ローゼンメイデンRozenMaiden 真紅 フィギュアレビュー
遅すぎた決定版登場。エロもキャストオフもギミックも一切要らぬ、純粋な造形美の勝利。アニメ版に近い作りのようだ。
外箱は横開きの蓋付きで、蓋の固定は磁石を利用している。店頭アピールのため3面以上見えるのが主流の中、あえて手に取らないと中身を確かめられない仕様はおそらく、封印から目覚めるローゼンメイデンを演出しているのだろう。凝ってるね。
正面。あら探しをするのが野暮に思えるほど、量産完成品としてはほぼ満点に近い出来映えだ。
純粋な造型だけで呑み込まれる、力作である。
繰り返すが、エロもギミックもなにもない、本当にただの置物であり、遊びはない。だがそれゆえにフォルム、シェイプ、形、そういったものを純粋に追求している。
アルター真紅は生産にかかった経費のすべてがファンの求める完成度へと凝縮され、余分なものをすべて排除した「分かってる作品」であろう。こういった「美」とは別に、ローゼンメイデン立体物には「動く」ことも重要な課題であるが、それはそれで動くことに特化した「作品」がおもにボークスによって開発されている。動かせるなら特化した機構を採用して徹底的に動かし、静止物とするなら完全に固定一体化して一切のプレイ要素を省く。それがローゼンメイデンフィギュアにおける二極の正答だろう。
ローゼンメイデンはドール方面ではすでにため息レベルの高価なアイテムが幾つか登場しているが、固定フィギュア方面ではユージンが頑張ってるくらいでなかなか恵まれなかった。数千円の通常価格帯において主役真紅の量産フィギュアがこのレベルで登場するのは、意味が大きい。願わくば本作品の登場があと1年半から2年早ければ、ローゼンメイデンフィギュアを巡る状況もいろいろ変わっていただろうに、連載が終了しアニメの続編も厳しい中、単発花火の感が強いのは残念である。
アップ
どこから見ても真紅である。原作的にもアニメ的にも真紅である。
ヘッドドレス
後頭部
ドリルもみあげとその下
武器にもなるツインテール。
脇の下。胸なんかない。あるわけない。
ケープコート
巻きますか? 巻きませんか?
他の真紅フィギュアではかなり適当な作りだけど、サイズが大きいぶん穴の中までしっかり。
フレアフレアなスカート部。
靴
下のパールペイントはシルク素材の本物感を意識して、ほんのかすかに黄色がかっている。その辺に転がってる凡庸なフィギュア、とくにコレクションフィギュアの類はパールの白が眩しすぎて、かえって偽物っぽい。