民間船・昔の艦 Andere Schiffe

銀河英雄伝説フリートファイル・バトルシップコレクション
アイマルラン号
アウドムラ
アンデューティネス号
気まぐれ号
旧式戦艦(ダゴン星域会戦時)
ゲッチンゲン
旧式戦艦(第2次ティアマト会戦時)
ヴァーリ
ヴァナディース
エムブラ
クーアマルク
スクルド
ダグダ
旧式巡航艦(第2次ティアマト会戦時)
旧式駆逐艦(第2次ティアマト会戦時)
護衛艦
ディアーリウム
ベリョースカ号
ベルゲルミル
ぼろもうけ号
ロシナンテ号

アイマルラン号 Aymaran/Aymar aru
民間船・昔の艦
ヘルクスハイマー伯爵


奪還者エピソードにおいてヘルクスハイマー伯爵が乗っていた船。
伯爵一族および随行貴族らの居住空間は豪華で広く、自衛用武装や脱出用の隠し通路を備えていたことから、伯爵個人所有の船と思われるがフェザーン豪華客船の可能性もあり、詳細は不明である。幼帝を同盟へ運んだロシナンテ号に見られるように、独立商船レベルでも隠し部屋を持っている。富裕層が相手の客船であれば、隠し通路・隠し部屋を常備している確率は、戦時下であることからとても高いだろう。
本艦はラインハルトに拿捕された後ささやかな冒険を経て、マルガレータ・フォン・ヘルクスハイマー嬢と共に解放された。
船名は南米の先住民族アイマラの人々を意味する単語を候補として挙げておく。ケチュア族によるインカ帝国勃興の際、ボリビアやペルーの高原地帯へと追われたアイマラ族には、ヘルクスハイマー伯爵の境遇に重なるものがある。その後インカ帝国はスペインに滅ぼされ、やがてアイマラ族も制圧併呑された。銀河帝国や同盟の辿る歴史までも示しているかのようだ。

民間船・昔の艦
帝国軍総旗艦

第2次ティアマト会戦時の帝国軍総旗艦。ツィーテン元帥が座乗した。
当時の標準戦艦を再設計して巨大化させた感じは後のヴィルヘルミナ級と同様のコンセプトだといえる。姉妹艦と思われる同形艦としてディアーリウムやベルゲルミルがおり、いずれも大将以上の最上級提督が個人旗艦としていた。外見上の差違は形状面では見られないが、アウドムラは総旗艦だけあって横面が金色に輝いている。
会戦終盤、敗戦の責任を問われるかのように撃沈された。
艦名は北欧神話に出てくる特別な牛。流れ出る乳は川となるほどだった。

アンデューティネス号 Undutifulness(Z:Undu Tiness)
民間船・昔の艦
フェザーン独立商人
元は同盟軍の新造軍用船で小型輸送船。同盟軍の輸送用艦船は用途に応じて何種類もある。
フェザーン脱出時に失ったベリョースカ号の代替としてヤン・ウェンリーの配慮によりボリス・コーネフが引き取った。同盟降伏後はユリアンらを地球へ送り、同盟消滅後はイゼルローン要塞と外部との橋渡し役となった。
アンデューティネス(親不孝)は命名者ヤンなりの洒落で、発音は未来語の綴りUndu Tinessによる。

原作で登場。ぼろもうけ号の次にフェザーン侵攻途上のミッターマイヤー艦隊と遭遇した貨物船。停船命令の警告を船名のごとく無視した結果、軍機保持のため撃沈されるという、あまりに高すぎる代償を支払わされた。

