標準型戦艦 Kosmische Schlachtschiff(Z:Kosmish schlacht schiff)
会戦レベルの大規模な戦闘において中心戦力となり、高い攻撃力と防御力を発揮して活躍する。それが戦場の花形、標準型戦艦である。
ならばすべての戦力を戦艦にすれば良いではないか、というわけにはいかない。戦闘は軍事のほんの一場面にすぎず、哨戒・巡航・警備・護衛・輸送・訓練・整備といった軍務の99%以上を占める日常任務を遂行するには、戦艦ばかりではコストがかかりすぎる。実際小説やアニメの描写でも、こういった小部隊の編成で戦艦の割合は低い。すべてはバランスの上に成り立っているのだ。エネルギー大喰らいで金食い虫の標準型戦艦は多くが制式艦隊に配備されており、艦隊決戦の日を待ち軍港あるいは前線で爪を研ぐのである。 このクラスの標準型戦艦が最初に登場したのは帝国暦750年代初頭であり、第2次ティアマト会戦の歴史的大敗北から数年で配備がはじまっている計算となる。「軍務省にとって涙すべき40分」の痛手は量産艦艇の設計にまで根本的な見直しを迫る、巨大な鉄槌だったのだろう。
以降半世紀近くも基本設計は変化しなかった。開発陣は発展余裕を考慮していたと思われ、後の技術進歩や仕様変更にも柔軟に対応できる、汎用的で秀逸な容れ物を送り出した。ラインハルトとヤンが激突する時代になると最適化は極限まで追求されており、運営における安定・確実・信頼は信仰にも近いものだった。貴族士官の少なからずが将軍として栄達してもなお、個性的な旗艦専用艦に見向きせず標準型戦艦を座乗艦としつづけた所以であろう。そのニーズに応えるためだろうか、本級艦は内部換装のみで単艦で1万隻以上の艦隊を指揮できる機能的余裕を誇っている。同盟軍は900mクラスの旗艦でもこの芸当が不可能で、1100mを超えるアイアース級でようやく実現できている。ヤン艦隊は数千隻の分艦隊の連合という形で全体の指揮を執っていた。
元帥や門閥大貴族クラスになるとさすがに標準型戦艦に乗るわけにはいかなかったようで、標準型戦艦をそのまま巨大化したようなヴィルヘルミナ級を選択している。 標準型戦艦から派生した艦種は多く、ヴィルヘルミナ級、ネルトリンゲン級、ヨーツンハイム級、高速戦艦などがある。さらにヴィルヘルミナ級からはフォルセティ級にワルキューレ空母および雷撃艇母艦が、ヨーツンハイム級からガルガ・ファルムルが、高速戦艦からはケーニヒス・ティーゲルが派生しており、帝国軍における標準戦艦の系譜は大きな位置を占めている。その共通する最大の特徴は艦体の上下に長く走っているコブのような構造だろう。ここには各種アンテナ類が寝そべった形で収まっている。同盟軍と異なり帝国軍はアンテナまで装甲の下に隠しているのだ。これは帝国軍の艦艇が標準仕様として大気圏突入機能を持たせていることが影響している。 旗艦専用艦がいない編成では標準型戦艦が旗艦となることが多い。内部は旗艦向けに一部換装していて、定員も726名から750名に増える。もっとも実際に定員数まで人が乗り込む戦艦は旗艦や戦隊長艦くらいだっただろう。
帝国軍の艦艇は万能型に作られているため、ほとんどの艦種は同盟の同艦種より相対的に乗員が多い。しかし両陣営とも会戦時における一隻辺りの動員人員はほぼ等しく、だいたい百数十名しかいない。内部が同盟よりはるかに広く、かつ想定乗組員も多い帝国軍の戦艦は、同盟戦艦以上にガラガラだった。プライベートスペースは余裕をもって確保できたと思われ、地球圏統一政府全盛時代の狭い艦内で嘆いていた兵士たちが知ればさぞや羨むことだろう。
