ロスタム Rustam
1/5000ガレージキット(提供ウォルフ(Wolfgang)さま)
アレクサンドル・ビュコック元帥麾下のマリネッティ分艦隊旗艦としてランテマリオ会戦、マル・アデッタ星域会戦を戦ったアイアース級(パトロクロス級・アキレウス級)大型戦艦。
アキレウス級の資料にはないが、パトロクロス級の説明ではディオメデスやアキレウスに連なる艦とされる。ランテマリオで一瞬だけ登場したデュドネイ分艦隊旗艦も、その艦首の長さから同列艦と見られる。 公式資料レベルでの解説テキストが一切存在しないため、本艦の性能などはすべて、外観や当時の同盟軍が置かれた状況、およびロスタムの配備先などより推定したものである。後日フリコレへ編入される際に、公式設定が定められるまでの仮の本文とする。
ロスタムの見た目で特筆すべきは、その簡素さだろう。艦首主砲群は30門しかなく、通常より10門も減らされている。艦体側面砲塔軍もその大半が装備されておらず、1000mを超える巨大戦艦としては、後部がずいぶんとフラットな印象を受ける。
いろいろと細部が異なるのでアキレウスやディオメデスと関係しない艦かと思うかも知れないが、ロスタムの艦首部形状は間違いなく第14・第15艦隊旗艦の影響を受けたものだと言えるだろう。ただひとつ、簡素化されていることを除けば。 砲門らしきものやセンサーが除かれた部位に、なにかを隠しているとは仮定しづらい。なぜなら銀英伝における隠顕式は運用上の理由から選択されるからだ。たとえば帝国軍の大気圏突入能力や、傾斜装甲などが分かりやすい。ロスタムにはどう見ても、特別な事情があるとは想像できない。
すなわちロスタムの他の戦艦と比べてスベスベな外観は、アイアース級の機能を低減化していると解釈して良いように思える。ロスタムはディオメデスをそのままスペックダウンした艦のように見える。その範囲は尖端から末端まで仔細に及び、まるで贅肉を徹底的にそぎ落としたかのようだ。
ただひとつ、指揮ブロックのすぐ後部の上方に、ちょっとした盛り上がりが追加されている。平凡な上部構造体から見て特別な武装ユニットという感じでもなく、ロスタムの謎となっている。 簡素化の影響はおそらく戦闘能力から通信・観測、果ては艦隊指揮能力にまで及んでいると思われる。どういうレベルかというと、要はアイアース級でありながら一個艦隊1万余隻を率いることがまるで不可能になっているということだ。
つまりアイアース級のフォーマットで、分艦隊旗艦を任せる専用の大型戦艦、それがロスタムではないか、という解釈である。分艦隊専用の旗艦ならこの時期すでに、ムフウエセやアバイ・ゲセルなど標準型戦艦を元とした特殊戦艦群が存在している。そうでありながらロスタムのような戦艦が登場した背景には、同盟軍の厳しい財政が関与していたと想像するのがたやすい。 2代目アキレウスおよびディオメデスの建造は、アイアース級というすでに旧式化していた器の延命というよりは、最後の利用を図ったプロジェクトであったようだ。その仲間であるロスタムにも、当初は一個艦隊を率いる能力が与えられるはずだったのかも知れない。
ところが建造途中で、資金が枯渇したとか、完成させても率いる戦艦がもう足りないといった痛烈な事実を、ほかの部署などより叩き付けられたりしたのかも知れない。設定がまったく明かされてないので現状では想像するしかないが、いろんな理由の結果としてロスタムは、ランテマリオで見せた変哲ある姿となったことだけは疑いない。
ロスタムの後部下方には、シャトル格納庫と同じシャッターが降りているのが面白い。本来ここは超光速通信アンテナおよびその制御装置が置かれるスペースだ。仕方がないから、大型倉庫やスパルタニアン追加格納庫にでもなっているのだろうか。 作中でもアニメでも描写はなかったが、ロスタムはマル・アデッタで同盟の最後に殉じたとされている。アイアース級の最後となった3隻はいずれも、激闘の末に撃沈され、戦闘艦としての役割を全うしたことになる。リオ・グランデにはじまり、ロスタムまで受け継がれたアイアース級の長射程路線は、アイアース級の終焉と共に、技術的に完全に断絶する。
艦名の由来はペルシャの叙事詩に登場する超人で、名馬ラクシュに乗って700年間も活躍した。ロスタムに乗ることとなったマリネッティ提督は超人の艦名にふさわしく疾風ウォルフを一時的にとはいえ怯ませることに成功するが、当て馬は当て馬にすぎなかった。
