フィギュア写真で迷宮冒険 ウィザードリィ・リメイク(1981→2024) 企画 よろずなホビー

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キャプチャー:2024/05/24~08/15

兎田ぺこらノーマル衣装の精巧なスケールフィギュアが発売され、最後のビジュアルピースが埋まり、記事化。 1981年にアップルII用ゲームソフトとして発売された初代ウィザードリィのフルリメイク。ドラクエやFFをはじめ、日本のRPGに絶大な影響を与えたと評価される。発売日にゲット。 選んだのはスチーム版、デスクトップPC上で動くバージョン。というのも、キャラクターの容貌ポートレートを―― 外部データを用意して特定のフォルダへ放り込むだけで―― なんら裏技を使うことなく正式な仕様として、顔グラを自由に変更できてしまう。ウィザードリィシリーズは以前から顔グラを変更できるものがチラホラと。ぺこらが2種あるのは、安いポッパレで代用してた残滓。ほかのVTuberキャラ画像が万円単位の高額ハイクオリティフィギュアなので、合わせたかった。どうでもいいがこの手の利用でコスプレ系フィギュアの写真は使わない。 21世紀のゲームはキャラクター重視で、ユーザーサイドのこういう遊びはマイクラのような自由をコンセプトとしている作品でないと難しい。 20世紀のゲームでカスタム機能の豊富なタイトルであれば、版権キャラを模したものを普通のゲームへ登場させちゃうのもわりと可能。ウィズはその辺のフットワークが軽く、PC向け中心だけど、仕様として実装している。 ゲームを買って最初の2ヶ月間は、こつこつ強くして通常攻略。初期パーティーはアロナ・妖夢・アルル・めぐみん・よつば・ロキシー。転職を繰り返しつつ攻撃魔法使用者を増やすことに注力し、迷宮最奥にいるラストボスのワードナを最初に倒すまで55日、31時間かかった。サイト運営優先なので、ゲームプレイは1日平均数十分だ。 ワードナを倒して魔除けなるものを持ち帰ると、経験値25万をもらえる。全員で割るのでなく、1人25万。これはかなり美味しい。どれくらいかというと、魔除け2個ぶん50万も経験値があれば、基本職の魔法使い&僧侶が、それぞれの全呪文を習得するマスターレベルと呼ばれるレベル13に到達できてしまう。 初期ウィザードリィの経験値稼ぎ手段には、グレーターデーモンを使った養殖がある。1匹経験値3万強、1人辺り5千弱。仲間を呼ぶ習性を利用したもの。 ただし今作はどれほど魔法で防御を固めてもデーモンの攻撃がわりと通ってしまい、その回復に魔力を使わざるをえず、長時間に渡る養殖は難しい。1時間100万近く(1人15万くらい)が関の山。 そこでワードナ狩り。魔除け持ち専用キャラを迷宮に在中させ、一個ずつ持ち出して地上にあがり、経験値25万ざっくざくを延々と繰り返す。なお国王になぜか所持アイテムをすべて奪われるので、装備だけ預かる別のパーティーも必要。 するとレベル1キャラが―― キル数0のまま、全呪文を操る立派な上級職に。 後衛の上級職なら、全呪文をフル回数で操る魔力タンクと化す。 ホロライブメインVtuberテーマのセカンドパーティーは、キル0のまま一気に成長させた。それにも事情があって――このゲーム、敵が少ないときは楽勝だが…… 多いときはヤバい。小勢で武器だけで戦っていると、全体攻撃を連続で食らってあっというまに全滅する。1981年当時、子供が遊ぶことなど考えておらず、その後に継承されたほぼ全シリーズでゲームバランスの改善もされず、確信犯的にハードなままだ。子供が難しいと泣いて親のクレーム入ろうがお構いなし。日本で標準化された生ぬるい過剰接待(盲導犬RPGと揶揄された)をむしろ鼻で笑っている。 数の暴力、理不尽な敵の来襲には、おなじく理不尽な手段で強化したセカンドパーティーの殲滅力が炸裂する。 全員で最高威力攻撃魔法をセットすれば、1~2人が先んじれば無傷で乗り切れる。セカンドパーティーは、全員が最若年のまま全呪文を操るよう転職と職業選択をチョイスした。このゲームには年齢という要素もあって、若いほどステータスが伸びやすく、同低下やHP鈍化を防げる。