B級スポットなのに公認姉妹館 ルーブル彫刻美術館

造形
撮影:2019/06/26

 フランスが世界に誇るルーヴル美術館が―― 世界で唯一認めた公認の姉妹館! なのに―― 外観から立派なB級スポット臭を放つ。三重県津市白山町 珠山大観音寺ルーブル彫刻美術館 やあ、いきなりお出迎えするのがツタンカーメンの有名な黄金マスクだよ。 しょっぱなから「カイロ考古学博物館」の所蔵物。ルーヴルどうした。 この彫刻美術館に本物はなく、すべて復刻立体物(レプリカ)なのだが、売りは実物より型を取って等倍なところ。すなわち瓜二つの1/1スケール。 ツタンカーメンの後方に広がる空間。すごいカオス。サモトラケのニケ
 背景にある謎の仏像はルーヴル1000%関係ない。 壊れてるけど勝利の女神。ツタンカーメンを守護するアメン神
 背景にある謎の仏像が青くなってるのは色補正の結果。場所によって照明の色が違いすぎカオス。 ツタンカーメン首ちょんぱされてて守護どころじゃねえ。ミロのビーナス
 モナリザと並ぶルーヴル美術館の双璧で、立体系の代表格。フランスの至宝といえる。 ただし作者知らずか。ハンムラビ法典碑
 世界史で誰もが習うメジャーなやつ。 目には目を、歯には歯を。等価の原則が有名だが、日本では私刑の正当化に悪用されがち。王妃ネフェルティティの胸像スパルタカス
 この像のように、オリジナル無視して金ピカに染めてる彫像がわりと多い。あちらは大理石とかで彫るんで、白〜乳白色〜灰色が主流。ブロンズでも錆びてる。ミケランジェロの奴隷像シリーズ
 個人的にはオリジナルの色を無視してる時点で価値は大きく減じるかな。まるで真新しいブロンズ像のような質感。実物は大理石。ナポレオンのデスマスク これもオリジナルは石膏で白い。自由の女神像の原型
 これもオリジナル無視でアメリカに贈った巨大なほうの彩色に。 記事のテキスト、ツッコミまくりだけどテンション下がってるわけじゃない。写してるときヒャッハー状態だった。正直こういうの好き。 1300点あまりの彫刻があるという売りで、大半が無名のやつ。この石版をはじめ、多くが植民地時代の列強による強奪品。輸送時の手荒な扱いが無残な傷となり、部分的に読めなくなっている。 有名なミュロンの円盤投げ像。 これも色がピッカピカ。 そして迷い込んだ謎の仏像空間。 西洋博物館がこういう濃いの所蔵するとは思えない。美術館の一番おいしいスペースを占拠しているのは、なんかよく分からないありがたそうな名前のなにか。 国宝のイケメン阿修羅像だ。漆塗り木像なのに再現塗装がブロンズ像になってる。サイズも実物より大きい。 もはや売りだったはずの等倍スケールすら守ってねえ! どうも解説がある売りな奴は等倍らしいが、そうでないのはわりと適当そう。 撮影中はB級の興奮に包まれてテンション高かったぜ。 オリジナルは絶対にこんな金色に輝いてない。 調べたら灰色だった。 調べるとこの美術館、開館が1987年と、バブル景気のただ中だった。だからこんな金ぴかで成金趣味なのだろう。 テキストにはオリジナルへのリスペクトがあるが、あとから丁寧な解説文を添えている痕跡があり、最初はただ雑然と置いてただけのようだ。 バブル景気のさまざまな物件はその多くが潰れるか消えたが、ここはB級成金としてかなり上等な部類だったので、昭和・平成、さらに令和まで存続できたようだ。 オリジナル色っぽい著名人の胸像群のコーナー。 こういうのも西洋では美術館が収蔵するジャンルらしい。 ナポレオンとか別枠だ。後ろが青いのは照明色の違い。まともな美術館なら仕切りのない連続した空間で色温度(略 あとから追加されたと思われる?レプリカは、ちゃんとオリジナルの色や質感を再現している。金ぴかで相当に批判を浴びたのだろうけど、金ぴか群そのままなのはさすが。 これもオリジナルの色を木質まで再現している。途中から方針がばっさり変わってると想像できるあたり面白いが、じつは開館当初のニケとかもこれ系の再現方針で、なんか色々ゴチャゴチャだ。忠実→金ぴか→忠実かな? それとも担当者ごとの好みでとか。 スフィンクスくん。 イラン・イラク辺りのだね。 これらのレリーフは帝国主義時代後期の収蔵で、きちんと扱われたようだ。四隅のエッジの欠けなど、輸送時の傷が目立たない。なんにせよ遺跡より収奪されたことは変わりない。 ホルス君の像。 ハリーポッターでも出たやつ。 めっちゃ数少ない日本以外の仏教物件。 ツタンカーメンの黄金の副葬品。 さほど有名でも裕福でもなかったツタンカーメンでこれだから、盗掘される前の偉大なファラオはどれほど豪華絢爛だったことだろうか。 剣と盾が失われているが、迫力のある剣闘士像。 このアポロンも手の先がなにか失われてるっぽい。西洋美術の立体系は発見時の状態で固定される伝統があるみたい。展示後に壊れたらそこは直すけど、発見時に壊れてた、見つからない部分は直さない。日本の仏像は彩色を除けば想像で直しまくるけど、さすがに細かいパーツは放置してる。 いろいろなもの。地域も時代もけっこうバラバラだ。ロゼッタ・ストーン
 これも世界史で習うやつだね。 エジプト考古学が一挙に進歩する契機となった。 再現してるの文字部分だけで、オリジナルと形状ぜんぜん違うのは平常運転。モーゼちゃん
 うしろに開館当時のフランス・ルーヴル美術館館長がやってきた写真が。本当に当時は公認だったようだが、いまは知らない。 古代エジプトの星座だ。おまけ
 この謎の寺のほうが本体。彫刻美術館は付属施設。 昭和50年代の新しいお寺……一般的な寺のイメージとかけ離れた展示内容だが、高度成長期を終えた成熟期からバブル時代までを熱気で駆け抜けた新興宗教系? 観音をテーマとした仏教パークの様相を見せている。生き残っているのは運営が意外に大まじめのようだから。普通と違うものを本気でやってるうちにB級になってしまったパターンか。 ではさらばだ!

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