機械式時計の原始的なやつ。 動力の重錘は……その…… 何世紀も前と同じ構造の時計が付いてくるとは粋なシリーズである。 部品 組み立て終わり、かつ出来るだけ正確に時を刻むよう調整をし終えた状態。 分針・秒針のないシンプルな作りだが、それなりにけっこう複雑。 テンプを漢字で書くと「天符」となる。置き時計の一番上にあるつり下げ構造の棒状部品で、両端に付いている重りは調速用として自由に動かせる。 歯車~歯車~。 現在の精密な機械式時計も、歯車の基本構造は数百年おなじ。正しく時を刻ませる調速機能に関しては後世いろいろ便利なものが生まれたが、この付録模型では14~15世紀当時のもっとも原始的な機構しか採用していない。基本中の基本。 テンプを斜め上から。調速用。置き時計のテンプは後に、等時性を持つ振り子に取って代わられた。 ガンギ。ツメ状の旗型脱進機で、アンクル登場以前の原始的な機構。置き時計の「チクタク・チクタク」はこの部分が生み出す。 動力は重錘(おもり)式。携帯できる時計が登場するには、実用的なゼンマイの登場を待たなければいけなかった。この原始的な機械式時計にしても、それ以前は水の高低差に依存していたから、大きな進歩である。水はヒイヒイいいながら高所に汲み入れないといけないが、こちらはネジを手軽に巻くだけで済む。 おもりは300~350gがいいらしい。 よし、条件にあった物体を発見した。 セット。撮影前にまる2日かけてテンプを調整し、1時間で3分ていどの誤差に収めている。初期の機械式時計は1日数十分くらいずれるのは普通だったらしい。冊子にはその誤差の修正をどうやったかまでは触れられていなかったが、当時すでに完璧に近い暦つまり基準が存在していたから、時季の日の出や日の入の時刻に合わせるとか、方法はいくつかあっただろう。 動くぜテンプ。揺れるぜテンプ。 以下ほぼ2時間おきに撮影。