民間船・昔の艦
全長710m 全幅120m 全高149m 帝国軍
1/5000ガレージキット(提供ウォルフ(Wolfgang))さま
本編に先立つ150年昔、ダゴン星域会戦時の帝国軍主力戦艦で、当時は最新鋭戦艦だった。エンジンが一基だったり艦橋構造が前部に突出しているなど、外見的には後の同盟が選択した方向に近い作りとなっている。 これは当時の帝国軍艦の運用目的が戦闘だけに限定されていたのが影響していたとされており、ダゴン大敗というショック療法でようやく目覚めた帝国は、軍艦を領内秩序維持なども視野に収めた機能満載な多目的艦へと進化させてゆく。 側面砲塔があまり見られないが、長らく星間戦争レベルの大乱がなかった影響か当時は戦闘艇の兵科が事実上消失しており、単純に艦砲で勝負を付けていた。そのため近接防御の重要性が低かったようである。 箱形の露天型艦橋はサイズも巨大できわめて危険であるが、ハードウェア面で情報収集・処理能力に未だ余裕がなかったためと思われる。側面の帝国紋が金色の艦は旗艦用で、外見上は同等だ。後の標準型戦艦も旗艦仕様と通常仕様とに形状的差異はとくに認められないため、一種の伝統となっているようだ。 正面から見ると艦首砲門の横方向の間隔がかなり開いているが、放射熱などの干渉による集束誤差や命中率低下を防ぐためである。この時代はまだかなり効率が悪かったようで、艦体外側ぎりぎりまで離して砲口を配置しているのが印象的だ。
開いた中央スペースを活かすためだろう、標準型戦艦が長らく受け継ぐことになる稜線構造がすでに認められる。この張り出し部には、後の標準型戦艦では内蔵アンテナやシールド発生装置など、できるだけ外装甲に近い位置に配置しないと効力を発揮できない機器類が収められている。ダゴン当時のこの艦から同仕様であったかは不明だ。 帝国軍艦は後世になっても全体的に集束口径が大きく一撃が強力なぶん、旗艦級大型戦艦に至るまで砲門の間隔も広いままである。逆に同盟は口径が小さく相互干渉があまりないようで、当時からすでに狭い領域にびっしり密集させていた。 放熱や整備上の理由からだろうか、艦底にはかなり広い非装甲部があり、防御上の不安材料になっていたと思われる。
ダゴン会戦時の帝国軍には戦艦のほかに巡航艦や駆逐艦も普通にいたと考えられるが、同会戦シーンのアニメでの登場がごく短かったこともあり、デザインされていない。同盟軍にも原作で駆逐艦ヤノーシュが登場しており存在こそ確定しているが、やはり戦艦以外の設定画はない。

民間船・昔の艦
全長710m 全幅120m 全高149m 帝国軍インゴルシュタット艦隊/帝国軍総旗艦
ゲッチンゲンはダゴンで大敗した帝国軍諸将の中で数少ない良識派だった参謀ゴットリープ・フォン・インゴルシュタット中将の艦で、ヘルベルト大公が座乗し総旗艦とした。
写真の艦は当時の一般的な旗艦用戦艦で、ゲッチンゲンが同型艦の一隻だったかまでは分かっていない。旗艦といっても量産艦との外見上の差はまるでない。
帝国同盟ともダゴンの戦いで万単位に達する大軍を指揮統括する専用艦船の重要性を学んだとされ、会戦後、旗艦用大型戦艦の開発がスタートする。帝国はブリュンヒルトまで長らく量産用艦の再設計で旗艦を用意していたと見られ、同盟は当初から旗艦専用級戦艦を量産用とは別に造っていた。
ダゴンの戦いそのものは同盟軍の圧勝で、本土に帰ることが叶った帝国軍は1割にも満たなかった。ゲッチンゲンは幸運な一部に名を連ねることができたが、総旗艦を事実上操っていたのが有能なインゴルシュタットだったからに他ならない。その功績に対しヘルベルト大公は恩を仇で返した。中将はすべての罪をなすりつけられ殺されたからである。 艦名は中部ドイツの学園都市。かつて啓蒙主義が花開いた影響による。グリム兄弟とも関係が深い。


