学研 科学のタマゴ08 1/35 ティラノサウルス骨格モデル 玩具 ホビーレビュー

玩具
発売:2005/12 原型:荒木一成

安いもので作りもチープだけど、誇張や強調が一切なくかなり正確。ボリュームもあり1/6スケールフィギュアとほぼ同じか、より大きいレベル。場所取るよこいつ。 アカデミックな模型ながら、さすがに冊子は子供向けな内容だった。 最大最強といわれている恐竜の、一周開始。 上のでかい写真。このあと、小さい→大きいのパターン数枚あり。 一番大きな肉食恐竜だったからといってイコール最強だったとは限らない。百獣の王といわれるライオンがじつは足が遅く狩りが下手(むしろハイエナ辺りから横取りしている)なように、ティラノサウルスにも同様の疑惑がついて回っている。 素材に採用されたポリエチレン樹脂は塗料や接着剤を受け付けにくいが、化学反応に強いので子供でも扱え教材には適合している。 ティラノサウルスの二足歩行は巨大な尾が実現している。 完全に石化していない新しいものを除いて化石の色は地層を反映する。今回のティラノサウルス、素材色は化石が発見された米国の乾燥地帯バッドランドの地層をイメージしたらしい。 ティラノサウルスは部位による進化と退化が両極端である。 捕食者なので、正面の視線は交わり立体視が可能。 ティラノサウルスはほとんど巨大な頭部と太い後脚と長い尾だけで構成されている。 発達している頭部。人体バランスでいえば、サザエさんみたいなもんかね。 頭の横には穴が開いていて、その上にささやかな脳みそが収まっている。肉食恐竜は賢くないと務まらないが、ティラノサウルスの脳はわずか200gしかなかった。それでも恐竜の中では最大級に重かった。動物の賢さは一般に体重に占める脳の比率で決まるといわれ、恐竜のそれは哺乳類の数十分の一しかない。純粋な重さでいえば史上最大の脳を持つ動物は鯨で、人間の数倍、数Kgある。 同時代(白亜紀末期)に生きた恐竜、トリケラトプスと。 …………。 くわっ! 頸椎はS字に急カーブして力学的に強固に重い頭を支える。頭と筋肉を支える助骨が足りず、肋骨が首まで伸びてるぜこいつ! トリケラトプスはフリルがバランス取りになってるようでこの首の肋骨が小さい。 トリケラトプスやディプロドクスと比べ、貧弱な胸の骨。 腕も小さいというより完全に退化しており、ほとんどなんの役にも立たなかったようだ。指も二本しか残っていない。 ティラノサウルスの骨盤は、現生の鳥類に近い。ティラノサウルスの祖先はコエルロサウルス類だが、このグループは羽毛を獲得し、後にこの中から鳥が生まれたとされている。鳥類とティラノサウルスは姿形がかけ離れていながら、秘かに親戚である。 三本の指で体重を支え、残りは小さく退化した。指が減るのは馬のように高速移動する動物で共通して見られる特徴なので、ティラノサウルスは走ることが出来たと考えられている。ただし骨強度の計算から成体のティラノサウルスは走行中に転んだだけで内蔵破裂により死んでしまうという研究もあり、結論が出るのは先のようだ。 バランスを支えている、発達した尾。この尾のおかげで馬鹿ながら二足歩行が可能だった。

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