築城の名手・藤堂高虎の城 大洲城&今治城 漫遊 おでかけフォト よろずなホビー
四国にある藤堂高虎の城。おまけで最後に宇和島城もあり。
ソメイヨシノ満開
天候不順で遅咲きとなった桜の景色を楽しむついでに、テーマで四国内をドライブ。
築城の名手、藤堂高虎だ。生涯に何度も主人を替え、出世のため武芸以外の道をさぐり築城の名手となった。宇和島城・今治城・篠山城・津城・伊賀上野城・膳所城……写真は高虎の銅像。
地味にこいつも関係する城。
愛媛県大洲市大洲
大洲城石垣を見て分かるように、江戸時代のまんまだ。
いい感じに時代を経過した石垣だよ。
高虎は大洲城を築城まではしていない。
ただの砦だったのを近世城郭化していく大造営の一番手となった。
これがその成果だ。
大洲城・天守そのほか
本丸の構造が保存&再現されている。
天守は明治中頃に老朽化から解体された。平成の再建で、往年のスタンダードであった連結式をちゃんと受け継いでいる。戦後、初めて「完全復元」された天守だ。総木造で釘まで昔の太いタイプのを使っている。こういう「学術的に正しい」天守は現存を除いてほとんどない。珍しい。
城に入った。
よくあるやつ。大洲城では火縄銃のパフォーマンスをよくやっているとか。
完全復元がかなったのは、建造当時の雛形がずっと保存されていたため。それと明治時代の写真が残っていた。
写真と設計図があればなんとかなる。
この狭間は――
すごく厚い壁だ。「完全復元」なので、大砲の直撃に耐えられる分厚い壁も再現されている。
桜が咲いてるよ。
鉄砲狭間
江戸時代の階段。
天守以外の構造は江戸時代から。虫食い。
大洲城の歴史
火縄銃
甲冑
築城の図
太い梁。おおざっぱな造りは城らしい。
ビデオもあった。
吹き抜け。珍しいぜ。
遊びじゃなく研究による再現。
心柱
由緒あるところから切り出した。
完全再現なので、階段も戦闘向け。
すげえ急角度。スカートはヤバい。
内部構造はまるでログハウス。平成の大洲城天守閣はまだ新しい。
最上層の天井。
神に奉って復元を祈ってる。
きわめて珍しい「完全復元」の城ゆえ、構造的な展示が多い。
木の組み合わせも。
ほらこういう感じ。微調整のあとがそのまま残されている。
神社仏閣なら綺麗に均すが、城郭はその対象ではない。現存天守の梁や柱にも似たような調整・修繕の痕跡が残っている。戦闘用だから「化粧」は表だけで良い。そういう性格も含めての「復元」だ。
往年の構造。大量の狭間が用意された、超実用的な城だ。下の屋敷から中腹の城門まで一本道で、この門前に砲を配置しておけば、寄せ手はいいようになぎ倒される。両側は石垣、逃げ場所すらない。
漫画家の寄贈。
この構造は――
リアルお城のステータス構造、石落とし。
再建じゃなく現存部分の櫓にあった。
城からの景色。桜だらけ。
サインいっぱい。
大洲城は総木造の珍しい城のうえ、江戸時代の姿を完全に再現してるので、地方にありながら著名人がたくさん訪れている。
千年釘・和釘。金閣寺や平等院鳳凰堂の大改修番組でも使われているのを見た。
遠景
雨に濡れた満開のソメイヨシノ。
城下の一部が古い景色のまま保存されている。
丸いポストが現役。すごくどぎつい濃い赤。
落ち着いた町並み。江戸時代当時の姿かはしらん。保存地区とかはとくに名乗ってはいない模様。
水路で鯉を飼っている。
昼
午後はちょっと離れて――
愛媛県今治市通町
今治城ここはガチで藤堂高虎が築城した城。日本三大水城のひとつ。水堀はなんと三重にもなっておりきわめて防御力が高い。
ここもソメイヨシノが見頃だった。
門をくぐると――
高虎像と天守(準ファンタジー)。鉄筋コンクリート。
この天守はあれだ、模擬だ。建造からわずか6年で解体され亀山城へ移築されたと伝わる。その亀山城にあった天守(いまはない)を参考に再現されたのがこの準ファンタジーな天守。
最上階より。かつての今治城に天守があった期間はわずか6年。その当時はこの高さで海を見れた。
いまは神社などがある。なお再建天守の場所は本来の本丸からズレているので、やはり準ファンタジーだ。大洲城を訪問したのは情報レベルで完全なため。この天守の階段はとても登りやすかったが、昇降が楽な階段は本物の「城」ではありえない。楽では攻めやすいゆえ、そうであってはならないのだ。
天守以外の構造は江戸時代のとおりに再現されている。
実際にこういう感じだったという。藩医などの家に図解や記録が残っていた。
城の隅にはこういう構造物があり、いろんな用途で使用されていたとか。倉庫や詰め所、監視そのほか。
城門を内側から見れば、思いっきり防火構造。平成に入って再建されたこの門はとくに徹底的に研究され、忠実に再現されたという。これで本丸と周辺構造が一通り揃い、2007年に日本の城100選へ選ばれた。
四国にある高虎の手が入った城には、ほかに現存天守の宇和島城がある。
2008年に訪れたときの写真。
愛媛県宇和島市 宇和島城
この天守は伊達氏の建造というが、縄張りその他はすべて高虎時代のものが残っている。伊達氏が手を加える必要がないほど完成度が高かったとも。五角形の死角なき全方位防御が特徴。宇和島城も水城だ。
おしまいっ。