第2次ティアマト会戦時の帝国軍標準型戦艦。マスケット(先込め式歩兵銃)のようなデザインが興味深い。いかにもクラシカルで風雅だ。銀英伝の戦闘モデルは戦術こそ古代中国だが、艦隊戦そのものは17~19世紀ごろの欧州にある。銃を持って整然と居並ぶ戦列歩兵をそのまま宇宙戦艦に見立てている。
当時の歩兵は立ったまま横隊の密集陣形を組み、敵に向けて斉射する攻撃方法が一般的だった。敵陣が崩れるか接近すると銃剣を構えて突撃した。まさに銀英伝の艦隊戦に近いが、宇宙戦艦がバリアで守られているのと異なり、歩兵を守るものはなにもない。鎧はとっくの昔に無力と化していた。最前列に配置された新兵は生きた心地がしなかっただろう。
いまから見ると人命軽視でアホらしい戦い方だったが、当時の銃は命中率が低く、有効射程も100mていどしかなかった。マスケットの類は立ち姿勢でないと弾込めが出来ず、次弾装填に数十秒も要した。これらの欠点を補うには、とにかく密集し、かつ立ち姿勢を維持するのがもっとも戦闘効率を上昇させたようである。恐怖心を和らげて精神を高揚させるため、華麗な軍服や軍楽隊は必要不可欠だった。戦場で勇ましい音楽――クラシックを奏でながらひたすら前進するカラフルな長方形の群集を想像すると、凄惨な戦争のはずなのに優雅ささえ感じさせる。
当然ながら正規軍のこのような戦闘スタイルは、散兵によるゲリラ戦法に対して滅法弱かった。アメリカ独立戦争でイギリスが負けた原因のひとつに挙げられることがあるほどだ。だからといって全軍を広範囲に散らせると、有効射程わずか100mの銃では攻撃に同時参加できる兵力が限られてしまうし、市民兵の概念がさほど広まっていなかったので正規軍といえども志気は低く、脱走兵が続出するのは確実だった。密集させるのは逃げるのを防ぐ目的もあったし、将校の役割は兵士の監視だったといってもいい。
第一次世界大戦以降は塹壕やカモフラージュ、散開しての進軍にヘルメットの標準装備など、歩兵の命を優先する手が一般化したが、火器が発展しすぎた結果の選択だった。戦闘の死傷率はこれらの防御手段を講じてなお、はるかに増大してしまった。愚かに見える戦いをしていた時代のほうが安全に生還できていたというのは、皮肉に尽きる。死亡率が低かったからこそ傭兵という職業が成り立っていたし、戦争は外交の一手段として十分にコントロール出来ていた。
長い寄り道から本筋に戻るが、アニメにおける銀英伝の戦闘モデルを成した時期の主兵装を模した戦艦が登場したのは、じつに面白い。詳細は不明でデザインから推測するしかないが、推進エンジンをはじめとした各機能の配置は、本伝の標準型戦艦とほぼおなじである。メインエンジンには冷却目的か明らかな露出構造が広範囲に見られ、防御上の不安要素だったと考えられる。事実、この部位への被弾からカルテンボルン提督が戦死している。
マスケット型戦艦は第2次ティアマト会戦時にはすでに運用末期に差し掛かっており、同会戦の数年後には生産を終了したと思われる。ただしその基本形状と機能配置は後継艦にしっかり受け継がれた。同盟軍の艦艇が本伝とはまるでかけ離れた容姿だったのと、じつに対照的である。

民間船・昔の艦
帝国軍カイト艦隊

第2次ティアマト会戦時カイト艦隊の副司令官バルヒヴィッツ少将の艦。分艦隊レベルの旗艦かどうかは不明。フレデリック・ジャスパーらの攻撃を受け撃沈された。
艦名は北欧神話の司法神。ロキの子。

民間船・昔の艦
帝国軍シュタイエルマルク艦隊

第2次ティアマト会戦時ハウザー・フォン・シュタイエルマルク中将の艦。
シュタイエルマルク艦隊は同会戦で大敗した帝国軍にあって唯一、秩序を保ち損害を抑え、味方の撤退を助けた。シュタイエルマルクは指揮官と参謀双方の能力を持つヤン型の名将であったが、同僚と時代に恵まれなかった。
艦名は北欧神話に登場する女神フレイヤの別名。

民間船・昔の艦
帝国軍カイト艦隊

第2次ティアマト会戦時のカイト艦隊旗艦。
エムブラはジャスパーとウォーリックの挟撃で被弾し、カイト中将も負傷した。カイト艦隊は帝国軍中最大の損失を出したが、中将は奇跡的にも帝国本土へ生還できた。座乗艦を移した様子がなかったので、エムブラも無事帰還して最低限の役割を果たしたと思われる。
艦名は北欧神話でオーディンが作った最初の人間の女性。

