学研 1/35 恐竜骨格モデルシリーズ02 ディプロドクス 玩具 ホビーレビュー

玩具
発売:2007/03 原型:荒木一成

第2弾はいきなり大型モデル。家で一番おおきな模型の記録を更新した。 ディプロドクスはジュラ紀に生きていた大型恐竜。 全長90cmはもはや屋外でないとまともな撮影ができない。第1弾同様単色でそっけないが、学説に基づく正確さは学研だけあって一級。 いつもの写真サイズ基準にするとこうなる。 ディプロドクスは竜脚類の一種。この仲間は恐竜の中でも一番巨大なグループで、同時に地球史上最大の陸上動物だった。全長の1位も全高の1位も体重の1位も竜脚類が独占している。 いつもの基準ではやはり巨大写真に。 第1弾のトリケラトプスと並べてみた。スケールはおなじ1/35。 首と尾のカーブ表現は最近の学説を反映しており、大学教授による監修をしっかり行っている。 いつもの ディプロドクスの全長は22~27mほどで、多くは首と尾が占めている。 身は細い。 縦に長~ぁい長い。 細い尾は大サイズな竜脚類の特徴となっている。鞭のようにしなって、捕食者への牽制などに使っていたという説もある。なかには明らかに防衛用の骨の固まりを尾の先に持つ竜脚類もいた。 ディプロドクスをはじめとする大型竜脚類は、長くて100年前後は生きただろうと推測されている。化石に残っている成長痕から死ぬまで成長しつづけたことも分かっている。 首の骨のほうが尾より太く、肉付けした首そのものも尾より太かった。これには理由があって、首のほうは食道や気道のぶん空間があって、軽くできたかららしい。 首に走っていた空気の通り道は気嚢システムという鳥が持つものとおなじ構造で、吸い込む空気とはき出す空気が別々の穴を通ることにより、哺乳類の数倍の効率で呼吸ができたようだ。たしかにこの長い首で人間をはじめとする哺乳類と同様の単純な呼吸器系しか持っていなかったら、いくら吸って吐いても空気は首の途中で留まり、新しい酸素は肺まで届かないだろう。 長い頭の先についている頭部は控えめ。首が長い理由は身体を体重以上に大きく見せて捕食者から襲われにくくすることと、あまり胴体を動かさずに大量の植物を摂取するためと推測されている。 このモデルはアゴを動かせる。首もすこしだけ上下左右に動く。 トリケラトプスとの比較。全長はディプロドクスのほうが数倍あるが、頭は逆に幾回りも小さい。 というか、恐竜でも最大級の頭部を持つ角竜と比べるのが間違ってるか。 長い首は骨が15個の一本一本が伸長することで実現しているので、首の自由度は骨が数十個もある海棲爬虫類の首長竜と比べ、たいしたことはなかったらしい。骨と筋肉ががっしりかみ合い、長い首を支えていた。 首を支える筋がついている背骨の突起構造は、高く屹然とそびえ立って発達している。ディプロドクスは直訳で二本の梁という意味だが、由来はこの突起群から来ている。この骨に大量の靱帯がくっつき、背中で首と尾を支えていた。 おなじ骨構造は竜脚類全般に見られる。ディプロドクスは首に近い部分が二股に分かれており、それで「二本の梁」と名付けられたらしい。竜脚類の胴体と頭・尾の関係は吊り橋とほぼ同じである。うまく釣り合っているので、ディプロドクスは長い首を四六時中持ち上げていても疲れることはなかったとされている。たしかに疲れたからといって地面にいちいち頭部を寝かせていたら、捕食者に食べて下さいといわんばかりだ。 胸は胴体の大きさの割に発達していない。ディプロドクスの先祖は二足歩行だったので、四足に先祖返りしても体重増加の進化速度のほうが早く、前脚の巨大化が間に合わなかったようだ。かわりに重心を腰のほうにより近づけることで、強靱な後ろ脚と骨盤を中心にしっかり全身を支える構造となっている。ディプロドクスだけでなくすべての恐竜の共通祖先は二足歩行だったので、四足歩行恐竜の前脚は全体的に小さめとなっている。ここに恐竜が共通して尾を発達させなければいけない事情があった。 脚部。後ろのほうがずっと発達している。 指はゾウのような現象を起こしている。縦により集まって固まり、地面を踏みつけるというよりも、押さえつけるスタンプとなっている。 ディプロドクスでもっとも巨大な骨盤の骨。もはや人間の大人より大きい。数十トンにもおよぶ全身の体重を受け止める基盤だ。 尾を支える骨は細かく、首よりはるかに自在に動かせた。長い尾の主目的はバランス取りだ。 尾が重くて長いおかげで、反対側の首も長くなれた。尾が小さい哺乳類には不可能な芸当だ。哺乳類で最長の首を持つキリンは横でなく上に伸びた。 尾の先は本当に細いが、それでも人間の腕なんかよりよほど太い。 でっかい哉、でっかい哉。

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