標準ズームだけで梅を写したけど超広角・魚眼・望遠・マクロ・大口径レンズまで真似してみる(風物版) 風物 おでかけフォト よろずなホビー
また梅を写しにいってきた。標準ズーム一本でレンズ交換なしのテスト。
今年、すでに梅は特大のものを写してきた。なのにさらに写す意味は――標準レンズ一本でどこまで表現できるかのテスト。諸事情(事故とか)からレンズやカメラが減っていき、2015年3月はじめ、ついにカメラ1台、レンズ3本になってしまった。今回は今後の野外撮影をどうしようか見極めるための撮影だ。
APS-C機と同等の軽さに抑えたDfには発光機能がない。こんなときは安価なコンデジにも採用されているHDR(ハイダイナミックレンジ)を使えば、暗部を持ち上げ内臓フラッシュの真似事ができる。不自然にならないよう抑えるのがポイントだぜ。下は日影での撮影なので、本来はとっても暗い。
こちらは数枚からのパノラマ結合による、超広角レンズの真似だ。コンデジによくあるパノラマ機能と違って、PC上でゆっくり時間をかけて結合していくから繋がりは自然になる。下は5枚を使い、計算に1分ほど掛かった。およそ115度の範囲が写り込んでいる。標準ズームであれば広角は80度から84度が限界だ。
このように色んなレンズの代用が標準ズームだけで可能か実地でテストしたわけだ。
ズームレンズは撮影倍率にどうしても制限があるが、部分を切り取ればマクロレンズ並のアップにできる。繊細さでは本家マクロに勝てないので、ほどほどが良さそうだ。なお下の一枚は花の部分に局所的なシャープ処理を掛けている。
ズームレンズは一般的にボケ表現が苦手なので、デジタル処理を施し、大口径レンズのボケ量とボケ味を再現してみた。すこしは見れる絵になってるかも。こうすればボケの大きなレンズを求める必要は低下する。でもしょせん真似なので、ボケに品位を求めるときは本物の良いレンズを使うしかない。
デジタル補正で魚眼化。ただし本物の魚眼レンズと違って広い範囲が写ってるわけじゃないから注意だ。魚眼モドキだぜ。広角として魚眼的な表現が欲しいなら、パノラマ連結から行う必要がある。
最後は望遠レンズの真似事。マクロの真似とおなじく大幅な切り取りで、おそらく500~600mm相当になってる。またもやピントの合った部分のみシャープを掛けた。空には掛けてない。単色の空間にシャープを施すと、ノイズが浮かんでくるからだ。最近は現像時にシャープを使わなくなったが、それは現像ソフトより編集ソフトのほうが細かい設定ができるから。補正が少ないほど「素材」に向いている。
以上のように、たいていのレンズの真似事が標準ズームだけで可能だぜ。ティルト・シフトといった特殊用途もデジタル補正一発。むろん美しいボケやすばらしい解像感といったものは高価なレンズやそれぞれに専門化したレンズを使った方が良いに違いない。
あとは普通の撮影だ。
白い梅だぜ。
渓流と梅。
岩がごろごろ転がってる中に梅の木が密集してる。
紅梅もきれいだぜ。
逆光。コントラストが低下する現象、フレアが発生してる。高価なレンズほど起きにくいが、標準ズームの安価モデルだし。これは真似でカバーできない。失われた情報の補填には無理が生じる。素直に上質なレンズを使うのが最良だ。
こういう構図なら逆光もいいものだ。
ボケの量を稼いでおけば安価レンズでも綺麗に見えるかも、だぜ。
帰り道で猫の墓を拝んできた。
以上、べつに交換レンズを持って行かなくてもあるていどは表現できるぜって話。雨天の撮影や砂埃が多い場所など、条件が悪いときはズームレンズ一本での勝負も手だぜ。
こちらに真似する前と後、双方の比較版がある。