萌玩ターム フィギュア用語集

企画
執筆:2008/10

 五十音順の萌えフィギュア用語集。ガレキ愛好者視点がごまんとあるので完成品収集家(コレクター)視点を重視した用語配分だが、言葉の変遷が早いため生きた用語集としてはすでに古い。およそ5万字。

アーケード
 アミューズメントパーク、昔でいえばゲームセンター。そういった場で入手できるゲーム景品の非売品フィギュアをプライズと呼ぶ。

アート
 フィギュアを集める言い訳や理屈のひとつ。良いものは確かにアートと言いたくなる。

アートナイフ
 模型の工作に使用するにちょうど良い切れ味鋭いナイフ。たいてい替え刃式。
 高価だが細かい作業が可能となる。固まったパテを薄く削ったり、PVC模型のパーティングラインを消したいときに大活躍。別名デザインナイフ。

空き箱
 ボックスフィギュアや塗装済み完成品で、中の本体を出した残り。箱を捨てるとフィギュア本体の価値が下がる可能性があるが、気にすると嵩張るだけなので折り合いも大事。

アクションフィギュア
 広義には一部なりとも可動するフィギュア。普通のフィギュアは瞬間を切り取っているので、アクションフィギュアは可動が普通となっているドール系の性格を持っている。
 全身が自由に動く凝ったものは限定的にフルアクションフィギュアと呼ばれてきたが、2006年ごろよりアクションフィギュアがブームとなり、ハイレベルなフルアクションが当然のようにリリースされはじめると、フルアクション物を単にアクションフィギュアと呼称するようになった。

アセトン
 瞬間接着剤剥がしなどでこれが成分に含まれていると、フィギュアの塗装を落とすことができる。百円ショップや日曜大工店で売られているものは、模型店の塗料落としより安上がりなのでリペイント必須アイテムとしてお得。対象物をドボンと沈めて数十分待つ剥離剤と違いアセトンは強力なので、部分的にかけてすぐ綿棒などで拭き取らないと、塗膜下の地肌まで痛めてしまう。

アソート
 チープトイが小売りの基本セット単位でまとめられている状態。特定のアイテムに対しアソート率などと表現。

遊び
 可動や接合に余裕を持たせてる部分。きっちりすぎると部品同士が填りづらいし、何気ないことで過度に力がかかって破損してしまうなどの欠点を抱える。

あたり/当たり
 カプセルやボックスのコレクションで欲しいもの、いいものを引くこと。別に欲しくなくても評価が高いものをゲットすると思わずにんまり。もしくは単品で良いものを入手すること。

アダルトフィギュア
 女性の局部を造形した18禁の世界。ヌードだけでは18禁にはならないが、秘所に花を咲かせたり精液表現をするとアウト。商品ではアニメ系よりリアル系が多く、魔改造では逆が多い。

圧縮機
 コンプレッサーのこと。空気圧縮機。塗装で使う。

アニメキャラクターフィギュア
 記号化されたアニメ絵・漫画絵を立体造型化したフィギュア。フィギュアの意味が微妙に変化する前、萌えなフィギュアの黎明期(1980年代〜1990年代はじめ)における呼び名。

アニメ人形
 マスコミがオタクを題材とするときたびたび登場し、非オタクに馴染みがないフィギュアを代用する単語として用いられる。
 元はフィギュアブーム以前に使用されていた言葉で、主にソフビ製のアニメ系ドールを指し、ハンドメイド品も意味する。

アニメフィギュア Anime figure
 フィギュアの題材にアニメのキャラクターが圧倒的に多いことによる表記で、国内での使用率はさほど高くないが、海外だと普通に呼ばれているようだ。元がアニメでないフィギュアも含めるので、広い意味合いがある。
 21世紀に入ってぽっと出てきたので、黎明の呼び方であるアニメキャラクターフィギュアとの連続性(省略形等)はない模様。

脂/油
 フィギュアに付着した手の脂は微生物のエサとなり、排泄物の酸やアルカリが強い場合フィギュアを傷つける。脂性の人や、子供に触られたときも要注意。対策は水洗い。

合わせ目
 パーツ同士の接合部。色が変わる境界や凹凸の激しい部位を合わせ目にしてるとあまり影響はないが、連続する表面に合わせ目が走ると見た目に安っぽくなる。

アンテナ
 情報収集源の数や範囲。おもにネットや雑誌。フィギュアの人気タイトルは予約段階で売り切れてしまうので、わずかな情報格差が決定的な違いを生む。

生き人形
 江戸や明治のころからあった超リアル志向のドール系人形で日本製。物語ではホラー系でよく登場する。

一発抜き
 型抜きパーツひとつで完成品とすること。かつてチープトイの大半は一発抜きで、さらに人件費が高い国内生産のため彩色もろくにされなかった。複雑な部品を一発抜きで作ってみせる職人芸がたまにある。

イベント
 模型方面ではずばりガレージキットの展示即売会を意味する。年2回行ってるワンダーフェスティバルが最大規模で、2〜3万人が訪れる。もっぱら大都市で開催される。


 特定のフィギュア(キャラ)に萌えまくり、いきつく中途段階の呼び方のひとつで年齢差が小さいとき使用。他には「恋人」「娘」などがある。

色移り
 擦れなどの結果、色が接していたパーツに移ってしまうこと。消しゴムが結構活躍する。

色違い
 リペイントと重なる。おなじ原型からの商品化で、配色を部分的、あるいは全面的に変えたもの。おなじタイトル内に混入していることもあるし、再販や別の販売形態で登場することも。カラーバリエーション。

色っぽいフィギュア
 そのまんま。

色ぽフィギュア
 色っぽいフィギュアの略だが事実上の正規表記。「ぬるぽ」の字数・語呂合わせか。大人キャラも包括できる表現。

インテリア
 フィギュアを集める言い訳や理屈のひとつ。エロいもの以上にまず、出来が良いものを一定数揃える必要があるかもしんない。

インナーブリスター
 箱詰めの塗装済み完成品を直接包んでいる、透明な合わせ型ブリスター。
 台紙などを使わず、成形されたブリスターを2ないし3パーツ合わせて、フィギュアを固定し保護する。密閉度が高すぎると可塑剤の害の元となる。

ヴィネット
 ちいさなジオラマ。箱庭造形。

ウエルドライン
 成形時にプラスチックの流れが乱れたとき、部品の表面に生じる不良線。作ったとき目立たなくても、下地処理なしでディテールアップの墨入れを行うと浮き出ることがある。モールドラインの一種。

内袋
 カプセルフィギュアやボックスフィギュアを直接保護しているビニール袋を内袋と呼ぶことが多い。カプセルや外箱に対応して「内」と呼んでいるようだ。

内ブリスター
 インナーブリスターの俗称。塗装済み完成品を直接保護する。

売り切り
 作ったぶんがみんな売れてしまったらそれで終わりという商品、商材。フィギュアは再生産率が低い。

売り切れ/売切
 小売店舗の在庫がなくなること。フィギュアだと一度売り切れたらメーカーや問屋の在庫が残ってる保障はなく、再入荷は厳しい。

エアキャップ/エアーキャップ
 フィギュアを保護する梱包材で、空気袋が小さなタイプはいわゆるプチプチと呼ばれる。ネットオークションで活躍する。別名エアクッション、エアパッキンなど。

エアクッション/エアークッション
 梱包材の一種で、小さな空気袋をシート上にしたタイプや、長さ10cmほどの大きな空気袋を束ねたものなどを指す。小さなタイプはいわゆるプチプチと呼ばれたりする。別名でエアキャップ、エアパッキンなど。

エアクリーナー/エアークリーナー
 小型のスプレー。圧縮空気の力で掃除しづらい部位の埃を飛ばすオフィス用品だが、フィギュアにも使える。繊細なポリストーンやガレージキット、折れる危険があるABSには必須。

エアスプレー/エアースプレー
 缶スプレーの総称。塗装で使用するお手軽な缶スプレー、エアブラシ用の圧縮空気をため込む専用空気缶、エアクリーナー用のスプレー、エチケット用スプレーなど。

エアパッキン/エアーパッキン
 梱包材の一種で別名エアキャップ、エアクッションなど。空気袋が小さなタイプをプチプチと呼ぶ。

ATBC-PVC
 非フタル酸系ポリ塩化ビニール樹脂。燃やしてもダイオキシンがないぶん安全だが、PVC添加物の悪影響を否定できるわけではない。可塑剤業界は毒性を否定しているが、PVC製手袋が食品業界で使用されない、子供向け玩具には不揮発性の可塑剤が添加されるなどの現状を見るに、行き場を失った揮発性可塑剤が素材の安価さを求められる大人向け玩具に集中している、と見るのは普通の思考だろう。

ABS
 アクロル二トリル・ブタジエン・スチレン樹脂。衝撃吸収性に優れた耐久消費財用の強化プラスチック。
 小型の食玩や塗装済み完成品の一部(フィギュアの脚部等)として利用される。エッジがシャープに出るため、細かいディテールをうまく再現できるが曲げに弱い。安定した長期ディスプレイが可能。

SP/エスピー
 シークレットのことで、スペシャルの略。シークレットアイテムはいわゆる和製英語。

エッジ
 パーツの角や縁。鋭くかつ硬くしてしまうと指を滑らした不注意な餓鬼が赤い血を流して泣き喚き親がメーカーに怒鳴り込む事態となるので、エッジがきついつまりそれだけディテール重視の模型には、年齢制限が欠かせない。

エッチフィギュア
 エロフィギュアとほぼおなじ意味だが、使用頻度は低い。

エラー品
 不良品のことだが、「嬉しい誤算」的な意味合いを含むこともある。その場合は不良品といっても収集の対象となる。エラー品収集でポピュラーなのがコイン。

エロフィギュア
 文字通り。18禁なことを指すこともあるが、パンツがエロいとか胸部の乳首が作られているといった、程度の差で表記されることが多い。

延期
 フィギュアの発売延期はよくあり、一部メーカーのそれは仕様ともいえる。延期の理由はいろいろあるが、再販率が低い、つまり完全に頭数を揃えないと販売しづらいのが大きな理由。
 予想以上の受注があると追加生産で延期される。日本の商慣習が通用しづらい中国工場の都合や、開発に手間取っても延期となる。

お子様パンツ/おこさまぱんつ
 ロリコンが喜ぶもの。フィギュアでもしっかりと造形される。

おっさんホイホイ
 30歳前後から上の世代に当たるおっさんが飛びつくように反応する、ハート直撃的に懐かしいもの。

おたく/オタク
 対象年齢の高いハイクオリティ造形の玩具を購入する集団は、ほぼ全員がオタクである。おたく文化はアニメを中軸としているので、そのキャラを題材としたフィギュアが大勢となるのも自然の理。

大人買い
 資金力にものを言わせた主にボックス単位のまとめ買い。あるいは小売りの大量買い。子供や青少年も欲しがるものでない限りこの呼称は使うべきでないらしい。

鬼袋
 不人気商品しか入ってない旨を逆に売りとしている福袋。値引き率は最高クラス。

鬼回し
 カプセルトイの自販機を1人が1度で大量に回すこと。大人買いに通じる。

オフィシャル
 公式。コレクターはオフィシャルものに弱い。

オフィシャルフィギュア
 公式アイテムなフィギュアで、限定品が多い。

おまけ
 おもに食玩を指すが、ボックストイやカプセルトイも示す。つまりはチープトイの、一番古い呼び名だといえよう。雑誌付録やDVD特典等のフィギュアも同様なので、かなり幅広い意味を持っている。

おまけフィギュア
 おまけのうち、フィギュア。食玩に限定すれば、2000年代前半に非おたくも巻き込み大ブームとなった。

オミット
 省略・簡略すること。ディテールのオミット。

お湯
 自重等で変形したPVCを直すときに活躍する。触るとやけどするていどの湯に入れて出し、手で修正したあと、冷水や冷蔵庫で固定するという方法。湯は高温だと変色といった危険があり、ドライヤーのほうが安全。

温感塗料
 可逆性示温剤の技術を用いた塗料で、暖めると退色するタイプをクリアPVCに塗るか成型色として配合しておけば、スケスケギミックを演出できる。ほかに普通に変色するだけのタイプがある。

女の子フィギュア
 フィギュアに疎い非オタクの人がとりあえず呼称するときや、コケティッシュに表記したいときなどに用いられる。

カートン
 卸売り段階の販売単位で、段ボール詰めレベルのもの。
 ボックスフィギュアだとボックス状態で10箱入りといった感じになる。商品や会社毎でカートンの内容数には差がある。

ガールフィギュア
 ドール系にも重複し、女性による使用は抵抗感が低いようだ。意味的に微妙な位置にいるため、使用頻度は低い。

改造
 購入者が玩具商品の初期状態に手を加えてメーカーの仕様外の状態に作り変えること。失敗したら単に壊したことになる。完成品のメーカーからすればすべての改造は壊したと判断され、サポート対象外。

海賊版キット
 国内外で複製されるガレージキットの偽物で、原型でなくキットから型取りするので正規品より劣化している。
 おもにネットオークションでいかにも外国製の正規品を装って販売される。コスト削減のための混ぜものがしてある場合は、乾いた粘土の塊のような、半端で脆い論外の異物と化す。

海賊版フィギュア
 国内外で複製される塗装済み完成品の偽物、または版元の許諾を得ず勝手に作られたフィギュア。種類は海賊版キットほどではないにせよ、生産数が多いのが難点である。偽物だと原型はもっぱら正規品を用いるので、劣化の度合いはキットとは比べものにならない。無許可品のほうはまっとうな審美眼を持つ日本人の監督を受けないので、ほぼ100パーセント泥人形である。
 こいつらに手を出すのは、金をドブに捨てるようなものだ。

ガイドピン
 工業用語で部品合わせのズレを防ぐ突出のこと。ダボと同じ。

開封
 フィギュアの内袋や箱を開け、封印を解いた状態。またはその瞬間。一般的に未開封より価値は下がるが、飾って愛でるためには避けて通れない。待ち望んでいたフィギュアであれば、開封した直後は至福。

開封品
 開封したフィギュア。開封直後のフィギュアの表面には、潤滑用のシリコンや気化した可塑剤の残留が薄く付着しており、洗浄してしまう手もあり。

海洋堂
 食玩ブームの火付けとなるチョコエッグを手がけたり、ワンダーフェスティバルの運営を途中から受け継ぐなど、フィギュア業界の牽引役を果たしてきたメーカー。米国のオークションにて16億円の値がついた全裸オナニー射精少年「マイ・ロンサム・カウボーイ」の原型・制作も、海洋堂所が手がけている。


 人型フィギュアの命。評価の半分ないしそれ以上が顔で決まり、とくに目・鼻・口の3パーツの出来と配置バランスが重要。

ガキ/餓鬼
 フィギュアの大敵。コレクションルームに絶対に入れては行けない。なにかあっても「子供のやったこと」「いい大人なのだから」という理屈が伝家の宝刀を抜く。

