Silence Corner 二層型回転リング ATOLL Model C ×2 機材 ホビーレビュー

機材
購入:2022/11 分類:ブラケット

発想の転換だぜ。クイックシューなブラケットに回転三脚座の機能を付与。それとAPS-C用スペーサー。 Silence Cornerは台湾&米国のカメラマン有志集団で、現場の視点からによるカメラライフ応援グッズを提供しようというブランド。ATOLLはその最新ツール。 ※2022/12/28追記
デフォルト使用では、カメラにキズが付く可能性があったり、再調整を重ね重ねしなければいけない不便さがあったが、試行錯誤で解消したぜ。まず突出部へカメラとレンズの重さが集中し、カメラボディへキズが付くリスクについては、付属のゴムシールを下の丸の箇所に貼り付けることでほぼ防止できる。 つづけて専用ブラケットと比べて劣る、汎用タイプが抱える恒常的な問題、保持力限界の低さについては、ニコンZ5/Z6/Z7系では固定具保持用ダボ穴へ予備ネジを突っ込めばヨシ。ドンピシャな場所で穴が重なってたので、おそらくATOLL-C開発段階で可能なら実装しようと、意識的に重なる場所に穴を開けたと思われる。 ブラケットにもっともネジレ負荷のかかる縦構図状態で一週間放置したけど――1ミリもズレなかったぜ。ダボに突っ込んでるんだから、ズレるわけないけど。これでフリーな汎用モデルでありながら、余計な思考にリソースを取られず済む。あくまでニコンZ5/Z6/Z7系で有効な小技で、他はしらん。 ※追記おわり
いわゆる「ぼくの考えた最強の◯◯」という奴を、実際に作ってしまう大人のたしなみ。道具としての確実さや儲けよりも、最初に具現化してやろうという意気込みと熱意。ゆえに同ブランドとして初のクラウドファンディング形式を取った。 カメラを三脚へ素早く付け外しする補助具としてクイックシューがあり、それに縦横への90度変更を調整なしに確保する機能を付与したものがL型ブラケット。そのブラケット機能をリング式三脚座の機能へ置き換えたのがATOLL。 レビュー時点で3種あり、ニコンZやキヤノンRに対応したモデルCを2セット購入。主要メーカーのミラーレスやレフ機をカバーしているぜ。 一般的なリング式三脚座は、大口径や超望遠レンズの付属ないし追加機能。キログラム単位に達する重量級レンズを、カメラでなくレンズ側で三脚に固定してバランスを取る。ついでにリング回転により、縦・横・斜めの自由な構図を得られる。 その自在な構図能力をより軽いレンズへ――というのが、ATOLLの思想。カメラ側で支えるので、レンズの種類を選ばない。普通のリング三脚座は各レンズ専用か、多くてせいぜい数種までしか対応できない。ATOLLは仕様上、1キログラム以下の古今東西あらゆるレンズに対応できるとしている。ミラーレスカメラそのものがアダプターを通して無数のカメラ用レンズを装着できる。 下の写真のような感じで、斜め構図を即座に得られるぜ。ATOLLにはノブを緩めた状態でも90度ごとに軽く固定し保持してくれる機能があり、一度水平さえ確保しておけば、微調整なしに縦横斜めを行ったり来たりできる。いちいち水平垂直を再確認する必要もない。これが個人的には決定的な利便性だ。 このサイトでは、三脚を使うフィギュアレビューの撮影で、斜め構図を多用している。 いつも2枚から4枚くらい斜め構図を使う。 通常の水平を意識する写真に混ぜて、印象的な効果を狙ったり。 変化を挟んで集中力を持続させたり。 それには水平垂直と斜めを、いちいち再取得することなく気軽に行き来できるATOLLは絶好の神ツールといえそうだぜ。 リボルビング雲台のような斜め構図の左右方向縛りもない。 ATOLLは基本フルサイズ機に対応しているが、スペーサー(ベースプレート)を挟めばAPS-C機にも装着可能だぜ。 専用設計でガッチリ保持。 それでグリップの小さい、あるいはないカメラであれば、360度くるくる回せる。 とはいえどこまでも便利な無敵のツールというわけでもなく。おそらく同種のアイデアは過去にも出ていたと思われるが、ATOLLまで実際の製品にならなかったのは、無視できない欠点もいくつか見られるため。たとえばグリップレスのZfcではATOLLの装着調整をミスると、密着度が高まりすぎてレンズ交換ボタンを押せなくなり、ATOLLのネジをフリーにしないとレンズ交換すらできない事態へ陥る。 さらにZfcではもうひとつ、ATOLL装着状態でのバッテリー交換が不可能となり、USB充電に頼らざるを得ない。そもそもATOLLを付け外しするたび、微調整が必要になってくる。 レンズ交換ボタンの難点はニコンZ6IIも変わらないけど、密着させても押せるのが違うか。マウント周囲のボタン類はほぼ操作できなくなるので、カメラ操作機能の割当や設定変更にも迫られる。グリップも持ちづらくなり、メーカーが主張するような自由な撮影ライフというほどの利便はない。 あくまで三脚運用の構図自由度・即応特化に先鋭化したツールだ。便利な部分がある反面、不利益や不便も生じる尖ったアイテム。それゆえATOLLまで製品化されなかったと思われる。私のように斜め構図の多い撮影スタイルでもないと、恩恵はさほど感じないかもしれないぜ。
レビュー時点ではクラウド支援者のみで、一般販売はそのうち予定とのこと。すでにアイデアだけパクった模倣品が出てるけど、典型的な粗製乱造のようなので自己責任で。
※2022/12/02追記 重めのレンズ装着し縦構図でうっかり放置すると、1日でズレて再調整が必要だったり、さらにネジレてリング突出部がカメラのマウントやシボ革に当たると、そこに力が集中してキズがつくおそれがあり、一時的に使用中止。
※2022/12/28追記 解決法の実証が果たされ記事上部に具体的な方法を追加。


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