軽量な超々広角レンズだぜ。 LAOWAという中華系のレンズメーカーで、このレビュー時点でフルサイズ用として世界最高角の超々広角レンズ(9mm)を発売している。 超広角レンズや特殊なマクロレンズを得意とし、いろんなニーズに合わせて揃えられたラインアップの中に、手頃なものがあったので購入。中古5万円くらい。フィルター取り付け可能で、レンズキャップも装着可。 フルサイズ11mm用のF4クラスは、数年前なら単焦点で400~500gは必要だった。それを250g台で実現。ニコンZ用はマウント部が膨らむ都合から270g台くらい。 画角は対角126度と広い。マニュアル専用だけど、広角レンズのピント合わせは初心者にも楽勝だ。ましてや超々広角ともなれば。 歪みは最小限に抑えられ、平らなものが直線として写る。 逆光にそこそこ強く、光の飽和にもけっこう耐えるぜ。 上の写真の撮影場所。鳥居を正面より写す撮影スペースは最長でわずか3メートルほどしか取れない。そういうときに記録用として便利な超広角。 わざと写したものだが、画面端の強烈な効果を使えば、バス停の屋根をおおげさなサイズに見せかけることも可能。 通常の風景が相手だと、超広角特有の広さを伝えにくいことも。 超広角は難しいぜ。私の超広角運用はほぼ記録用としてのものがメインか。 効果的なものを考えて試行錯誤中。 人間の視野を大幅に超える広大な範囲。本来なら平野を広く見渡せるはずの展望スポットなのに、そのメインの平野部が写真の奥底にちんまりと。そういう意味で使い所を誤ると大変。 新規導入した11mmと、以前より所有している14-30mmとの、広角端での比較。ニコン純正のフルサイズ最広角が14mm。11mmはキヤノンとおなじで、ソニーは12mm。 ここで何気にアップにして、レンズグレードの格差に気づいた。等倍(1ピクセル1ドット出力)の解像力には、多少の画像処理ではカバーできないほど開きがある(スマホではわかりにくい)。LAOWA11mmはニコンの厳しい基準なら、製品化以前に企画すら通らなさそうだ。 LAOWA11mmは、私の買った個体がたまたま外れの可能性もあるが、ネットで公開されてた解像力テストのグラフを見ても、ニコン純正14-30mmには解像度の面でどうしても落ちるぜ。(スマホではわかりにくい) 逆光耐性の高さから、もしLAOWA11mmが解像力も高ければ超広角を入れ替えるつもりだったけど、切り取り(トリミング)運用が難しいと知って、望遠レンズとのタッグは高性能を再確認したZ14-30mmになりそうだぜ。14-30mmの高解像力なら、30mm端からの切り取りで標準どころか中望遠域まで粘れ、望遠へ楽勝で繋げられる。標準ズームいらず。 肩や腕を痛めて撮影に持ち出せる重量にどうしても制限があり、トリミング前提の撮影に耐える高解像レンズが必要なんだぜ。 14mmを超えるフルサイズ超広角の野望は頓挫したが、単写でなくパノラマ連結ならば、14mmならたった3枚で11mm相当を得られる。もちろんもっと多くの枚数を合わせれば、10mm相当・9mm相当もいける。そのかわり四隅の歪みがだいぶ大人しくなり、超広角特有のパース感を出すには、処理とかに工夫が必要。 ところでLAOWA11mmくんだが、やはり単写で強烈な広角を得て、どアップにしなければ使えるのは勿体ない。軽いし。 となればLAOWA11mmの出番は、Z24-120mmをメインレンズとする野外撮影時だろうぜ。24mm端からのパノラマ連結は、破綻なくスムーズに繋げるには8~10枚でも12mm相当がやっとだ。