ブリリアントステージ アイドルマスターTHEiDOLM@STER 1/7 天海春香 フィギュアレビュー
素肌の節々がこだわりなガレキの商品化! このような2体同時発売の場合、いつもなら2体併せてひとつの記事にするけど、それぞれの存在感が強かったので個を尊重して別々とした。 写真でうまく見せられていたらいいけど、手に取った実物のこの2体、細部がとっても豊かで、買って良かったなあと素直に思える、そんな佳作。 いわゆる傑作というのはいろいろ豪華なところもあってズシンとくるものだけど、佳作はじりじりと来る。 箱から出した直後は何気ないものだけど、撮影していて、次第に気に入ってくる。そういう作品を指すのだろう。 この天海春香は表情に癖があるけど、それ以外は統一感というか、頭から手足の先までクオリティが一定で、全体としての雰囲気をぽんと、あやふやな書き方しかできないけど、なんかいいなあ、という、そんな気分にさせてくれるフィギュアだ。 そんな仕上げに持っていったのはずばり、メガハウスのクリティカルヒットによるだろう。猫丸氏のサイトやネットでの写真を見るかぎり、ガレキはPVC版ほどの魅力は引き出してないように思えてならない。細部のモールドやポージングを比べたら、PVC化にあたってのリテイクがけっこうあったようだ。 つまりは、足りなかった色々を、メガハウスが製品化する際におおきく引き出した、そんな感想だ。情報量すなわちディテールの増加もあるが、私の予想ではもっとも影響が大きいのはきっと、露出の多い肌の、凹凸面や影になる部位へのグラデ吹きの徹底だろう。塗りの技だ。 顔は揃いすぎというか、髪を除いて左右ほぼ正対称で綺麗だ。その正確さが逆に、猫丸氏の癖をあらわにしているように思える。癖とはすなわち、角度限定の呪い。だからこの春香のベストアングルは少なくとも私にとってはかなり狭く、答えとしては下から見ることに行き着いた。 もし飾るなら、自分の目線より高い位置を薦めたい。人形は顔が命だ。下の一枚のために、私は今回、6段階の高さで撮影した。選んだものは、角度でいえば、10度から15度くらい低いとこから。それがきっとベストアングルだろう。 顔以外はなんも問題もない。じつに女性らしいスタイルで、より華奢なやよいとの細部の差別化も顕著に見て取れる。足の太さや腰のくびれ、腰の張りなど、ミリ単位のほんのわずかな違いだが、それの蓄積が全体の印象を、見る者に意識させることなく、「あ、いいなあ」となるのだろう。 語りたいことはもう終わったので、あとは細部アップの連発で――ラメリボン。 髪 首飾り。下手に別パーツにしなくて正解。 バストサイズはどちらかというと貧の部類だろう。手頃に控えめだ。 この肌の質感がグっとくる。 服を着てるよと感じさせる良い境界だ。 脇 手 グラデの位置は法則化されており、現実的な明暗を反映してないが、フィギュアの存在感を高める仕掛けとしてはまるで気にならないレベルだ。 へそ周りは過度にならないごく抑えた丁寧な稜線が私的にクリティカルヒットだった。 抑制表現の良い手本だろう。 気に入ったんで何枚もパシャリ。 スカート ラメは触ると剥がれそうでつい必要以上に丁寧に扱ってしまう。本当はもっと丈夫なようだ。 膝小僧 骨の存在を連想させる表現だ。こういうとこにこだわってくれる原型師は意外と少数派だろう。素人はあまり重視しないかも知れないが、たくさん買ってるヘビーユーザーはこんなところで判断してると思う。 ほとんどの人が見る顔周り、とくに鎖骨表現ならどんな原型師でもちゃんとやる。だからこそあまり見ない部位が大切だ。 台座はこんなシンプルなかんじで。 下○は白かった。 まさにパンチラ。