長く使っていた Photoshop 6J から、8年ぶりに買い換えたよ。ただし機能満載のCSではなく、1万円もしない廉価版エレメンツだ。グレード大幅ダウンだが、それでも Photoshop 6J とは雲泥の性能差がある。8年の進歩は思ったよりすごかった。
現像はSILKYPIXなのでフォトショの役割はもっぱらレタッチとなる。エレメンツに現像機能はない。役割をそれぞれ限定させることで、ソフトの動作が軽くて済むという利点がある。フォトショップは現像機能を集約したライトルームを試用したのだが、私のPC環境だと動作が重くなりあまり便利ではなかった。
もっとも頻繁に使う機能はシャープネスだ。
ただし顔限定。または文字・メカ部分・建築物・人混みなど。下手に全体をシャープがけると、背景に変なツブツブが浮き出たり、せっかくのボケがズームレンズで写したかのように劣化する。輪郭やディテール部へ限定的にシャープをかけるしきい値を、より高価な画像処理ソフトでは細かく設定できるが、エレメンツのしきい設定はかなり大雑把なのであまり使っていない。結局は自動シャープのほうが私の勘より優秀なので、範囲設定のみで簡単に済ましている。時間がないときこの作業はカットされる。
レビュー1枚目の斜め写真は時間があるときはカメラを傾けるが、ないときはソフト上で回転処理する。だいたい15~60度の間で傾けている。傾きが少ないと、ただの失敗写真と思われかねないので。
あとはレタッチ作業の本領、画像修正かな。あまりやらないけど。
いちばん使うのがスポット修正だ。こいつはワンクリックで――
この通り。だが便利とはいえそれなりに手間がかかるため、かなり時間に余裕があるときを除いてこの作業は省略される。また時間があってもホコリでない、塗装汚れや接着剤漏れは消さない。レビューに忠実というスタンスだからだ。もちろんフィギュア写真を表現の手段としているなら消すのはアリだろう。
あと、野外撮影で比較的によく使うのがパノラマ結合だ。
こんなふうに普通のレンズが超広角に化ける。最近のデジカメにはこういった機能を搭載している機種も多いが、画質も合成精度もPCで処理したほうが上のようだ。この処理には何分もかかるため、時間がないときは予備で撮影したサブカメラ(ソニー機)のスイングパノラマ写真をそのまま使う。
パノラマを得る、もうひとつのやり方。画角のめっちゃ広い魚眼レンズから補正していく。
どう見ても両端が悲惨なことになるので、魚眼はパノラマよりも表現用途で利用するようになった。画質維持の点からも普通に連結パノラマのほうが良い。
シルキーピックスにはあったがニコン純正現像ソフトになかったデジタルシフトや大きな回転は、こちらのフォトショップエレメンツでも行える。順番が現像時か現像後になるかの違いだけだ。なおこれらの作業はjpgでは行わない。TIFやBMPを使う。JPEGは最終出力のみだ。