標準型戦艦 Cosmic Battleship(F:Cosmic battle ship)
同盟軍艦隊の主力であり、会戦の中心戦力である。大型戦艦がいない戦闘部隊では標準型戦艦が旗艦を務めている。基本性能は長距離砲戦に優れ、中長距離の撃ち合いで実力を発揮する。艦体が棒のように細長いのは狙いを付けて命中精度を高める目的があり、艦全体がライフル銃のような役割を果たしている。同時に敵に正面を向けたときの露出面積が小さくなるので有利である。
生産数は巡航艦や駆逐艦には及ばないものの、かなりの数が制式艦隊を中心に配備されている。艦隊同士がぶつかり合う会戦レベルの戦闘では前面に展開して撃ち合う中心戦力となる。戦闘能力は帝国軍の標準型戦艦や高速戦艦とほぼ互角である。艦首主砲は20cm中性子ビーム砲8門。 艦体から下部に伸びるアンテナに見られるように、同盟軍艦艇は情報収集および伝達のための設備を露出させている。帝国軍が埋設を仕様としているためか、情報電子戦は同盟軍に分があり、艦隊機動のソフトウェアも優れている。そのため条件が同一であれば、同盟軍のほうが若干素早い艦隊行動を取れる。
乗員660名とあるがフルに乗り込んでいるのがごく一部の艦だけであるのは、一個艦隊の一隻辺りの平均乗員数が百数十名でしかないことから明らかである。会戦時には普通の艦には砲撃要員と操艦要員だけいれば済む話で、策敵やら対空防御やら空中戦やら格闘戦やらは他の専用艦に任せてしまえば良いのである。 銀英伝は戦艦のみ標準型(または標準)と付く資料がほとんどである。理由はとくに語られていない。私は旗艦用の大型戦艦と区別するためだと考えているが、アニメ制作時に量産用艦艇として最初にデザインされたのが戦艦だったからという説もある。巡航艦や駆逐艦は戦艦を標準としてサイズダウンしていった、という理屈のようだ。
現在の標準型戦艦は半世紀の運用実績を持っている。建造時期によって細部の形状が変化してきたようだが、現役の戦艦はほぼ統一された外見を持っており、少なくともここ10~20年くらいは目に見える変化が見られないようだ。おなじ艦形を保ちつつも技術発展に伴う細部の仕様更新は繰り返されており、ユリシーズが属する785年型GV-H2などの呼称がある。形状が如実に変化するのは稀少用途の折で、たとえば旗艦専用として建造されるときなどだ。 同盟軍の標準型戦艦は、容積でいえば帝国軍の巡航艦くらいしかない。同盟軍の艦艇は総じて帝国より小さいが、それは同盟軍艦艇が帝国と戦うことだけに特化しているからだ。
自由惑星同盟は歴史的に帝国より財政的に劣勢であった時期が長く続いており、艦艇は効率優先で作られてきた。フェザーンの登場で勢力バランスが硬直した以降もその伝統は受け継がれ、同盟独自のモジュール式工法や機能美を追求したデザインラインは同盟末期まで健在だった。 同盟軍の艦艇には基本的に無駄なところはない。逆に言えば余裕がない。エンジンは一基しかなく、艦尾への被弾は即、機動力の喪失を意味する。濃い大気を持つ惑星への降下が出来ないので、地上戦を前提とした強襲揚陸作戦も困難である(「やっちゃった」感のある惑星レグニッツァ上空戦時はまだ設定なし)。各艦種のペイロードが帝国軍の同艦種より相対的に小さく、長期戦になると補給面で不利になる。旗艦クラスを除いてスパルタニアンは下腹に半開放式で並んでおり、戦艦だと9機である。ここに一撃を受ければ誘爆してたちまち爆散してしまう。モジュール工法の都合で艦橋が比較的前のほうに配置されているのもあまり良くない。 同盟軍艦艇は製造コスト・維持コスト・運用定員のすべてが帝国軍の同種艦艇より少なくて済んでいる。モジュール工法の利点でブロック換装によるバリエーション艦を短期間でかつ低コストで用意できる。補修も壊れた区画を丸ごと交換すれば良いわけで、作業効率が高い。
今日も同盟軍は限界まで突き詰めた低予算で帝国軍に戦いを挑む。せっかくの節約で浮いた差額の少なからずは、軍需産業から賄賂を取る政治業者に吸い上げられてしまっているだろう。それでも同盟軍将兵たちは低コストの薄っぺらい装甲のろくに物資も積めない狭い戦艦にぎゅうぎゅう詰めに押し込まれつつ、ささやかな名誉や大事な家族のため、あるいは安全な場所で金勘定に勤しむ利権屋たちのため、命を賭して帝国軍と戦うのである。
