Velbon リボルビング雲台 PHD-66Q + スペアシュー QRA-35L

東方光画機
購入:2016/07 分類:雲台/クイックシュー

 縦・横の構図を90度きっちり高精度で切り替える特殊雲台だぜ。さらにサブ機用の予備クイックシュー。

 思わぬ多芸な奴だった。あらゆる斜め構図を自在に取りつつ、縦横構図で水平を保てる変態雲台だぜ! 水平を取り直す必要がない。こういうのはギア式雲台が最適解といわれるが、構図変化にともない毎回水平を取る必要があり、私のように1回のレビューで4〜8回も縦横を変更する撮影スタイルだとかえって不便だ。マンフロットの400ナンバーも水平込みで2秒ていどで即座変更なんてとても無理。縦横90度のみを多用する人のためにこういうツールが用意された。

 2015年はじめに発売され、購入まで1年と数ヶ月。存在こそ知ってたがこの手のピーキーな補助ツールはリセールバリューが極端に悪く、「外す」とヤバい。1万円が数百円に大暴落だったりする。サイトでは「引退」扱いになってるけど投げ売りすぎて処分するにしのびなく、消極的に保管してるツールは高級フィルタ類(購入4000〜2万円→買取10〜100円)を中心に色々ある。手放したはずのツールがときおり所持「復活」してる背景にはそういうトホホ事情がある。

 2015年からこちら高演色関係だけで5万円くらい損してるので、余裕できるまで購入を保留してたら「うっかり」存在そのものを忘れてしまい、気づけば1年以上も経ってた。なにやらメモにPHD-66Qとだけ書かれており、「?」と思いつつ検索してようやく思い出し、手配したんだぜ。

 見ての通り雲台だ。カメラ用三脚の上に取り付けるやつ。普通の人がよく購入する数千円ていどの三脚は脚と雲台が一体化してるものが多いが、素材もプラスチックとスチール。こいつはマグネシウム合金製で、ハイアマチュア&プロフェッショナル向けに作られた高級ブランド品だぜ。雲台だけの中型モデルなのに実売2万円近くする。類似安価品からの性能アップはわずかだが、生産数が少ないだけにお値段上昇はぐわしっと来る。ベルボンは前からひとつ欲しかった高級三脚ブランドだ。

 クイックシュー受けには3軸式の簡易レベラーがあり、水平を確保できる。

 左右にスイング(遊び)があり、角度の調整が可能。

 水平を出したぜ。レベラーの気泡が真ん中で止まってる。雲台の下部分は前後左右へ自在に首振り可能な3Wey式だ。ハンドルは構造上の理由から左右方向側がオミットされており、つまみひとつで固定・解除だぜ。

 こいつの本領発揮だな。サイドティルトアームが動き、シュー受けがまるごと縦横に――こいつをリボルビング機能というようだ――

 こうなる。いちいち付け替えとか量り直しをしなくて済み、撮影効率が高まるぜ。さらに構図の中心位置もあまり動かないという。雲台に似たような機能を付与したモデルは数千円の格安三脚にも存在してるが、精度レベルで水平からきれいに90度とは、なかなか上手くいかない。しかも構図が大きくズレる。PHD-66Qのひとつ前というか下位モデル(アングルチェンジャーQ)が、その構図のズレるタイプだ。平均評価はPHD-66Qより低い。

 雲台から取り外すパーツ部分の、これまで使ってたETSUMIブランケット+シュー2連との差。サイズは歴然だ。重さも100g以上違う。

 これまでのフィギュアレビューはこういう状態。手持ちはしづらい。

 今後はこうだ。三脚を交えての野外撮影――花火とか滝とか夜景でたまに行う――でも、カメラ手持ちがずいぶん楽になりそうだ。

 新しいクイックシューQRA-35Lには拡張機能でカメラの左右ズレを防止する背当てが付いている。これを立てると、重いレンズを付けての撮影でカメラが無様に垂れ下がる事故を事前に防げる。背当てそのものは強化プラスチックだぜ。

 メインカメラ&100ミリマクロレンズに、クイックシューを付けた状態。シューがほとんど目立たないというか写真ではほぼ見えない。なおこのシューはQRAシステムと呼ばれ、クイックシューの共通化によって、ベルボン社のほかの雲台と自在に置き換え可能なようになってる。QRAシステムのシューは通常のカメラと大型カメラ+大砲レンズ用の2種類しかない。便利なやつだぜ。ついでにわりと小型なので、ニコンDfだとシューを付けたままのバッテリー交換が可能だった。コンデジやミラーレスはさすがに無理だけどね。小型といってもあくまでも一眼レフサイズが基準だ。

 役立つかの検証比較だぜ。カメラはニコンDfだ。PHD-66Qが想定している一眼レフのカテゴリーに属する。PHD-66Qの仕様耐荷重は3キログラムなので、コンデジやミラーレスではオーバースペックかもしんない。

 まずはETSUMI E-6082だ。L型ブランケットの各辺へクイックシューを別個に付けて使ってきた。メーカーもこういう使い方を想定してか、うまく填るサイズの穴を開けてる。

縦位置

 そのまま横位置――あれ? 中心点のやつ、ほとんどズレてないぞ。やっべー、思った以上の高精度だった。シューを除いて1500円のくせにやりおる。というか穴が複数あるんで、そうなるよう私が調整してたんだったな――5年前に。

 気を取り直してベルボンPHD-66Qだ。

 縦から――

 斜めを通し……

 斜め状態でも保持力十分なので、楽にこういうのが写せる。意外な収穫。ただし右傾斜限定だが。写真データのほうを90度回せば縦構図限定で左傾斜になる。

 ※追記:クイックシューが背当てを除いて完全な左右対称、すなわち取り付け方向「表裏自在」だった。雲台を180度回してもシューを変わらず取り付けられるので、あらゆる斜め構図を画質劣化一切なしで得られる。こいつは凄いぜ! 思わぬ裏技だ。縦横の水平を確実に確保できるうえ角度の自由度、素晴らしい雲台を手に入れた。ギア式と違い細かい角度の微調整はできないが、私のレビュースタイルはトリミングが際立ってるぶん厳密な構図追い込みなど必要ない。早さのほうが有意義だ。基本必要な角度は縦横の水平のみであり、これの切り換えが素早いほど構図を積極的に変えようと動くことになる。難しいなら億劫となりそのぶん構図の変化が乏しくなるだろう。正確さか早さか。

 ちょっと話が逸れたな。それで横だが――うん、ズレは1500円のよりも大きくなったね。でもこのていどなら実用レベルでは困らない。このズレは計測してみるとニコンDfよりすこし背の低いカメラなら小さくなるけど、コンデジではまた大きくなるので、つまり一眼レフのエントリー機か、ミラーレスの大型機で最高精度となる模様だぜ。

 縦横でシューを外さなくて済むのが、不慮の事故をいろいろ防止できて良い。精度では後退したが、安全性では大きく向上をみたので、そのままレギュラーで使うことにした。カメラの縦横構図を自由自在に取れるし、斜めもいちおうOKだ。

 SLIK SH-736HDとエツミのE-6082(×2)よ、これまで5年間ありがとう。すっかり傷だらけでボロボロだな。三脚部分は継続使用するぜ。

 90度きっちりの調整方法。下の黄色い円内にある小さな突起。これで縦位置の収まり具合を微調整。

 反対側にマイナスドライバーのアレ。

 ドライバーで回し、調節する。経年による変形があったとしても補正可能。


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