Kenko 77S Zéta ワイドバンドC-PL

東方光画機
購入:2010/08 分類:フィルター

 鏡面反射の影響を除去できる偏光フィルターだぜ。購入2010年、レビュー2016年。アップまで6年以上かかったのは、使用頻度がきわめて低いからだ。年に数えるほどしか使わない。

 紫外線に弱い偏光フィルタの運用寿命はわずか2〜3年が目安というが、あくまでも平均的な使用頻度でかつ屋外で運用した場合だ。紫外線の届かない暗所で保管していれば、何年でも性能を保つ。反対に夏日の強烈な太陽光下に放置すれば、たった1日でダメになるらしい。写した写真が黄色系へ変色したときが、PLフィルタの寿命だぜ。

 C-PLのCはサーキュラー、「円」を意味する。フィルタ枠は2重構造で回転する。PLは偏光という意味で、特定方向の波長を遮るぜ。だいたい0°〜90°の範囲で強弱をコントロールできる。90°以上は回転させるだけ無駄だ。

 レビュー時点でこのフィルタはもっぱらマクロレンズで使う。すなわちフィギュアレビュー活動だ。模型イベントでも1回持ち出したことがあるぜ。フィルタ表面は黒い。減光2段階、最近は1段階くらいの薄い偏光フィルタも存在するが、反射除去効果は従来の2段階減光モデルより低いとされる。

 フィルターが77mmなので、ステップアップリングを挟んで装着する。マクロレンズで2種類、ほかにズームレンズ用なども揃えてる。C-PLフィルタは1万円以上と高価なので、大きなのを買ってさまざまなレンズで使い回すぜ。

 反射除去の効果を見てみる。とっても分かりやすい。ただし常用はしていない。理由は後述するが――ぶっちゃければライティングの立体感が乏しくなりがちなのと、コントロールそのものが困難だからだ。商業写真のブツ撮りでも偏光フィルタの使用頻度はかなり低いと聞く。

 一般的なC-PLフィルタの使用用途は、風景写真だ。空や緑の乱反射を抑制し、ダイナミックレンジに負担をかけずソースデータレベルで色乗りを濃くする――が、下の右端のように、デジタル写真においてはコントラスト調整と色調補正でどうにでもなる。最近のデジカメは露出換算で10段階以上の幅広いダイナミックレンジを保有しており、すくなくともRAW記録するならC-PLフィルタを使わずともなんとかなるぜ。jpg記録では色域データの90%以上を捨てるので、右下のような補正は難しい。あくまで現像ソフトの使用が前提だ。

 ただしデジカメ時代でもなお、C-PLフィルタが大活躍するシチュエーションもあるぜ。ガラスやテカテカ面での反射除去だ。もっともそれにも得意・不得意があり――

 斜めの反射は消せるが、正面はとっても苦手とする。というか効果ゼロ。原理は光線の水面での全反射などで説明できる。30〜41度の範囲で効果最大。正面に見えても光源が斜めからなら効果あるそうな。そのへんは実際にC-PLフィルタを使って体験しないと実感としてわからないだろう。

 いまの特性を一枚にまとめてみた。

 以上の説明をもとに、実際のフィギュアレビューで見てみる。フィギュアの顔が斜めなら、アイプリントの反射を偏光フィルタで除去できる。

 しかしすでに示したように正面の反射は消えない。下の写真だともう片方のアイプリ反射は消えてるが、入射光が浅いので消えてくれる。このコントロールが難しいんだぜ。ヤバい。

 C-PLフィルタをフィギュアレビューで使うようになったのは、プルクラといったアイプリでテカテカ反射のコーティングを採用するメーカーが出てきたからだ。しかしC-PLフィルタは複数の光源が同居するライティングに弱い。フィルタの偏光は90度の範囲でしか働かず、しかもその角度の強弱は光源ごとに違っている。すなわち2灯以上のライトを付けた時点で、C-PLフィルタを「自在に操る」など事実上不可能となるんだぜ。

 以上が明確な効果がありながら実際のブツ撮り写真活動でC-PLフィルタがほとんど使われない理由だ。また偏光フィルタはAFモーターの弱い安レンズへ大きな負担を生じさせる。キットズームなどの故障を誘因したりするんだぜ。フィギュアレビューで常用はできない。メインライトに対し効果最大となったとき、立体感が損なわれるのだ。キーライトやエッジライトの効果も失わせてしまう。なのでよつばとフィギュアだと、確かな用途としてはアイプリ反射対策でしか使わない。なおドール撮影では主要光源の反射除去により画一的なフラット光――柔らかい雰囲気を演出できるので、ドールクラスタのC-PLフィルタ使用率はわりと高い。フィギュアには合いにくいだけだ。


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