Kanon 1/8 沢渡真琴 フィギュアレビュー
原型が完成した後にも、隠れた職人技がある。最近「マックスから出るイコール個人的に決定版」が多い理由は、原型の良さだけではない。
この真琴も同スケールでの比較対象がほとんどないにも関わらず、「もうこれでいいや」と感じてしまう。
いきなりこんな真琴を出されたら、他のメーカーはやりにくいはずだ。グッスマ連合系とその提携メーカーを除けば、対抗可能なメーカーは海洋堂系、コトブキヤ系くらいだろう。
見えてる、見えてる。
髪の毛とか、ポーズとか素晴らしい。原型担当の越沼真司氏は長門有希や朝倉涼子を担当している。いずれも「もうお腹いっぱい」レベルの良品だ。
もちろん原型だけが良くてもPVC化する際の再現度が悪ければどうしようもないので、企画担当スタッフの手綱、つまり監督力の高さも凄い。
たとえば今回の真琴だと、軸足は当然ABSだが、もう片側は普通よりかなり柔らかいPVCとなっている。これは立ち足に動きがあるフィギュアで、力が集中する台座の突起やフィギュア本体足首の破損がけっこう多いことへの対応であると考えられる。
足に動きがあるほど、組み上げた際に精度の個体差がどうしても大きくなる。両足立ちである場合、台座にきっちり填らなくなる確率が高くなるのだ。それだけ生産段階で撥ねられる不良品の発生率は高まるはずだし、クレーム対応や無料交換への経費もかかるだろう。
普通のメーカーはこういうとき片足にだけ固定用の穴を穿つが、きっちり両足で揃え、想定通りの角度をつま先に至るまでエンドユーザーに提供して見せるのが、一流メーカーの魂だといえる。原型が完成した後にも、隠れた職人技がある。
語り疲れたけど、テキストなんて余分だよな正直。偉い人にはわからん(略
寄せ胸
シャツとか。
上着の奥はかなり深くまで作られていた。
要注目のおてて。
スカートは前と後ろで長さが大きく異なっているが、漫画的として許される嘘はこういうものだろう。指摘しない限り気づく人はおそらくかなり少ないと思う。とくに漫画やアニメという記号だけで構成された簡略絵に慣れ親しんでいるオタク人種ほど。
フィギュアはその簡素化記号をふたたびリアル化させて、しかしアニメ的表現のシンプルさを押し出さなければいけないという、秘かにかなり難儀なジャンルであろう。立体物の宿命だ。
動きある脚部。
台座にはシンプルにKanonと。ブーツの内部は深くまで造型されている。これも一流の証。
パンツ
チラリズム
結局まる見え。
最後はアップで。