ペルガモン Pergamon/Pergamum(F:same/Pergamonn)
[通常版はバトコレを掲載予定]
※劇場版 1/5000 ガレージキット(提供ウォルフ(Wolfgang))さま
ムーア中将率いる第6艦隊の旗艦で、アイアース級(アキレウス級・パトロクロス級)大型戦艦の一隻。ヤン・ウェンリーの親友ジャン・ロベール・ラップ少佐最期の舞台となった、悲劇の大型戦艦である。
同級基本デザインのパトロクロスと比べ後部砲塔を減らし、指揮ブロックの側面砲塔を増やしている。機関部側面に巨大な「6」の文字が目立っているのも特徴的だ。 劇場版では大幅な改装が行われており、艦首上部に15連装大型ミサイルポッドが、後部に6本の超光速通信アンテナが増設されていて、攻撃・情報の強化が図られている。機関部上方の追加突出部に関しては説明がないが、舷側の広い露出から何らかの特殊な装置らしいと分かる。
ペルガモンが別の戦艦かと見まがうほどの優遇的な増設を受けた理由は、おそらく覚えの良かった国防委員長辺りからの手向けだろう。 アスターテ出撃に際し、楽勝と踏んだヨブ・トリューニヒト国防委員長が、個人的に手柄を立てさせたいパエッタ・パストーレ・ムーアの3中将を迎撃に指名したとキャゼルヌが分析している。ムーアはトリューニヒト閥の提督だったようである。
文民統制(シビリアンコントロール)の原則により政治家の職権は軍人よりも上であるから、トリューニヒトの意向がシトレやロボスより優先されたのは当然であった。それゆえか国防委員長へ取り入ろうとする軍人は少なからずいたようで、政治屋として最高の地位を志向していた野心家トリューニヒトの時代ではとくに顕著かつ露骨だった。
後部対空砲が少ない代わりに、ペルガモンはアイアース級ではほぼ最高数といえる36機のスパルタニアンを載せており、近接防御力を補完している。バランスが悪い戦艦ではないようだ。
最後の出撃となったアスターテ会戦でムーア中将は、ラップの進言を退け希望的観測に基づく前進を続ける。案の定、背後より回ったラインハルト・フォン・ローエングラムの猛攻を受け、無謀な敵前回頭を敢行したところに、メルカッツ分艦隊より飛来した戦闘艇の奇襲を受け混乱、劇場版ではその後の降伏勧告を無視したためペルガモンは撃沈された。OVA版では背後を取られた状態からの行動をどうするかラップとムーアが言い争ってる間に撃沈されている。
ジャン・ロベール・ラップの意見がもし通って第2艦隊と第6艦隊の合流が叶っていれば、ペルガモンの撃沈はなくラップも生存しており、ラインハルトの元帥昇進も遅れ、その後の歴史は大きく変わっていたかも知れない。ラップも「現実はもっと不愉快です」などと叫ばずに済んだだろう。
ラップの遺志は婚約者ジェシカ・エドワーズが引き継いだが、政治の世界へ身を投じ己の正義を貫いたがためにスタジアムの虐殺で非業の死を遂げる。悲劇の連鎖というにはあまりの運命だった。
ifはあまり述べないほうが良いが、あえて繰り返そう。ラップが生きていればジェシカの死もなかっただろうし、そのぶんヤン・ウェンリーの自身が大量殺戮者であるという罪の意識も緩和され、ヤンとフレデリカの婚約も早まっていたかも知れない。であれば2人の新婚生活はより長く、より充実したものとなったであろう。それほどジャン・ロベール・ラップという存在は大きかったのであり、帝国陣営におけるキルヒアイスに匹敵していたかも知れない。
それは政治的・軍事的なものというよりは、各陣営の英雄・ラインハルトとヤンに与える人格的なプラス方向への影響力、癒しや活力の源といったものだ。親に恵まれなかった見返りに神より与えられた、無二の親友であるからこそ――。
