駆逐艦 Cosmic Destroyer(F:Cosmic destroyer)
1/5000ガレージキット(提供ウォルフ(Wolfgang)さま)
帝国軍と同様、会戦レベルの大規模戦闘を除くあらゆる局面において、巡航艦と並んできびきび働く日常業務の主役艦種である。人員輸送・警備・哨戒・臨検などを担当しているが、航続距離が短いので広域の巡回任務には向いておらず、狭い宙域か特定航路など、限定的な短期間の反復航海を繰り返しているようだ。
同盟軍では単艦でワープ航法が可能な最小の軍艦であるが、帝国軍が100m足らずからそれ以下の一部艦艇にも星間航行能力を与えている事実を考えると、同盟軍のよく言えば合理的な、悪く言えばいかにも貧乏臭い側面を代表している。 貧乏臭い面があるといっても大事な部分では逆に凝ってくる。それは砲撃戦だ。6門ある艦首主砲は2門ずつに分かれた3ブロックで構成され、そのぶん射撃制御が煩雑になるが、ソフトウェアが理想的に働いている限りかなり精度の高い砲撃が可能だと思われる。この部分は巡航艦では1ユニット、戦艦でも2ユニットで構成されており、駆逐艦がもっとも複雑なのは意外であり、面白い。
艦首上方にある半球ドーム構造は他艦艇の資料から推測して射撃管制用のレーダー装置か超光速通信用の内蔵アンテナのどちらかであるが、駆逐艦の超光速通信アンテナは艦橋直上よりすでに3本生えており、おそらく射撃管制設備だと思われる。これは標準型戦艦も巡航艦も流石に持っていない。 [4枚目以降はバトルシップコレクションの写真を使用予定]
きわめつけは艦橋指揮ブロックと機関部の間、下側の側面に、片舷7門ずつ砲塔が密集している。艦首みたいに局地化させると多量の副砲を確保でき、整備性と運用効率も増す。このようなことは大型艦であるスパルタニアン空母とアイアース級(アキレウス級・パトロクロス級)が標準化しており、主な理由は近接防御である。
だが駆逐艦は露出面積もごく狭く、本来は側面に密集砲塔群など不要のはずである。さらに後部上方、純水タンクの下側にも砲塔が4門覗いており、攻撃上の死角を可能なかぎり減らしている。真後ろへの砲撃が可能なのは、同盟軍ではほかにトリグラフと宇宙空母くらいであり、駆逐艦の特殊性が浮かび上がる。
じつは同盟軍駆逐艦には艦隊決戦時、前線や陣形のほつれに急行し現場を補填する、人体で喩えるなら血小板や白血球にあたる役割が期待されている。近接戦闘はもちろん、敵味方入り混じる乱戦への投入を前提としているのである。仕様上駆逐艦には長時間の連続戦闘は無理なので、戦艦や巡航艦が到着するまで支えていればよい、場繋ぎ的な運用方法はかなり合っているといえるだろう。
駆逐艦の副砲塔群は、防御ではなくむしろ積極的な攻撃のために存在しているといえる。駆逐艦の速力なればこそであるが、似たような理由からだろうか、レダ級高速巡航艦も過剰ともいえる数の側面砲塔を局部に密集させている。積極攻撃を標榜して大量の側面砲塔を確保した戦艦にマウリアがある。
近接戦闘を見越している割には、駆逐艦は容積の問題でスパルタニアンを搭載していない。まさに砲撃戦へと専門化した艦である。ただし射程は中距離以下で、駆逐艦の小ささからくる限界は突破できない。装備している主兵装も中性子ビームではなく光子レーザー止まりである。専門家とはいえ、大きさの割には頑張っている、という修辞がふさわしいだろう。
したがって大規模な会戦で前に出て戦う機会は少なく、アニメで会戦中にしっかり登場したのはマル・アデッタとずいぶん出遅れた。この時期の同盟軍はすっかりやせ細っており、普段ならあまり前に行かない駆逐艦でもどんどんカメラワーク位置まで出向かないと、戦線を維持できなかったと考えられる。
