Nikon NIKKOR Z 14-30mm f/4 S

機材
購入:2019/06 分類:ズームレンズ

 F4通しの超広角ズームだぜ、普通の広角域もカバーする。 均一&均質を謳うニコンZマウントSラインに、期待の超広角が登場。例によって新発売では買わず、2ヶ月待ってポイント込み2万円近く下がったところをすかさずゲット。 フィルター枠82mmと前玉でかく、正面から見ればカメラ本体ほぼ埋まる。前玉の飛び出しを抑えており、通常のフィルター群を特殊な装備なしで装着できる。 実寸も重さも24-70mmF4とさほど変わらない。およそ500gと、ニコンFマウント時代と比べればスペック比重量は軽いぜ。 沈胴式で一気に数センチ伸ばしてから撮影だぜ。 このレンズの光学性能は数値レベルで凄いことになってる。下は絞り開放の解像力を示すMTF曲線図で、一番上がこのレンズ、中はFマウントF2.8通し14-24mm、下はAPS-Cフォーマットの換算15-30mmとなる10-20mm。1に近いほど解像する。Z14-30mmの広角側は現段階でニコン純正として最高性能に達している。望遠側はおまけだ。 14mmでさっそく遠景展望。ピント位置はど真ん中で、手前から奥までパンフォーカス。 ……と思いきや、じつは左前を等倍で見れば解像度が落ちていた。 これには超広角レンズならではの特徴と事情がある。下は「正しい」写し方で得たおなじく14mm。やはり手前から奥まで解像しており―― 等倍でも端っこまで解像感を保っているぜ。違いはピントを合わせた箇所によって生じる。いくらでも例外は生じるが、おおむね構図内の「端より」にピント位置を持ってくるほど、四隅まで解像した絵を得られる確率が高まる。光学レンズは広角ないし大口径ほどジャストピントとなる面が平面でなく、若干お椀型になっていて――長くなるから詳しくは省くが、そのお椀なピント面への対処が「端っこ寄りピント合わせ」だ。この小技を知らなければ、どんな名玉でも凡玉に見えてしまう。広角レンズのたまにある酷評は、少なからず評価者の知識不足が祟ってたりする。超広角は考えながら使用しなければならないぜ。 おなじ通りの面を以前、魚眼レンズで写したものがあり、その等倍を参考に載せてみる。下のサンプルは画素数2/3のカメラによるもので、解像力は14-30mmのほうが上だな。 広角側で写したサンプルを載せていこう。 通常、広角+情景は絞るものだが、F4でも下のようにあるていど解像してくれる。 F4から使えるので、光量の厳しい屋内撮影でもISO感度を低いままに抑えやすい。ISO感度360。 14mmのままブツ撮り的なもの。 おなじく。こちらは歪みが分かりやすい。 寄れるのでフィギュア撮影でもアニメみたいにダイナミックな構図をこなせる。これまで所有してきた広角レンズ(魚眼含む)と違い、色収差はほぼ目立たない。まったくといっていいほどフリンジ出ないぞ。これはいいレンズだ。 フィギュアの顔の部分がすこしでも歪みが減るようティルト&シフト補正している。超広角そのままじゃおもにご尊顔が変な絵になってしまう。あくまでも素材用としての14-30mm。 顔をレンズ中央に置いて大幅にトリミングすれば、補正は最小限で済む。端っこの大きく歪む箇所をおもに使う感じ。これはトライ&エラーを繰り返すしかないか。 寄らずとも写し方次第で14mmでもボケを使った表現は可能。なんだかんだいってボケ量の大きなフルサイズフォーマット用レンズだ。 得意なのはやはりパンフォーカスで広い景色。 建物以外だと、広角で写しても広角による写真だと分かりづらいね。 14mmは超広角としてはまだ序の口だ。最近は10〜12mmがよくあるが、残念なことに絞り開放だとおおむね四隅が弱い。たいてい「流れ」る。下は四隅の流れが一切見られない。 開放のまま明るい状態で写せる超広角は、少なくともズームだと14mmが最広角かな? キヤノンとか知らんけど、ニコンの環境では14mm。これは寺の門の真下より内側を写したもの。 16〜18mm辺りも面白い。超広角的な効果は薄くなるが、広い範囲を手元に引き寄せる。 かなり寄って写す建造物。 14mmで寄って写したサンプル。ボケは Z24-70mmF4S ほどではないが、AF-P10-20mmより上。 超広角が有効に働く使用例。下は斜め前より写し、おおきく補正を掛けたもの。 正面から写せないのは柱があったから。こういうものは魚眼を含む超広角が有効に働くシーンだろう。ただしデジタル補正前提だが。 ここより14-30mmの30mm側、通常のスナップ運用を比較する。まず24-70mmによるいつもの映画観賞スナップ。プロメア。 映画見て食事して―― 購入したものを写す。下の一枚も24-70mmだ。 つづけて14-30mmを使用。当然ながらほとんど24〜30mm域ばかりとなる。海獣の子供。 30mm端だと下のようなメモ写は難しいが、トリミング前提なら難なくこなせる。ただしやはり24-70mmより切り取り率が大きめとなり、そのぶんノイズ感が高まり解像感は下がる。 飯撮りだが、問題が起きた。ハンバーグを写したものだが、私の頭の影が映り込んでいる。頑張ったが難しい。30mmは食事を高い角度より写すのに向いてないようで、切り取りを最初から想定したほうが良さそうだぜ。 光源の角度を自由に選べるのなら、14-30mmでも問題なくブツ撮りは可能。 ここから24〜30mmを使うスナップ運用を載せる。 14mmのときとおなじ被写体も混じっており、歪みの減った普通さが分かると思う。 メモ写の実際、パート2。下が写したときのもの。30mmで撮影者の影や映り込みが起きないようにするには、斜め前ですこし離れる必要がある。 そこから大きくトリミングし平面化補正したものが下。絞り開放F4で写しており、屋内だがISO感度は高くない。絞り開放から使える最新レンズの恩恵。おかげでトリミング耐性も高い。30mmまでしかなくても中望遠領域まで仕事をこなす。 おなじく平面化補正。自分の影が映り込むため、正面からは写さない。 映り込みの心配がないなら、普通に正面からめいっぱいの画角を使って写すよ。そうすると下のように背景がボケてくれる。 ブツ撮りもボケ込みで大丈夫な画角だ。 30mmで写す池。14mmのときとあまり変化ない感じ。 24mmで写すお寺。超広角ズームだからといって超広角ばかりを使うわけじゃなく、むしろ24〜30mmのほうが多かった。 すなわち普通の広角レンズとして運用し、必要なときに超広角域を混ぜる使い方がいいのかもね。下は30mm。 14mmの作例で広めに写した五重塔、まったく同じ場所で24mmで写すとこうなる。 30mm端のボケは14mmよりキレイに思える。被写体へ大きく接近する必要があるが、作品作りは可能。 というわけで、14-30mmがあれば24-70mmを抜いて70-300mmなどの望遠ズームを持っていけば、レンズ2玉で軽量化も可能になるだろう。または50mm近辺で単焦点やマクロレンズを使う手もある。 切り取りや割り切りが必要だが、工夫次第で14-30mmだけでかなり広範囲の換算画角運用が可能だぜ。これも望遠側を30mmまで用意してくれたおかげだろう。 このレンズが性能的に仕方ないとはいえ10万円以上もしたため、魚眼とAPS-C超広角ズームを手放すことになった。はからずも機材整理と相成った。

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