Nikon AF-S VR Micro-Nikkor 105mm f/2.8G IF-ED

東方光画機
購入:2011/04 分類:マクロレンズ

 手持ちのレンズ中ではもっとも高価な一本で、写りも極上だ。画質にこだわると単焦点レンズを買うべしということだが、さらに表現力を求めると焦点距離が望遠域へとシフトしてゆくという。焦点距離が伸びるほどボケが綺麗になるからだ。

 私も例に漏れず望遠域の単焦点を求め、購入したのは接写用の105mmマイクロニッコールだった。これなら模型撮影でも野外撮影でも使えるし、VRすなわち手振れ補正の機能まであり、時間をかけないスナップで重宝する。模型撮り時はもっぱら数センチサイズの小型フィギュアを写すときや、スケールフィギュアの部位拡大に適している。

 実力は数あるマクロレンズでも上等な部類に入る。価格.comという評価サイトでは、常に表現力満足度の最上位グループにランクインしているほどだ。そんなレンズが10万以下で売っていて、自分の撮影用途と見事に合致しているというのに、買わない理由はない。

 サイズはサードパーティーの中望遠と比べかなり大きい。そのかわりインナーフォーカス・防塵防滴考慮・フルサイズ用・防振機能・シームレスAF・フルタイムMF・ナノクリスタルコートと、なんでもありの最強アイテムだ。

 そういう徹底注力系の高級レンズ群でニコン最安値なのが、この105mmだ。中古なら6万円から求められるが、私はあえて2011年2月生産の新品で購入している。おもな理由はVRやAFのエレクトロニクス系で、新しい個体ほどチップやモーターが最適化されているらしい。それにしてもニコンD7000に付けると、このレベルですでにミニ大砲だ。

 100mm帯での開放F2.8の恩恵は、立木の大きさを背景から浮かび上がらせることが可能な点だ。50mmや60mmではシチュエーションに恵まれないと意識して写すのは難しい。そうなるとF1.8やF1.4といったより明るいレンズの登場となるが、そういった大口径はズームではありえず、単焦点を買うしかない。そしてF1台にマクロ機能はない。

 高確率でフィギュアを伴う私の写し方では、マクロレンズこそが正解だった。マクロレンズだからといって遠景が苦手なわけではなく、遠近自在なただし開放F値が単焦点としては暗めなレンズ、と認識しておくのが正しいようだ。

 さて、マクロの本領は接近しての撮影だろう。下手ながらいろいろと作例っぽいものを出してみる。野外撮影で写した中から、その記事で使う見込みのない余り物の、さらに一部をここに掲載している。適当ですまん。レンズの性能を出し切るような、作品レベルのものを写せる腕に達してない。

 105mmになると、花壇の中にあって近寄れない花も簡単にクローズアップできる。絞り開放域では標的とした花以外は前後ともすみやかにボケさせ、主題のみをバシッと切り取る。もちろん絞ってくっきり使うのも良し。開放で良し、絞って良し。

 距離を取って撮影できるから、鳩も逃げない。高倍率ズームなら当たり前の機能だが、開放F3より大口径で高画質で手持ちを実現するズームとなると、カメラ本体と合わせとたんに2キロのオーダーだ。

 どうでもいいがこうした背景を溶けさせ被写体を明瞭とする写真は、当初もっぱら日本人好みの手法でやがて世界に広がっていったという。ボケは国際語になっており、Bokehで通用する。

 下の写真はボケの演出が無意味で、なにを語りたいのか不明だ。反省。私の写真は9割はこういう失敗だ。下手な鉄砲は数を撃つしかない。せっかく道具が良いのだから、打率をもっと高めたい。

 花ばかりですまんぜよ。

 手持ちレンズの画質は105mmマイクロが一番だ。あとは個人的な印象で60mmマイクロ > 35mmマクロ > 17-50mmF2.8 > 11-16mmF2.8 > 50-150mmF2.8と続く。一番低評価な50-150mmでも、これまで使ってきたキットレンズや高倍率ズームより写りは良く表現の幅もある。

 立ったままさくさくと写せることも、105mmの利点だ。私はほかに35mm・60mmのマクロレンズを所有しているが、この2本で花などを写そうとすれば、しゃがむなどの姿勢を取らなければならない。被写体へと迫り、文字通り体を預けるように接近するのだ。自身の影を計算する必要まで出てくるため、そのぶん撮影に手間と時間がかかる。

 トリミング(部分切り取り)に抵抗がなければ、このレンズの解像度は安価な望遠ズームレンズを不要とする。純正の55-200mmや55-300mmでのテレ端と、このレンズで写したものを同等に切り取った写真は、まず見分けが付かない。AF速度が遅いので、さすがに70-300mmクラスの代用にはならない。つまり飛ぶ鳥や走る車などの動体は追えない。

 50-150mmF2.8の記事と比べ掲載写真の点数がずっと多いが、写りが良く出番多めだから仕方もないところだ。解像感がまったく違うし、ボケ質も良い。

 花以外も写してみた図。雨上がりの野菜。収穫されていない、家庭菜園として生えてる露地物だが、マクロで接写すると区別はつかない。世界を切り取るというか、それも望遠マクロの楽しいところか。

 観賞用の葉っぱを。個人的に構図はそこそこ出来たと思うが、よく分からん。サンプルに挙げてないが、このレンズのおもな使用用途はフィギュアレビューだ。購入後数ヶ月経った2011年秋ごろからレビュー撮影での使用率はほぼ100%となり、マイクロ60mmと共にフル回転している。

 最後にサボテン。マクロレンズの本領はこういうところだろうか。そういえばマクロのおおきなテーマに昆虫があるけど、サンプルに使えそうな写真が見つからなかった。野外撮影で虫さんはときどき写してるけど、ズームレンズで写す機会がどうしても多い。


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