駆逐艦の外見は標準型戦艦と巡航艦を合体させたような印象がある。設備はずいぶんと省略されており、たとえば巡航艦が上下に分散している情報収集機器類は上側だけに置かれている。背部上方にある純水タンクはエンジン開口部の大きさからは物足りないわずか1基で、航続距離の短さはここから来ているが、それを犠牲にしてでもまずは、全艦種最速の軽快な加速・機動性能を確保したほうが良いと判断されているのだろう。なにしろ純水タンクは中身がまるまる詰まることになるから、規模の割に重いのだ。
帝国軍と同様、会戦レベルの大規模戦闘を除くあらゆる局面において、巡航艦と並んできびきび働く日常業務の主役艦種である。人員輸送・警備・哨戒・臨検などを担当しているが、航続距離が短いので広域の巡回任務には向いておらず、狭い宙域か特定航路など、限定的な短期間の反復航海を繰り返しているようだ。
同盟軍では単艦でワープ航法が可能な最小の軍艦であるが、帝国軍が100m足らずからそれ以下の一部艦艇にも星間航行能力を与えている事実を考えると、同盟軍のよく言えば合理的な、悪く言えばいかにも貧乏臭い側面を代表している。 貧乏臭い面があるといっても大事な部分では逆に凝ってくる。それは砲撃戦だ。6門ある艦首主砲は2門ずつに分かれた3ブロックで構成され、そのぶん射撃制御が煩雑になるが、ソフトウェアが理想的に働いている限りかなり精度の高い砲撃が可能だと思われる。この部分は巡航艦では1ユニット、戦艦でも2ユニットで構成されており、駆逐艦がもっとも複雑なのは意外であり、面白い。
艦首上方にある半球ドーム構造は他艦艇の資料から推測して射撃管制用のレーダー装置か超光速通信用の内蔵アンテナのどちらかであるが、駆逐艦の超光速通信アンテナは艦橋直上よりすでに3本生えており、おそらく射撃管制設備だと思われる。これは標準型戦艦も巡航艦も流石に持っていない。 [4枚目以降はバトルシップコレクションの写真を使用予定]
きわめつけは艦橋指揮ブロックと機関部の間、下側の側面に、片舷7門ずつ砲塔が密集している。艦首みたいに局地化させると多量の副砲を確保でき、整備性と運用効率も増す。このようなことは大型艦であるスパルタニアン空母とアイアース級(アキレウス級・パトロクロス級)が標準化しており、主な理由は近接防御である。
だが駆逐艦は露出面積もごく狭く、本来は側面に密集砲塔群など不要のはずである。さらに後部上方、純水タンクの下側にも砲塔が4門覗いており、攻撃上の死角を可能なかぎり減らしている。真後ろへの砲撃が可能なのは、同盟軍ではほかにトリグラフと宇宙空母くらいであり、駆逐艦の特殊性が浮かび上がる。
じつは同盟軍駆逐艦には艦隊決戦時、前線や陣形のほつれに急行し現場を補填する、人体で喩えるなら血小板や白血球にあたる役割が期待されている。近接戦闘はもちろん、敵味方入り混じる乱戦への投入を前提としているのである。仕様上駆逐艦には長時間の連続戦闘は無理なので、戦艦や巡航艦が到着するまで支えていればよい、場繋ぎ的な運用方法はかなり合っているといえるだろう。
駆逐艦の副砲塔群は、防御ではなくむしろ積極的な攻撃のために存在しているといえる。駆逐艦の速力なればこそであるが、似たような理由からだろうか、レダ級高速巡航艦も過剰ともいえる数の側面砲塔を局部に密集させている。積極攻撃を標榜して大量の側面砲塔を確保した戦艦にマウリアがある。