その活力の維持は、常に敵とバランスよく戦える状態を継続しつつ徐々に強くしていく最初のパーティーでは至難の技というか、おそらく不可能に近い。 セカンドパーティーでつよつよプレイができるようになるまでに、セーブポイントのコピーを130回も繰り返している。実際はコピー元からコピーして使うこともやっており、たぶん200回を超えてる。なにせこのゲームシリーズは、あらゆる状況変化をすぐ強制的に保存する。呪われても死んでも全滅してもキャラロストしても、その状態で即座に保存する。そういう超硬派な仕様。 つよつよなセカンドパーティーの役割は、迷宮に隠されているアイテム集め。宝箱を安全確実に開けるためだけに、他が全員上級職に就いてる中、基本職のシーフを残し続けてるほどだ。ただし最初パーティーの非力な怪盗よつばと違い、全魔法を操る万能しぐれういだが。 序盤を除けば、武器防具にアクセサリー類も、迷宮の宝箱よりゲットしていく。下のあやめが装備する最強の武器、村正ブレードが手に入るまで、データのコピー&上書き回数は100回を超えた。ドロップする敵を倒し続けても、1500回に1本手に入るかどうかという難易度。 忍者ぐらの悪シリーズ&手裏剣。 君主ぺこらは――装備がまだ揃ってない。ゆえに宝箱を開け続ける。ちなみに画像にあるカシナートの剣とは、アメリカのクイジナートというミキサーブランドより名を取ったもので、パロティだ。 ウィズはハードなゲームバランスと硬派な印象に反し、初代からわりとネタを仕込んでいて、迷宮マップに開発者のイニシャルを隠したりしてた。小さなACと大きなGが見えるだろう。ゲーム開発者の一人、Andrew C. Greenberg氏のことだ。ラスボスのワードナも、アンドリューを逆さまにしたもの。そういった隠し芸の精神を後継者たちが継承し実装した機能のひとつに、顔グラの自由変更がある。グラフィック変更がなければ、たぶん買ってなかった。 まだ揃わないレアアイテム収集の最高効率は、地下7階で固定出現するファイアードラゴン狩り。 このドラゴンを100匹も狩れば、最高ランクのレアアイテムが数個は手に入る感じ。1時間に数十頭が限界。先は長いぜ。なおドラゴンスレイヤーという竜種特攻剣を持っていれば、ドラゴンの行動を一定確率で阻害し、恐ろしいブレス攻撃等(HP100以下なら一撃でパーティー半壊)を防ぐことができる。耐火装備でガチガチに固めるのもアリ。 ドラゴン狩り以外では、最下層周回がアイテム回収率こそ下がるが、経験値稼ぎではずっと効率が高い。ただし宝箱を開けるのはモンスターカード80番以降の強敵だけ。79番以前は超高性能なレア装備を落とさない。セカンドパーティーの呪文使用回数なら連続数時間は潜り続けられるが、それでもレアアイテムは1時間に1個見つかるかどうかだ。 つよつよパーティー移行でリセットされたキル数を回復し、いかにも歴戦の勇者らしい殺戮者へ仕立てるには、低効率でも周回させるしかない。これもこだわりプレイ。あるいはファーストパーティーのまま加齢を受け入れ継続するのも手か。転職させなければ、少なくとも20代は維持できる。 作ったキャラクターにはレアアイテム保管用もいる。ワードナ戦で役立つ破邪の指輪(アンデッド耐性&行動阻害)といった、店に売ると消えてしまい、買い戻せない特殊装備もあり、そういったレア中のレアアイテムを残すには、こういう専用の荷物持ちが必要。 フィギュア写真の有効活用、あるいは再利用。いまどきの最先端ゲームはビジュアルもアクションも世界観もすごいし、自由奔放なオープンワールドもたくさんあるが、制限だらけで箱庭的でこぢんまりとした古いゲームも、地味ながら遊びがあっていい。記事アップ時点で購入よりほぼ80日、ただし総プレイ時間はいまだ52時間に留まっている。 ゲーム紹介ページの参考プレイ時間は45時間となっており、それくらい遊べば一通りの楽しみは完了するらしいが、私はまだレアアイテムや最強装備群がパーティーひとつぶんすら揃ってない。最初の2ヶ月を過ごした歴戦のよつばたちは、装備みんな剥かれて裸だよ。


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