人員以外でも戦艦の余裕ぶりを示すエピソードがある。同盟の帝国侵攻時、ウルリッヒ・ケスラーはクラインゲルト領より数十万人ぶん(推定)の当面の食料をわずか3隻の標準型戦艦で移送した。外伝では巡航艦も中央部に大きな倉庫空間を持っていることが明かされており、帝国軍の艦艇は総じて相当なペイロードを持っている。長期戦となれば同盟よりも有利だし、外見の変化なしでかなりの仕様変更や設備の増設が可能だろう。 艦体後部の左右に出っ張っている補助エンジンは、被弾すれば即座に切り離すことが可能な仕様となっている。もっとも個人旗艦級と異なりサイズ的に余裕のない量産艦種である以上、誘爆までの猶予はさほどなく、劇中の描写でも無事に撃沈を回避できた例は見受けられない。
補助エンジン前面下部には大気圏航行時に空気を取り入れるエア・インテークがある。惑星大気は自然の推進剤となるから、これを使わない手はない。似たような箇所のおなじ構造はブリュンヒルトや巡航艦をはじめ、かなりの艦種に見られる。見えないやつは普段は覆いをして隠してるパターンで、帝国軍でエア・インテークを持たない艦は新技術を導入したパーツィバルだけである。地上へ降りない同盟軍艦艇には最初からこの構造がない。
主砲は6門。同盟軍戦艦より2門少ないが、口径が大きいので全体の威力は同等である。同盟は防衛戦争として「あっち行っちゃえ!」を目的とし、帝国は平定戦争として「おまえを殺す……」を目的としている。この違いが艦艇の構造にさまざまな差を生み出してきた。主砲下部に見える2つの穴は砲門ではなく、後退機動時に推進ガスを放出するノズルである。 レールガンやミサイルなどの実体弾はおもにサブエンジン構造の前部に集中配置されている。誘爆を防ぐパージ機能とセットなのだろう。
帝国軍共通の横面に見られる銀色の円盤状構造はメンテナンス・ベイで、その奥には艦橋や反応炉といった重要な設備がある。弱点なのでこの部分の装甲はとくに厚くなっており、銀色の輝きと球面はおそらくビームや爆発といった熱攻撃への防御だろう。同盟軍はモジュール式でブロック丸ごと輪切りにできるので、メンテナンス用途の専用構造はとくに必要としない。
下部に張り出したメインエンジンの前部には、ワルキューレが12機収められている。一部に48機というサイズ上ありえない情報もあるが、これが事実だとすればワルキューレ空母の存在理由がなくなる。艦載機の出撃描写は同盟軍ではラザルス級空母から、帝国軍では標準型戦艦からによるものがもっとも多い。帝国軍の空母は同盟より数が少ないのが理由だと考えられる。
ならばすべての戦力を戦艦にすれば良いではないか、というわけにはいかない。戦闘は軍事のほんの一場面にすぎず、哨戒・巡航・警備・護衛・輸送・訓練・整備といった軍務の99%以上を占める日常任務を遂行するには、戦艦ばかりではコストがかかりすぎる。実際小説やアニメの描写でも、こういった小部隊の編成で戦艦の割合は低い。すべてはバランスの上に成り立っているのだ。エネルギー大喰らいで金食い虫の標準型戦艦は多くが制式艦隊に配備されており、艦隊決戦の日を待ち軍港あるいは前線で爪を研ぐのである。 このクラスの標準型戦艦が最初に登場したのは帝国暦750年代初頭であり、第2次ティアマト会戦の歴史的大敗北から数年で配備がはじまっている計算となる。「軍務省にとって涙すべき40分」の痛手は量産艦艇の設計にまで根本的な見直しを迫る、巨大な鉄槌だったのだろう。
