青色LEDノーベル賞の超高演色性LED、大型化&光量増加&密閉型器具対応で日本再上陸だぜ。 LED発光形式で質的に理想とされる3色蛍光体。割高なため価格競争でしのぎを削る国内メーカーはあまり扱わないが、この分野で世界的に先頭を走ってるメーカーのひとつがアメリカSoraa社だ。当サイトでは旧型を2015年から使っている。新型は普通のLEDの6~15倍、東芝キレイ色の4~6倍高価だ。 下の一枚でSoraa Vividの威力が分かるだろう。多くの玩具ブロガーが使う東芝キレイ色ですら無補正状態で色被りが残っているが、Soraaは際立ってニュートラルだ。キレイ色は2色蛍光体。3色蛍光体は光の3原色をより均等な強度で分布できるが、2色以下では色が足りず、山と谷のムラがどうしても大きくなり、それが均質から離れる原因となるぜ。おなじ演色性能だったとしても青色励起+2色蛍光より紫色励起+3色蛍光のほうがスペクトル分布的に上級っぽい。 購入したのは日本国内の電圧に対応した専用モデルとなっている。アイリスオーヤマやウシオライティング、マックスレイなどで売っている。ぶっちゃけ業務用だ。一般家庭向けじゃない。ショールーム、ショーケース、美術館、病院など。撮影用光源に適してる色温度5000K機種はレビュー時点でアイリスオーヤマのみが扱う。マイナー通販系もあるが大陸用や米国モデルの可能性もあり、日本の世界一低い電圧でどうふるまうか分からん。事実上アイリスオーヤマでの購入が安全で、価格的にも良心的だ。 演色性能は公称Ra95(自然光を100として)。通常のLEDは70から80ていど、キレイ色が90くらい。Ra95は保証値で、実質はRa97~98に達する。ほぼ完璧だ。下のグラフだと青だけ苦手としてるが、これはブルーライト対策などで避けて通れない技術的な壁だぜ。 アームライトやライトバンクに使えるE26口金のを2本購入してるが、それぞれネックの長さを変えている。理由は後述。 後部の特殊なヒダ構造は放熱板、総金属だぜ。重量を250gオーバーへ激増させてでも、熱対策を可能な限り徹底してる。点灯した状態でこのヒダに触れると火傷するので、子供の接触を想定する一般家庭用モデルでは法的に採用できない。 Soraa社のマークに採用されるほど。放熱性能でこいつは家庭用LED電球より断然優秀だ。普通のLEDが次善以下の方式で我慢しながら出力を抑えたりしてるのを横目に、業務用はそのパワーをいかんなく発揮できる。LEDが家庭用と業務用で大きく分かれてる理由がそこにある。 一本は9度というきわめて狭い範囲で光を集める仕様。これでスポットライト運用が可能だ。光を一箇所へ集中させる。LED発光チップは中心にあり、大型の発光体が1チップしかない。シングルコアという形式で、非拡散の直射式において、影がひとつで済む。商品展示用にとっても有利だし、配線関係も大幅に単純化され、壊れにくい。シンプルなのに値段がすごいのは輸入品だからだ。本土アメリカだと3000~4000円ていどで流通してる……それでも並のLEDよりはるかに高いぜ。 9度のやつは普段60度の拡散板を付ける。スナップシステムと名付けられており、いろんな機能を持たせたアクセサリを磁石で簡単に脱着。今回ハレ切り(周辺光遮蔽)にグリッドを初購入し、スポットライト運用時の集光率を高めるぜ。なおこいつはロングネックのほう。ロングはアームライトに付けるとスナップ交換の作業効率を高めるし、ランプシェードとの干渉も小さい。 もう一本は最初から60度固定だ。RIFA-Zで拡散用途専門に使う。ネックがショートのほう。すこしでもライトバンク側のディフューザー面より離すためだ。 ここで新旧比較。ぜんぜんサイズが違うぜ。旧がMR16、新がPAR30だ。PARとはパラボリック・アルミニウム・リフレクター。放射型アルミニウム製反射板。 発光面の面積もまったく別物。旧型の光量は420ルーメン、新型は1050ルーメン。2.5倍だ。 明るくなった効果をお知らせするぞい。 旧型の照明配置例。RIFA-Zの高さが低い。 新型の配置例。トップライトの高さが一気に上昇した。背景紙の交換がだいぶ楽になる。 ついでに拡散具合を見てみる。9度と60度ではこれくらい差がある。9度は……ライトバンクに入れる意味がまるでない。 さてここに東芝キレイ色のボールタイプで大きいほう(9.6W・650ルーメン)のがあるぜ。 拡散グローブ(カバー)の幅広な部分で輪切りにしたパーツが、きれいにSoraaのPAR30へはまった。両方とも最大直径は95ミリだ。1ミリもズレない。外径95mmはPAR30の世界規格サイズなので偶然ではない。 高演色LED用の拡散カバーを得て、180度の広範囲拡散能力をゲット! 接着した部位が熱を持たないのは事前に確かめている。突貫だったので接着の痕跡がゴワゴワしてるのは許せ。 キレイ色の本体はその後スタッフが美味しくいただきました。通路を照らすならべつに拡散グローブとかいらんよなあ。 それで180度拡散の結果がこちら。効果は抜群だ! 拡散工作後に撮影したサンプル。強い影は生じず、合格水準に達してると思う。 こうやってトップライト&サイドライト&スポットライトを担当してるSoraa Vividが入れ替わった――と思ったけど、旧型はなお予備で控える。スタンド数に余裕もあり、戦力は多いにしたことはないぜ。