生産数は巡航艦や駆逐艦には及ばないものの、かなりの数が制式艦隊を中心に配備されている。艦隊同士がぶつかり合う会戦レベルの戦闘では前面に展開して撃ち合う中心戦力となる。戦闘能力は帝国軍の標準型戦艦や高速戦艦とほぼ互角である。艦首主砲は20cm中性子ビーム砲8門。 艦体から下部に伸びるアンテナに見られるように、同盟軍艦艇は情報収集および伝達のための設備を露出させている。帝国軍が埋設を仕様としているためか、情報電子戦は同盟軍に分があり、艦隊機動のソフトウェアも優れている。そのため条件が同一であれば、同盟軍のほうが若干素早い艦隊行動を取れる。
乗員660名とあるがフルに乗り込んでいるのがごく一部の艦だけであるのは、一個艦隊の一隻辺りの平均乗員数が百数十名でしかないことから明らかである。会戦時には普通の艦には砲撃要員と操艦要員だけいれば済む話で、策敵やら対空防御やら空中戦やら格闘戦やらは他の専用艦に任せてしまえば良いのである。 銀英伝は戦艦のみ標準型(または標準)と付く資料がほとんどである。理由はとくに語られていない。私は旗艦用の大型戦艦と区別するためだと考えているが、アニメ制作時に量産用艦艇として最初にデザインされたのが戦艦だったからという説もある。巡航艦や駆逐艦は戦艦を標準としてサイズダウンしていった、という理屈のようだ。
現在の標準型戦艦は半世紀の運用実績を持っている。建造時期によって細部の形状が変化してきたようだが、現役の戦艦はほぼ統一された外見を持っており、少なくともここ10~20年くらいは目に見える変化が見られないようだ。おなじ艦形を保ちつつも技術発展に伴う細部の仕様更新は繰り返されており、ユリシーズが属する785年型GV-H2などの呼称がある。形状が如実に変化するのは稀少用途の折で、たとえば旗艦専用として建造されるときなどだ。 同盟軍の標準型戦艦は、容積でいえば帝国軍の巡航艦くらいしかない。同盟軍の艦艇は総じて帝国より小さいが、それは同盟軍艦艇が帝国と戦うことだけに特化しているからだ。
自由惑星同盟は歴史的に帝国より財政的に劣勢であった時期が長く続いており、艦艇は効率優先で作られてきた。フェザーンの登場で勢力バランスが硬直した以降もその伝統は受け継がれ、同盟独自のモジュール式工法や機能美を追求したデザインラインは同盟末期まで健在だった。 同盟軍の艦艇には基本的に無駄なところはない。逆に言えば余裕がない。エンジンは一基しかなく、艦尾への被弾は即、機動力の喪失を意味する。濃い大気を持つ惑星への降下が出来ないので、地上戦を前提とした強襲揚陸作戦も困難である(「やっちゃった」感のある惑星レグニッツァ上空戦時はまだ設定なし)。各艦種のペイロードが帝国軍の同艦種より相対的に小さく、長期戦になると補給面で不利になる。旗艦クラスを除いてスパルタニアンは下腹に半開放式で並んでおり、戦艦だと9機である。ここに一撃を受ければ誘爆してたちまち爆散してしまう。モジュール工法の都合で艦橋が比較的前のほうに配置されているのもあまり良くない。 同盟軍艦艇は製造コスト・維持コスト・運用定員のすべてが帝国軍の同種艦艇より少なくて済んでいる。モジュール工法の利点でブロック換装によるバリエーション艦を短期間でかつ低コストで用意できる。補修も壊れた区画を丸ごと交換すれば良いわけで、作業効率が高い。
今日も同盟軍は限界まで突き詰めた低予算で帝国軍に戦いを挑む。せっかくの節約で浮いた差額の少なからずは、軍需産業から賄賂を取る政治業者に吸い上げられてしまっているだろう。それでも同盟軍将兵たちは低コストの薄っぺらい装甲のろくに物資も積めない狭い戦艦にぎゅうぎゅう詰めに押し込まれつつ、ささやかな名誉や大事な家族のため、あるいは安全な場所で金勘定に勤しむ利権屋たちのため、命を賭して帝国軍と戦うのである。
あああ
あああ
あああ
あああ
軍人駆け出しのヤン・ウェンリーが配属されていた、エル・ファシル守備隊1000隻の旗艦。
