人間の視界で世界を切り取る標準マクロレンズなんだぜ。小さくて軽い。
主力のマイクロ60mmは画角がけっこう狭く、フィギュアの全身を写す際には被写体のおおきさによるが、Nikon D7000だと1mは離れることもある。そこで全身撮影用には長らくズームレンズを使っていた。
だがボケ味ではやはり単焦点レンズが有利なので、新たにフィギュア全身用として35mmのマクロレンズを導入することにした。
社外レンズだが、トキナーはマイナーながら写りの良いレンズを売り出している。私が使用している同社の超広角AT-X 116 PRO DX 11-16mm F2.8 はレンズ評価サイトで、2~3倍も値が張る純正レンズ並か以上の光学性能評価を得ている。このレンズは残念ながらマイナー中のマイナーなのでレビューらしいものもなく、いきなり買って試してみるしかなかった。
ぶっちゃければ安いから買ったわけだが、写りはズームレンズより上……? なのかどうかは、風景写真ではあまり分からない。
野外主力の SIGMA 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM がシグマ社レンズとしてニコン純正に迫るブレイクスルーを果たしたとされる好評の玉なので、この35mmマクロでスナップ撮影とは、あまり出番がなさそうだ。開放F値もおなじだし。
だがしかし――
ボケが必要な接写領域に入ってくると、世界がしだいに違って見えてくる。
この花はどれも1cmに満たない。マクロの本領だ。
レンズと花がぶつかりそうな距離でもシャッターが押せた。ここまで近づくと背景のボケ方もマイクロ60mm級の溶けるような感じになってくる。
……写真を知ってる人ならお気づきのように、以前より所有しているマイクロ60mmのほうが、もっと離れてもっとボケ量の豊かな写真が写せるし、撮影者やカメラの影が花にかかる心配もより少なくていいよ、という突っ込みが来そう。この35mmはフィギュアレビュー専用レンズになりそうだ。