近接戦闘を見越している割には、駆逐艦は容積の問題でスパルタニアンを搭載していない。まさに砲撃戦へと専門化した艦である。ただし射程は中距離以下で、駆逐艦の小ささからくる限界は突破できない。装備している主兵装も中性子ビームではなく光子レーザー止まりである。専門家とはいえ、大きさの割には頑張っている、という修辞がふさわしいだろう。
したがって大規模な会戦で前に出て戦う機会は少なく、アニメで会戦中にしっかり登場したのはマル・アデッタとずいぶん出遅れた。この時期の同盟軍はすっかりやせ細っており、普段ならあまり前に行かない駆逐艦でもどんどんカメラワーク位置まで出向かないと、戦線を維持できなかったと考えられる。
駆逐艦の外見は標準型戦艦と巡航艦を合体させたような印象がある。設備はずいぶんと省略されており、たとえば巡航艦が上下に分散している情報収集機器類は上側だけに置かれている。背部上方にある純水タンクはエンジン開口部の大きさからは物足りないわずか1基で、航続距離の短さはここから来ているが、それを犠牲にしてでもまずは、全艦種最速の軽快な加速・機動性能を確保したほうが良いと判断されているのだろう。なにしろ純水タンクは中身がまるまる詰まることになるから、規模の割に重いのだ。
第6次イゼルローン攻防戦時、ダスティ・アッテンボロー少佐が艦長を務めた駆逐艦。
登場はヤン・ウェンリーが聞いた通信のみで、エルムIII号の描写はなかったため、ナンバーの有無は不明である。戦闘中に被弾し中破したため後方に退いたが、運良く戦死者は出なかった。後退そのものがさらなる幸運で、修理を受けるべく支援部隊へと合流していたため、帝国軍からトールハンマーが放たれた最終盤には、雷神の鎚が狙いそうな危険地点にはほぼ100%いなかったと思われる。
エルムIII号の通信は遠征軍総旗艦アイアースへと入れられている。数万隻の大集団において旗艦でもなんでもない駆逐艦の動向を司令部がいちいち受ける理由などまったくないのだが、おそらくは作戦参謀のヤン・ウェンリー大佐が権限を行使し、親しい後輩のために個人的な回線を用意していたと考えるのが妥当だろう。
艦名はニレの木から。いかにも駆逐艦らしく、肩肘張らない名である。
登場はヤン・ウェンリーが聞いた通信のみで、エルムIII号の描写はなかったため、ナンバーの有無は不明である。戦闘中に被弾し中破したため後方に退いたが、運良く戦死者は出なかった。後退そのものがさらなる幸運で、修理を受けるべく支援部隊へと合流していたため、帝国軍からトールハンマーが放たれた最終盤には、雷神の鎚が狙いそうな危険地点にはほぼ100%いなかったと思われる。
エルムIII号の通信は遠征軍総旗艦アイアースへと入れられている。数万隻の大集団において旗艦でもなんでもない駆逐艦の動向を司令部がいちいち受ける理由などまったくないのだが、おそらくは作戦参謀のヤン・ウェンリー大佐が権限を行使し、親しい後輩のために個人的な回線を用意していたと考えるのが妥当だろう。
艦名はニレの木から。いかにも駆逐艦らしく、肩肘張らない名である。
新任の要塞司令官ヤン・ウェンリー大将が守るイゼルローン回廊に、一隻の使者が訪れた。ただし、敵であるはずの帝国側からだ。話によると、幼帝即位に合わせた恩赦として、帝国軍元帥ラインハルト・フォン・ローエングラムから同盟軍へ、200万人の捕虜交換を持ちかけるという。
ヤンの予想通り同盟はその提案を受け、大規模な交換が実現する。一見すると美談であるが、その裏にラインハルトの策謀を感じたヤンは、歓迎式典へ出席するため首都星ハイネセンへと赴いた際、宇宙艦隊司令長官アレクサンドル・ビュコック大将と秘密裏に接触し、軍事クーデター発生の可能性を指摘した。