司令部の末端に席を置いていたヤンも、エル・ファシルを巡る攻防の前半戦でこのグメイヤに同乗していた。司令官アーサー・リンチ少将は帝国軍の擬装撤退および奇襲への対応を誤り、戦力の大半を失ってエル・ファシルへ逃げ戻った。当時ヤンは若干20歳、一介の中尉にすぎず、作戦行動になんらの影響力も持ってなかったので、敗北の責任はない。
それどころかリンチ少将は民間人の相手を人の良いしかし暇人なヤンに押しつけ、自分と身近の者たちだけでエル・ファシルから脱出してしまった。もちろんグメイヤに乗ってである。
帝国軍の注意がリンチらに向くと読んだヤンは、この隙に民間人300万人をエル・ファシルから無事脱出させ、エル・ファシルの英雄と呼ばれるようになる。
一方のリンチは帝国軍に無様に追い回されて降伏し、グメイヤの艦橋に直接乗り込まれて銃を突きつけられるという、惨めな形で虜囚となった。後にラインハルトの策謀に乗って同盟内部分裂の黒幕となり、「悪者」として終わった。
グメイヤのその後は不明であるが、帝国軍に解体されたにせよ訓練の標的として破壊されたにせよ、リンチ少将と同様の暗い末路しかなかったのは間違いない。 艦名は中国の少数民族プーラン族(布朗族)の創世神話に出てくる巨神グメイヤ(グミヤー)から。射日神話「巨人グミヤーと太陽と月」によると、9人の姉妹(太陽)と10人の兄弟(月)が同時に輝いて世界を熱く照らしすぎるので、グメイヤはそれぞれ1人ずつを残して射殺してしまった。リンチ少将の生き方と通じるところがあるように思える。
司令部の末端に席を置いていたヤンも、エル・ファシルを巡る攻防の前半戦でこのグメイヤに同乗していた。司令官アーサー・リンチ少将は帝国軍の擬装撤退および奇襲への対応を誤り、戦力の大半を失ってエル・ファシルへ逃げ戻った。当時ヤンは若干20歳、一介の中尉にすぎず、作戦行動になんらの影響力も持ってなかったので、敗北の責任はない。
それどころかリンチ少将は民間人の相手を人の良いしかし暇人なヤンに押しつけ、自分と身近の者たちだけでエル・ファシルから脱出してしまった。もちろんグメイヤに乗ってである。
帝国軍の注意がリンチらに向くと読んだヤンは、この隙に民間人300万人をエル・ファシルから無事脱出させ、エル・ファシルの英雄と呼ばれるようになる。
一方のリンチは帝国軍に無様に追い回されて降伏し、グメイヤの艦橋に直接乗り込まれて銃を突きつけられるという、惨めな形で虜囚となった。後にラインハルトの策謀に乗って同盟内部分裂の黒幕となり、「悪者」として終わった。
グメイヤのその後は不明であるが、帝国軍に解体されたにせよ訓練の標的として破壊されたにせよ、リンチ少将と同様の暗い末路しかなかったのは間違いない。 艦名は中国の少数民族プーラン族(布朗族)の創世神話に出てくる巨神グメイヤ(グミヤー)から。射日神話「巨人グミヤーと太陽と月」によると、9人の姉妹(太陽)と10人の兄弟(月)が同時に輝いて世界を熱く照らしすぎるので、グメイヤはそれぞれ1人ずつを残して射殺してしまった。リンチ少将の生き方と通じるところがあるように思える。
セガサターン版およびプレイステーション版ゲームに登場したオリジナル艦種で、原作・アニメ・PC版ゲームには登場しない。同盟軍標準型戦艦の後ろ半分をアイアース級にした、強引な外見である。
旗艦級大型戦艦のモジュールをそのまま標準型戦艦にくっつけるのは、本来は不自然といえる。アイアース級の機能は旗艦用に特化しており、後部にも大型シャトル格納庫・長大FTLアンテナ・大口径対空砲門群など、量産向け艦艇ではなかなか見られない贅沢な装備が多い。
ゲーム中の設定性能は速力以外標準型戦艦とまったく同じでありながら、建造コストは1.67倍もした。運用方法は加速力を生かす手が基本となるわけで、帝国軍の高速戦艦とほぼおなじ、騎兵的な役割を担うと思われる。
旗艦級大型戦艦のモジュールをそのまま標準型戦艦にくっつけるのは、本来は不自然といえる。アイアース級の機能は旗艦用に特化しており、後部にも大型シャトル格納庫・長大FTLアンテナ・大口径対空砲門群など、量産向け艦艇ではなかなか見られない贅沢な装備が多い。
ゲーム中の設定性能は速力以外標準型戦艦とまったく同じでありながら、建造コストは1.67倍もした。運用方法は加速力を生かす手が基本となるわけで、帝国軍の高速戦艦とほぼおなじ、騎兵的な役割を担うと思われる。