東方Project 1/6 射命丸文 フィギュアレビュー

発売:2010/11:T's system 原型:宮川武

あややっ! クレイズの東方シリーズはいつも箱がシンプルかつギリギリの小ささで、置き場所にさほど困らない優しい仕様だ。各メーカーの外箱デザイナーには悪いけど、店頭買いを除いて箱は案外評価されにくい要素だね。 今回は宮川造形の良いところが存分に発揮されていると思う。 「最近のよつばとセットのレギュラーキャラだし、気合いを入れて撮影したぜ!」 宮川フィギュアはイベント限定のガレキ専用物だと長期ディスプレイや転倒事故を考慮して、安定した両足立ちが多いのだが、あややではその拘束が解かれている。東方物の人気度から、おそらく最初から完成品化を意識したのだろう。 近々発売されるチルノもおなじで、空中浮遊の演出がなされており、いかにもPVC完成品らしい動きのある作品が期待できそうだ。 というわけで、いわゆる限定解除となった今回の射命丸文。しかも最近完成品の仕上がりが向上してきたT's(クレイズ)の量産工程の後押しを受け、宮川造形の魅力を余すところなく伝える一体となった。 宮川造形はいろいろと批判も多いが、私は素直にファンである。なぜかというと、単純に惹かれるからだ。 マンガなどでは癖のある絵柄ながら強固なファンを獲得している作家が多い。そういうのと同じだ。 SEGAのゲームは世界一ぃぃぃ! と似たようなものかな。今風でいえばどうなるんだろう。 原型の出来、量産時の部品精度、塗り、隙はない。後は好き嫌いだけだな。 思いっきりロリに仕上げられたあやや。よつばとフィギュア的にはこの解釈でまったく問題はないどころか、むしろ大喜びですらある。東方物のフィギュアはロリ化とお姉さん化の両極端に分かれる傾向にあり、それぞれ支持を受けている。 デザインが原作からして一定しておらず、おなじキャラでもいろんなタイプの立体物が生まれる土壌と余地を成している。二次創作が活発な東方の世界はファンによって持っているイメージに大きな差があり、選択肢が増えるのはいいことだ。 そういう意味で、このあややはアリだろう。アダルトなタイプの文も、例大祭記念フィギュアとしてすでにリリースされている。 髪の塗装は問題なく、パーティングラインもうまく消えるところでパース分けがされており、良い仕事をしている。 数少ない天狗っぽい頭の被り物など。 カラス天狗なので、そのまんまなカラス付き。 この大きさだと北海道とかその辺りに生息している、すこし大型の種類かな。 上着 皺の方向や張りは線も情報量も割合少なく単純なのに、ごく自然に見えてしまう。これを宮川氏はほとんどなんの資料もなしにいきなり彫り込み、短時間で形を生み出してしまうという。さすが日本一多産な原型師だ。 ロリ解釈なので胸はたいしてない。中学生っぽく見えるんだっけ射命丸文って。どの設定か知らないけど、公式と2次が折り重なってマダラになってるのも東方――もとい、東方フィギュアのカオスで自由なところだ。 背中 カラス天狗の扇げば竜巻舞う団扇だぜ。 文花帖――だっけ? 腰など。 スカート。塗りが良い証拠に質感たっぷりだ。 取材用ノートを持参してるからには、あややのもうひとつの取材用アイテム、一眼レフカメラを持っていたらもっと評価は高くなっただろう。この腰の辺りにさりげなく吊したり、扇子とコンパチで左手に持てたり。 宮川氏自身は別に東方の熱心なファンではなさそうだから、そういうところはどうしても詰めが甘くなる。 気を取り直して、足。やはり塗りが普通に良くなっている。 革靴に天狗の高下駄という折衷変形。 いつもの台座はとくに語らず。 「いよいよローアングラー文ちゃんの出番だ!」 ぱんつもいつもの純白。 いい尻だぜ。 期待を裏切らないパンツになっている。 太ももの隙間より。 次のチルノはぱんつではないけど、そのぶんあややが食い込みを見せてくれるから満足。

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