目を大事にしよう。モニターに適した6000Kの超高演色デスクライトを買ったぜ。太陽光スペクトルの再現を目指すLED、東芝TRI-Rを搭載。 Bsizeはベンチャー系だ。社長はフジフイルム社で開発とか設計をやってた人。大会社では絶対に通らない企画も、ワンマン零細企業なら堂々と挑めるってわけだ。 STROKE2の平均演色数は98(自然光100)に達する。色温度は文字がくっきり見えるとされる6000K。Z-80PROやSoraa Vividより「青」の演色が改善されており4万円。色校正・色比較に使える「演色AAA」を名乗るには、全ての色域で再現性が90以上でなければいけない。ブルーライト対策で超高演色といえども青だけは苦手なモデルが多い中、このLEDはブルーライトを4割カットしつつ条件を満たしてきた。 STROKE2が照らす光の質を東芝製オンリーの実写で比較してみよう。左上のTRI-Rがそれだ。一般でよく売れてる東芝のキレイ色に肌色の再現性で勝っている。 光の質を支えているのは、平坦なスペクトラムだ。太陽光を強く意識してその再現に取り組んでいる。そのうえ紫外線も赤外線も出さない。所有するほかの光源は分光分布に突出や偏りがあり、そのぶん信頼度は下がる。 色比較用蛍光灯のスペクトラムだ。突出部のピークがTRI-Rよりも目立っている。蛍光灯の例にもれず、わずかながら緑に色被りを起こす。 STROKE2のデザインはきわめてシンプル。コンセプトは存在感の喪失、住環境への埋没。 直径15mmのパイプ一本を折り曲げ、デスクライトとして最低限の機能を詰め込んだ。可動部分は皆無。 電源は根元。 LED発光部はシングルコアだぜ。なんとチップが裸。 先端にあるタッチセンサーで点灯だ。明るさは10ワットと4ワットの二段階調整。明るいほうは570ルーメン。 コスモテクノCDS-90αの2倍は明るい。現像や写真観賞には適度な暗い照明で十分だが、それには4ワットのモードを使えば済む。それにしてもレンズなしでチップのみで凄い拡散性だぜ。チップ面全体を均一に発光させる特許技術らしい。むろんシングルコア運用が前提だからこそのこだわりだろう。 このクラスのLEDになると色被りはまったく発生しない。ニュートラルホワイトだ。フィギュアを正しい色で見るには、光源そのものが自然光にちかい超高演色でなければいけない。サイトの解説によれば高演色は通常より黄ばみを帯びやすいので、白く見える色温度を探って6000Kとしたそうだ。東芝のキレイ色はそれを逆手にとり、黄を赤へずらすことで美しい赤の演色に成功しているみたい。ただし白が赤ばんで見えるべつの欠点が生じている。TRI-Rにはそれがなく、同級のSoraa Vividも色温度を高めに補正するとキレイ色以上にくっきり白くなる。 初代STROKEは2011年ごろで、最初から演色90以上だったとか。ただし色温度は5000Kで、肉眼ではやや黄ばんだ光。STROKE2は白さにこだわって6000K。LEDの供給会社は初代がシチズン、この2代目は東芝マテリアルのTRI-R。一般向けに量産されてるキレイ色とは別方向から開発された。 シングルコアなので影は一重だぜ。いい感じだ。製造はほぼすべてのパーツがメイドインジャパンだ。 色比較用蛍光灯とLEDが並ぶ。色比較用蛍光灯は紫外線が通常の一〇〇倍も出るし寿命も2000時間しかないので、どうしても代替光源が必要なのだ。下の写真だと発光面積に天地ほどの違いがあるが、明るさはほぼ同等だぜ。 普段使いで長時間付き合う相棒だから、これまでで最も高価なランプにしたぜ。それでも4万円で済んでいる。ハイアマ向けのカメラやレンズと比べれば安いものだ。金銭感覚がおかしいと言われようが知らん。趣味の世界とはこういうものだ。進歩いちじるしいLEDだから、何年かすればこの性能のランプも数千円で手に入るようになるだろう。 ネット通販を見れば格安でRa97とかRa98を謳うLEDがたくさん転がってるが、実測Ra80台でしたって紛い物も多い。だから大手の国産品にこだわってみた。 下の写真のように、レンズに反射したきれいな虹色スペクトルに期待する。