東方Project 第6弾 東方紅魔郷 ~ the Embodiment of Scarlet Devil. フランドール・スカーレット フィギュアレビュー

発売:2013/10:オーキッドシード 原型:もえのり(glemo)

色々と問題の多いフィギュアだった。 テンション低いんでわずか23枚。ほとんどプライズフィギュア並の扱いだがすまねえ。 ガレージキットやポリストーン物を扱ったことのない人には開封をとても奨められない。箱のままでコレクターズアイテムとしておくのが吉。 その理由はすでに下の写真に見えている。両面テープで固定してくれと取説にあったが、そんな気の利いたもの持ってなかったし、わざわざこのレビューのためだけに買うのも癪なので、マスキングテープで代用してやった。 フィギュアの出来そのものは、まあ細かいぜって感じ。ガレキのあのリリカルなきゃぴきゃぴ雰囲気は出せていないが、それは塗りの影響も大きいので難しいところ。PVCフィギュア用の工業塗料では水彩画のようなエナメルちっくなペイントは難しい。 それでもクリア素材や金属パーツの使用で、細かさを再現できてはいる。 まあ……テープの固定で台無しだけどね。このテープがなければフランちゃん、ちょっとのショックで簡単に台座より転げ落ちる。しかもあれだ、羽根のように細いABSパーツがあるので、わずか20cm足らずの落下でも危ない。破損の危険がある。 そんな壊れるリスクを、テープ固定でしのいでとか、ちょっと考えられない。きちんとダボで固定すべきだった。ガレージキットの仕様かしらないけど、まるで1990年代末、スケールクラスの塗装済み完成品フィギュアが登場しはじめた当初の、ユーザー側に負担を強いる商品となっている。 うむ、ガレキ版は完全に「作品」だが、どうにもこのフランは「商品」色が強くて、いまいち乗れない。いくらテープを上手く貼っても、飾ってるうちに粘着力は劣化してくる。ちょっと触ったり、なんかの揺れを受けただけで台座より落ちる。待っているのは翼の破損だ。 あと、じつは支柱と金属パーツがお互いに押し合って、一番下にあるピンク色のおかしパーツが台座そのものから突然すっぽ抜けることがある。固定するまでに3度フランを落としそうになって、ヒヤヒヤしながら20分近くもかけてようやく固定できた。とにかく神経を使うフィギュアなので、普通の「ユーザーフレンドリー」な塗装済み完成品に慣れた人には、このフィギュアの開封を奨めない。 元の原型がすばらしいので、写真写りそのものはファンタジックだ。 固定のしづらさや破損のリスクを除けば、ちっこいなりに普通にイケルんだけどね。 帽子外し。ZUN帽を付ける外すだけで、台座より転げ落ちるリスクと戦うことになる。なんつーフィギュアだ。 顔パーツのドーナツも壊れやすそうな部分だ。顔面パーツは交換式になっていて、ダボが浅いため簡単に外れてしまう。普通に飾ってる場合、顔パーツの高さは20cmほどになる。もちろん事故で落としただけで、容易に破損する。ABSの細い部分は、ほんの10cmの落下でも壊れるときは壊れる。嫌がらせみたいな仕様だ。 髪とか。 体。かわいいポーズだぜ。 不思議な形状にデザインされた宝石の翼。このパーツを壊さないためにも、長期間のディスプレイは絶対に推奨しない。もし箱から出してずっと「飾りたい」のであれば、それこそ瞬間接着剤で固定するくらいの覚悟がいるだろう。ガチで。 エロはない。このフィギュアを安全に固定したい場合、接着ポイントは3ヶ所。まず写真に見えているクリアパーツと、おしりの部分。顔面パーツと髪のパーツ。さらに台座の大元のピンク色のお菓子。一度接着したら二度と箱に戻せなくなるが、そうでもしないとこのフィギュアを安心してディスプレイすることなどまず無理だ。倒せば壊れる、落ちれば壊れる。破損のリスクが高すぎる。 レーヴァテインは金属だ。こいつが透明な支柱と押し合いへし合いする。下の写真をじっと見れば分かるが、透明な支柱がわずかに曲がっていることが分かるだろう。 破損リスクが恐くて、コンパチパーツやおまけパーツは使用してない。触っただけで部品が落ちたりする脆いフェイスや本体なのに、どうして「遊ぶ」ことが出来ようか。飾るだけで精一杯だ。撮影後、速攻で箱に戻した。完全にコレクターズアイテムでしかない。

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