艦名のペルガモンは紀元前後トルコ西部にあった古代王国もしくはその首都名で、ヘレニズムに属するギリシャ文化が栄えた。
※劇場版 1/5000 ガレージキット(提供ウォルフ(Wolfgang))さま
ムーア中将率いる第6艦隊の旗艦で、アイアース級(アキレウス級・パトロクロス級)大型戦艦の一隻。ヤン・ウェンリーの親友ジャン・ロベール・ラップ少佐最期の舞台となった、悲劇の大型戦艦である。
同級基本デザインのパトロクロスと比べ後部砲塔を減らし、指揮ブロックの側面砲塔を増やしている。機関部側面に巨大な「6」の文字が目立っているのも特徴的だ。 劇場版では大幅な改装が行われており、艦首上部に15連装大型ミサイルポッドが、後部に6本の超光速通信アンテナが増設されていて、攻撃・情報の強化が図られている。機関部上方の追加突出部に関しては説明がないが、舷側の広い露出から何らかの特殊な装置らしいと分かる。
ペルガモンが別の戦艦かと見まがうほどの優遇的な増設を受けた理由は、おそらく覚えの良かった国防委員長辺りからの手向けだろう。 アスターテ出撃に際し、楽勝と踏んだヨブ・トリューニヒト国防委員長が、個人的に手柄を立てさせたいパエッタ・パストーレ・ムーアの3中将を迎撃に指名したとキャゼルヌが分析している。ムーアはトリューニヒト閥の提督だったようである。
文民統制(シビリアンコントロール)の原則により政治家の職権は軍人よりも上であるから、トリューニヒトの意向がシトレやロボスより優先されたのは当然であった。それゆえか国防委員長へ取り入ろうとする軍人は少なからずいたようで、政治屋として最高の地位を志向していた野心家トリューニヒトの時代ではとくに顕著かつ露骨だった。
後部対空砲が少ない代わりに、ペルガモンはアイアース級ではほぼ最高数といえる36機のスパルタニアンを載せており、近接防御力を補完している。バランスが悪い戦艦ではないようだ。
最後の出撃となったアスターテ会戦でムーア中将は、ラップの進言を退け希望的観測に基づく前進を続ける。案の定、背後より回ったラインハルト・フォン・ローエングラムの猛攻を受け、無謀な敵前回頭を敢行したところに、メルカッツ分艦隊より飛来した戦闘艇の奇襲を受け混乱、劇場版ではその後の降伏勧告を無視したためペルガモンは撃沈された。OVA版では背後を取られた状態からの行動をどうするかラップとムーアが言い争ってる間に撃沈されている。
ジャン・ロベール・ラップの意見がもし通って第2艦隊と第6艦隊の合流が叶っていれば、ペルガモンの撃沈はなくラップも生存しており、ラインハルトの元帥昇進も遅れ、その後の歴史は大きく変わっていたかも知れない。ラップも「現実はもっと不愉快です」などと叫ばずに済んだだろう。
ラップの遺志は婚約者ジェシカ・エドワーズが引き継いだが、政治の世界へ身を投じ己の正義を貫いたがためにスタジアムの虐殺で非業の死を遂げる。悲劇の連鎖というにはあまりの運命だった。
ifはあまり述べないほうが良いが、あえて繰り返そう。ラップが生きていればジェシカの死もなかっただろうし、そのぶんヤン・ウェンリーの自身が大量殺戮者であるという罪の意識も緩和され、ヤンとフレデリカの婚約も早まっていたかも知れない。であれば2人の新婚生活はより長く、より充実したものとなったであろう。それほどジャン・ロベール・ラップという存在は大きかったのであり、帝国陣営におけるキルヒアイスに匹敵していたかも知れない。
それは政治的・軍事的なものというよりは、各陣営の英雄・ラインハルトとヤンに与える人格的なプラス方向への影響力、癒しや活力の源といったものだ。親に恵まれなかった見返りに神より与えられた、無二の親友であるからこそ――。
艦名のペルガモンは紀元前後トルコ西部にあった古代王国もしくはその首都名で、ヘレニズムに属するギリシャ文化が栄えた。