角度限定
 ベストアングルから見ることを重視したデフォルメ要素の強い造形、あるいは原型師の作風などにより図らずもそうなった状態。

重ね塗り
 美しい発色を目指すなら必須だし基本。趣味には何事にも時間が掛かるもの、早急にキメようとすると失敗する。重ねると微妙な調整が可能となる。塗装済み完成品でも2003〜2004年ごろから重ね塗りが普通になってきた。

ガシャガシャ
 カプセルトイの古典的一般呼称。稀。

ガシャポン
 カプセルトイの一般呼称。バンダイの登録商標。

可塑剤
 PVCを軟らかくするもの。気化しやすく、人体にもあまり良くない。PVCフィギュアはそういう意味で秘かに毒。

ガチャガチャ
 カプセルトイの古典的一般呼称。

ガチャポン
 カプセルトイの一般呼称。トミーの登録商標。

金型
 PVCやABSのパーツを成型するための型で、通常は名前通り金属製。長持ちするので数千個単位の大量生産に向く。PVC収縮の問題もあり、開発の段階で一発で型が完成することは少なく、テストショットを元に修正を加え、造り直すことさえある。

カビ
 フィギュアの敵。部分的に変色してしまう。可塑剤が抜けた古いフィギュアを湿度の高い環境に放置しておくと、まれにカビが発生する。被害は幾つかのマイナーメーカーに集中しており、あまり質のよろしくない材料が原因だと思われる。

カプセル
 カプセルトイを保護するボール型透明プラスチック容器。採算が取れる見込みがないためか、カプセル回収および直接リサイクルは一般的には行われていない。

カプセルトイ
 カプセル混入のチープトイ。なにが出るかはランダムで、大半が数〜十数種類のコレクションを構成する。カプセルの形に影響されるため部品が曲がりやすい。

カプセルフィギュア
 カプセルトイの中で、フィギュアを指す。大きさに制約があるため、全体的にボックスフィギュアより出来は落ち値も安い。中国のコスト高騰で大人好きする凝ったタイトルが減っている。

カマボコ
 脚部だけを保持する半透明の台座の俗称で、主にバンダイ系列が使用する。
 カマボコと呼ばれるとたいてい悪いイメージで使用される。

神造形/神造型
 感動や興奮を覚えるフォルムや形状の奇跡。部分的に良くてもダメで、全体の調和が要求される。

神塗装
 素晴らしいとしかいいようのない塗り。量産品で神塗装と呼ばれるにはグラデーションと重ね塗り、ムラのないタンポ印刷が必須で、原色ないし近い色合い、ベタ塗りはあかんぜよ。

神フィギュア
 最高に良いフィギュア。邪神や泥人形と対になるもの。

紙ヤスリ/紙やすり
 模型を塗装ないしリペイントする前に行う下地造りの際、研磨作業に多用する。おもに耐水性(耐水ペーパー)を用い、水に塗らして発熱と埃を抑えることでプラ素材の余計な摩耗を防ぐ。

カラーキャスト
 カラーレジン成型。

カラーバリエーション
 色違い、カラバリ。ひとつの原型から商品を増やす常套手段。一部パーツやシチュエーションを変えることも。

カラーマスター
 彩色マスター、ペイントマスター。スケール物のマスターは一度では終わらず、テスト段階を幾度か踏む。

カラーレジン
 素材レベルで色の付いたレジン。成型色。サフレス&グラデ中心で行くと塗装が楽になる。

カラバリ
 カラーバリエーション。

ガラスショーケース
 ショーケース。総ガラス貼りの大型飾り棚。フィギュアが一定量溜まったら、まとめて飾るのに購入を考えたほうがいい。安ければ新品が2〜3万円台である。

空箱
 ボックスフィギュアや塗装済み完成品で、中の本体を出した残り。

ガレージキット
 おもに手作業で作られる模型のキット。フィギュアだとレジンキャスト製が主流で、鋳型がシリコンで脆いため量産は数十個が限界だが、原型のディテールを高レベルで再現できる。ただし個体差は激しい。
 徹底的にこだわる傾向があり、名作が誕生しやすい。したがってガレキからの塗装済み完成品化も多い。生産数が少ないので値段は高く、キットの段階でおなじ大きさのPVC完成品より高くなる。
 完成品のレベルが高くなるに従い、ガレキを組み立てる人は減っている。

ガレキ
 ガレージキットの略。

玩具
 おもちゃ。おたくが歳を取ってもおたくを止めなくなった今日、玩具の幅は本当の子供向けから大人をターゲットとしたものまで幅広い。
 大人向けはレベルも高くなるので、いまの玩具の技術水準は高まる一方だ。日本の十代以上を対象とする玩具はその精巧さにおいて世界史的にも類を見ない高みに君臨している。かつて西洋の貴族階級向けに発展したドールのそれと似たような現象。

玩具レビュー
 玩具をレビューすること。対象はおもに大人向けの精巧なロボ(メカ)やフィギュア。

緩衝材
 輸送時の衝撃や揺れから対象物を保護するもの。フィギュアでいえば塗装済み完成品のブリスターや色移りを防止するビニールの覆い・袋がそれ。ほかにエアキャップ、オークション時によく使われる新聞紙など多種多様。

缶スプレー
 塗装作業用途のスプレー。既成色しか使用できず、微妙な吐出量の加減も難しい。

完成品
 塗装済み完成品の略。

完成品サンプル
 部品がすべて組まれ、色も塗られた完成予想な参考品。原型の複製をとりあえず塗ったものからマスター品、試作サンプル、量販店向けの発売直前サンプルまで、複数の段階がある。塗装サンプルとほぼ同じ。

完成品フィギュア
 塗装済みのフィギュア。狭義ではガレキでなくホビー商品を指す。

完品
 おもに中古や開封品で、すべての部品が揃っている状態のこと。もしくはそれに加えて状態が良いこと。


 木はもっとも古典的でかつ長期に渡り模型の主要素材だった。現在でも建築物や帆船の模型でたびたび用いられる。ソリッドモデル。

キット
 買ったあとに工作を必要とする商品。完全な子供向けを除けば昔はキットが普通だった。

揮発成分
 液体の蚊取り器、芳香剤、消臭剤、バルサン等ゴキブリ駆除剤などの成分は、空中に拡散した後なにかに触れると成分が吸着してしまう可能性がある。
 PVC等への影響は不明だが、日進月歩の開発競争により日々成分が変化しているので、いまは平気だとしても将来どのような変質・劣化をもたらすものが登場するとも限らない。知られていないだけで悪影響を与えるものがすでにあるかも知れないので、日常的に揮発製品を使用している室内環境であるなら、定期的に洗浄などの対策を取っておいて損はないだろう。

気泡
 成型時に空気が残ってできる。おもにガレージキットの表面加工の手間を増やすもので、工業製品だと稀。

ギミック
 仕込み、仕掛け。
 フィギュアに限ればもっとも一般的なのはスカート脱着ギミックと、首を動かせるギミック。部品交換ギミック(コンパチ)や脱衣ギミック(キャストオフ)、レアなところで温感退色で透けるギミック、蓄光により暗所で光るギミックなどもある。ギミックの採用は数百円単位のチープトイに多いが、競争が激しくなってきた2005年以降は数千円台の大型フィギュアにも増えてきた。

キャスト
 直訳で「型」。鋳型に流し込んで成型する製法で、単にキャスト製と言えばもっぱらガレージキットの製法を示す。

キャストオフ
 広義では外部装甲排除や脱衣といった、特別な意味を持つ部品が外れるギミック。萌えフィギュアのキャストオフ実装は売上げに貢献する。

キャストキット
 ガレージキットと同義。キャスト製法によるキット、という意味。

キャラ買い
 萌えた特定キャラのフィギュアを出るたび集中的に買うこと。

キャラクター
 性質や性格、または現実には存在しない創造された架空の存在で、通常は物語の登場人物。

キャラクターフィギュア
 版権管理にうるさい会社が許諾したキャラを立体商品として展開したときの呼び名としてよく用いられる。ディズニーやハローキティ、宮崎アニメなど。

キャラクターモデル
 スケールモデルと対比して使用されたりする。単純にはキャラクターの立体化のこと。関連商品であればなんでもキャラクターモデルと呼ぶこともある。
 キャラの顔を印刷しただけの文房具も、いわゆる立体であるのは間違いない。

ギャラリー
 濃い模型店にたびたびあるもの。店主ないし常連客がガレージキットやプラモデルを完成させた作品を飾ってあり、そのまま販売していることもある。
 または完成品のサンプルを常時展示しているショーケース。

ギャルガシャ
 フィギュアのうち、カプセルないしボックスものを指す。「ギャルフィギュア」と違い、若い人も使う。

ギャルガチャ
 ギャルガシャに同じ。

ギャルフィギア
 多分ダブル中年属性。うかつに使うと確実に格好悪いかも?

ギャルフィギュア
 風俗っぽい響きゆえか、使用するのは主におっさんか、フィギュア趣味にあまり馴染みがない男性が多い。Q-joy
 萌え方面のアクションフィギュアブームに参入したバンダイが投下したブランド。萌えには通常と異なるアプローチが必要だったが、同社は自社ヒーロー物のノウハウをそのまま流用してしまい、結果的にワイルド感溢れるプロレスラーをリリースする羽目となった。しかもQ・J・O・Yをカナ変換で打つと「た・ま・ら・ん」となることが判明し、好事家の間で静かにブレイクした。
 参考レビュー、第1弾涼宮ハルヒの憂鬱、第2弾シャナ&ななついろセレクション、第3弾らき☆すた

教徒
 信者とおなじ。特定属性・タイトル・原型師・キャラなどへの傾倒を示す。おたく趣味は宗教に似ている。

巨乳
 巨乳好きが喜ぶもの。

空気穴
 PVCフィギュアの未開封品を気化可塑剤の充填による早期劣化から守るもの。

グラデーション
 スプレーを用いて単調な下地色ないし素材色に色のムラや遷移を作り、表現に深みを持たせる。一般には元に近い色で行われる。
 高級感・リアル感を出す重要な工程で、売れるフィギュア、魅せる作品とするには必須の技法。肌色成型部のグラデはお手軽リペイントの障害になっており、カバーする腕が必要となる。

クリア
 クリアパーツないしそれのみで構成されたアイテム。不評なので2004年以降はめっきり減った。クリアのスカートはカラー版と取り替えるとエッチだ。脱着ギミックを採用したスカートにクリア部品を採用し、外側だけ塗って肌への色移りを防ぐという工夫がある。

クリアキャスト/クリアーキャスト
 透明なガレキ素材成型で素材は複数。需要も生産も少ない。手流し品の気泡は宿命とも言えるのでご愛敬。

芸術
 フィギュアを集める言い訳や理屈のひとつ。

経年劣化
 フィギュアが有機物質の塊である以上、避けられないもの。安定状態になろうとする変質は石油加工品の宿命。
 光(紫外線)、熱、密閉、接触反応などの諸条件により加速する。

消しゴム
 擦れ等による軽い色移りを落とすのに重宝する。化学変化による色移りは消しゴムでは無理。

消しゴムおもちゃ
 PVCをカプセルトイの主流素材と成した革命商品で、マルカ社の試行錯誤から生まれた。成型に向くため採用されたPVCには鉛筆の字を消す性能はほとんどなかったが、子供へのセールスを考えあえて消しゴムの名で売られた。
 以後進化をつづけたPVCは、やがて精緻な大型彩色フィギュアへと繋がってゆく。

欠品
 おもに中古や開封品で、部品が欠けていたり、一部が破損している状態。新品にも当てはまる。

原型
 漫画でいうところの生原稿にあたるもの。フィギュアの原型は各種パテを盛って削るのを繰り返して作られることが大半。これを型取りしておなじものを生産する。

原型師
 フィギュアの原型を作る人。「師」と呼ぶように、マニアには普通、尊敬の対象となる。量産用フィギュアの原型を継続的に担当するとプロであり、普通はフリーランス。海洋堂など一部の有力メーカーは優秀な原型師を社員として囲っている。
 プロといってもチープトイでは原型師名が出ないことが多い。原型師はフィギュアブームに伴う量産を前提とした新しい表記で、より少数生産の古い表現で造形(型)師がある。こちらのほうが言葉に込められた尊敬の度合いはあきらかに高い。

原型師買い
 特定の原型師の造形に惚れ込み、その名が出たらとりあえず買うこと。漫画や小説における作家買いとほぼおなじ。

原色
 子供向け玩具はふんだんに原色を使っているので、フィギュアにおける原色彩色は不評である。とくに髪の毛。

限定品
 イベントやショップ、時期、初回などでしか扱わないアイテム。購買欲をそそるカラクリの一種。

限定フィギュア
 限定品のフィギュア。

恋人
 特定のフィギュア(キャラ)に萌えまくり、いきつく中途段階の呼び方のひとつ。

交換
 トレーディングフィギュアの名前に即して現物同士で取り引きする行為。フィギュア取り引きに占める割合は低い。または不良品をメーカーに引き取ってもらい、ちゃんとした商品を送ってもらうこと。
 不良部分を自分で直そうとして失敗したものは「壊した」と判断され、サポート対象外となるので要注意だ。

交換会
 コレクターの絶対数が少ない関係でフィギュアのトレードはネット上が多いが、交換会では実際に顔を合わせた不特定多数で行う。交換レートの差が埋まらず金銭を絡めることもある。

光沢
 仕上げ塗装で表面をテカテカにする。瞳のトップコーティングや、革および金属の質感を出すために必要。

コールドキャスト
 ポリストーン樹脂をシリコン型に入れて硬化させる製法。硬化時に発熱しないのでコールドと呼ばれる。コールドキャスト製品は、コールドキャスト製法によって作られた品という意味。

極悪アソート
 ノーマルコンプに必要な平均投資額と、フルコンプに必要な見込み投資額の差が極端なアソート状態を指すことが多い。逆は良心アソート。

個体差
 量産品の宿命。良いものがあれば悪いものもある。

固定
 取り外しを前提としたギミックは部品の固定がちゃんと出来てないとダメ。

コミックフィギュア Comic figure
 海外でオタク向けフィギュアを指す呼称のひとつで、主にアメコミトイを指しているようだ。

コレクション
 狭義では複数のアイテムでひとつのタイトルを成すもの。カプセルトイやボックストイの大半はコレクションを形成している。広義や一般では個人の趣味嗜好によって収集されたアイテムの一群。

コレクションフィギュア
 コレクションのうち、フィギュア。一般名詞でどこも商標登録できないので、単語を入れ替えただけのフィギュアコレクションと共に、後発メーカーのシリーズタイトルとして使用される率が高いし、メジャーメーカーも使う。

コレクター
 集めることを趣味の主幹としている人のこと。

小レビュー
 ミニレビューの別名。

混入率
 コレクションにおいて、どのトイがどれだけ入っているかという割合。別名アソート率。ジャンルが異なるが、これがトレーディングカードとなると封入率と呼ぶ。

コンパーチブル
 両立、互換といった意味。ひとつのフィギュアが部品交換などによって2種類以上のディスプレイ状態になれる、ギミックの一種。
 厳密な定義は難しいが、メーカーがコンパチと宣言したらとりあえずコンパーチブル。ボックスフィギュアでの採用率が高い。複数のタイトルに跨って再現されるコンパチもある。

