学研 1/35 恐竜骨格モデルシリーズ01 トリケラトプス 玩具 ホビーレビュー

玩具
発売:2006/11 原型:荒木一成

2005年末に出たこどもの科学08のおまけ「1/35ティラノサウルス」が好評だったのを受けて企画されたっぽいシリーズ。 ケースと冊子。 安いんで素材の複合化や塗装はない。いわゆるチープなのだが、最新の研究に忠実で子供だましな誇張がなく、私の好みに合って購入。造形そのものは荒木一成氏を登用してるだけあって、地味ながらそこそこ迫力あり。 頭でかい角竜の代表格。日本でポピュラーになっているトリケラトプスは学名読み(ラテン語)で、意味は3本角の顔。英語読みだとトライセラトプスとなる。 有名なわりには化石情報が少なく、1990年代半ばにようやく、単体の完全な全身骨格が発見された。学研だけあって、この模型はそうした最新の研究結果を反映している。 後ろ姿は冴えない。 全長6~7m、恐竜時代最末期の白亜紀に生きていた。 上から見たところは、相撲取りが手を付いてはっけよーいみたい。力士を連想させる四肢の指が外開きをしている構図は、ごく最近の説を元としている。全身骨格が見つかったおかげで、関節の付き方がだいたい分かってきたからだ。足の指が外を向いていると、スピードは鈍るだろうが、おなじ骨構造でより重いものを安定的に支えることが出来るらしい。恐竜の体重ではガニ股を格好悪いとは気にしていられないのだろう。 トリケラトプスの巨大な頭部。角竜の頭部は種によっては全長の1/4にも達し、植物食としては圧倒的に巨大だ。 アゴは強力だった。噛む力と歯の形状から、割合かたい植物を食べていたと推測されている。 角は完全な骨であり、哺乳類に多い表皮の硬質化したものとはレベルが違う。当時最強だったティラノサウルスさえ倒し得たと推測されているが、メスを巡るオス同士の争いにも武器として使用していたようだ。 巨大なフリルは弱点である首を保護する役割があったという。フリルには大量の血管痕が残っており、変色等なんらかの形で性的アピールのディスプレイとして使用された可能性も高いという。いずれにせよ角竜がその一生のうちにフリルの甲で身を守る必然の場面があったのは確実なようだ。たとえば角があまりにも強力なため、メスの奪い合いはフリルの加護がないと命に関わる怪我が続出しただろう、という具合だ。逆にフリルを見せ合って互いを威嚇し、その立派さ・派手さで優劣が決していたとの推測もある。角でのど突き合いは双方が譲らなかった際における最後の手段というわけだ。 トリケラトプスの顔の大きさに対するフリルの比率は角竜の中では小さいほうで、中は完全に埋まっている。巨大なフリルを持つ角竜にはフリルに穴が開いているものが多い。 トリケラトプスの前半身は巨大な頭部を支えるため頑丈になっている。 爬虫類のあばら骨は腹の下のほうまできっちり埋まっている。哺乳類ではあばらが途中から消えており、そのぶん胴体がよく曲がる。 地面をよく掴むような脚の作り。 こういった細かい部分の作りもごく最近の発見である。 腰の骨。 尾骨はトリケラトプスのような比較的小型の恐竜でも筋肉を支える突起が発達している。小さいといっても全長6~7mもあって、哺乳類でいえば超大型だ。恐竜の全長は尾が長いため数値が大きめになるのであって、トリケラトプスの実際的な大きさはゾウとサイの中間ほどらしい。 爬虫類の長く太い尾は頭部と対になって身体のバランスを取るためであるが、皮肉にも脳が小さいままで終わった原因のひとつともなった。元が尾の小さな祖先から進化した哺乳類は大型化しても一度退化した尾をいまさら発達のさせようがないので、身体のバランスを脳で取る比率が高い。そのぶん爬虫類より賢くなった。 おまけの角竜頭骨コレクション。 トロサウルス。フリルにおおきな穴がある。軽量化のためらしい。 カスモサウルス スティラコサウルス。この派手なフリルは性的アピールが主目的といわれている。 セントロサウルス プロトケラトプス。角竜の先祖で、フリルはまだ小さい。角は生えてないので、フリルが先で角が後だったことが分かる。

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