クーアマルク Kurmark(Z:Quermark)
民間船・昔の艦
帝国軍ミュッケンベルガー艦隊

第2次ティアマト会戦時ミュッケンベルガー艦隊の旗艦。
ウィルヘルム・フォン・ミュッケンベルガー中将は先年憤死したケルトリング元帥の甥で、730年マフィアを憎んでいた元帥の無念を晴らすべく突出した。しかし同盟軍の逆撃は熾烈なもので、クーアマルクは撃沈され中将も会戦序盤で戦死してしまう。
復讐戦のバトンはウィルヘルムの息子グレゴールへと渡された。半世紀後にグレゴール・フォン・ミュッケンベルガーが帝国軍の頂点を極めたとき、すでに次代が胎動しており、ウィルヘルムの願いは叶えられなかった。
クーアマルク(クルマルク、クールマルク)はベルリンの北、旧プロイセン領域の西部にある地方名で、かつては州だった。第2次大戦時、ドイツ装甲師団のひとつ。

スクルド Skuld/Schuld
民間船・昔の艦
帝国軍カイト艦隊

第2次ティアマト会戦時カイト艦隊に所属した戦艦。同盟軍の攻撃を受け撃沈された。
艦名は北欧神話で運命の女神。3姉妹の末。日本ではああっ女神さまのスクルドが有名。

ダグダ Dagda
民間船・昔の艦
帝国軍カルテンボルン艦隊

第2次ティアマト会戦で無謀な突出をしたカルテンボルン艦隊の旗艦。730年マフィアの諸将に包囲殲滅され、ダグダはカルテンボルン中将と共に散った。
艦名はケルト神話の巨神。


第2次ティアマト会戦時、宇宙艦隊の中核を成した巡航艦。同時代の標準型戦艦をそのまま機能縮小したような外見をしており、この時期の戦艦と巡航艦が共通の体系で結ばれていたことが伺える。アンテナが寝そべる構造が見られないので、通信機能は戦艦よりかなり劣っていると考えられる。
主砲は戦艦とおなじ6門。集束口径は相対的に小さいと思われる。ミサイルなど、ほかの武装の配置は外見からでは分からない。
艦橋や動力炉が配置されている重要な中央部は表面装甲が白い。戦艦と共通するこの特徴は、おそらく強化装甲・追加装甲の類と思われ、似たような構造が同盟軍旗艦および巡航艦にも確認できる。後の時代では少なくとも見た目では廃れているが、狙撃を回避する手ではないだろうか。レーザーを弾く反射性能を確保するためであろうが、白く輝く部位はどうも目立って仕方ない。本伝ではブリュンヒルトの装甲性能をクヴァシルのように地味な色でも不完全ながら再現できるようになっており、見た目を変えずに防御力を向上させる技術が確立されている。
エンジンは標準型戦艦より1つ少ない2基。上部のサブエンジンは艦本体からさほど離れておらずむしろ密接している。サブエンジンにメンテナンスハッチが見られないことから、後の時代とおなじく動力炉ひとつで動いているようだ。
動力炉1基――この運用事情が、本伝において巡航艦のエンジン4基を艦本体に密接させた原因のひとつかもしれない。炉が少ないと誘爆の危険が低くなるし、露出が減るほど被弾確率が下がる。単純・小型にはそれなりのメリットがある。
メインエンジンには戦艦と同様の露出構造と思われる部位が見られる。黒色槍騎兵の高速戦艦さながらな裸の大将ぶりは、推進間口の広さが示す、高いエンジン出力にあったと考えられる。装甲があると冷却が間に合わないからだ。ハイパワーだけど、その性能は本伝の艦と比べて決して高くはない。エンジンそのものが重いぶん推力を喰うからである。


第2次ティアマト会戦時の駆逐艦は、仕込み短銃のような外見をしていた。艦の大半は動力・推進部で構成されており、すばしっこさでは巡航艦以上のものがあったと思われる。攻撃の要となる艦首部には申し訳ていどの砲門が4つちまっと収まっており、住環境はかなり狭かっただろう。
本伝の駆逐艦より軽く10倍は重い巨大エンジンを誇っていたが、推進性能は逆に低かったことがハーメルンIIの資料に記されている。出力そのものは後世のものより大きかっただろうが、いかんせん重すぎた。自身の重量のために性能が相殺され、あまつさえ後継エンジンと競合するとマイナス収支となったのである。
大型エンジンの時代は第2次ティアマト会戦後も10年かそこら続いていた。この時代と本伝を繋ぐ過渡期の駆逐艦として外伝に登場したハーメルンIIを見れば、すくなくとも駆逐艦では先に攻撃面が進歩したことが分かる。標準型戦艦では一気に全体の仕様が変更されたようなので、段階的な開発が進められた駆逐艦はそれだけ軽く見られていたか、小型艦艇ゆえフットワークが軽かったのだろう。