以降半世紀近くも基本設計は変化しなかった。開発陣は発展余裕を考慮していたと思われ、後の技術進歩や仕様変更にも柔軟に対応できる、汎用的で秀逸な容れ物を送り出した。ラインハルトとヤンが激突する時代になると最適化は極限まで追求されており、運営における安定・確実・信頼は信仰にも近いものだった。貴族士官の少なからずが将軍として栄達してもなお、個性的な旗艦専用艦に見向きせず標準型戦艦を座乗艦としつづけた所以であろう。そのニーズに応えるためだろうか、本級艦は内部換装のみで単艦で1万隻以上の艦隊を指揮できる機能的余裕を誇っている。同盟軍は900mクラスの旗艦でもこの芸当が不可能で、1100mを超えるアイアース級でようやく実現できている。ヤン艦隊は数千隻の分艦隊の連合という形で全体の指揮を執っていた。
元帥や門閥大貴族クラスになるとさすがに標準型戦艦に乗るわけにはいかなかったようで、標準型戦艦をそのまま巨大化したようなヴィルヘルミナ級を選択している。 標準型戦艦から派生した艦種は多く、ヴィルヘルミナ級、ネルトリンゲン級、ヨーツンハイム級、高速戦艦などがある。さらにヴィルヘルミナ級からはフォルセティ級にワルキューレ空母および雷撃艇母艦が、ヨーツンハイム級からガルガ・ファルムルが、高速戦艦からはケーニヒス・ティーゲルが派生しており、帝国軍における標準戦艦の系譜は大きな位置を占めている。その共通する最大の特徴は艦体の上下に長く走っているコブのような構造だろう。ここには各種アンテナ類が寝そべった形で収まっている。同盟軍と異なり帝国軍はアンテナまで装甲の下に隠しているのだ。これは帝国軍の艦艇が標準仕様として大気圏突入機能を持たせていることが影響している。 旗艦専用艦がいない編成では標準型戦艦が旗艦となることが多い。内部は旗艦向けに一部換装していて、定員も726名から750名に増える。もっとも実際に定員数まで人が乗り込む戦艦は旗艦や戦隊長艦くらいだっただろう。
帝国軍の艦艇は万能型に作られているため、ほとんどの艦種は同盟の同艦種より相対的に乗員が多い。しかし両陣営とも会戦時における一隻辺りの動員人員はほぼ等しく、だいたい百数十名しかいない。内部が同盟よりはるかに広く、かつ想定乗組員も多い帝国軍の戦艦は、同盟戦艦以上にガラガラだった。プライベートスペースは余裕をもって確保できたと思われ、地球圏統一政府全盛時代の狭い艦内で嘆いていた兵士たちが知ればさぞや羨むことだろう。
人員以外でも戦艦の余裕ぶりを示すエピソードがある。同盟の帝国侵攻時、ウルリッヒ・ケスラーはクラインゲルト領より数十万人ぶん(推定)の当面の食料をわずか3隻の標準型戦艦で移送した。外伝では巡航艦も中央部に大きな倉庫空間を持っていることが明かされており、帝国軍の艦艇は総じて相当なペイロードを持っている。長期戦となれば同盟よりも有利だし、外見の変化なしでかなりの仕様変更や設備の増設が可能だろう。 艦体後部の左右に出っ張っている補助エンジンは、被弾すれば即座に切り離すことが可能な仕様となっている。もっとも個人旗艦級と異なりサイズ的に余裕のない量産艦種である以上、誘爆までの猶予はさほどなく、劇中の描写でも無事に撃沈を回避できた例は見受けられない。
補助エンジン前面下部には大気圏航行時に空気を取り入れるエア・インテークがある。惑星大気は自然の推進剤となるから、これを使わない手はない。似たような箇所のおなじ構造はブリュンヒルトや巡航艦をはじめ、かなりの艦種に見られる。見えないやつは普段は覆いをして隠してるパターンで、帝国軍でエア・インテークを持たない艦は新技術を導入したパーツィバルだけである。地上へ降りない同盟軍艦艇には最初からこの構造がない。