ひとまずも目的を果たしたヤンは時を置かず要塞へと帰還しており、運んだのがラン・ホー少佐が艦長を務める新造駆逐艦カルデア66号である。アニメには帰還エピソードまるごと含めて未登場だったが、アニメ化されてない「ユリアンのイゼルローン日記」での登場なので仕方がない。
おなじ艦名で66号まで使用してしまうとは、駆逐艦の名前がいかに適当に扱われているかがうかがい知れる。駆逐艦はもっとも量産されている軍用艦艇のひとつだが、同様に大量に建造されている巡航艦では、番号は駆逐艦よりはるかに小さく、帝国と合わせて見ても番号の振られてない巡航艦もけっこう登場している。
カルデアはメソポタニア文明の王朝、新バビロニア王国の別名、カルデア王国から。カルデア出身の王が建国したことによる。
ヤンの予想通り同盟はその提案を受け、大規模な交換が実現する。一見すると美談であるが、その裏にラインハルトの策謀を感じたヤンは、歓迎式典へ出席するため首都星ハイネセンへと赴いた際、宇宙艦隊司令長官アレクサンドル・ビュコック大将と秘密裏に接触し、軍事クーデター発生の可能性を指摘した。
ひとまずも目的を果たしたヤンは時を置かず要塞へと帰還しており、運んだのがラン・ホー少佐が艦長を務める新造駆逐艦カルデア66号である。アニメには帰還エピソードまるごと含めて未登場だったが、アニメ化されてない「ユリアンのイゼルローン日記」での登場なので仕方がない。
おなじ艦名で66号まで使用してしまうとは、駆逐艦の名前がいかに適当に扱われているかがうかがい知れる。駆逐艦はもっとも量産されている軍用艦艇のひとつだが、同様に大量に建造されている巡航艦では、番号は駆逐艦よりはるかに小さく、帝国と合わせて見ても番号の振られてない巡航艦もけっこう登場している。
カルデアはメソポタニア文明の王朝、新バビロニア王国の別名、カルデア王国から。カルデア出身の王が建国したことによる。
ドーリア会戦開始前、ヤン・ウェンリーに第11艦隊の正確な位置を告げた直後、通信途絶を遂げた駆逐艦である。コミックでの登場なので、本来の外見は道原かつみ版デザインに準じている。ただし以後の解説はアニメ版に準ずる。
本艦は残念ながら第11艦隊所属の哨戒部隊に撃沈されたと思われるが、ヤン艦隊はカルディア25号の情報を基として第11艦隊の進路を予測し、ドーリア星系において鮮やかで一方的な奇襲攻撃に成功する。
逆にヤン艦隊の索敵網が活発に動いていることを知りつつ、その間接情報を戦略として的確に活かせなかったルグランジュ提督とその幕僚陣は、落ち度があったと責められても仕方がないだろう。ヤン暗殺の秘密任務を帯びたバグダッシュ中佐を無意識のうちに頼みとしすぎて、ある意味の油断をしていたのかも知れない。
カルディアはカルデア66号のカルデアとおなじであり、名前繋がり的な姉妹といえる。
本艦は残念ながら第11艦隊所属の哨戒部隊に撃沈されたと思われるが、ヤン艦隊はカルディア25号の情報を基として第11艦隊の進路を予測し、ドーリア星系において鮮やかで一方的な奇襲攻撃に成功する。
逆にヤン艦隊の索敵網が活発に動いていることを知りつつ、その間接情報を戦略として的確に活かせなかったルグランジュ提督とその幕僚陣は、落ち度があったと責められても仕方がないだろう。ヤン暗殺の秘密任務を帯びたバグダッシュ中佐を無意識のうちに頼みとしすぎて、ある意味の油断をしていたのかも知れない。
カルディアはカルデア66号のカルデアとおなじであり、名前繋がり的な姉妹といえる。