Nikon SB-700 機材 ホビーレビュー

機材
購入:2011/03 分類:フラッシュ

多機能な中級スピードライトだぜ。瞬間だけ光るストロボで撮影サポート。環境光へ超高演色を付与する魔法の輝き。 購入2011年3月、レビュー2019年3月。長らくレビューしてなかったのは機会を逸してたとか色々。ずいぶん期間が開いたため、レビュー時点でこのサイトでSB-700を使用した写真の掲載実績は1万枚近くに達してる。 光るだけの装置なのにボタンたくさん。機能はたくさんあって、あれやこれや出来る。 基本はカメラのトップに装着して大光量。中級以上のモデルには拡散板やキャッチライト用のカバーが内蔵されており、また頭が自由に動いてあちこちに光を放出だ。それらを一括りにしてみたのが下の写真。電源は単3電池4本で、数百回ほどの発光が可能。 レビューしようと思ったのは、購入以来まったく使ってなかったオプションパーツを利用したからだ。ワンフェス2019年冬で。 エレクトロニックフラッシュの発光は昼間屋外の太陽光に合わせてるので、ほかの光源もあるミックス光環境で妙な写りになることもあり、補うパーツがこのカラーフィルター。下の緑な奴は蛍光灯用だ。ただし色温度が昼の光に近いもので、かつ演色性の低いものという条件。人間の目には白く見える蛍光灯だが、実際は多くのモデルが緑色へ偏っている。 こちらは白熱電球用、オレンジ色の光で発光させるカラーフィルター。だがこれじつは電球色の蛍光灯やおなじく電球色のLED用にも使えたりする。主題に対してスピードライトの光量が優越し、屋内照明の演色を圧倒的に補う。さすがに背景は無理。 幕張メッセの天井照明は基本オレンジ色だ。「朝」や「夕方」の色で、リラックス効果があり、国内外の展示会場で広く採用されている。雰囲気を重視する店もかなりの割合でオレンジだ。 オレンジ背景の会場で無対策にストロボを焚くとこうなる。一般的にストロボの色温度は昼間の太陽光に合わせ5400~5700K。オレンジ照明は2700~3000Kだ。何年も気にもしなかったが、2015年より超高演色系の照明器具を買い漁って意識が変わった。 発光させなければホワイトバランス補正によって会場全体を白く見せられる。ただし効率優先の大光量光源は、おしなべて色を正確に示す「演色性」が低く、色がくすむ。 コントラストを強く補正すると簡単に暗部や明部の色が潰れる。下の写真だと、タイヤの影が真っ暗だ。コントラスト補正で黒のディテールが丸ごと潰れた。 ストロボは演色の低さを補い、理想とされるスペクトラム発色、太陽光の97~99%を再現している。可視光線以外に紫外線や赤外線まで放つぜ。最近はミックス光に配慮して背景を用意してくれるブースが、とくに企業出展を中心に多い。 だがやはりそれでも下のようにはみ出れば後ろはオレンジだ。 そこでこれだ。白熱電球用だがオレンジな蛍光灯にぶつけるぜ! ホワイトバランスを合わせると、光を当てた人形と背景がしっかり白くなった。メイン被写体限定ながら高演色の発色を確保している。本当はオレンジ色なので、窓の外は過剰補正により青くなってる。背景は演色イマイチなままで緑が優越し赤が沈む。背景まで完全な光にするには「電球色の蛍光灯用」のカラーフィルターが必要で、たぶん社外製にあるが、最近はLEDも多く訳が分からん。とりあえずメインがキレイならそれでよし。 純正パーツがおもなカメラメーカーの中級以上のエレクトロニックフラッシュにオプションとして付いている。ほかのメーカーは知らないが、ニコンはフィルター色をカメラへ伝達する機能つき。装着時の突起で判別し、色補正を前提としてホワイトバランスを調整してくれる賢い子だ。 純正でなくとも、いろんなメーカーより様々なフィルターが発売されている。下の左側はプロ用、右側は一般消費者用。 画像検索すると、フィルターワークによる光のアートが盛んで、とくにコスプレ撮影のカリスマカメコはプロと見分けがつかない。玩具撮影(おも写)でもすでに使いこなしてる人たちがいる。私は――めっちゃ雑魚だな。 雑魚といったのは、あくまでも私の場合だが、運用ほぼ全自動なため。基本も応用もない。上部左側のスイッチはTTLに固定、右側上部は光の広がり方を設定できるぜ。ディフューザーで柔らかい光にすることが多く、おおむね拡散させるモードにしておく。馬鹿の一つ覚えだぜ。 そうそう、カラーフィルター運用だが、ほかの光源があるとかえって難しくなる。下は白い光で照らされたフィギュアだ。それをオレンジ色のカラーフィルターを装着してストロボを焚くと調色がめちゃくちゃ苦労するぜ。一時的にフィルターを外すべき被写体だ。 これら外付け発光装置にはリモコンや多灯など様々な運用方法があるが、感性や識見が必要な表現技法としてあまり重視してない。演色性の付与による正確な色のりや発色性の確保という、第一の恩恵の時点で満足してしまっている感じだぜ。


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