コンパチ
 コンパーチブルの略。

コンプリート
 コレクションが揃うこと。揃った状態。

コンプレッサー
 圧縮用途の機械。模型趣味でコンプレッサーといえば空気圧縮。エアスプレーに使用する。

梱包材
 おもに封印状態のフィギュアを破損や変形から保護するための内部材で、大きなフィギュアでは固定状態として安定させる。
 色移り防止に挟んだビニールの切れ端や、小袋ごとに分けたビニール、内部ブリスターにしっかり固定するのに使用される針金、細かい部品を止めるテープなども指す。

サーチ
 リサーチした重量・位置・振った状態等の既成情報を元に、店頭でボックスフィギュアタイトルの特定アイテムを見定める行為。
 サーチが成功すると「抜き」と言われる。失敗すれば間を抜き、すなわち文字通りの間抜け。

サーモカラーセンサー
 示温剤のこと。

彩色済み/彩色済
 完成品のこと。

彩色済みフィギュア
 チープトイの立体物は誕生以来しばらくは単色だったが、90年代はじめ以降プラモデルがカラフルになるに従い、倣って細かく色を付けるようになってきた。今ではいちいち彩色と断ることは少ない。

彩色フィギュア
 彩色済みフィギュア。

彩色マスター
 塗装見本品、ペイントマスター。原型の複製を上手い人や原型師が塗装したもので、この通りに塗ってくれという工場向け。消費者に完成サンプルとして公開されることもよくある。

最終原型
 原型の完成品。最終といっても原作者などの監修などにより、さらに細かい修正を加えることがある。マスター原型。

サイズ
 普通はフィギュアの大きさだが、スケール(縮尺)を指すこともある。

再生産
 フィギュアは量産工程の多くが手作業で、生産に時間がかかる。
 流動するニーズに合わせた適度な生産調整が困難であるため、本やデジタルメディアのように少量ずつ小出しするといった安全な再生産は難しい。

材料色
 素材そのものが本来持つ色。加工して色を付けた場合も材料色と呼ぶが、成型色がより妥当か。

支え
 見映え優先によりバランスの悪いフィギュアも多いが、それらが傾斜せず夏場の暑さを乗り切るために必要なもの。格好悪さを気にしてはいられない。
 ディスプレイケースの壁面に立てかけたり、別売りのスタンドを使用したり、秋まで収納したり。

サフレス
 ガレキでサーフェイサー等の下地層を作らず、レジンの上へ直接塗料を吹き付ける。発色が良いとされるが、経年劣化によるレジンの変質が、見た目にダイレクトに波及してしまう。

サンプル
 商品のサンプル。開発段階でいろんなサンプルが存在し、一般向けに公開されることが多いのは原型の複製を塗装した彩色マスター(ないしは原型そのもの)や、本格的な量産前に中国の生産ラインでごく少数を試しに完成させたもの。

仕上げ処理
 塗装前、下地塗装(ガレキ)、本塗装といった各段階の最後に行う作業工程のこと。出来や印象を大きく左右する。

シークレット
 一般にはコレクションの中でアソート率の低いレアアイテム。もしくは直前まで公開されない単なるお楽しみで、アソート率はノーマルとたいして変わらないもの。

ジオラマ
 フィギュアの周辺風景を再現して物語性を持たせたもの。

示温剤/示温材
 温感変色ギミックに用いられる。種類が豊富で、発色・変色・退色の3パターンがある。変化後の性質は戻らない(不可逆)・元に戻る(可逆)の2タイプに分類され、フィギュアには退色・可逆や変色・可逆の組み合わせで採用される。サーモカラーセンサー。

紫外線
 フィギュア最大の強敵。プラスチックの結合を弱め、レジン、PVC、ABSなど素材を選ばず本体そのものにダメージを与える。最大の発生源は太陽。
 長期間日光下で無事なプラスチックはPPE(自己修復プラ)やコーティングFRPなど数えるほどしかない。直射日光にフィギュアを晒すディスプレイは論外。明るい照明も紫外線を発する。

シクレ
 シークレットの略。

試作サンプル
 原型師が一通り作ってみて、企画者や監修者に提示する暫定的な完成品(未塗装も含めて)。メーカーの指示を受け、工場がまず少数だけ作ってみた参考品。

地震
 フィギュアの大敵。とくにポリストーンにとっては壊れるかという瀬戸際に立たされる天敵。

下地色
 重ね塗りを前提とした本塗装作業の初期に塗る色。濃い(暗い)色から、薄い(明るい)色から、と大きく2つの手法がある。

下地処理
 ガレージキットやプラモデルを本格的に組むとき行う。継ぎ目を消し、表面をならし、塗料の食いつきを良くしてから塗装工程に移る。

支柱
 スタンドの柱本体。

自動販売機
 カプセル自動販売機のこと。専門用語でベンダー。アーケードの景品ゲーム機は遊戯を提供して景品はあくまでおまけなので自販機とは呼ばない。

自販機
 自動販売機の略。

自販機フィギュア
 カプセルフィギュアのこと。お店側の人が使うことが多い。

しまパン/縞パン
 しましまパンツはおたく受け模様の象徴。20世紀末に突如として出現した新しい属性。白地に水色が一番人気だが、様々なカラーバリエーションを持つ。横方向の縞が基本。
 フィギュアの縞パンはけっこう見かけるが、現実では圧倒的少数派で子供用に多い。邪神
 値があるていど張るくせに肝心のお顔の出来が不気味なフィギュア物体の蔑称。PS2ゲーム「ゼノサーガII」限定ボックス特典フィギュアのコスモス(邪神名モッコス・右写真)が起源。フィギュアは顔が命。フィギュアレビュー邪神モッコス

ジャンク
 状態が良くても、箱を捨ててしまったフィギュアや、箱ありでも非接着だった部品を接着したものはたびたびジャンクと呼ばれる。
 原状をもっとも価値があるとする収集家視点の価値観による。

縮尺
 スケールとおなじだが、おもに乗り物模型。

受注生産
 生産量を確定させてから量産する、安全な商売方法。

純白
 純潔の象徴であり、フィギュアのパンツでもっとも多数派となる色。現実のパンティーでは少数。白はおたくの理想であり願望であり桃源郷。白いパンツは女児用に多いので、すなわちこのロリコンどもめ! ロリ魂は純白に宿る。

使用済
 ……いわゆる、精子をぶっかけられたフィギュア。中古フィギュアは必ず使用済であるという都市伝説が繰り返し発生する。

ショート
 直訳はそのまんまで少なくなること。店側が注文数量を確保できないと、予約調整で運がない人はキャンセルを食らったり、再販に回される。

初期原型
 修正を前提とした最初の原型。模型は全体が一通り出来上がってみないと、部分のリテイクが難しい。

重量調整
 ボックスはカプセルと違い手に持って選べるので、重さであるていどのリサーチができる。そういった抜き行為を防ぐため、軽いものに重りを入れて対抗することがある。コストがかかるため余力のある企業にしか出来ない。

瞬間接着剤
 ガレキ組み立てや表面処理に欠かせないものだが、PVC完成品にも重宝する。
 格安のものは接着面周囲に白化現象を生じる確率が高いので、多少高価だが有名なアロンアルファやアルテコ辺りを使用するのが安全。

瞬殺
 人気タイトルが発売とほぼ同時に完売となること。イベントでも同様。商品サンプルの出来をネット上で確かめることができるために起こる現象。

瞬着
 瞬間接着剤の略。

ジョイント
 部品と部品の接合部。非接着で、可動が目的のことが多い。

情報量
 そのフィギュアやプラモデル・メカ玩具が、細部でどれだけ精緻な形状を誇っているか、という内容。シャープでくっきりしているほど良いとされる。
 小さくても観賞に堪えるもの、見る人を惹き込ませるものは、ピンキー等の強調加工を除けばたいてい情報量が多い作品だ。

少量生産
 初期投資額の低いシリコン型を用いると、アマチュアでも手軽にフィギュアの量産が出来る。型の寿命が短いので数を作れず、この方式で塗装済み完成品を企画しても単価は高くなる。たくさん売る必要のないガレージキットや、最初から数を作るつもりがないフィギュア完成品に向いている。

ショーケース
 フィギュアを飾るのに大変便利な大型の飾り棚で、埃対策となり見映えも良い。値が張るが総ガラス貼りが理想。量販店のショーケースは商品サンプルを陳列していることが多く、大都市の有力店だと発売直前のテストショット品が拝める。

食玩
 食品玩具。かつてはお菓子のおまけだったが、いまは逆転している。カプセルトイと同様、中に入ってるものが分からないことが多く、数〜十数種のコレクションを成す。収集するのはおもに大人。

食玩フィギュア
 食玩のうちで、フィギュア。

職人
 原型師やフィニッシャーに対する敬称。

食品玩具
 正式な呼称。一般でいう食玩のこと。

書籍付きフィギュア/書籍付フィギュア
 書籍の付録、もしくは冊子がおまけに付いているフィギュア。

書籍フィギュア
 書籍付きフィギュアと同じ。

シリーズ
 継続される玩具企画。決まったアニメ作品、一定のスケールやジャンル、ある原型師、特定のギミック群、おなじ値段などの括りで、多くは名称を与えられて展開される。

シリコン型/シリコーン型
 ポリレジンやポリストーンのパーツを成型するための型で、シリコーン製。安価だが寿命が短く、数十〜数百個単位の少量生産に向く。

シリコンスプレー/シリコーンスプレー
 離型剤、すべり剤を吹き付ける。成型時に型との離型を促し、塗装済み完成品ではブリスターと商品の癒着を防ぐコーティングとなる。時折可塑剤と勘違いされる。

自立
 支柱なしでも立てること。脚部ABSのフィギュアはたいてい自立可能で、無理な姿勢でも台座に固定するなりして強引に自立させる。

しわ
 下着にしわが入っているとリアルに見え、パンツ好きは喜ぶし、売上げも上昇。漢の筋肉にしっかりしわが入っているとリアルに見え、兄貴は喜ぶし、売上げも超兄貴。

信者
 教徒とおなじ。特定属性・タイトル・原型師・キャラなどへの傾倒を示す。

新世紀エヴァンゲリオン
 フィギュア界でおそらく過去もっとも多くのタイトルが存在する作品。フィギュアをブームで終わらせずひとつのジャンルとして固定化させた金字塔。

真鍮線
 ガレキで主に用いる補強具だが、PVC完成品にもおなじ用途で流用できる。
 曲がりやすい足などに見えない底や部品の隙間からピンバイスで穴を穿ち、数センチもぶち刺せばどんな暑い夏が来ようと無敵。
 ぶち刺す前の真鍮線に適当な塗料(クリア系だと真鍮線そのものの変質も後々判断しやすい)を吹いておけば、金属接触による変質の可能性をほとんど無視することができる。

スージーさん/すーじーさん
 パンツ・スパッツ・水着の皺で、もろ股間のアソコに入れる縦線のこと。売上げが確実に伸びる。避けられぬ男の宿業。

スクラッチ
 自作で部品などを作ってしまうこと。素人でも既成部品を利用すればあるていど可能。

スケール
 設定や実際の大きさからどれだけ縮めたかという率。人物の大型フィギュアでは1/6と1/8がスタンダードだが、イメージののほうが大事なので正確さは割合アバウト。チープトイはスケールを表記しないことが普通。

スケールモデル
 現実に存在する(した)、または数値設定の存在する架空の、おもにメカや動物を忠実に縮小した模型のこと。縮尺率の正確さがかなり求められるようだ。

すじ
 パンツや水着で、女性の秘所に当たる部分にわざと入れてエロさを強調したりする。業の深い男どもに大受けで、売上げを確実に伸ばす要素。

スタチュー
 直訳して「置物」。ガシャサイズより大きな塗装済み完成品フィギュアのことで、言葉本来の意味からおもに、ポリストーン製に用いられる。
 たいてい数百個単位の少数生産。

スタンド
 PVC製やバランスの悪いフィギュアを長期間、あるべきポーズのまま飾っておくのに必要なもの。スタンドだけ売ってることがあるので、見つけたらまとめ買いして将来に備えておくと良い。

スナップフィット
 ダボにでこぼこを作ったり球体にするなどして接着剤なしでパーツ同士を固定できるようにしたもの。人の力で簡単に外せるレベルであればキャストオフ等のギミックを意図している。

スプレー
 素材表面を加工する定番道具。広い面を短時間で均一に仕上げる。

スプレーガン
 ハンドピース。手に持って塗装作業をするエアブラシ本体で、グリップのあるタイプを指すようだ。

スペシャルパーツ
 ボーナスパーツとおなじ。チープトイフィギュアの遊び部品で、交換や追加によってディスプレイの幅が広がる。違う時期に発売した別タイトルのパーツやフィギュアと合わせることもある。

すべり剤
 離型剤のこと。潤滑。変質しやすいPVCへの影響は情報がほとんどないが、成分のシリコンはたびたび健康への悪影響が懸念される物質なので、洗浄等の対策は必要か。

スミ入れ/墨入れ
 モールドラインに薄めた黒色を流し込み、さっと拭き取ることで、ラインにメリハリを与える工程。
 おもにメカ方面で行われるが、フィギュアでも細かい模様を浮き立たせるときによく採用される。

成型/成形
 型に液体の素材を流し込み、型の形状を象らせた状態で固体化させること。固化には化学変化や温度変化を利用する。

成型色/成形色
 成型加工したプラスチック等に素材レベルで付けた色。

成形容器
 カプセルやブリスターのこと。

生産数
 フィギュアの市場規模はほかのおたくジャンルと比べたら小さい。
 大きな完成品が数千から1万体(コールドキャスト製法だとわずか数百)、小さなカプセルフィギュアで数万〜十数万個ていど。ヒット商品でさえ大きなもので2〜3万体、小さなもので数十万個が限度である。
 非おたくの一般層も巻き込んだブーム時の食玩は、その王者だったチョコエッグで最盛期年間2000〜3000万個も作っていた。下火になっても年300万個は売れていたらしい。

精度
 パーツの正確さ、またはディテールの正確さ。精度が高いときちんと接合し、完成度的にも良い。

セクシーフィギュア
 ロリフィギュアの対にあるもの。基本は巨乳、あるいは均整の取れたバランス美。

セミコンプリート
 ノーマルコンプ、もしくはコンプリートに近い状態。

セミコンプ
 セミコンプリートの略。

造形師/造型師
 原型師とほぼ同義。怪獣ものやヒーローものなど、現在ではすっかりマイナーとなったガレキの原型師に対して使用される率が高い。造形師(造型師)と書かれる際は敬意を払っている文章が目に付くので、対する原型師は量産が当たり前となった最近の表記といえる。

造形美
 模型の形の美しさ。市販品の多くは対象年齢を高く設定しているおかげで、エッジを存分に利かせられる。シャープな先端を除き実際には塗装、とくに重ね塗りで引き立てられる要素も大きい。

