フィルター内蔵でノズル交換もできる高性能ブロアー。カメラ用として発売された製品だが、フィギュア撮影の補助にも使える。
イメージセンサークリーニングキットで知られるVSGOの新製品はエアーブロアーだ。2種類が発売され、高い方を購入。
セット内容はこう。本体とノズル長短2種、フィルターは5枚。
フィルターはここにセットする。
こんな感じ。
取り付けるとフィルターが隠れるぜ。押すと先端のノズルより空気が出て、緩めるとノズル口は内部で弁が閉まり、ノズル下部スリットより空気を吸い込む。フィルターでゴミの流入を防いでクリアな空気をブロアー内へ取り込む仕組み。
短いノズルは取り回しが良くなる。長いノズルはどうもカメラセンサー用っぽいね。ブロアーでカメラセンサーへホコリが付着すると意味がないので、ブロアーへのホコリを遮断する仕組みだぜ。
※2019/05/31追記 購入から2ヶ月、実地での運用結果を報告しておく。
結果はミラーレス機で効果絶大、レフ機はセンサー面は普通かな? でもミラー室まではかなり効果よろしい。
これはニコンのフルサイズミラーレス機Z6で数時間の野外撮影をおこない、帰宅直後のイメージセンサーの様子。ミラーレス機にはセンサー剥き出しモデルが多く、汚れが付きやすいという特徴がある。レンズ交換時に流入した花粉やホコリなどがたくさん付着している。このままではフィギュア撮影に支障が出る。
※画面の小さいスマホでは超拡大しないと分からんぜよ。
これまでならアルコールを使った湿式のセンサー掃除を行っていたが、短時間で付着した汚れにはこの特殊ブロアーではい、この通り。効果は絶大といえるぜ。なお普通のブロアーで吹き付けてもここまでは取れないと思う。VSGOのブロアーみたいなフィルターはないし――
下の写真でお分かりだろうけど、ブロアーがすげえホコリまみれだ。センサーより吹き飛ばされたホコリはブロアー自身のシリコーン部が静電気で強力に吸着させ、センサーへの再付着を大きく予防してくれるんだぜ。ブロアー表面のホコリは水洗いで簡単に落ちる。フィルターと静電気の2点で、センサー清掃の高い有用性を実現している。
ミラーレス機では効果が大きかったが、一眼レフ機だとイマイチだった。理由はレフ機の汚れはその少なからずがメカニカルダストだからだ。可動部の多いシャッター幕やミラー駆動で、けっこうな脂汚れ込みの微細な金属粉が発生しつづける。
それでもミラー室内のホコリの多くは消し飛ばせるぜ。カメラを下向きにして重力でホコリが落ちるようにする必要があるが。少なくともファインダースクリーン上の汚れはほぼ確実に落ちきる。
本来の運用の検証は以上だが、それ以外にも使えるので紹介しておく。
ところでここに3日間、ベッドのすぐ隣に置いておいたフィギュアがある。高木さんだ。
たった3日でハウスダストが積もったぜ。そりゃ寝起きのたびホコリが舞い上がるんだから、すぐこうなる。
ヒャッハー! 汚物は消毒だー! 先端がシリコンで、これまで以上に接近できるぜ。そのぶん効果も高い。接触しても平気。
はい、キレイキレイ。20回くらい吹き付けた。
そしてブロアーはたった20回でこうなっちまった。払ったホコリが静電気とかで付着。
つまり下の写真のような普通のブロアーだと、払ったホコリをまた吸い込むので、効果は次第に限定的になっていく。センサー清掃とかではすぐ使えなくなる。フィギュア撮影の補助具としてもだ。なお下のブロワーは撮影に際し水洗いしたもので、使えば上の写真のようにすぐホコリまみれとなる。
フィルターは予備含め5枚。洗って繰り返し使用可能ということだぜ。
まだイメージセンサー清掃では未使用だが、どちらかというとセンサーまでが深いレフ機向けかな。ミラーレスはセンサーまで浅すぎて、空中浮遊のホコリを呼び込みやすく、静電気や作業環境の影響のほうが大きそう。ブロアーに凝るより、静電気遮断やホコリの少ないクリーンな作業環境が大事だと思う。
※追記
2ヶ月運用の結果、センサー清掃はミラーレス向けで、かつ通常のホコリに強い。メカニカル由来のとくに脂な汚れは苦手。
VSGOが知られるきっかけとなったセンサー清掃キットDDR/DDSシリーズはとても好評で、巡回先でも複数の使用者やレビューが見られる。
私はニコンの用意した清掃方法を2019年3月時点で150回近く行っており、すっかり慣れていつもあっというまに終わるので、あえてVSGOのDDR/DDSシリーズは導入してなかった。おなじ値段で可能な清掃回数に何十倍もの開きがあり、コスパはニコンが圧倒する。ただし慣熟した場合だ。ニコン式は上手になるまで時間が掛かり、慣れないうちは30分~1時間は必要。VSGOならそれが最初から数分だぜ。
だがブロアーは違う。どれほど上手な使い方をしようが、ブロアー内にホコリが入っていれば効果は下がってしまう。そこをいい感じに工夫したのがこいつ。ノズルのほうも先端まで柔らかいシリコンで、カメラを傷めない細かい配慮がみられる。というわけでフィギュア撮影にもカメラ清掃にも使い回せる便利な助っ人が加わった。
※しつこい汚れはこれでは取れないので、湿式ツールとの併用は大事。