足立美術館 日本庭園が海外評価日本一でミシュラン三つ星 漫遊 おでかけフォト よろずなホビー

撮影:2019/11/12

欧米人に好評を博している庭園を見てきた。 島根県安来市古川町
山陰の片隅に、まるで都会並に広い美術館がある。 足立美術館
日本画を中心に和の美術1500点あまりを収蔵する。実業家で美術コレクターでもあった足立全康氏が地元に開館し、公益財団化したもの。 当然のように収蔵物は撮影禁止だが―― 庭園は可。 入場して小手調べの展示コーナーを抜けた先に、美しく整備された日本庭園が姿をあらわす。 ここまで綺麗で徹底的に管理された日本庭園は初めて見る。毎朝職員総出で清掃しているという。専属庭師も7~8人いるとか。 足立美術館は世界最大の横山大観コレクションや、魯山人の陶芸コレクションで知られる。 この美術館の庭園は横山大観の世界観などを再現し見せるため、1970年の開館以来、50年間ひたすら整備と維持を重ねてきたそうな。 足立美術館は日本画や漆器に工芸・家具・茶器に陶器など、選りすぐった和の美術品を1500点あまりも収めてる。 だが足立氏がいくら欲したとしても、どうしても一カ所に集められない「和」の美があった。 それが日本庭園。たとえ名勝を買えたところで、不動産重要文化財の「移築」は法律で禁止されている。 名園をこの地へ呼べないなら、自分で作るしかないよね。 苔庭
この美術館はコレクションごと足立氏の手を離れ法人化しているが、足立氏の理念と思想はずっと受け継いでいる。 苔の庭だ。風水害や病害虫で痛んだら張り替えてるそうで、松とともにかなりのストックを用意してるという。 そういった徹底管理ぶりが実を結び、アメリカの庭園日本1位に2019年11月時点で16年連続で選出中。2017年にはフランスの有名なミシュランガイドの観光スポット版グリーンガイドで最高ランクの三つ星を獲得した。山陰エリアで唯一。 生の額絵
「庭園もまた一幅の絵画である」 足立氏の言葉。 枯山水庭
足立美術館庭園の主庭らしい。 解説 なんとなくナナチ影絵。 ところでこの庭には面白いものがある。 人工の滝。 亀鶴の滝
滝があるのは道路を挟んだ向かいの丘。背景そのものを庭園の一部にする手法を「借景」というらしい。 坪庭
中庭スペースも細部まで凝ってる。眺めるだけですべて立ち入り禁止。 なんとなく画像補正。こういうのは写真内に人やドラマがないと似合わないか。 池庭
一般的な日本庭園をイメージした庭。池は左にある館内喫茶店を囲んでいる。 泳ぐ鯉はたぶん高級。 面白そうなものが。 生の掛軸
館内茶室(有料)だと2対。 生の衝立
円形の窓などを通して見せるやり方が昔からあり、それを大胆にしたもの。 白沙青松庭
横山大観の同作をモチーフとする庭。背景の裏山も庭園の一部として借景し、景観を崩さないよう山林まるごと美術館が買い取ってる。電柱も電線も鉄塔も一切見えない。凄まじいこだわりぶりだ。こういう努力は歴史を重んじる日本人には伝統がないというだけで軽視されがちだが、そういうのに縛られない外人の心を打ち日本一と三つ星をゲット、ついでに海外からの贔屓に弱い日本人もつられて押し寄せ、いまや島根東部の有名スポット入り。 庭園は美術館コースの1/4にすぎず、ここから大量の日本名画や陶芸の洪水が待っている。私レベルのにわかでも知ってるようなビッグネームや名作揃いでテンション高いぜ。忘れたころに庭園が顔を覗かせる。写真は新館の階段スペースから見える庭。入場口に隣接する「歓迎の庭」の一部かな。 飯は美術館まったく関係ない。 館内や隣接施設は高くつくのでいつものお安く。 腹さえ満たせりゃなんでもいいぜ。埋もれるほどフィギュア買ってて食生活まで回らんよ。四方八方みんなぜいたくは庶民にゃ無理だ。 まあ入館料2300円なんだけどね。(※2019年11月現在) 庭の面積が大仙陵古墳(仁徳天皇陵)とほぼおなじ広さで、美術館の敷地面積も東京ドーム2/3杯ぶん……そりゃ高いぜ。ちなみに2時間半かかった!


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