相場
 収集家同士や素人間だけでなく、店舗も含めた取り引きの目安値。様々な要因で常に変動する。

属性
 反応する好みの萌え記号で、フィギュアでは大切なもの。属性の付加や強調を見誤ると造形レベルが高くてもセールスに響く。

外箱
 ボックスフィギュアや塗装済み完成品を入れている箱のこと。内袋やインナブリスターに対応して「外」と呼んでいるようだ。

ソフトビニール
 PVCと基本的におなじだが、中空になっている。自立や精度に問題があり、部品が多くなりがちなフィギュア方面ではほぼ絶滅している。中空は大型モデルの重量を大幅に軽減させることができ、怪獣方面ではなお健在。素材の耐用年数も長い。

ソフビ
 ソフトビニールの略称。

ソリッドモデル
 古典的な木製模型(キット)。プラスチックが一般に広まるまで、長らく模型の主流素材だった。つまりはご先祖さま。おもに航空機。

ダイカスト
 ダイキャスト。

ダイキャスト
 熔けた金属を型に流し込む成型法のうち、高温高圧型を指す。型も金属。素材は模型では亜鉛、錫、鉛などの合金が主流。
 模型はおもに合金なので素材寿命は長く頑丈であるが、フィギュアの自由曲線美を再現するには現在の技術ではまだ精度が悪い。幾何学的な曲線、直線の再現精度が高いので、乗用車模型で多用される。

台座
 模型本体を支える役割を担い、ときにヴィネット的に背景の一部あるいはヴィネットそのものとして風景そのものとなり、雰囲気を演出する。

対象年齢
 市販量産品の造形をガレージキットに近い水準で維持するのに必要なもの。フィギュアでは〜歳以上と表記されるので、年齢制限と同等。
 年少者が怪我してしまうような細かい部品、尖った部品は年齢制限を表示しておかないと、実際に事故が起きた際メーカーが法律で罰せられてしまう。性的表現が過激なために対象年齢が造形レベル以上に上昇することもある。

退色/褪色
 フィギュアの劣化で一目で分かるのがこれ。主犯は紫外線。

タイトル
 フィギュアの商品単位名。背景にある作品名やコンセプトが用いられることが多い。

大量生産
 完成品の単価を下げる条件。工業レベルで見ればフィギュアは大量といってもたかが知れており、1/8〜1/6クラスだと最高でせいぜい数万体である。
 フィギュアの大半は中国大陸で生産されている。

脱衣
 もっとも直接的な媚び。脱衣ギミック(キャストオフ)があると売れ行きが良い傾向にある。作り方を誤れば着膨れや不自然な裸体となり逆効果。

タバコ/煙草
 フィギュアの大敵。煙草のヤニ成分は家の壁や家具などを淡く黄土に染める。フィギュアの寿命を綺麗な状態とするなら、1年以内に永遠に落ちない汚れを付着させるタバコは、観賞寿命を根こそぎ奪う天敵といえる。

多品種少量生産
 フィギュア業界の実状。市場規模の割にタイトル数が多く、おなじ人が幾つも買うように仕向けている。
 ひとつのタイトルの生産数はわずか数千から多くて数万ていどで、ことフィギュアに絞ればガレキやポリストーン製品と比べれば大量生産と呼べるが、工業生産全体で見れば少量生産のレベルといえる。その視点による多品種少量生産という評価。

ダブり
 コレクションもののコンプリートを目指していて、複数個重なったおなじアイテム。セット買いでもしない限り普通はダブるし、セット買いでも箱買いだとダブりを防ぐことは容易でない。

ダブる
 ダブってしまうこと。

ダボ
 部品と部品を接合させるためのでっぱり。普通は多角形で固定が目的。球形や円柱にすると可動ギミックが成立し、可動目的の場合ジョイントと名称を変える。

ダボ穴
 ダボをはめるための穴。へこみ。ダボ穴とダボの間に真鍮線を通すと、外見上の変化をさせずに補強ができる。

たまらん
 Q-joyのスラング。じつにたまらなく愛おしい。

単色
 コストを抑えて利ザヤを稼ぐため、彩色済み完成品のコレクションに含まれる。昔はクリアばかりだったが、グラデーションを吹いた石像風など多少は凝ることもある。どのみち不評なので2004年以降はめっきり減っている。

単色成型/単色成形
 フィギュアの部品は成型されるとき必ず色を付けられる。一回の成型で複数の色を発色させる技術がプラモデルにあるため、区別のため単色成型と呼ばれる。
 昔のチープトイは色を塗らないのが普通だったので、材料そのものを鮮やかに染色していた。いまでは塗装で質感が損なわれる部位を補うための単色成型が主流となっており、肌色成型などといった用語がある。

タンポ印刷
 タンポプリント社が開発した技術で、曲面への綺麗な印刷が可能となる。商業模型玩具に欠かせない。

チープトイ
 数百円ていどで気軽に入手できるおもちゃの総称。近年は大人をターゲットとした出来の良いものが主流で、コレクターも多い。
 カプセルトイ、ボックストイ(食玩含む)、難易度の低い小さなプライズが該当する。玩具収集の入口として重要。

蓄光
 明るいところで光を溜め、暗くなると自発光する燐光素材による現象。フィギュアで時折蛍光ギミックとして使用される。硫化亜鉛系、アルミン酸ストロンチウム系などがある。

乳神
 美乳、もしくは美乳かつ巨乳なフィギュア。

窒素酸化物
 塗料を変退色させるフィギュアの敵。都会で室内の通風を良くしすぎると、自動車排煙に含まれる窒素酸化物の影響によりフィギュアが変色するという。

中間色
 塗装のある意味主力。自然の色合いは原色と原色の間、中間色層の連続であるから、自然な塗りを目指すなら中間色の表現は大事。原色を下地に上から中間色でグラデを吹くなど(逆のパターンも当然あり)して表現の深みを求める。

中古
 フィギュアの中古市場はそれなりにあって、大小関わらず取り扱う店も多い。
 穴場は価値を知らない地方のリサイクルショップ。

超合金
 ダイキャスト製による玩具商品の一種。本物の超合金は超耐熱性を持つ軍事ないし工業用素材で値も張る。


 特定のフィギュア(キャラ)に萌えまくり、いきついた先の呼び方のひとつだが「嫁」に比べ使用率は低い。実社会では「妻」のほうが使用率が高いので、逆転現象が生じている。ファンタジーの伴侶ゆえだろう。

積みキット
 買ったはいいが時間・意欲・長期保存等の理由で、キット状態のまま積まれてゆくガレージキットやプラモデルキット。

つや消し
 塗料表面のテカテカを抑えて、質感やリアルさを出す仕上げ処理。デカールの上につや消しスプレーで保護膜を形成できる。

つるぺた
 肌がつるつるしていて胸がぺたぺたしている女の子。真性幼女ロリ表現だが、実際には未成熟なだけの少女や女性にも用いられる。

ディーラー
 模型イベントで出店する側の人(原型師等)やサークル。多くはアマチュアで、イベントで注目されてプロになる。

ディスプレイ
 店頭飾り、コレクションの飾り演出。売れる店はディスプレイにこだわり、ネットやクチコミで評判になって人を呼ぶ。

ディテール/ディティール
 リアル感。詳細さ。

ディフォルメ
 細部を省略し、特徴を誇張した表現方法。人物フィギュアだとたいてい頭身が縮み、幼児化する。

デカール
 模型用水溶糊シート。シールとは違う。

デコレーションマスター
 工場用彩色サンプルのこと。秋葉原などで一般公開されるケースもある。

デコマス
 デコレーションマスターの略。

デザインナイフ
 アートナイフの別名。製図用途。

デジタルカメラ
 フィギュアを撮影するのに使う物。前提が違う気もするが、萌玩タームだから別に良し。デジカメには様々なグレードがあって、おもに撮像素子の面積で決まってくる。
 携帯カメラ ツールのひとつにすぎないので、レビューにはあまり向かない。いわば自転車。
 コンパクト ハイエンド機よりフィギュアレビューに使用される。いわばスクーター〜バイク。
 一眼カメラ APS-Cや4/3サイズ。レビュー用の主流機材はこのレベル。いわば軽〜普通車。
 フルサイズ 所有してもレビュー使用をためらうほどで、常用はごく少数。いわば高級車。
 中判カメラ 百万円単位、数千万画素。もはやフィギュアを写すカメラじゃない。レースカー。
 大判カメラ 数百万〜数億円、数千万〜数億画素。完全にモンスター、ずばり戦車級。

テストサンプル
 最終かそれに近いテストショット品で、一般消費者向けに雑誌で公開されたり、小売店の展示品となるもの。時間の制約によってはごく初期のテストショットがサンプルになってしまう。

テストショット
 工場で試作した量産のサンプル。造型のみ、もしくは形と配色の双方を具現化したもの。メーカーの監督により、段階的に詰めて完成度を高めてゆく。ユーザー向けに公開されるのはほとんどがフィギュア本体のみだが、テスト作業の最後は箱まで含まれる。最終サンプルが通れば本格的な量産に移る。時間や資金のない企画だとこの過程を大幅に圧縮してしまい、泥人形が発生する土壌となる。

デティール
 ディテールと同じ。

デフォルメ
 ディフォルメと同じ。

転売屋
 イベント限定や少数瞬殺、ショップ限定のアイテムをレンタルケースやネットオークション等で転売することで儲けを得る人のこと。個人だとニートやフリーターが多いが、組織だって行う連中にはヤクザも混ざっているらしい。ディーラーからは嫌われる。

テンバイヤー
 転売屋の別称。または蔑称。

トイ
 玩具。トイと表記される場合、たいてい大人向けまたは大人も買うものを指す。

当日版権
 通常版権物を扱っているガレージキットで、即売会のイベント当日だけ素人の版権使用を許諾する制度。企業間の許諾と異なり、大幅に簡略化されているのが特徴。
 中古店で高価なガレキが無版権で堂々と売られていることを大手メーカーが問題視し、対策として段階的に取り入れられた。同人誌では様々な大人の事情により黙認されている。

当日版権システム
 ガレージキット模型の当日版権は試行錯誤を経た結果、事実上システム化されている。ただし版権元がよく理解していないと不幸なことになる。

同人誌付きフィギュア/同人誌付フィギュア
 同人誌とフィギュアがセットになっている。どちらが主役というわけでもなく、両方合わせてひとつであることが大半。企業でなくサークルレベルで中国の工場と交渉して生産ラインを押さえ、塗装済み完成品を量産してしまったぜ、というなかなかの代物。

同人誌フィギュア
 同人誌付きフィギュアと同じ。

同人フィギュア
 同人誌付きフィギュアのフィギュア本体、または同人誌付きフィギュア。単語の意味を厳格に捉えると模型イベントのガレージキットフィギュアも同人に当たってしまうが、ガレージキットはキット単体であり、あくまで冊子と一緒というのが同人フィギュア。

ドール
 単純にいえば、服が布で出来て髪が1本1本までちゃんとある西洋人形の末裔。女児用のリカちゃんからドルフィーといった大人向けのものまで幅広い。材料は多岐に渡り本物志向。
 フィギュアが瞬間の動作を切り取った仏像的置物なら、ドールは手入れされ、手元にて愛玩されるアイテムといえる。安いものは瞳が塗装だが、高いものは眼球が作られている。

ドールフィギュア
 フィギュアとドール双方の特徴を併せ持つもの。
 境界は難しいが、顔面がフィギュア系で、目がドールよりはるかに大きくほぼ確実に塗装であり、眼球造形は滅多にない。服はほぼ確実に布製で、髪は人工毛(ウィッグ)かプラスチックの塊のどちらか。ドールが主体なためたいてい全身可動。

等身大フィギュア
 おもにドール系で、究極の品。値段は数十万円単位。ローン払いが可能。

特典フィギュア
 DVDやコミック、CD販促のためおまけとして封入されるフィギュア。かさばるので店側は積極的に捌こうとする。または応募券などがあり後から届くフィギュア。上下逆転たフィギュア特典とはあまり呼ばない。フィギュア付録と割合良く言われるのと対照的。

塗装
 模型の塗装作業は重ね塗りが基本。あせらず、ゆっくり。塗る用途や作業内容によっては一発で仕上げる。

塗装落とし
 塗料を落とすこと。リペイントの前段階。ドボン。塗料落とし。

塗装サンプル
 複数の意味がある。工場に指示を出すための塗装見本(ペイントマスター)、試しの塗りサンプル、最終的な量産サンプル、ガレキの塗装例など。いずれにせよ塗装された段階で完成状態であるから、完成サンプルとほぼ同じ。

塗装済み/塗装済
 完成品のこと。

塗装済み完成品/塗装済完成品
 硬いPVC製品の台頭以降、大型完成品を表す決まり文句。ポリストーンが主だった時期の「スタチュー」に替わる単語。小型の単品に対しても表記される。

塗装例
 ガレージキット完成品の見本。アマチュアディーラーでは原型師自らの塗装が多い。量産を前提とした商用の彩色マスターと異なり、いわゆる採算を度外視して徹底的に凝ることが可能。ガレキはあくまで作るもの。

嫁ぐ
 お気に入りのフィギュアをなんらかの事情によりやむなく放出すること。または金稼ぎ目的で完成させたガレージキットを引き取り手へ送り出すこと。

トップ
 重ね塗りの一番上の色。仕上げの色。

トップコート
 塗装の最終仕上げ時にクリアーを塗装膜上に吹き付ける処理。光沢、半光沢、つや消しの3系統。選択で印象がおおきく変わる。

トップコーティング
 トップコートした状態。トップコートは下の塗料を巻き込み、接触対象に色移りしやすいので要注意。

ドボン/どぼん
 リペイントのため、剥離剤で充たした容器にパーツをどぼんと入れて塗料を落とす行為。

塗膜
 塗料膜、塗装膜。発色を良くするには、「膜」と呼ばれるような一定の厚さが必要となる。膜なので素材への食いつきが悪いとセンチメートル単位で剥がれることもある。PVCでは色の成分が素材と化学変化を起こして遷移層を作ることすらあるので、広域で剥離するようなことはない。

ドライヤー
 自重や暑さで曲がってしまったPVC部品を元に戻すときに活躍する。熱して軟らかくなったら曲げを修正し、水につけるか冷蔵庫ないし冷凍庫に入れて固定した状態をなじませると効果的。

塗料
 アクリル系、エナメル系、水性、ラッカー系などいろんな種類がある。個人的にはアクリル系が使いやすい。相互の相性などについては長くなるので割愛。

塗料落とし
 塗装落としとおなじ。

トレーディングフィギュア
 カプセルに入りきらなくなったやや大きめのフィギュアを箱に詰めたもの。箱入りフィギュアとは起源が異なるが、いまではどちらも同じで、単純に箱入りないしボックスと呼ぶ。

トレード
 交換すること。コレクション系のトレフィグが名前通りにトレーディングされることは少数で、たいてい金銭で取り引きされている。トレードの場となるのはネットなど。