主砲は6門。同盟軍戦艦より2門少ないが、口径が大きいので全体の威力は同等である。同盟は防衛戦争として「あっち行っちゃえ!」を目的とし、帝国は平定戦争として「おまえを殺す……」を目的としている。この違いが艦艇の構造にさまざまな差を生み出してきた。主砲下部に見える2つの穴は砲門ではなく、後退機動時に推進ガスを放出するノズルである。 レールガンやミサイルなどの実体弾はおもにサブエンジン構造の前部に集中配置されている。誘爆を防ぐパージ機能とセットなのだろう。
帝国軍共通の横面に見られる銀色の円盤状構造はメンテナンス・ベイで、その奥には艦橋や反応炉といった重要な設備がある。弱点なのでこの部分の装甲はとくに厚くなっており、銀色の輝きと球面はおそらくビームや爆発といった熱攻撃への防御だろう。同盟軍はモジュール式でブロック丸ごと輪切りにできるので、メンテナンス用途の専用構造はとくに必要としない。
下部に張り出したメインエンジンの前部には、ワルキューレが12機収められている。一部に48機というサイズ上ありえない情報もあるが、これが事実だとすればワルキューレ空母の存在理由がなくなる。艦載機の出撃描写は同盟軍ではラザルス級空母から、帝国軍では標準型戦艦からによるものがもっとも多い。帝国軍の空母は同盟より数が少ないのが理由だと考えられる。
理屈倒れのシュターデンが劇場版アスターテ会戦で乗っていた艦で本体は指揮用標準型戦艦。付随する盾艦が特徴。
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標準型戦艦を再設計し、防御力と旋回性を引き替えに、正面火力と突進力を高めた艦種。
変更点が多すぎたためバリエーション艦とは思えないほど外観が異なっており、実情はまったく別の艦種といえる。
変更点が多すぎたためバリエーション艦とは思えないほど外観が異なっており、実情はまったく別の艦種といえる。
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ロルフ・オットー・ブラウヒッチ提督の乗艦でブラウヒッチ分艦隊旗艦。内部は旗艦用に通信機能等の改装が施されている。
ラインハルト直属としてバーミリオン会戦、回廊の戦い本戦で先陣を務めており、同僚の中ではもっともラインハルトの信任が厚かった提督と考えられる。敵味方双方が元気で激しい応酬となる先陣は非猛将型のブラウヒッチにとって貧乏籤ともいえ、両会戦とも部下に尋常ならざる犠牲を出したのは描写からも明らかだろう。だが怯む幕僚に対し「これも作戦のうちだ」と叱咤し、損耗を当然のものと受け入れていた彼の姿勢は軍人として模範的な態度であった――艦隊の最前列で戦う末端の兵士たちにとっては溜まったものではなかったが。
試練を乗り越えて下手に実績を作ると、また同じ死地へ投げ入れられてしまうのが、軍人の悲しい性である。それを帝国軍でもっとも痛感していたのは黒色槍騎兵の将兵であったろう。 艦名はゲルマン神話の神業的な鍛冶職人。伝説的な神の武器や乗り物を色々と作った。トールの鎚ミヨルニルはゲームなどにも登場する。
ラインハルト直属としてバーミリオン会戦、回廊の戦い本戦で先陣を務めており、同僚の中ではもっともラインハルトの信任が厚かった提督と考えられる。敵味方双方が元気で激しい応酬となる先陣は非猛将型のブラウヒッチにとって貧乏籤ともいえ、両会戦とも部下に尋常ならざる犠牲を出したのは描写からも明らかだろう。だが怯む幕僚に対し「これも作戦のうちだ」と叱咤し、損耗を当然のものと受け入れていた彼の姿勢は軍人として模範的な態度であった――艦隊の最前列で戦う末端の兵士たちにとっては溜まったものではなかったが。