護衛艦 Flottenbegleiter/Escort Ship
民間船・昔の艦
ヘルクスハイマー伯爵

護衛任務に就いている艦を示す幅広い単語であるが、現実において制式で護衛艦と名乗る艦種群が日本やドイツにいるためややこしい。
本来の分類名が分からず、暫定的に帝国軍が呼称していた護衛艦の名を採用するしかない艦に、ヘルクスハイマー伯爵のアイマルラン号を護衛していた青い船が挙げられる。帝国貴族が抱えている私兵が乗り込む特殊船、あるいはフェザーンが商魂たくましく提供している護衛サービス専用の武装船だと考えられる。艦と言われていたが、民間船にカテゴライズされるものと思われる。
民間船は一般的に船首へブリッジが置かれるが、それらしき構造体が一歩退いた中央上部に設けられており、砲撃戦を想定した構造を採用していると見られる。巡航艦ヘーシュリッヒ・エンチェンへ躊躇せず挑んだように、武装商船と違い諸機能の多くが戦闘向けに特化していると考えられ、同サイズの軍用船に比肩しうる火力を持っているようだ。
ただこの場合は敵手が巧者すぎた。タイミング良くラインハルト・フォン・ミューゼルに突かれ、エンジンに直撃を受けた青い護衛艦は、一撃の下に粉砕された。

民間船・昔の艦
帝国軍コーゼル艦隊

第2次ティアマト会戦時、コーゼル大将の艦隊旗艦。アウドムラと同形の巨大戦艦。
会戦の最終盤、ジャスパーとウォーリックの挟撃を受け大破した。大将をはじめ艦橋のおもだった者は戦死してしまったが、幕僚だったケーフェンヒラー大佐は負傷するも生き残り、惑星エコニアに送られた。彼は後にヤンと出会い、会戦の裏にあった出来事を伝える橋渡し役となった。ディアーリウムは同盟軍に接収された後、解体もしくは破壊されたと思われる。
艦名はラテン語で日記を意味し、惑星エコニアの秘かな伏線となっていたが、正直気付く人はほとんど皆無に近いだろう。

ベリョースカ号 Berjoska/Берёзка(Z:Beryoska)
民間船・昔の艦
全長328m 全幅85m 全高51m フェザーン独立商人

独立商人ボリス・コーネフの商船。初登場はキルヒアイス艦隊との遭遇。ユリアンがフェザーンから脱出する時、帝国軍を騙すために破壊した。このときユリアンらが乗っ取った帝国軍駆逐艦はハーメルンIVという。
船名はロシア語で白樺。

民間船・昔の艦
帝国軍シュリーター艦隊

第2次ティアマト会戦時、シュリーター大将艦隊旗艦。アウドムラやディアーリウムの姉妹艦と考えられる巨艦。
大将は会戦の終盤でアッシュビーの猛攻を受け戦死したが、ベルゲルミルが撃沈されたかどうかは不明。すくなくとも被弾したのは間違いない。
艦名は北欧神話における最初の巨人。最後の巨人でもある。

民間船・昔の艦
乗員14名 フェザーン
原作に登場。フェザーン侵攻時、ミッターマイヤー艦隊と遭遇した鉱石貨物船。機密保持のため艦隊と同行させられ、14人のクルーは歴史を目撃した。

民間船・昔の艦
全長451m 全幅108m 全高68m フェザーン独立商人

フェザーン独立商人ボーメルの船。図らずも幼帝エルウィン・ヨーゼフII世を同盟領へ運んだ。
船内に亡命者ないし密入国を幇助する目的と思われる隠し部屋を持っており、きれいな手では食っていけない独立商人のしぶとさを感じさせる。
船名はドン・キホーテの愛馬で、駄馬の隠喩でもある。