トレフィグ
 トレーディングフィギュアの略。

泥人形
 製品版は原型やサンプル写真から多少はディテールが劣化するものだが、妥協や合理化が行き過ぎ別物同然に酷くなるとこう呼ばれる。原型・サンプルの時点ですでにダメダメな場合も同様。
 ほかにギャルグチャなど複数の呼び方がある。実際の泥人形は世界中で作られている伝統的で簡素な人形(玩具・土産・宗教偶像)。

内部ブリスター
 インナーブリスターの俗称。塗装済み完成品を直接保護固定するもの。


 フィギュアがもっともダメージを受けやすい季節。
 飾っているものは変形や変色の危機に、保存しているものは化学変化の危機に晒される。フィギュアのコンディションには気を付けられたし。

難民
 気付いたら入手が極めて困難となっていたフィギュアを渇望する人々。限定や特典が対象となることが多いが、ときにリカヴィネなど、一般流通のフィギュアが大人気により入手困難となることも。

2次元フィギュア/二次元フィギュア
 二次元とは縦・横のみで構成された平面世界のことであり、漫画、アニメの俗語表現。フィギュアは漫画、アニメのキャラが大半なので、こう呼ばれる。

偽物
 フィギュアにも偽物はある。いわゆる海賊版。おもに韓国・中国(香港)および日本国内で作られ、あやしいショップや路上やネットオークションなどで売られる。

日光
 フィギュアの天敵。太陽光の紫外線はプラスチックの結合を弱め、その寿命を劇的に縮める。

ニッパー
 模型工作に欠かせない必需道具のひとつ。安物は切断面が目立つので、少々高くても模型工作専用品を買ったほうが安心。

日本
 世界最大のフィギュア消費国。たいていの国は特定の宗教や思想の力が強く、日本のように自由奔放なおたく的サブカルチャーは育ちにくい。
 凶悪事件の原因としておたくが槍玉に掲げられることが多いが、古い価値観に縛られた可哀想な世代が煽動している悪質な差別である。印象操作を信じて規制しようと試みる連中の背後に、宗教関係者が蠢動している例が多いのは笑える事実だ。

人形
 フィギュアという呼び方を知らない場合、単純に人形と称する。イメージ的にはドール系か。フィギュアやドールという呼称を知っていても、わざと人形と呼ぶことで注目させる効果がある。

ぬいぐるみ
 フィギュアブームのおかげで、おたくグッズとしての少女キャラぬいぐるみも結構な出来になってきた。ぬいぐるみなのに服を脱がせられるとか。

抜き
 ボックスフィギュアのバラ売りから、事前にリサーチした重さや箱を振った状態。箱を壊して買わずに残すなどの悪質な抜きは犯罪。

抜く
 ボックスフィギュアのバラ売りから、位置情報を元に特定のものをサーチし、ピンポイントで取る行為。
 またはフィギュアをネタにナニしちゃうけしからんこと。

ネジ
 ABS部品やプラを応力が集中的にかかる部位に固定するとき多用される。PVCにも固いものであれば使用されることがある。


 フィギュアの敵。とくに夏場は注意が必要。気温が高まるとあらゆるプラスチックは軟らかくなり、重力に従って変形する。
 熱は可塑剤や有機溶剤などの気化も加速させる。これらの気化ガスは接触している有機素材同士を化学反応させるという悪戯を起こす。気密状態で高温環境に晒されると、短時間で癒着溶解といった惨事に繋がる。

ネットオークション
 地方に住んでいる人が古いフィギュアを手に入れるにはネットオークションに頼らざるを得ない。少数だが偽物も混じってるので注意しなければならない。

年齢制限
 対象年齢が「〜以上」と書かれたときの本質。完成度を優先させた大人向け模型玩具には、子供の怪我のおそれがある先尖りや、誤飲の可能性がある細かな部品が多い。素材や添加物も安全性が減る。

ノーマルコンプ
 シークレットがあるコレクションで、シクレを除いたノーマルラインアップを揃えた状態。

ノベルティ
 直訳で珍品。宣伝目的の記念ないし販促グッズ、懸賞品等。または数百円単位の廉価嗜好品など。

ノベルティフィギュア
 ノベルティなフィギュア。非おたくも巻き込んで集める人が多いため、相場は高め。

NON
 ノンスケールの略表記。

ノンスケール
 縮尺率を考慮せず作った、もしくは伏せたフィギュア。

パーツ
 部品。部分。

パーツ分割
 21世紀に入ってからのチープトイフィギュアは大半が複数のパーツによって組まれている。ガレージキットや大型完成品は当初から分割していた。分割により量産レベルで複雑な形状を再現でき、単なる玩具から大人も満足する作品へと高まる。

パーティングライン
 型の合わせ目がスジとして残ったもの。ガレキ制作時や数千円単位の塗装済み完成品では消すのが普通だが、チープトイではそのままになっていることが多い。
 厳密な意味は異なるが、モールドラインの一種。

爆乳
 巨乳を強調したもの。

剥離剤
 これにフィギュアのパーツを数十分浸すと塗料が落ちる。


 塗装済み完成品やガレキをパッケージするもの。いわゆる外箱。
 大型完成品だと箱には透明セルが貼られ、フィギュア本体が透明プラの内箱によって保護されている例が多く、それだけでひとつのディスプレイを構築する。中古市場では箱そのものにも一定の価値が生じてくる。

箱入りフィギュア
 食玩から要らぬお菓子を取り去り、独り立ちしたもの。

箱買い
 ボックスフィギュアを未開封の箱ごと買ってしまうこと。大人買いとほぼ同義で、全種集めようと思ったら箱買いは基本。

箱ガシャ
 箱入りフィギュアやトレーディングフィギュアの別称。

はずれ/外れ
 カプセルやボックスのコレクションでどうでもいいもの、悪いものを引くこと。コスト対策の単色やクリアはたいていが該当。もしくは単品で入手したものが思ったより酷いものだったとき。

肌色成型/肌色成形
 おもにPVCやABSで、色素を混ぜて肌色に成型すること。彩色工程を簡略できるし、PVCは美しい人肌を表現できる。

パッケージ
 フィギュアを商品として保護し封印する状態。封印したもの。ハイレベルなガレージキット完成品ないし改造品やなんらかのサイン商品を除き、封印状態はもっとも価値が高いとされている。

パッケージング
 梱包方法のこと。発売後のコレクター間を通じた取り引きではフィギュアの価値は未開封か否かで確定するので、封をするパッケージングは重要。塗装済み完成品は箱に凝る向きが普通であり、イラストや写真を織り交ぜた外箱と、内部のインナーブリスターによって構成される。

パッド印刷
 タンポ印刷と同じ。曲面への印刷が可能な特殊印刷。

発売ラッシュ
 特定商品ジャンルで短期間に出荷・発売が集中すること。フィギュアは月始め・月の中盤・月末に発売ラッシュが見られ、最大は月末である。価格帯・延期頻度で相似関係にあるゲームも、月末ラッシュが大きい。

発泡スチロール
 フィギュアではおもにポリストーン製品の保護に用いられる梱包材。長期間未開封だと発泡スチロールの一部成分が気化し、フィギュアを傷つけると言われている。ブリスター型と違い内部のフィギュアが箱から見えないのが欠点。

パテ
 原型製作、ガレキ組み立ての表面処理、塗装済み完成品の改造などに広く使われる「固まるプラスチック粘土」。充填剤。幾つもの種類や親戚がある。

パネルライン
 モールドラインの元となる現物のそれ。

バリ
 金型のわずかな隙間に流れた、パーティングラインに沿ってできる成型の屑。バリが残った状態で完成品をリリースすることはまずない。

針金
 インナーブリスターのPVCを固定保護する。表面にゴムのコーティングがされており、接触変質や塗装剥がれを防ぐ。

半完成品
 塗装済みの量産商品だが一定の工作を必要とするもの。
 半完成といっても、たいてい完成に至る全工程の8〜9割は終了している。

パンチラ
 フィギュアの場合はパンチラどころでなくぱんもろにある場合が多い。

パンツ/ぱんつ
 女性がショーツやパンティーと呼び、男性が総じて憧れるもの。フィギュアの下着造形は運命であり宿命であってムクに終わらせるのはエロスの神への抵抗。一般的な服飾用語ではズボンのこと。

パンツフィギュア
 そのまんま。

ハンドドリル
 ピンバイスの別名。真鍮線を通す穴を開けるための道具。

ハンドピース
 スプレーガン。手に持って塗装作業をするエアブラシの最重要部。さまざまなタイプがある。


 フィギュアの大敵。原型も素材も多くが有機物のため、燃えやすい。焼き物かと錯覚するポリストーンも激しく可燃物。

PE
 ポリエチレン樹脂。柔軟性と保持性があり割合安全なプラスチックで、低年齢向け玩具や教材の素材などとして使用される。高分子ポリマーの安定性が高く、塗料および接着剤との馴染みが薄いため、大人向け玩具では填め込み固定式成形色部品としての登場がもっぱら。

POM
 ポリアセタール樹脂。強度・弾性・耐衝撃・耐熱に優れているプラスチック。玩具だとPPと同様、アクション物の可動部位などに利用される。薬品反応の低い安定素材。

PP
 ポリプロピレン樹脂。強度があり建材や日用品、玩具に広く使われているプラスチック。加工技術が発展したのは最近で、半分以下にスリム化したCDケースなどが登場した。耐光性、耐熱性に難点がある。

PVC
 ポリ塩化ビニール樹脂。本来は硬い材質だが、可塑剤と呼ばれる添加物によって軟らかくなり、加工しやすいうえ曲げにも衝撃にも強い便利なプラスチックとなる。塗料や接着剤との相性も良いので、チープトイで広く使われている。
 短期間で自重によって曲がるという欠点を有していたが、可塑剤の少ない硬いPVC(加工しづらいので高い技術が必要)の利用で曲がりにくくなったことで、大型の完成品フィギュアでも主流素材となった。夏の熱気や無理な体勢だと硬くても変形する。対策は脚部に真鍮線を通すことだ。
 PVCからの揮発成分は人体の健康に悪いとの通説があり、ATBCが広まって以後業界は否定してるが確保された安全性はあくまで燃焼時のダイオキシンに関してである。フィギュア満載の部屋はあまり密室状態にして籠もらないほうが良いだろう。晴れた日は部屋の通気を良くするのがフィギュアにも健康にも確実に良い。

PVCの劣化
 PVCは時間の経過と共に可塑剤が抜けて硬化してゆく。
 化学変化も起こしやすく、日光(紫外線)と高温、密閉環境(気化した可塑剤が充満)、金属接触(イオン触媒による酸化)によって加速され、表層溶解・癒着・変色・粉吹きといった問題を起こす。
 PVC製品の長期未開封は危ない。大型フィギュアで可塑剤の多い軟らかいものや、見た目に密閉度の高すぎるものは、さっさと開封しておくのが安全。

美術品
 フィギュアを集める言い訳や理屈のひとつだが、そうとも言い切れない。クリスティーズなどで本当に美術品になってしまったフィギュアもあり、日本のフィギュアに対する美術的評価は国内よりむしろ海外のほうが高い。
 日本には古来より大衆向け文化を軽視しすぎる悪しき伝統があり、後世評価が高まっても浮世絵のようにすでに技法も職人も失われている不幸な例が後を絶たない。

美少女
 年少のアイドル等から発生した一般語。すぐにおたく方面にも浸透した。
 リアルな美少女ブームの終焉により、一般語としては下火となって久しいが、おたく用語としては先細りしながらもなお命脈を保ちつづけている。

美少女系フィギュア
 美少女フィギュアとほぼおなじだが、意味はより広い。タイトルのラインアップには男性キャラや動物キャラが混じることもある。「系」はそれらごと包むことが可能。

美少女戦士セーラームーン
 フィギュアのジャンルを拡大させたお化け作品で、美少女フィギュアという単語を10年もの長きに渡って主流に据えつづけた。模型イベントは一時期セーラー戦士で溢れかえっていた。

美少女フィギュア
 日本起源。1980年代初頭にガレージキットのイベントで登場し、支持を集めて次第に勢力を広げ、90年代末からブームとなった。
 食玩ブームが落ち着いて以降は一般語同然となり、もはや頭に「美少女」を付けないほうが多い。付けても「萌えフィギュア」など他の呼び方がずいぶんと増えてきた。

人柱
 買おうか否か悩んでいる人たちに向けて、早売り等をゲットしてこんな感じでしたよと報告する人のこと。広義でいえばレビュアーも含まれる。狭義でいえば模型系統の掲示板で報告する人。

美乳
 平均的なフィギュア愛好家が喜ぶもの。適度な大きさ、適度な形、張り。大きすぎても小さすぎても、奇形でもだめ。美人や美形は平均顔だというが、まさにそれ。真性ロリコンが苦手とし、ちょっとだけロリコンが許容範囲の限界とする。

微乳
 ロリコンが喜ぶもの。

ビネット
 ヴィネットとおなじ。使用頻度は低い。

非売品
 プライズフィギュアやおまけフィギュアはゲーム特典ないし付属品なので、非売品にカテゴライズされる。
 原則分売不可だが、通販サイトやオークション等で普通に取り引きされている。

美品
 おもに中古や開封してから長期経過したもので、当初の状態を保ったままのもの。もしくは新品での「大当たり」。塗装済み完成品は手作業で組み立てたり塗ったりするので、個体差がある。

非フタル酸
 PVC素材の硬さを調整するときに使用するフタル酸エステルという物質が有害ということで、代替物質を採用したもの。世紀の変わり目でよく非フタル酸使用の表記があった。
 現在は100%非フタル酸のため、断り書きはあまりない。ATBC。

非接着
 脱着や可動ギミックの大前提となる要素。外すことが普通となるため、ダボの作りが丁寧になる。

ヒロインフィギュア
 ゲームやロボットアニメに出てくる子に冠せられることが多く、「戦う女の子」のイメージが強い。

ピンセット
 細かい部位の作業に欠かせない。瞬間接着剤が肌に付くのを防ぐときにも重宝。普通にPVCものを愛でるていどなら不要。

貧乳
 ロリコンが喜ぶもの。

ピンバイス
 手作業で直径ミリ単位、深さ数センチていどの小さな縦穴を作るための道具。一言でいえば工作用の錐(きり)。模型屋やダイソーで売っている。真鍮線での補強を行う際に必要となる。
 別名ハンドドリル。

フィギア
 あまり知らない人や30代半ば以上の世代がよく表記する。誤りだとはいいきれないが、やはり「フィギュア」が本道だろう。スラングとしても使用される。

フィギャー
 ネット上だと気楽な文章でわざと間違えて表記することも多く、その中でもっともメジャーなものがこれ。

フィギュア
 飾って鑑賞する立体造形物。
 かつては主に人物像を指していたが、食玩ブーム以降はチープトイの模型ならなんでもフィギュアと呼ぶようになった。十数センチを超える大きな模型となると本来の意味に戻るようで、人型でないとフィギュアとは呼ばれない。
 フィギュアは瞬間を切り取ったものが多く、素材も均一だ。これは仏像などを日常的に崇めてきた東洋的価値観の継承で、非宗教性のアニミズム的偶像崇拝と考えていいだろう。
 フィギュアの造形は、リアルをディフォルメ化したアニメや漫画的な線の様式を、再びリアルな立体に戻すという複雑な行程を経ている。その形状は子供のときから日本的おたく文化に接していないと、異様に感じてしまう形式美であるといえる。エジプト壁画やイスラム教文化といった、異質だが完成されたものに一般的な日本人が感じる感想とおそらく同様だ。
 すなわちフィギュアとは新しくて古く、じつに日本的な文化なのだ。

