X-Rite ColorChecker Passport Photo 2 MSCCPP-B 機材レビュー

機材
購入:2020/04 分類:カラーチャート

どんなカメラやレンズに環境光であろうとも、一致した発色を提供してくれるアメリカ産のお手軽カラーマネジメントツール。要フォトショップ。常用してるカラーチェッカーパスポートが2019年にメジャーアップデートして「2」になっており、前回の購入から4年となった2020年春に更新したぜ。外見は相変わらず安っぽいが、見た目のわりに高価って撮影系ツールは、最近のカメラやレンズもその度合いに拍車を掛けている。軽くてシンプルなのに中身は凄い。このツールの基本的な役割は、マクベスチャートないしカラーチャートと呼ばれる24色のパレットで、理想の色へ補正することだぜ。それ以外はホワイトバランス取得用のターゲットがあり、露出の目安としても兼用していたが、新型では正確な露出ターゲットが用意された。露出ターゲット(濃いほう)は黒と白を50%ずつ混ぜた反射率18%の灰色だ。正確な表現は難しいが、それで露出の基準とするような感じにカメラは露出を計算する。下はスポット測光で露出ターゲットとホワイトバランスターゲットをそれぞれ選んだ場合の、露出の出方。まるで違うな。その差は露出量で1.66段、集光量にして2.75倍。適正からこれほど差があるのだから、これまでは露出をわりと適当に決めており、時期によって暗いレビューが続いたり、反対に明るいレビューが続くなんて偏りが起きていたぜ。なんにせよホワイトバランス用でも「定量」の結果は返してくれるわけで、恒常的に露出のターゲットも兼ねていた。ホワイトバランス用のターゲットが露出用よりずいぶん白いのには理由がある。ホワイトバランスの取得と補正は白が白く見える色被りの除去にあるんだが、それはターゲットが環境光や照明の影響を適切に受けてくれないと意味がない。すなわち反射率の低い、濃い灰色ほどホワイトバランスのターゲットに向いてない。反対に白すぎても白飛びによる特定波長の欠損が生じやすくなり、中庸の白っぽい灰色が最適ということになるぜ。旧型はターゲットがひとつしかなかったせいか、露出も兼ねる感じで灰色がちょっと濃かった。露出とホワイトバランスで個別に分かれたターゲットは、より白く、より黒く。「黒い」といっても50%&50%だけど。ここから補正の本番だ。ターゲットの写真そのものをマクベスチャートのパッチを元に補正したものと、そうでないものを交互に。特定の色が顕著に変わる。補正ありの発色は、太陽光下で現物を見たときのそれだぜ。このサイトのブツ撮りは理想の光源とされる、太陽光の発色を再現する超高演色LEDで写している。だが照明用LEDには紫外線と赤外線に近い両端の波長成分が急速に落ち込む特徴があり、そのぶん紫〜青と赤が薄くなりがちだ。一般LEDやこの記事アップ時点でほぼ絶滅してる蛍光灯は、特定波長への偏りが顕著で、正確な色を写す撮影用光源として欠点が目立つ。たとえば一般LEDは青成分が突出しており、ブルーライト問題としてたびたび問題視されている。超高演色LEDのスペクトル特性は、突出を抑制しようと頑張っている。紫や赤に富み、紫外線と赤外線まで太陽光線さながらに含む超高演色の人工光源は、エレクトロニックフラッシュ、すなわちストロボ(あるいはフラッシュ)だ。プロの標準ともなってるこいつならカラーチャートがなくとも鮮やかな紫および赤の発色を得られるが、アーク放電キセノン閃光の仕組み上、一瞬しか発光できないので、視力の低い私はずっと光ってくれるLEDのような定常光でないと具合が悪い。なおエレクトロニックフラッシュにはLEDモデルもあるが、それは定常光LEDとおなじで紫と赤が足りず注意だ。「超高演色」でも、違うものは違う。こう書くとLEDは写真用光源として不便なように思えるが、有利な点もある。下は4年間使ったカラーチャートと、今回購入した新品での補正比較だ。まったく見分けがつかないぜ。交互に表示しても分からない。まるでおなじだ。発売元は使用2年での交換を推奨しているが、4年も使って劣化しなかった。これはLEDを光源とし、かつ屋外でこのカラーチャートをほとんど使わなかったからだ。4年前に買い換えたときは3年間で補正結果が変わるほど劣化していたが(スマホでは分かりづらい)――紫外線を放出する蛍光灯を光源としていたのが原因だぜ。紫外線ヤバい。灯具そのものも日焼けして撮影結果に影響してゆく。写真は新品の拡散布と、蛍光灯を数年使った同品。当時のレビュー写真も変色前のほうが変色後より色が鮮やかだったりする。紫外線ヤバい。基本LEDは紫外線を出さず変化もごくゆっくりだ。ストロボも使い込むほど変色していく運命を背負っており、その運用寿命はLEDより短いという。マクベスチャートを用いる色補正は、以前は手動で行っていたそうだが、カラーチェッカーは自動だ。下はフォトショップ・ライトルームのプラグインとして。名称は旧型。こちらは新型のもの。名前がちょっと変わっただけで、メニューの場所も選ぶ内容もおなじ。プロファイルが作成されたら、ソフトを再起動して有効にするだけだ。おなじ作業は独立したソフトでも可能。こちらではミックス光などの拡張機能に対応している。プロファイル作成までの待ち時間は旧型の数倍。おそらく精度を高めるよう演算回数を増やしてるんだろう。やはり作成後に再起動してくれと促す。なんにせよ対応ソフトはフォトショップ系のみだけど。一度作ったプロファイルは光源環境のほうを主体としており、色被り要素、たとえば背景紙の違いは物ともしない。いろいろ便利に使い回しできる。私のプロファイル更新はだいたい1〜2ヶ月に一度で、白〜灰〜黒の、モノクロ系背景で取得する。雨など水濡れに弱いカラーチェッカーを、野外撮影には持ち出してない。屋外での色合わせにはコダックのカラーガイドを常備している。プラスチック製で、台風だろうが平気だ。以上、LED使いがストロボ並の色濃い発色を得るツールの新型、ご紹介だぜ。このツールを使うと、キヤノンやニコンといった、メーカーオリジナルなチューニング発色は消えてしまう。キヤノンやフジが大得意とする、記憶色・期待色と呼ばれる色覚的な情緒要素も損なわれる。ただし不利益ばかりでもなく、カメラやレンズ、環境光に左右されない点は見逃せない。というのも色見本や色比較といった、物体色用の各種規格(1976〜)に沿った発色だからだぜ。工業的に正しい発色を元手に、自分なりの色を作れってことだな。ハリウッド映画などがそれで、シーンによって激変してゆく撮影環境を物ともしない、統一感ある心動かす絵作りが可能になっている。それも色の規格がベースにあってのこと。活動主体が「製品レビュー」な私はそのまま。表現する必要が無いのは楽だぜ。

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