなる。プロファイルが増えるとユーザープリセットを圧迫する。なのでプロファイルは少ないほど都合が良い――が、ニコンDfはマクベスチャートのカメラプロファイルを通さないと黄色味が出てしまうので、なかなかに苦労してた。
EXPEED6を積むニコンZなら、屋内撮影や夜間の人工灯はプロファイルなしで済ませられる。というより、ニコンZ単体でカメラ運用してサブ機を用意しないなら、カラーチェッカーそのものが不要といえる。それほどまでに高い色再現を誇る。それがニコンZだ。おそらく同世代のほかのカメラ、ソニーやキヤノンも同水準のエンジンを積んでいるとみられる。進歩したものだねえキミ。賢い奴だ。
フォトショップのプロファイルにはカメラ側のほかに、レンズ側もある。ニコンDfやD3400は即座に自動判定していたが――Z6は妙に反応が遅い。
数秒~何十秒か経つと、いきなり内蔵のプロファイルを適用しましたと出る。この表示が出てなくても、すでに適用されているのを、ニコン純正の現像ソフトNX-Dで確認したぜ。いちおうフォトショップのプロファイルも設定できる。
ニコンZのRAWがフォトショップなんのそのって仕様になってるようで、基本カメラ側のプロファイルが優先されるっぽいので、設定で各種補正をすべてオンにした。
ニコンDfなどではオフにしてた項目を軒並みオンしている。RAW現像で、まるでjpgのように設定が反映されるとは。
この仕様にはむろん欠点がある。社外レンズだ。メーカーを選べばそこから先は自動的にレンズを選ぶが、フォクトレンダー・ウルトロン40mmはフォトショップ・ライトルームで新型と旧型の区別がつかない。
社外レンズでの利便性が大きく低下してしまった。Dfでは「それっぽいレンズ」の補正データを勝手に付与してくれていたが、Z6はそれすらない。徹底的なニコン純正主義でいく構えは、純正好きなユーザーにはとくに問題ない。なおニコンのRAW記録は絞り開放付近の減光補正が弱い。どうも周辺減光の補正値が一定あるいは段階ごとなようで、カメラ単体の限界だろう。CPUスペックでデスクトップPCと比べたらいけない。携帯デバイスゆえのサイズ制限を受ける。連写を前提として生成されるデータを瞬時に処理しなければならず、いちいち細かく分析などしていられないだろうしね。
サードパーティー(社外)の自動補正なしは、メインのカールツァイスで不利なように思われるが、なんとまったく悪影響がない。下の写真、見分けはまるで付かないだろう。
ミルバス2/100Mの歪曲は0%だ。周辺光量はF8まで絞れば以降は無視できるし、色収差だけはプロファイルに関係なくフォトショップが見つけて補正してくれる。ゆえに問題とならないぜ。普通に困ることなく運用できている。
以上でニコンZ6のインプレッションとする。事実上の瞳AFだった顔認識といった話題など触れてない情報も多いが、私の撮影スタイルではどうでもいい些末だぜ。システムはニコンZ6をメイン、ニコンDfをサブないし予備として控えに置き、あとはごっそり始末することにした。
※2019/05/16追記:ファームアップで瞳AF実装や連写性能の向上など、基本機能がソフトウェアレベルで伴ってきた。それでもレンズラインアップやバッテリーグリップなし、記録メディア制限などハードウェアの弱さは変わらないぜ。私のイージーな撮影スタイルおよび環境ではまったく困らないが。
ニコンZ6本体のレビューが長文になったので、キット同梱だったレンズやアダプター、さらに関連するツールをそれぞれ別記事とした。
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