アレクサンドル・ビュコック元帥麾下のマリネッティ分艦隊旗艦としてランテマリオ会戦、マル・アデッタ星域会戦を戦ったアイアース級(パトロクロス級・アキレウス級)大型戦艦。
アキレウス級の資料にはないが、パトロクロス級の説明ではディオメデスやアキレウスに連なる艦とされる。ランテマリオで一瞬だけ登場したデュドネイ分艦隊旗艦も、その艦首の長さから同列艦と見られる。 公式資料レベルでの解説テキストが一切存在しないため、本艦の性能などはすべて、外観や当時の同盟軍が置かれた状況、およびロスタムの配備先などより推定したものである。後日フリコレへ編入される際に、公式設定が定められるまでの仮の本文とする。
ロスタムの見た目で特筆すべきは、その簡素さだろう。艦首主砲群は30門しかなく、通常より10門も減らされている。艦体側面砲塔軍もその大半が装備されておらず、1000mを超える巨大戦艦としては、後部がずいぶんとフラットな印象を受ける。
いろいろと細部が異なるのでアキレウスやディオメデスと関係しない艦かと思うかも知れないが、ロスタムの艦首部形状は間違いなく第14・第15艦隊旗艦の影響を受けたものだと言えるだろう。ただひとつ、簡素化されていることを除けば。 砲門らしきものやセンサーが除かれた部位に、なにかを隠しているとは仮定しづらい。なぜなら銀英伝における隠顕式は運用上の理由から選択されるからだ。たとえば帝国軍の大気圏突入能力や、傾斜装甲などが分かりやすい。ロスタムにはどう見ても、特別な事情があるとは想像できない。
すなわちロスタムの他の戦艦と比べてスベスベな外観は、アイアース級の機能を低減化していると解釈して良いように思える。ロスタムはディオメデスをそのままスペックダウンした艦のように見える。その範囲は尖端から末端まで仔細に及び、まるで贅肉を徹底的にそぎ落としたかのようだ。
ただひとつ、指揮ブロックのすぐ後部の上方に、ちょっとした盛り上がりが追加されている。平凡な上部構造体から見て特別な武装ユニットという感じでもなく、ロスタムの謎となっている。 簡素化の影響はおそらく戦闘能力から通信・観測、果ては艦隊指揮能力にまで及んでいると思われる。どういうレベルかというと、要はアイアース級でありながら一個艦隊1万余隻を率いることがまるで不可能になっているということだ。
つまりアイアース級のフォーマットで、分艦隊旗艦を任せる専用の大型戦艦、それがロスタムではないか、という解釈である。分艦隊専用の旗艦ならこの時期すでに、ムフウエセやアバイ・ゲセルなど標準型戦艦を元とした特殊戦艦群が存在している。そうでありながらロスタムのような戦艦が登場した背景には、同盟軍の厳しい財政が関与していたと想像するのがたやすい。 2代目アキレウスおよびディオメデスの建造は、アイアース級というすでに旧式化していた器の延命というよりは、最後の利用を図ったプロジェクトであったようだ。その仲間であるロスタムにも、当初は一個艦隊を率いる能力が与えられるはずだったのかも知れない。
ところが建造途中で、資金が枯渇したとか、完成させても率いる戦艦がもう足りないといった痛烈な事実を、ほかの部署などより叩き付けられたりしたのかも知れない。設定がまったく明かされてないので現状では想像するしかないが、いろんな理由の結果としてロスタムは、ランテマリオで見せた変哲ある姿となったことだけは疑いない。
ロスタムの後部下方には、シャトル格納庫と同じシャッターが降りているのが面白い。本来ここは超光速通信アンテナおよびその制御装置が置かれるスペースだ。仕方がないから、大型倉庫やスパルタニアン追加格納庫にでもなっているのだろうか。 作中でもアニメでも描写はなかったが、ロスタムはマル・アデッタで同盟の最後に殉じたとされている。アイアース級の最後となった3隻はいずれも、激闘の末に撃沈され、戦闘艦としての役割を全うしたことになる。リオ・グランデにはじまり、ロスタムまで受け継がれたアイアース級の長射程路線は、アイアース級の終焉と共に、技術的に完全に断絶する。
艦名の由来はペルシャの叙事詩に登場する超人で、名馬ラクシュに乗って700年間も活躍した。ロスタムに乗ることとなったマリネッティ提督は超人の艦名にふさわしく疾風ウォルフを一時的にとはいえ怯ませることに成功するが、当て馬は当て馬にすぎなかった。