試練を乗り越えて下手に実績を作ると、また同じ死地へ投げ入れられてしまうのが、軍人の悲しい性である。それを帝国軍でもっとも痛感していたのは黒色槍騎兵の将兵であったろう。 艦名はゲルマン神話の神業的な鍛冶職人。伝説的な神の武器や乗り物を色々と作った。トールの鎚ミヨルニルはゲームなどにも登場する。
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イザーク・フェルナンド・フォン・トゥルナイゼンの乗艦であり、トゥルナイゼン艦隊の旗艦。
トゥルナイゼンはラインハルトと幼年学校の同級生であり、バーミリオン会戦時若干二十代前半であった。これで中将であるから、いくら貴族の子弟としても異例の出世といえる。ケンプ艦隊幕僚として参加したリップシュタットでの特進がなくとも准将ないし少将であるから、時代が時代とはいえ実戦指揮官として非凡希有な実力を有しているのは間違いない。
事実トゥルナイゼンの昇進は少なからずが戦闘指揮や作戦参謀としての、純粋な武勲によるものであったらしい。キルヒアイス死後にラインハルトが精力的に行った人材発掘で、これらの履歴が元帥の目に留まったのも自然のなりゆきであった。同級生のよしみもあっただろうが、ケンプ艦隊司令部より引き抜かれた若き俊英は、大本営に直営艦隊司令官として籍を置くこととなる。
栄転を果たしたトゥルナイゼンだったが、転属後まもなく、古巣のケンプ艦隊が全滅してしまう。かつての同僚がほとんど戦死したことを知ると、己の守護者を信じ、自分の人生が特別なものであると考えるようになったようである。すなわちラインハルトの華麗さにのみ目を奪われ、自らの運命を重ねてしまったのである。天才は模倣の対象とはならないのに、とはヒルダの評であった。
ラグナロック作戦時、戦乱の終わりを予感していた中将以下少壮気鋭の提督たちには、功を焦る風潮があった。ゾンバルト少将が自滅して早々に死を賜ったが、天才肌のトゥルナイゼンには薬とならなかったようである。
ランテマリオでは大人しくしていたものの、バーミリオン会戦でラインハルトの言葉を曲解して独断専行し、同僚であるブラウヒッチ艦隊を巻き込んで前衛に混乱を起こした。当然その隙を見逃すはずがないヤン艦隊から痛打を受け、要らぬ犠牲を出してしまった。この件によりオーベルシュタインとラインハルトの忌避を買い、ローエングラム公の皇帝登極と前後して大本営から左遷された。
ローエングラム王朝軍は基本的に攻める側であり、制式艦隊に属さない艦に戦闘のチャンスはまずない。すなわちローエングラム紋章版のテオドリクスは閑古鳥の巣であった。トゥルナイゼンが前線指揮官としてふたたび腕をふるう機会は、皇帝崩御の瞬間までついに訪れることはなかった。 艦名は東ゴート王国の建国者テオドリック大王をラテン語で読んだもの。西ローマ帝国滅亡後、長らく混乱の渦中にあったイタリア半島を統一した。
トゥルナイゼンはラインハルトと幼年学校の同級生であり、バーミリオン会戦時若干二十代前半であった。これで中将であるから、いくら貴族の子弟としても異例の出世といえる。ケンプ艦隊幕僚として参加したリップシュタットでの特進がなくとも准将ないし少将であるから、時代が時代とはいえ実戦指揮官として非凡希有な実力を有しているのは間違いない。
事実トゥルナイゼンの昇進は少なからずが戦闘指揮や作戦参謀としての、純粋な武勲によるものであったらしい。キルヒアイス死後にラインハルトが精力的に行った人材発掘で、これらの履歴が元帥の目に留まったのも自然のなりゆきであった。同級生のよしみもあっただろうが、ケンプ艦隊司令部より引き抜かれた若き俊英は、大本営に直営艦隊司令官として籍を置くこととなる。
