ベンガラ(吹屋ふるさと村) 漫遊 おでかけフォト よろずなホビー
赤い街を見てきた。
岡山県高梁市吹屋ふるさと村
赤茶色の屋根が連なってるね~~。
赤い街だぜ。
吹屋街道
それが数百メートルほど。
平日だったので人はほとんどいなかったが、それなりに整備された観光地だ。
いわゆる保存地区ってことで、江戸~明治時代以来の町並みを維持している。現役の家も多くて、人が住んでるぜ。
それにしても赤い。柱はもちろん、壁、軒の裏地、瓦、扉、横木から礎石に至るまで、思いつくあらゆるものが赤系統だ。かなり控えめな発色だな。
塗料の正体は、ベンガラ(弁柄)という。
弁柄は伝統的な赤色塗料(顔料)の一種だ。さびた鉄のような色が、上品になった感じとでもいうべきか。
町並みを一通り見たところで、吹屋のレストランで飯を食った。やはりというか食器の多くが赤い。
郷土館&旧片山家住宅
重要文化財として管理されている家のいくつかに入れる。片山家ってところなどを見物した。
ベンガラを扱う道具類の数々。すっかり弁柄色に染まっている。つまり吹屋がベンガラを好きな地区というわけではなく、弁柄そのものの産地だったというわけだ。
生産に使っていた石臼らしい。おしゃれで塗ってるわけではない。
保存地区ということで、ベンガラな町並み以外にも、古いものが色々と転がっている。
たとえば緑の公衆電話だ。懐かしいな。
明治時代の郵便投函ポスト。
赤ほどではないが、ほかに目立つ色が黒だ。おもに壁などで。
建物として組む前に、火で炙って焦がしたものだ。この作業によって遠目に黒色を得られ、実用ではちょっとだけ耐火能力を得るんだったっけ? うろ覚え。岡山周辺ではけっこう見る。
かつて現役だったポンプ車っぽいもの。
なんか見つけた。
ツバメの雛だ。
餌を運ぶ親を待ってじっとしてる。
赤い街、吹屋地区。
だが赤いのは家や店だけじゃない。
吹屋小学校旧校舎
学舎も赤い。つい最近まで実際に使われていた。
現存する木造洋風校舎としては日本最古級だという。当然文化財指定で、史跡建造物扱いだ。
神社も赤いね。
ここから視点はベンガラに移るよ。
ベンガラ館
ベンガラを作る工程を紹介するとこ。元工場だぜ。本物だぜ。
硫化鉄鉱石を原料に色々やってると、最終的に安定した三酸化二鉄(Fe2O3)となって、赤い染料ないし塗料としたぜって話。
大きな窯場で焼く。短時間で一気に錆びさせるって感じ? 錆なんてそこら中に転がっているが、弁柄は高純度の赤錆びでないとダメ。いわば管理された錆びってイメージだな。
染料や顔料として使うには、色が勝手に変化しないよう安定させる必要がある。それを行う脱酸槽だが、見事なまでに真っ赤かだ。実際に使われていた道具っぽい。
こちらは隣接する陶芸館付属の、いまでは珍しい登り窯。ベンガラ陶芸だよ。
加工の前には、採取するって段階があるよね。
吹屋銅山笹畝坑道入口背景にケロちゃんで面白そうな影絵を写してみた。
西暦807年に発見された古い鉱山で、1972年まで採掘されていた。1000年以上の歴史で掘られた坑道の総延長は、主要なものだけで73キロメートルに及ぶとされる。
切ない人形だな。
坑道の出口をぱしゃり。
そうそう、吹屋へ行くとき間違えて旧道から来てしまったんだが、その道中に面白いものがあった。
大昔に掘られたトンネルだ。狭くて大型車は通行不能だが、現役の車道として使用されている。現在の工法では考えられないが、壁面は岩そのまんま剥きだし。つまり単純に削っただけ。
さて、最後は元締めだな。
広兼邸鉱山と弁柄の富によって、もはや城かよってレベル。地域の庄屋なので、武士ではない。
天井高い!
神が祀られてたので、ケロちゃんの出番だ。
すごく古い建物なので、朽ちてる部分もある。
自家用の消防道具を持ってるとは、ぜいたくだな。まあこんなもの使ってる暇があったら、桶でバケツリレーしたほうがずっとマシなんだが。
てなわけで、終わりだぜ。
洩矢諏訪子と射命丸文でお送りしたぜ。