F1.2でふんわり日曜市 漫遊 おでかけフォト よろずなホビー
フィルム感覚の世界で、日本最長の街路市(露店市)をうろついた。 高知県高知市よつばだぜ。 高知城の前に延びる大手筋という道路上に、毎週日曜―― 歩行者天国が出現する。 こんなところだ。 うむ、今回は「縛り」撮影なので、フィギュアと背景を一緒にできないな。 歩行者天国の中に、大量の露店が並ぶ。 道路は片側二車線、両方合わせて四車線だが、このように二車線は通行できる。 日曜市300年の歴史を持つ、継続してきてかつ現存している中で日本最大級の街路市。定期的に道路の区画がまるごと市場となる日切市は、江戸から明治にかけて日本中にあったが、現在まで残ってきたものはほとんどない。日曜市は長さ一キロもあり、高知の人口規模を考えれば特大の露店マーケットといえる。なお近年になって地域興しなどで復活ないし新設した街路市で、日曜市より大きなものがいくつかある。土佐の日曜市の価値は、連綿と続いてきた歴史と伝統にこそ、つまり「本物」というところにあるだろう。 主役は農産物だが、それ以外にもいろんなものを扱っており、萌えフィギュアがあった。おねがいツインズとは懐かしい。 今回の撮影縛りは、Ai Nikkor 50mm f/1.2S の絞り開放、F1.2でのみ写していることだ。レンズの絞りを開けるほど、ピントの合う幅が狭くなり、ボケ量が増える。F1.2は私が使っているニコンのカメラで使用可能な、最大口径となる。レンズが30年以上前の設計なので、解像感や色乗りなどがデジタル離れして、味のあるフィルム的な写りとなる。 思いっきりボケさせている理由は、モザイクを付けない撮影に挑戦したためだ。あとは雰囲気が出るかどうかのテスト。 日曜市のテントはだいたい様式が定まっている。これが一番、効率が良い。ただし高知独特の多雨多湿を前提としたもの。 観光客向けの出店。 普通は農産物が一般。 服も売っている。おもに女性用だが。街路市の主役は、売るほうも買うほうも女だ。 焼き物 テントの軒先。 あちこちに休憩所が設置されている。 和菓子。大胆な売り方だ。 日よけ フルーツトマト 売り買いのドラマ。 日曜市に出店している人は、ほとんどが農家だ。農協に卸すよりもこちらに注力している人も多いとか。 そのためか高知には日曜市のほかに、100年単位の歴史を持つ火曜市・木曜市・金曜市があり、それぞれ離れた場所で開かれる。この四つの市は観光パンフにも載るが、じつはほかにも水曜市と土曜市がある。水曜市はまだ新しい(といっても数十年は経っている)私設市で、土曜市のほうは消滅と再生を繰り返しており、いまは高知市の郊外でやっている。日曜市が巨大すぎるため、土曜は不利なようだ。またおなじ理由で月曜市は存在したことがない。 高知市ではこのような街路市が、月曜以外年間300回以上も運営されている。かつて日本中にあった露店市文化がなぜ高知県高知市にこれほど色濃く残っているのかは不明だが、「田舎だから」というのが単純な返答らしい。 お魚だ。 趣味の物品も売っている。盆栽とか。 花を写してみた。 ピント幅が狭すぎてうまく構図が…… 銅製のじょうろ? 手作り。 出店者はほとんどの場合、生産者だ。直売の原点であろう。 なんでもあり。 木炭だって。 とくに補正せず。実際はこれくらい暗い。日当たりを良くすれば、農産物があっというまに傷む。 気の早いこいのぼり。 たけのこ丸ごと。 観光客向けの蒸しまんじゅう。 こんなところで終わりかな。大口径レンズでボケボケに写すのは、意外と楽しかった。 まんじゅうを買って食ったぜ。