フィギュアコレクション
 コレクションのうち、フィギュア。ほぼ一般名詞なので、各社がタイトル名の一部として使用している。より上位のブランドレベルにもある。

フィギュア書籍
 フィギュア付きの書籍。

フィギュア付き〜
 フィギュアブーム以降、なにかと抱き合わせる売り方がよく見られる。
 単価に対しかさばって場所を取るので、店にしてみれば迷惑なことも多いようだ。

フィギュア付き書籍/フィギュア付書籍
 フィギュアが付いた本。コミックが多く、その場合はフィギュアは特典として付録になっている。逆にフィギュアを主体として、書籍がストーリーや世界を語っていることもある。

フィギュア付き同人誌/フィギュア付同人誌
 同人誌付きフィギュアと同じ。

フィギュア同人
 フィギュア同人誌のこと。

フィギュア同人誌
 フィギュア付き同人誌のこと。

フィギュアドール
 ドールフィギュアのこと。

フィギュア付録
 付録フィギュアとほぼ同じだが、付録であることが主体の表記。対して特典のほうではフィギュア特典とあまり呼ばれない。それは付録としてのフィギュアが総じて小さく、文字通りのおまけなのが理由であると考えられる。特典レベルのフィギュアは付録物より大きめであり、値も張ることがほとんどだ。

フィギュア萌え族
 ジャーナリスト大谷昭宏氏が提唱した言葉で、犯罪者予備軍で規制すべき対象らしい。
 結局、某幼女誘拐殺人事件の犯人は萌えフィギュア嗜好者でなく単なる異常者であり、オタクに対する毎度ながらの報道被害のみが残った。

フィギュアレビュー
 発表後ないし発売後のフィギュア現物を関係者や購買者が紹介すること。reとはすでに経過したということであり、viewは見るという意味。フィギュアレビューで個性が出るのは、遊びとエロさに関する部分。

フィギュアレビューサイト
 狭義ではフィギュアレビューを運営の主軸に置くサイトで、実体として来訪者のニーズに応えるためにはテキストの面白さやレビューの早さ・頻度、蓄積したレビュー量、フィギュア玩具情報全般の提供などが大事となる。

フィニッシャー
 ガレージキットを完成させることを最大の趣味にしている人、あるいは仕事としている人。

封印
 未開の封。ビニール封入品は破られてないことが証拠で、ブリスターではセロハンテープやホッチキスが封の役割を果たす。

プール
 フィギュアの予備確保、保険、一時預けといった感じ。一部のネットショップで可能。実店舗でも店員ないし店長と仲良くしておけばいろいろと都合を付けられる。

フォルム
 直訳で形態や形だが、日本語的にはより広い意味で使用されている。ある部位全体の調和や統一感、らしさといった印象をもって、フォルムの善し悪しは判断される。割合広い幅を持つ概念だといえる。

福袋
 フィギュア界隈にも福袋はある。普通とおなじく新年、改装、周年などの記念で販売される、でっかいブラインド詰め合わせ。
 内容は額面上お得であるが、売れ残り在庫が封入される率が高いぶん相殺される。不人気商品だけでは店も信用に関わるので、当たりが一定含まれるのが普通。

プチプチ
 梱包材の一種。1センチていどの小さな空気袋の緩衝で、包んだものを守るタイプ。ひとつづつ潰せば暇つぶしに。ぷちっ、ぷちっ……暗いぜ。

ぷちレビュー
 ミニレビューの別名でおたくによる使用率が高い。

ぶっかけ
 フィギュアに直接射精してしまうとんでもない所業。
 フィギュア愛好家でもさらに特殊な変態的性癖を持つごく少数が行う。


 塗装の基本。細かい部位や瞳、頬、自然汚れの演出などは筆じゃないと難しい。

筆塗り
 筆による塗装。広い面積に筆で挑むのはちょっと危険。

プラ
 プラスチックの略。

プライズ
 アーケードゲーム(アミューズメントゲーム)の景品。原則非売品だがネット上には売ってる店がたくさんある。

プライズフィギュア
 プライズのうち、フィギュア。

ブラインド商品
 内容が明かされないので、なにが当たるか分からない。ボックスフィギュア、食品玩具(のうち選べないもの)、福袋など。カプセルも一種のブラインド物。

ブラインドボックス
 中身の分からない箱もの。慣れた人は持った重さや軽く振った感覚で中身を判別できる。

プラスチック
 便利な素材。ものすごく幅が広いが、模型関係でプラといえば、「プラモデル」に使用されるタイプを指す。ABSより軟らかく、PVCより硬い。ABSもPVCもレジン合成樹脂もポリストーンもPEもプラスチックの一種。

ブランド
 玩具にも広義のブランドは確実に存在する。メーカー名、シリーズ名、原型師名など、それらの履歴、重ねた実績が購入の目安となる。

ブランド買い
 平均的なクオリティが高い一部メーカーは社名で買われる傾向がある。

ブリスター
 ブリスターパックないしインナーブリスターの略。ブリスターは「膨らんだもの」という意味。

ブリスターパック
 台紙に膨らませた透明プラ(ブリスター)を合わせ、商品をパッケージしたもの。台紙ずらし型であれば開封しても綺麗な状態でブリスターを残しておける。

ブリスターパッケージ
 ブリスターによるパッケージング。フィギュアでは台紙に固定するタイプと、箱にブリスターを収めるタイプの、2種類の方法がほぼ100%を占める。

ブリスターフィギュア
 コレクターを意識した、ブリスターに入れたまま未開封で見た目良く飾れるフィギュアを指すことが多く、パッケージングはもっぱら台紙固定型。

不良品
 部品の欠損や破損、許容できない色落ちに色移りなど。ふつうはメーカーに問い合わせれば交換の対象となる。
 スカート外し失敗による破損など、自分で手を加えてしまったものはダメ。

フルアクションフィギュア
 可動部がとくに多いアクションフィギュア。ひとつの関節に複数の部品を用い、本物のように複雑な動きを可能にしたものなどがある。リボルテック登場以降はアクションフィギュアの技術が底上げされ、もはや「フル」を付けなくなってきている。

フルコンプ
 フルコンプリートの略。

フルコンプリート
 シークレットや店舗限定、誌上限定などを含むコレクションを完全に揃えること。あるいはその状態。

フルスクラッチ
 完全自作。まるごと作ってしまう。いわゆる原型はシリーズ流用でもしない限り100%フルスクラッチ。

プレミア
 需要過多になったとき中古市場やオークションで発生する、元来の価格にプラスされる付加価値。レア度、人気、最近の放出量などによって短期間で上下する。
 どんなに古くても誰も欲しがらないものはプレミア以前に当時の定価さえ下回る。海外ではプレミアといえば普通別の意味になるので注意。

プレミアム
 プレミアに同じ。

付録フィギュア
 書籍や雑誌など、もっぱら紙メディアについてくる。本として流通する関係で、フィギュアがメインでも形式上付録として扱われる。意味的に特典フィギュアと重なっている。逆転してフィギュア付録と呼べば付録が強調される。

分割
 パーツの分割線をどう組むかによって、完成品の見映えが大きく変わってくる。とくに髪の毛と肌が露出している部位は大事。

平面顔
 コミック絵の顔はたいてい平らであるが、フィギュアのそれ版。好き嫌いが激しい。もみあげ属性の強いキャラでは目立たない。

ペイントマスター
 塗装見本品。最終原型から象った複製を主にメーカーの上手い人が塗装したもの。消費者に完成サンプルとして最初に公開されることも多い。彩色マスター。

ベタ塗り
 一色で広域に渡ってどばっと塗ってるさま。量産品では良く見られ、高い商品ほどいくら造形が良くても塗りが悪ければ印象はがぜんマイナスとなる。

へたり/ヘタり
 へたれと同じだが使用は少なめ。

へたれ/ヘタれ
 可動部品が摩耗で外れやすくなったり、重さのかかる部位が自重で傾いてゆくさま。

ペドフィギュア
 乳幼児キャラまたはそれに類するフィギュア。厳密ではなく単純にロリ物を指すことも。言葉の意味が意味なのでエロと切り離せない。

ヘラ
 パテ系の整形に用いる道具の総称。作業工程に応じて様々な形状があり、極端なところでは割り箸ですらヘラと化す。

変形
 または変身。設定にある形態変化を実装したもの。部品交換を一切行わないものは完全変形と称する。自重によって部品が曲がってしまうことは限定して変形と呼び、直す方法はお湯やドライヤーで暖め、手で修正して、冷水ないし冷凍庫。

変色
 化学変化で塗装の色が変わってしまうこと。主犯は密閉環境。
 または温度等外的刺激によって透明になる塗料などを利用したギミック。

変身
 変形。

ベンダー
 おもに玩具の自動販売機のこと。

変態
 複数の意味があるが、ここでは異常性愛。フィギュア嗜好のない人から見たら、度を超えた収集家は普通「変態」と呼ぶ。同好の士からは畏敬される。海外ではアニメ指向の性愛を総じてhentaiと称す。

ボーナスパーツ
 ボックストイに多いお遊びパーツ。もっぱら交換部品や追加装備品。別名スペシャルパーツ。
 そのフィギュアでは使えないボーナスパーツも多く、おなじタイトルの他のラインアップに使用できたり、以前のシリーズのフィギュアに使えたり、複数のボーナスパーツをひとつにして一体のフィギュアやアイテムが完成したり、仕掛けは様々。

補給物資
 元は軍事用語。
 おたくはおのれの渇望を充たすため、買い続けるよう定められた生き物だ。よって買ってきたものを自ら補給物資と呼ぶのは自然の成り行き、本能の発露といえよう。そこには自虐といった感情はなく、ありのままを指しているだけである。

保護ビニール
 封印時、密着による色移りを防ぐために使用される。チープトイはとくに顕著。


 じつは隠れたフィギュアの敵。埃中に棲む微生物といった触媒が作用して化学変化を起こすことがある。

保持
 フィギュア全体が自立できるか、安定しているか、特定のパーツがちゃんとその体勢でいられるか、といった度合い。

保持力
 保持する力の強さ。保持力が高い、ないし強いフィギュアは見えない部分もしっかり配慮されており合格。コストをけちったフィギュアは真っ先に保持力を犠牲にする。

保存
 フィギュアを綺麗なままで何十年も愛でたいのであれば、古い作品の未開封は不利である。素材を問わず気化した有機系ガスがフィギュアを傷つける危険性があるからだ。ときどき開封しガスを放散させる必要がある。2005年以降は可塑剤の配合割合が低くなり、老舗会社であれば未開封への対処がデフォルトなのであるていど安心できる。新規参入はノウハウがまだないか、勘違いしてることもあり注意を要する。
 最初の開封後にいきなり洗浄すると、量産や封印工程でフィギュア表面に残留した余計な化学物質を除くことができて確実性が増し、健康面でも良い。
 飾る際の難敵は光で、直射日光や明るい照明の紫外線は塗装と素材双方を激しく痛めつける。ディスプレイは埃を避けるべくディスプレイケースに安置するのが妥当。
 人の油脂も微生物のエサとなるので、汚れたフィギュアは水洗いしたほうが良い。
 夏期の傾倒は真鍮線による補強工作を行ったり、支え台を用いることであるていど解消できる。内容に余裕があるなら冷蔵庫で飾る変則作戦もあり。
 小さいものや箱を捨てたフィギュアをまとめて保管するときは、接触変質を起こしにくいビニール袋で包み色移りを予防する。空気穴を開けておくとより安全。
 自動車排煙とタバコの煙とお子様を近づけてはいけない。
 フィギュアは量産品および高年齢層向け商品の宿命で、長期コンディションの維持や人の健康を最低限のレベルでしか考慮してない。それらは見えないコストアップになるからだ。見た目が同じであればより安いものを買うのが消費者の業であり、セールに影響するとすればせいぜい「このブランドは毎度ABSの脚なので簡単には傾かない」くらいだろう。
 フィギュアは潜在的な鑑賞寿命が短めで、かつ物理的な意味で不健康なアイテムであることを心得ておく必要がある。

BOX
 表記のまま、箱入りを示す。

ボックス
 箱入りの略。もしくはボックスフィギュアの未開封単位。

ボックストイ
 箱入りチープトイの総称で食玩も含む。使用頻度は低い。

ボックスフィギュア
 箱入りフィギュアの別称。ややトレーディング寄り。カプセルと異なり形状が変形することは少なく、カプセルより高価でディテール水準が高くやや大型のフィギュアが普通となっている。大陸のコスト高でボックス物のタイトルは減っている。

ボトルキャップ
 模型の世界ではわざわざ後にフィギュアを付けなくてもこれで通用する。ボトルキャップフィギュアの略といえる。

ボトルキャップフィギュア
 ペットボトル等のキャップとしての機能を与えた台座の上に、フィギュアが固定されている。収集ジャンルのひとつとして確立している。

ホビー
 おもに模型玩具で大人をターゲットにした商品の総称。

ポリストーン
 合成樹脂(レジン)に石粉等を混ぜ、硬化後の重量と硬さを与えた素材。硬化時熱を出さないので製法はコールドキャストと呼ぶ。
 模型用レジン系素材と同等の部品再現度を持ち、混ぜ物の効果によって下地処理なしで塗装できる。
 主に塗装済み完成品に用いられるが、衝撃に弱いうえ値も張るのでPVCに押されている。ニーズの少ない小規模生産に向いている。
 気密度が高い状態で長期未開封に置いておくと、保護材の発砲スチロールから気化した有機溶剤により傷つくことがある。

ポリレジン
 ポリストーンの親戚で、配合率などが異なるらしい。一般向けフィギュアに多用される。

ホワイトメタル
 錫や銅、アンチモンを原料とする合金で、ガレキの一部や単色フィギュアの素材として利用される。用途におうじて基本組成は大きく変動する。

魔アソート
 メーカー戦略による、揃えるのに手間や金がかかるアコギなアソート。
 本来シークレットとすべきラインアップをノーマルとし、購買者をぬか喜びさせておいて、シークレットや限定として逆に普通ないし基本となるキャラや服装、シチュエーションを持ってくることも。

魔改造
 フィギュアの改造で、露出度をアップさせる方向性のもの。たいてい18禁と化す。

マスキングテープ
 覆うテープ。塗装で塗りたくないところを隠す。しっかり重ねておかないと間から入ってしまう。色移り防止にも使える。

マスコットフィギュア
 デフォルメ型のチープトイサイズなフィギュアをこう呼ぶことが多く、キーホルダーやストラップなど携帯できるタイプをよく見る。
 大きな作品だと文字通りなにかのマスコットキャラクターを立体造形したもの。

