地獄のテロリストも旅行がしたくなるときもある。 木製のアーチ屋根があるここは―― 高知県高知市、高知駅。 「夏の高知といえば」 「よさこい鳴子踊り!」 「前夜祭は中央公園のお立ち台がおおいに盛り上がったそうだ。じつはこれは地獄からわざわざ四国の片田舎に来てやったクラウザーをもてなしてくれたのだよ。オレは最高級ホテルでメス豚と寝ていたがな!」 「もちろんこの鳴子も超高級品だ。悪魔たるオレにふさわしい嗜好品で」 「赤い部分は悪魔の血を塗っていてな、舐め回すとMAKAIへと逝けるパスポートなのだ」 「はりまや橋ももちろん悪魔の血で塗っている」 「渡ればJIGOKUへ直行便だ」 「よさこいとは、俺様のための祭りなのだ」 「海洋堂の宝島展とかいうイベント会場の前も俺様を崇める豚どもが大量に闊歩しておったわ」 「中央公園で本気の踊りだ」 「舞え! 俺様のために血反吐を吐いて死ぬまで踊り狂え!」 中央公園特設ステージ 「そこのでかいトラック! 俺様を乗せろ!」 「くそっ! さすがアーケード街の中心だけあって帯屋町商店街はなんて人が多いんだ! 近づくことすら出来ぬ! 俺様のための血の悪魔祭だというのに!」 「旗だけならいくらでも遠くから拝めるが……」 「だめだ、俺様の声はこいつらには届かぬ。いずれ全員レイプしてやろう」 「そういえば高知市中に魔界の演舞ステージが散らばっていると聞いた! ここは突撃レイプあるのみだな!」 「ここは現存する中では日本最古に近い路面電車で移動するに限るな。高知ではこちらを電車、鉄道を汽車と呼ぶ風習がまだ残っていると聞く。魔王たる俺様が乗ってやったのだから、ありがたく股を開くがよい」 「梅ノ辻というメス豚の臭いがプンプンするところに来た。空いてるな。俺様のために下々の者たちが場所を開けてくれたに違いない。殊勝なことだ」 「自衛隊踊子隊か。立場的には日本を裏より支配してやる俺様にとって敵となる組織だが、サイト運営者の中の人の兄上の職場であるから、ここは大人しくしてやろうか。縁故がなれけば全員洗脳して我が軍団の尖兵として使ってやるのだが残念なことよ」 「先導するトラックはどれもこれもJIGOKUのサウンドを鳴り響かせて俺様を歓迎しておるわ!」 「ほら舞い狂え!」 「鳴子踊りというが、全体のリズム合わせを担う踊り子の先行隊は鳴子を持ってないことが多い。拡散して旗や提灯を振り回しておる」 「ここからが本体だな」 「密集陣形を組んだ平踊り子どもが、鳴子を鳴らしながら魔界へ捧げる踊りを披露しておるわ!」 「ライブほどではないが疲れるものだな」 「つぎは菜園場というところに移動してみるか」 「そこな地方車、俺様を案内せい!」 「競演場へ踊り子隊が吸い込まれるところだ」 「ほとんどの競演場が一方通行のようだな。入って踊って、出て終わり。そして次へと移動する。すべてのパワーが俺様に吸い取られるとも知らずに、熱心なことよ!」 「……喧噪の中に、純和風の異空間とは、どこのどいつが作った!」 「高知県人くらいしか知らぬマイナー漫画家ゆかりの品らしい」 「俺様が土足で休憩してやるから、ありがたく感涙の海に溺れておれ」 「うげうげ五月蠅いな。うげうげ王国」 「独特のかけ声を持ってるチームが多いなうげうげ!」 「うげうげで俺様の興奮も最高潮だ」 「よろしい、貴様らの絶叫パワーを鳴子に封じ込めて得たエネルギーで、最後の場所へワープだ」 「ネズミーマウスのバスに乗ってゆくのもオツだな」 「日本全国のイベントを行脚しておる資本主義のブタバスだ」 「聞いたところによると後ろのお立ち台でネズミーマウスが、俺様の生き血を吸い取った鳴子を掲げて踊っておったわ」 「イオン高知にも俺様への生け贄ダンスを公開レイプしておるステージが作られていた」 「どういうわけかガキしか踊ってないぞ!」 「ガキじゃ犯せないだろっ!」 「はっ! そういえばイオンには映画館があったな!」 「うおぉぉぉぉぉぉぉ!!!!」 「僕がしたかったのは……」 「こんなバンドじゃない!!」 「なんだこいつは?」 「勝負だ!」 「レイプレイプレイプレイプレイプ!」 「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ!!!!」 「レイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプレイプ!!!!!!!」 「2日ほどレイプ言ってる間に本番が終わり、最終日は全国大会の日となってしまった」 「選ばれし精鋭どもの車が俺様のために生け贄のダンスを踊るとも知らず待っておるわ!」 「たまたま近づけた俵屋の大会演舞を受け止めてやった!」 「よろしい、レイプだけは赦してやろう」 「オレは魔王にして日本の創造主である」 「これからレビュー本番と称した地獄のライブミサをはじめてやるから、顔面ゴボウ男どももクリトリス女どもも股を濡らしながら死ぬまで聞け!」 「オレ1人じゃ演奏できねーだろーが!」