BANDAI SPIRITS ラブライブ! スクールアイドルフェスティバル Figure-rise LABO 南ことり フィギュアレビュー

発売:2020/02 原型:アルター/バンダイ

アルター×バンダイの(素組みでも)ハイクオリティ・プラモデル。 最新技術をわざわざ新開発してまで挑む、バンダイの萌えプラモデル最上級ブランド。Figure-rise LABO 第3弾、テーマは「衣装」。 選ばれたモチーフは「アイドル」だ。 大きい箱だ。中身は一見すれば普通にプラモデル。バンダイが得意とする多色成型。 2時間あまりで素組み完成図。プラモデルで素組みとは一見で信じられないクオリティ。 細かいパーツも多いがすべて普通のプラスチック。強化ABSも軟質素材も一切使われていない。 大元の原型提供は萌えフィギュア好きなら誰でも知ってる、信頼と実績のアルターだ。 それをバンダイスピリッツの3D技術者が接着剤不要のはめ込みプラモデルへと100以上のパーツへ複雑怪奇に分割させた。 髪の毛だけで通常のPVC/ABSフィギュア1体ぶんのパーツ量になっているだろうか。 スケール表記がないが、全高22cmでことりの身長設定が159cmだから、きっちり1/7スケールになっている。 アルターが非ヴィネット系のソロフィギュアでよく採用しているスケールで、ディテール量とコストのバランスにおそらく優れている(フィギュア価格そのものが高騰してる現状を除いて)。 プラモデルだから売価はPVC完成品より安い。ざっと半額だ。 ただしこれがアルタークオリティの1/7スケールPVC/ABSフィギュアとして発売されたときに想定されるクオリティと比較しないほうがいいだろう。すくなくとも素組みでは。 PVC塗装済み完成品のレベルで得るには、このプラモデルを丁寧に塗装して仕上げる必要がある。そのガイドラインもちゃんと取説に細かく書いてあった。 まあ離れて見るぶんにはこのことりプラモデルをほかのアルター製品と混ぜても、たぶん違和感は低い。 おそらく2mも離れたら違いは一見では分からない。 すくなくとも素組みだけでここまで可愛いフィギュアに仕上げることが叶う。さすがバンダイさん。 アルター造形の再現度もすごく高くて、角度限定要素など皆無。 バストアップ 注目すべきはアイプリントや顔の発色だね。これはフィギュアライズラボ第1~2弾や、それ以前からの技術の蓄積で集中的に手間を掛けられている。顔の裏側はとてつもなく複雑で緻密な構造になっているぜ。 「塗るの面倒くせえな」「ほかは塗れても顔は苦手」という人たちのため、プラスチックだけでここまで持っていくバンダイの執念よ。 むろんこういう力の入った企画がポンポン続けられるほどのリソースはなく、同シリーズの展開はかなりゆっくりしている。 髪の毛。素組みで2時間掛かる作業のうち、頭部だけで1時間近くだ。それほど細かい。 胴とスカート。スカート部分はさすがに素組みではプラ感が満載だ。作例など見るに、グラデ処理すれば一気に引き締まると思う。 ビニール風船の質感を見事に再現している。 背中。クリアパーツの多層がきらびやか。 おぱんつ これ、プラモデルなんだぜ。 ガーターベルトと見せパンの間のわずかな肌色のためだけに4パーツを使っていた。しかも素組み時に分割の不自然さが出ないようにするための覆い隠しなど、鬼のようなこだわり、萌えをよく知悉している分割の職人芸。 素組みでも満足度の高い体験を味わえる、凄まじいまでの萌えプラモデルだぜ。

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