マスター
 複製を前提とした大元のフィギュア。最終原型や彩色用マスター。

マスター原型
 量産寸前の最終原型。

マスプロダクト
 大量生産のこと。収集用フィギュアはマスプロダクト商品。

マニア開け
 ボックスを底から開封したり、ブリスターの台紙を、絵をできるだけ傷つけないよう瞬着剥がし液等を用いて丁寧に外すこと。ブリスターの横面を目立たないように綺麗に切り、台紙との接合に傷を付けず取り出す方法もある。
 別名コレクター開け。

魔乳
 肯定否定双方で使用。巨乳、あるいは人類の規格を突破したありえない超乳。もしくはロリコンがおおきな乳に畏れを抱いて呼ぶ。

マンガフィギュア Manga figure
 海外(主に米国かな)でオタク向けフィギュアを指す呼称のひとつ。アニメフィギュアと合体させ、アニメマンガフィギュア(Anime Manga Figure)と呼んだ場合はほぼ日本製を指している。

マンパワー
 人を大量に動員した力、その威力。彩色フィギュアの大量生産はマンパワーの恩恵がないと不可能。

未開封
 出荷された封印状態のままであること。カートン未開封、ボックス未開封、個々の箱未開封、内袋未開封など、複数の段階がある。中古市場においてはガレージキットを除き、未開封品の価値は一般的に開封品より高くなる。

水洗い
 汚れたPVC製フィギュアを綺麗にするには、これが一番。お湯で行うとより効果的。80度を超えるような熱湯では塗料が変色する可能性が高まるので注意。

ミニブック(解説書・説明書)
 カプセルトイの付属印刷物。商品の詳細が記されている。単純に解説書や説明書(いずれも一般的すぎるので本用語集に項目は設けていない)とも呼ぶ。ボックスフィギュアでは箱に書かれているので付いてくることは稀。

ミニレビュー
 写真数枚や未開封撮影で適当に済ます簡易レビュー。もしくは複数のアイテムでひとつのコレクションを形成するタイトルの、一部だけを紹介すること。別名小レビュー、ぷちレビューなど多数。

見本
 商品見本。複製原型の彩色マスター試作や、テストショット品など。ときに実際の量産品が見本とかけ離れて泥人形化するので、メーカーによって注意が必要。

ムク
 仏教用語の無空とは関係ない。部品の中が詰まってること。ソフトビニールは中空で、PVCやレジンはムク。スカートの中がムクだと殿方はがっかり。

無限収集
 おなじものや特定のタイトルを様々な理由で延々と集め続けること。中にはまったくおなじものを千個以上集める人もいる。


 特定のフィギュア(キャラ)に萌えまくり、いきつく中途段階の呼び方のひとつ。

メーカー
 フィギュアを企画・量産・販売する会社のこと。21世紀になって求められる原型と量産ラインの質は高くなる一方で、しのぎを削っている。
 主なメーカーとしてアルター・海洋堂・グッドスマイルカンパニー・コトブキヤ・コナミ・シーエムズ・セガ・トイズワークス・バンダイ・マックスファクトリー・メガハウス・ユージンなどがある。

メタルキャスト
 低温で溶ける錫や銅の合金等を鋳型に流し込んで成型する方法。ホワイトメタルのフィギュアはこの方法で作られる。高温でないと成型不可能なダイキャストに比べ安価。

メタルフィギュア
 すべり軸受用の合金から出発したホワイトメタル製のフィギュアを主に指す。ガレキの黎明やおまけフィギュアとして使用される。銀色に鈍く輝く発色が彫像みたいな独特な印象を与えることから、彩色されないことが多い。

萌え
 おたく発祥で一般語に成長したモンスターな単語。「燃え」の誤変換等により生じ、土萠ほたる(土萌ほたる)など氏名に「萌」を含むキャラが出るたび注目を浴び、段階的に使用者が増えた。
 2005年には萌えが流行語大賞に入選したが、メイド喫茶が注目されただけにすぎない。

萌え系フィギュア
 萌えフィギュアとおなじ意味だが、より広い意味で使用できる。

萌えフィギュア Moe figure
 21世紀に入って急速に広まり、1990年代から2003〜2004年ごろまで長らく主流だった「美少女フィギュア」と肩を並べるまでに台頭した表記。海外で日本のフィギュアを指す表記の一種でもある。
 萌えとエロは重なる部分があるが、エロは劣情の喚起が中心なので萌えフィギュアとエロフィギュアは違う。

萌え袋/萌袋
 女の子づくし。萌えグッズしか入っていない、軟派男性オタク狙い打ち福袋。嵩張る商品でないと値段を抑えて一定の大きさに達しないため、フィギュアはかなりの確率で入っている。

モールド
 専門用語では成形型のこと。一般ではモールドライン(ディテールアップ用途)やパーティングラインの略。

モールドライン
 リアル感を引き立てたり塗装の色境界を示すためのミゾ、成形型の合わせ目にできる盛り上がり、成型時に発生した予期せぬ線模様など、複数の意味で用いられる。
 直訳は「型の線」なので、どれも間違ってはいない。

模型
 あるものをそっくり模したもの。
 造形のレベルは幼稚なものから精緻なものまで様々で、具体さのレベルもさまざまな段階があり、ディフォルメしたり芸術的になったりする。大きさとしては実物より小型化するのが普通。
 一般向けとしては現実に存在するものはリアルなものほど受け入れられやすく、アニメなど架空のものは記号の情報再現が上手なもの、豊富なもの、簡単にいえばイメージを上手に表現できたものほど評価が高まる。

模型キット
 模型のキット。工作を要する。

模型レビュー
 模型をレビューすること。昨今この手のレビューサイトのアクセス数は簡単に1日数百件から数千件レベルに達する。
 日本の量産模型は質的に世界有数あるいは一定の方面では最高の水準にある。玩具を越えたものという位置づけで芸術作品の一種と見る向きもあり、博物館が出来たり展覧会が各地で開催されるなどして、その価値観は少しずつだが確実に広まっている。

モデラー
 模型のキットを完成させる人。または模型を原型から作ってしまう人。

ユージン/YUJIN
 フィギュアの歴史で特筆すべき企業。チープトイにおけるフィギュアの隆盛を決定づけた、SR ToHeartシリーズを1998年から2000年にかけて発表した。
 ガレージキットのディーラーが原型を担当、頭部可動とスカート脱着のギミックの採用、肌色成型と細かい彩色の徹底、多数に分割されたパーツ群など、以前と以後で語られる決定的な差を業界にもたらした。
 これらの流れのすべてがユージンに起因しているわけではないが、いろんな要素をひとつにまとめた、先駆者としての功績は大きい。よつば
 当サイトでフィギュアのスケール対比に用いているアクションフィギュアで全高5.5cm(右写真)。浅井真紀氏による傑作。電撃大王2004年6月号付録。漫画よつばと!の主人公。フィギュアレビュー小岩井よつば


 特定のフィギュア(キャラ)に萌えまくり、いきついた先の呼び方のひとつで主流の表現。実社会では「妻」が使用率が一番だから、逆転現象が生じている。誰しもがファンタジーだと自覚しているのだ。

嫁入り
 待ちわびたフィギュアやドールが家に来ること。個人コレクションに加わること。

予約
 博打。キャラ人気先行などで前人気が高いものの中には、ペイントマスター公開の段階で予約をしておかないと入手できないこともある。普通は量産の彩色サンプルが出るまで予約完売ということはあまりないが、生産数が少ないという思わぬ仕打ちに会うことも。
 過剰人気で店舗が数が確保できず、予約が遅いとショートされる悲劇もある。地方ではネット通販が生命線であるが、先行人気による転売屋の予約買い占めは困りもの。大都市部ではよほどの人気商品でない限り、予約以外に店頭販売ぶんも確保されているのでまだチャンスがある。

ラインアップ
 品揃え。コレクションやシリーズの具体的な内容。シークレット等は明かされないこともあり。

ラジオペンチ
 模型工作で金属部品を使うとき重宝する。切断、曲げなど。固いABSも、ものともしない。

ラバーパーツ
 ゴムみたいな軟質素材で成型される、柔らかい部品。繊細で壊れやすそうな部品を物理的に安全なものとするため、あるいは柔らかい手触りを再現するギミックとして利用されてきた。布のように薄いラバーパーツを用い、リアルなキャストオフの実装や、アクションフィギュアの見映え確保といった応用がある。

ラメ塗装
 光沢塗装の一種で使用は稀。反射材となるラメフレークにより、仕上がりは夜空の星々。

ランナー
 成型材の通り道。プラモデルだと各部品を保護する役割を持つ。昔のトレーディングフィギュア(プラモデルに近いものを除く)にも時折ランナーが含まれたが、最近はまず見ない。
 あるとすればミリ単位の物凄く細かい部品をランナー付きで保護しておく例くらい。

リアルフィギュア
 写実主義的なフィギュアないしドールで、若干生き人形の系譜に属し数は少ない。通常のフィギュアで、出来が良いことを強調するための呼び名。あるいはデフォルメと比較するための表記。

離型剤
 すべり剤。固化した成型素材や、塗装済み完成品を型ないしブリスターから綺麗に剥がすための潤滑油。ガレキやプラモだと下地処理の第一段階として表層の離型剤を落とす作業があり、塗装済み完成品では埃飛ばしの邪魔となる

リサーチ
 意味合いとしては、あるフィギュアコレクションがどのようなアソート内容や配置(ボックスフィギュア)、重量(ボックスフィギュア)であるかを調査すること。
 気になるフィギュアが買うに価するものかどうかを、レビューを元に判断する行為もリサーチ。

リペイント
 人気タイトルを再生産するとき、初版とすこし配色を変えること。イベント限定品や誌上限定通販のバリエーションとしてもよく行われる。
 コレクションの中で、事実上のシークレット扱いでレアカラーのリペイントを混ぜることも。よくある企業戦略。もしくは入手した彩色が気に入らないときに、自分で塗り直すこと。

リマスター
 再版時、再生産時に原型を作り直すこと。または旧作を新解釈、別解釈で造型すること。おなじ人が造るとは限らない。

リマスター原型
 リマスターされた最終原型。

リューター
 電動回転工具。ドリルなどを回す。

良心アソート
 シクレを含むすべてのラインアップの混入率がほぼ等しいアソートや、ボックス大人買いで簡単にコンプリートできるアソートなど。コレクターに優しいもの。逆は極悪アソート。

両面テープ
 模型工作で、一時的な固定目的などに使う。

レアアイテム
 コレクションの中で数のすくないもの。シークレット。中には凶悪に少ないものもあり、大人買いやその筋の模型店、レンタルケース、ネットオークションなどで高い金を払って入手する。

レアアソート
 レアアイテムとほぼ同じで、封入率の低いさま。

冷蔵庫
 変形を修正した状態をPVCになじませるのは、冷蔵庫の中に数十分から数日ほど寝かせておくと若干効果があるという。夏場冷蔵庫に保管しておく人もいる。
 食品を出し入れするたびお気に入りフィギュアが目に飛び込むわけで、生活必需を逆手に取ったディスプレイケース。

