ATOKシリーズとは18年の付き合いだぜ。 2016年10月はじめ、Windows10の累積的アップデートで―― 日本語入力ソフトのATOK2007が―― 古すぎて使えなくなった。 うむ、2007だしな……2016年に対して9年前だしな……そりゃ無理かさすがに。 そこで最近の変換ソフトを色々調べ、さまざまに凄いのが登場してると知ったのだが、結局ATOKに留まった。理由は辞書引継の驚異的な下位互換性だ。下のようにジャンルによって2003年のものが使える。 ユーザー辞書や設定も2007を余裕で引き継げたぜ。履歴を調べると私がWindows機でATOKを使い始めたのは2002年。1998年からATOKを使ってたが、OSがMacだったりDosVで連続性がなかった。いまの辞書は2002年から14年も継続して使用しており、変換候補表示も含めすっかり自分の色に染まっている。ほかの変換ソフトなんか使えたものじゃない。もっとも2002年から購入は今回でようやく3度目という。こういうのは困ったことにならない限り買い換えない。 ATOK2016の評判はじつはそれほど高くない。2014年度版以前のほうが良いくらいだ。理由はWindows10の仕様にあるようで、クラウドを利用した機能で生じてる混乱をうまく消化しきれてないようだ。もっともその不評の部分は、ほとんどが連文節変換・長文節変換の推測表示にある。だが私の打ち方ではまったく困らない。 私は単文節変換という、「単語ひとつ+α」の細かいセンテンスでどんどん変換していく打ち方を使う。変換方法としてはシェア1割以下の少数派だ。ただしスマホ上ではスタンダードな日本語入力であり、イメージ的に理解しやすいと思う。PCにおけるあるていど平仮名を打ってから遡って変換していく連文節変換は、思考が頻繁に前後を行き来し、私のスタイルと合わない。また連文節変換はそれぞれのソフトウェアの漢字変換法則――すなわち変換の癖や、開発者の思想、さらに漢字と平仮名の比率などの影響をどうしても受けやすく、さらに誤変換も生じやすくなる。 誤字をきらう新聞記者やライター業、小説家などには、単文節派が多いという。自分で言葉をコントロールしたいなら迷わず単文節だ。この単文節変換だと予測変換などさほど関係ない。だからATOK2007から9年も買い換えずにいたんだぜ。すなわちATOK機能の大半は使わない。オート的な便利機能は自分の頭に眠る語彙と自分的な変換ルール、ユーザー辞書へ登録した数千の単語群、さらに個性としてパターン化した文体が代用する。文体とは長文を量産する売りであって、私を示すもの、連文節変換によって没個性へ埋没するがごとき切り売りなどさせない。ゆえに何が何でも、あくまでも単文節だ。長編小説など書いてる以上、絶対無敵に単文節変換なんだぜ。