栄転を果たしたトゥルナイゼンだったが、転属後まもなく、古巣のケンプ艦隊が全滅してしまう。かつての同僚がほとんど戦死したことを知ると、己の守護者を信じ、自分の人生が特別なものであると考えるようになったようである。すなわちラインハルトの華麗さにのみ目を奪われ、自らの運命を重ねてしまったのである。天才は模倣の対象とはならないのに、とはヒルダの評であった。
ラグナロック作戦時、戦乱の終わりを予感していた中将以下少壮気鋭の提督たちには、功を焦る風潮があった。ゾンバルト少将が自滅して早々に死を賜ったが、天才肌のトゥルナイゼンには薬とならなかったようである。
ランテマリオでは大人しくしていたものの、バーミリオン会戦でラインハルトの言葉を曲解して独断専行し、同僚であるブラウヒッチ艦隊を巻き込んで前衛に混乱を起こした。当然その隙を見逃すはずがないヤン艦隊から痛打を受け、要らぬ犠牲を出してしまった。この件によりオーベルシュタインとラインハルトの忌避を買い、ローエングラム公の皇帝登極と前後して大本営から左遷された。
ローエングラム王朝軍は基本的に攻める側であり、制式艦隊に属さない艦に戦闘のチャンスはまずない。すなわちローエングラム紋章版のテオドリクスは閑古鳥の巣であった。トゥルナイゼンが前線指揮官としてふたたび腕をふるう機会は、皇帝崩御の瞬間までついに訪れることはなかった。 艦名は東ゴート王国の建国者テオドリック大王をラテン語で読んだもの。西ローマ帝国滅亡後、長らく混乱の渦中にあったイタリア半島を統一した。
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メルカッツが乗っていた標準型戦艦のバリエーション。火力と出力が高い。
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カール・エドワルド・バイエルライン提督の、マル・アデッタ星域会戦までの乗艦。
本艦はミッターマイヤー艦隊・バイエルライン分艦隊旗艦として数々の戦闘に参加し、旗艦引退まで大過なく過ごした。バイエルライン坊やが役者の違いをヤン艦隊やロイエンタール相手に見せつけられるのは新造戦艦ニュルンベルク移乗後であったから、ヘオロットは幸運艦と言えるだろう。
ミッターマイヤー麾下の各分艦隊旗艦は当初いずれも標準型戦艦だったと思われる。その中で個人マーキング艦は確認されている範囲でヘオロットだけである。ランテマリオ会戦の終盤に登場した。 由来は古英詩ベーオウルフに登場するデネ族(デンマーク)王の城館で、ヘオロットは「雄鹿の館Hall of the Hart」を意味する。上官の旗艦がベイオウルフなればこその艦名であろう。城といっても石造りの堅牢なものではなく、掘っ立て小屋の親玉みたいなやつだった。
本艦はミッターマイヤー艦隊・バイエルライン分艦隊旗艦として数々の戦闘に参加し、旗艦引退まで大過なく過ごした。バイエルライン坊やが役者の違いをヤン艦隊やロイエンタール相手に見せつけられるのは新造戦艦ニュルンベルク移乗後であったから、ヘオロットは幸運艦と言えるだろう。
ミッターマイヤー麾下の各分艦隊旗艦は当初いずれも標準型戦艦だったと思われる。その中で個人マーキング艦は確認されている範囲でヘオロットだけである。ランテマリオ会戦の終盤に登場した。 由来は古英詩ベーオウルフに登場するデネ族(デンマーク)王の城館で、ヘオロットは「雄鹿の館Hall of the Hart」を意味する。上官の旗艦がベイオウルフなればこその艦名であろう。城といっても石造りの堅牢なものではなく、掘っ立て小屋の親玉みたいなやつだった。