冷凍庫
 ドライヤー後の固定専用に用い、急速冷却が目的。凍るほど長時間は入れず、数分から長くても10分以内。その後さらに冷蔵庫に入れるという選択肢もあり。

レート
 おもに収集家同士、素人間の取り引き相場。相場と漢字で表記されると若干意味が異なってくる。

歴史
 元祖 ガレージキットフィギュアの歴史
 1970年代
 日本のガレージキットが産声をあげる。当初は怪獣やメカなど、男の世界。素材はメタルやソフトビニール。
 1980年代
 ガレキの素材でレジンが台頭。自由曲線を写し取れるレジンの恩恵を受け、アニメやマンガのキャラを中心としてフィギュアが登場。ワンダーフェスティバルといった定期の即売会イベントがはじまり、原型師・造形師が雑誌等でクローズアップされるようになる。
 1990年代
 美少女戦士セーラームーンや新世紀エヴァンゲリオンといった、社会現象に発展した強力コンテンツの後押しを受け、原型師の技術水準が著しく向上し、人材も集まる。大きなフィギュアの主要スケールが1/6と1/8に2極固定化されたのはこの時期で、以後ほとんど変化はない。
 商業化が本格化し、キットを取り扱うマニア玩具店が増えた。それらキットと原型師名はセットであり、名を明かさないモグリのキットに売れる光は射さなかった。ガレージキットを取り扱うメーカーが幾つも登場し、都会の即売会イベントに行けない地方人が受け皿の過半となる。
 買い支えるファン層と、キット作りに専念できる職業化の環境。プラスの相乗効果によってプロ化した原型師の指先が生み出すフィギュアは、世界中の他のどの国も再現することが不可能に近い、美術品といえるようなレベルに達してゆく。
 日本はミクロな模型の世界においてほとんどのジャンルで世界最高水準の人材を豊富に抱えており、フィギュアも予定調和で追いついただけにすぎないと豪語さえできる。趣味の世界にここまで労力を注ぎ込めるのは、凝り性な職人気質ゆえだろう。
 2000年代
 ガレージキットの主流をフィギュアが占めるようになり、最先端集団の技術水準、表現力はさらなる進化と洗練を続けている。
 原型や完成品のレベルが高くなるに従い、ついてゆけなくなった下手の横好きが増え、ガレキを組み立てる人は減る一方である。今世紀に入って商業レベルでのガレージキット販売は急速に尻すぼみとなり、多くの企業が撤退ないし解散した。
 海洋堂、コトブキヤといった体力のある会社はそのまま完成品企画・制作会社へとシフトし、新規参入も相次いで原型師の仕事は維持された。ビジネスモデルがニーズの変化により、キットから完成品に変わっただけである。
 ただし意味合いは大きく変化した。彼ら職業原型師が作るのはもはやキットではなく、完成品の単なる原案であり、かつて「造形師」とまで賞賛された影は跡形しかない。商品に名前すら出ない例も増えてきた。ガレキがメインだった時代を知らない購入者層が増えてきた影響か、原型師の功績がメーカーのブランドイメージに昇華されてしまう傾向が強い。主要ファンが単なる消費者にレベルダウンした証左だろう。
 プロも息抜き(というよりむしろ仕事より本気)で参加している即売会における新作発表は、従来の形態を原則維持しているが、美味しい場所を軒並み占拠するメーカーや、なんでおまえらがおんねんな感じの意味不明な小売業者の参加が多く、転売とそれに付随する当日版権の問題も表面化し、理想からの変質を余儀なくされている。
 2008年春、大都市持ち回りガレージキットイベント、WHFが終幕した。地域発表の機会が減ったことは、とくに地方ディーラーへの影響が心配される。
 アクションフィギュアの歴史
 〜2005年
 たまに発売されるていどで、萌え方面の大きなムーブメントはなかった。細身プロポーションを維持しつつ全身可動を満足いくレベルで実装するノウハウは、メジャーでは浅井真紀氏くらいしか実現していなかった。2006年前半までは名作とされる美少女ジャンルの可動物はほとんどが浅井氏によるもので、それ以外はヒーロー物やドール系のノウハウがそのまま転用される例が多く、技術的に未成熟であった。
 2006年
 以前から廉価物で造型レベルを維持したままの部分アクションに定評があった海洋堂が、メカ物を中心にリボルテックを仕掛けた。歯車と爪のラチェットによる長期の保持力が可能な機構を関節部に標準採用し、フルアクションのブランドを立ち上げた。まもなくコナミが浅井真紀氏のMMS素体を利用した武装神姫を立ち上げると、萌えフィギュアでのアクションフィギュアの動きが活発化しはじめた。
 2007年〜
 実力派メーカーが複数、新たに萌えのアクションフィギュアで成功した。デフォルメを組み合わせたねんどろいどシリーズと、棒状関節とラバーパーツを多用するfigmaである。いずれもブランド化がキモであるといえるが、とくにfigmaは浅井可動をMMSとは別のコンセプトで結実させたものであった。元祖の海洋堂もリボルテックで萌えを仕掛けたが、ブランド中のサブブランド化はセイバーやよつばがヒットした後の祭りと、後手に回った。
 勝ち組の技術水準が高すぎるため、以前なら通用していたレベルでも相手にされない傾向が生じた。「たまらん」ことQ-Joyはブームの落とし子である。
 チープトイフィギュアの歴史
 〜1980年代
 論外。
 1990年代
 ボックスやカプセル、食玩でぽつぽつと出るていどで、完成度も子供だましで低かったが、買う側の意識改革とそれに応えたバンダイの企業戦略で、彩色が売れる最低条件になってゆく。素材は最初からPVCが主流。
 1990年代末〜2000年
 食玩ブームの熱気を受け、メインターゲットを高校生以上の大人に絞ったことで、1998年頃から完成度が急上昇しはじめる。ユージンなどの先導によってカプセルでガレキの原型師が採用されはじめ、大型完成品のノウハウを持ち込むことで技術的なブレイクスルーが起こる。スカート外し、首が動くといった定番ギミックも勢揃いする。肌色成型もこの時期に普通となった。
 食玩方面の美少女物はメインターゲットに子供も加えてしまったため、技術的にかなり乗り遅れる。チープトイの宿命か、原型担当者の名は明かされないことが慣例となってしまう。
 2001〜2004年
 チープトイフィギュアの絶頂期。カプセル物、ボックス物双方共に多くのタイトルが企画され、大型の完成品をあっさり追い抜いて主流を形成する。
 2003年ごろからはABSや透明素材(色移り防止等)が普通に使われるようになり、長期間のディスプレイを意識したものに。コストを抑えるための半透明アソートが流行したが、不評を受けて次第に下火となる。この時期フィギュアを買い始めた人はチープトイの「安い上に良く出来ている」部分に惹かれた人が多いようだ。
 食玩の萌えは2003年リカヴィネの発表でようやく先行分野に追いついた。
 2005〜2006年
 生産コスト・流通コストの高騰により値段がじわじわと上昇し、同じ大きさでかつての1.5〜2倍に。
 フィギュアは部品数が多く版権料などいろんな意味でコストが嵩み、さらに大型品の完成度が急上昇してきた影響もあって、企画されるタイトル数が往時と比べだいぶ減った。フィギュアの主流は大型完成品へ再シフトしてゆく。
 大型完成品ジャンルの再生にはチープトイで育まれた技術の吸収が大きく関与しており、かつてガレキから技術を吸い取って羽ばたいたチープトイは、皮肉にもガレキの延長に誕生した大型完成品にその市場のかなりの部分を奪われる形となった。
 フィギュア愛好家を増やしてきたチープトイフィギュアは栄枯盛衰を経て足跡を残し、牽引役をひとまず終えたといえよう。高額化を受けブランド志向が高まったのか、これまでの慣習が崩れて原型師名が明かされるタイトルが増えてきた。原型師を表記していると完成度も高めな傾向があり、メーカーが質でカバーしようとする本気度のアピールといえる。
 食玩の萌えフィギュアは子供向けという大義名分に縛られてコストアップが出来ず壊滅した。
 2007〜2008年
 カプセル・ボックス物共に萌えジャンルは規模縮小が収まり、少ないメーカーが細々とリリースする状態となっている。コスト高はデフォルメジャンルの割合を高め、チープトイのヒットタイトルはデフォルメに集中するようになった。
 従来のリアル頭身物はコスト対策としてディテールやサイズを犠牲とする傾向が顕著となっている。一流メーカーがデフォルメに注力する裏には、リアル体型ではもはやブランドイメージを守る完成度を維持できない、切迫した事情があると思われる。
 塗装済み完成品フィギュアの歴史
 1990年代はじめ
 すでにリカちゃん人形などでノウハウがあり、黎明はドール系の延長からスタートした。素材は中空のソフトビニール。
 1990年代半ば
 本格的なおたく向け完成品は初期からガレージキットの原型師を登用している。
 イベント品ガレキからの流用が多く、量産を意識したプロの分割がガレキ水準アップにも役立った。たとえば顔本体から前髪パーツを独立させるといった、お約束の基本化などである。
 素材はしばらくソフビ中心だった。塗装済み完成品フィギュアというジャンルは、ガレージキットフィギュアの落とし子、または商業的な定向進化であるといえる。
 1990年代末
 素材に丈夫なポリストーンが登場しはじめる。ガレキと近い方法で量産されるため、メーカーにとって作りやすいものだった。呼び方はもっぱらスタチュー(置物)。コールドキャスト製法は大量生産が不可能で、塗装済みフィギュアの価格は1/8で平均1万円前後にも高騰した。
 2000〜2002年
 ポリストーンによるスタチューの絶頂期。値段が高いため、カプセルやボックスといったチープトイに完全に主役を奪われ、絶頂といっても市場規模は小さかった。完成度的には大型模型にまだまだ一日の長があった。
 ポリストーンの値段が高いため、表現力や保持力で劣るとはいえソフビにもまだまだ需要があった。
 2003〜2004年
 保持力の高い固めなPVC製品が急速に広まり、ポリストーンはあっというまに減りソフビに至ってはほぼ絶滅した。値段は一気に半分以下とリーズナブルになったことで購入者が増加する。チープトイもガレキの技術を吸い取って高いレベルに達し、良い意味での競争が起きたといえる。買う側にとっては黄金時代だろう。
 ロリ物が流行ったのもこの時期なので、ロリコンにとっても良き日々だった。この頃から大型フィギュアの原型師名が明かされなくなる、けしからん事例が増えはじめる。
 2005〜2006年
 イベント品を量産化する企画の割合が減り、最初から完成品用に原型を作るパターンの一般化が進む。
 PVC完成品の水準は上昇しつづけ、2005年後半にはパーティングラインがほとんど目立たなくなり、ついにポリストーンを抜き去った(パーティングライン消しがポリストーン最後の砦だった)。PVCはグラデーション塗装にも強く、コスト面の制約から単調な配色になりがちなポリストーンはもはや万策尽きたといえる。
 PVCが持つ幾つかの弱点もABSや透明素材の併用で解決し、パッケージも長期未開封に耐えられる仕様へと、あらゆる方面の技が進歩した。チープトイが担っていた脱ぎや可動、パーツ交換といった遊び(とくにエロ要素)の部分も普通に採用されるようになった。
 これらのノウハウの大半はチープトイで培われており、吸い取られた側となったチープトイフィギュアは質でも遊びでもエロスでも、もはや大型塗装済み完成品には対抗できなかった。
 コスト面でも敗北を喫した廉価フィギュアは衰退し、大型の塗装済み完成品が市場の主役へと躍り出て、人気商品は予約段階で多くが売れてしまうようになる。つまりサンプルの出来が売上げに直結するようになった。
 話題となった品薄の人気フィギュアはほぼすべてが原型担当者名を表記しており、名を明かせる人材を確保できているという一流メーカーの自負が伺える。過当競争による不良在庫のセールが当たり前のように行われるようになったが、それらの少なからずが原型師名が明かされてない商品なのは皮肉であろう。
 2007〜2008年
 コスト高の影響で新技術はギミック方面に集中し、萌えアクションフィギュアのブームとジャンル分化を促した。それは塗装済み完成品の静物ならではの完成度と、玩具本来の特質である動作性との融合という、かつてはワンオフ的作品以外ではほぼ不可能だった事象の、量産レベルでの両立――すなわち実用化であった。浅井可動がついに本領を見せたともいえる。
 これはおそらくは、2次元平面の嘘を見事に立体へと昇華させることに成功した90年代末以来の、造型レベルでのおおきな進歩であるかもしれない。
 ギミック方面のほかの注目的な試みは、薄いラバーパーツの使用と、変色素材の利用が増えたことであろう。いずれも使用用途は限定的であるが、選択肢として定着し、表現の幅がより広がったのはたしかである。
 高い完成度による購買欲によって買い支えられている状態とはいえ、チープトイ市場を衰退させたコスト高は水を含んだ真綿のように大型完成品市場を蝕んでいる。具体的には、これまで上昇する一方だった完成度の平均レベルが、ついに頭打ちとなったことである。思い切ったコスト対策を取るメーカーもあらわれ、プライズ景品並の完成度で発売してしまう例が増えてきた。
 一流メーカーは値段上昇を厭わない、完成度の向上と維持に余念がない。ブランドイメージを守る戦略なのだが、毎月リリースされるタイトルが100以上に膨らんでしまっており、選択肢の増加は良貨でも売れない現象を引き起こした。再販でつい作りすぎ、人気フィギュアのはずが安売りバーゲンに混ざってしまうメーカー泣かせも起きている。
 百花繚乱の戦国時代に乗り込む新参メーカーには、売りやすいエロティシズムに走る傾向が強くなってきた。だがメガハウスのように直球エロ勝負が中心の有力古参もおり、競争は熾烈である。
 おまけフィギュアの歴史
 カプセルフィギュアそのものが景品イコール遊びのおまけだが、ここではコスト的に小型と大型の中間となるフィギュア群を取り扱う。
 〜1980年代
 概念がなかったと思われる。
 1990年代
 バブル崩壊で個性の時代が終焉すると、人は安くてかつ同じものを欲しがるようになった。
 おたくの世界も類に漏れず、アーケードのプライズゲーム景品としておたく向けに最初に登場したのはぬいぐるみだった。それにフィギュアが加わるのにたいして時間はかからなかった。
 当初から素材はPVCがメインで、カプセル物、ボックス物と同じか、若干大きいのが普通だった。
 2000年代
 プライズフィギュアは常にコストと格闘する日々が続いており、2004年頃にはその完成度が大型塗装済み品に一時追いついたがすぐ引き離され、2005年以降は数歩譲るようになっている。
 ゲームやCD、DVDといったメディアに特典として付いてくるおまけフィギュアが見られるようになり、2004年からは同人フィギュアという新ジャンルも登場した。いずれも標準的に小型から中間の大きさとなっている。
 等身大フィギュアの歴史
 1980年代
 おたく向け美少女キャラ等身大フィギュアの制作はまだ本気段階ではなかったが、すでにマンガなどで描写されており、おたくの理想としては存在していた。
 1990年代
 完全な趣味やオーダーメイドといった形で、ごく少量が作られはじめたようである。リアルサイズになると1/6〜1/8スケールのノウハウが通用せず、当初から顔造型の違和感を指摘される。服は最初から布だったが、髪の毛は樹脂の塊だった。応力がかかる関節の保持といった基礎技術は、マネキンという先駆者がいたおかげで克服できた。
 2000年代
 フィギュア購入者の絶対数が増えてきた関係で、量産が可能に。萌え系を会社としてかつ一定規模で継続生産しているのは事実上ペーパームーンくらいしかない。
 単価が数十万円と高いので、ローンやボーナス払いなど、家具や車とおなじ販売形式が取られる。等身大ゆえの重量が持つ制約により、小さいフィギュアが持つ生き生きとした「瞬間の造形」を再現できない。代わりに可動や着せ替えといったドール的な魅力の深化によって、購入者の等身大フィギュアへの愛着は並大抵ではなく、まさに現代のアンティークドールであろう。
 顔造型は試行錯誤を重ねつつ確実に進歩している。素材面でも髪に毛を採用したり、よりリアルな手触り感を出すなど、初期のマネキンレベルはとっくに脱し、通常サイズのフィギュアでは困難な、等身大ならではの表現を進めている。
 ドール系フィギュアの歴史
 1980年代〜
 フィギュアが登場した頃には女児対象のドールジャンルはすでに完成されており、当初からドールにアニメキャラの格好をさせてみました、というだけで事が済み、今も基本は変化していない。大人向けドールにはボークスをはじめとするリアル志向の流れが1990年代に登場し、その中でもアニメキャラの格好をさせたカスタマイズが個人レベルで良く行われ、時折商品化される。

劣化
 経年による劣化。さまざまな外因により加速したり押し留まったりする。

レジン
 プラスチック合成樹脂のこと。ウレタン系、エポキシ系、ポリエステル系などがあり、ガレージキットの主材料となっている。
 しなやかで軽くて丈夫なプラスチックだが、成型時の量産が利かないため、キットの段階でPVC塗装済み完成品以上の値段となる。成型性能や素材強度の確保と引き替えに、塗料や接着剤との相性が悪い。そのため組むには多くの手間が必要で、塗装済み完成品に採用されることはほとんどない。
 成型直後から性質等が微妙に変化しつづけ、次第に安定する。新品は1ヵ月以上置いてから組み立てると安心。

レジンキャスト
 レジンの鋳型成型。シリコンに象った鋳型を用いるため量産が利かない。手流し作業が可能なので、趣味レベルのガレージキットで素材と共によく使用される。業者によるレジンキャストは機械を使用する。

レビュアー
 レビューをする人のこと。

レビュー/レヴュー
 専門用語として難しい意味付けがあるが、一般的には評論・論評で事足りる。玩具・模型・フィギュアのそれは発表後や発売後の現物をレポートする記事のこと。

廉価
 安いこと。

ロリ
 彼女らを愛するロリコンはじつは賢者である。「悟り」を分解すると「小五ロリ」になるからだ。
 しかし残念ながらロリなフィギュアは常におっぱいに負けつづけてきた。「おっぱい!おっぱい!」というふくよかな振り子運動の前には、賢者の優しさなど無力なのだ。

ロリコンフィギュア
 ときどき誤用されているが、いかなる恐るべき代物か想像してくれたまえ。

ロリフィギュア
 ロリータのみを示すわけではなく、総じて未成熟な女性のフィギュア。ロリ属性な殿方が大好きなもの。稀に女性にも受け入れられるファンシーなフィギュアはもっぱらロリが多い。

ワールドホビーフェスティバル
 各地の大都市持ち回りで年間に幾度も開催されいた、トイとガレージキットのイベント。地方在住のディーラーやコレクターにはありがたい。WHFと略す。2008年春、歴史を閉じた。

ワンオフ
 複製を前提にしない、一品限りの模型。造形したものを複製もせず塗装する場合が多く、塗りが失敗すると大変。

ワンダーフェスティバル
 1985年からつづく日本最大の模型展示即売会イベント。毎年2回、夏と冬に東京で開催される。現在の主催は海洋堂。ワンフェスもしくはWFと略す。

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