USHIO LED電球ダイクロハロゲン形 φ50 Soraa GaN on GaN SNAP Vivid LDR10N-N-E11/D/50/HC-S ×2個

東方光画機
購入:2015/09 分類:光源

※2016/03/11再編集・04/25追記
 プロ用品も存在する白い光でフィギュアを写すぜ。青色LEDでノーベル賞の中村教授が関わってるベンチャー企業、Soraa社の製品だ。

 まず定常光5000Kランプ群の実写比較を見て貰いたい。

 無補正で際立った性能を示してるのが今回レビューしているランプだ。撮影用として各ブログが取り上げる注目の東芝キレイ色を凌駕してしまう、Soraa社の高性能光源。先に書いておくが撮影用光源としての利便性など、「総合性能」ではキレイ色が優秀。さらに「補正後」はほとんど差が付かない。高性能だが不便なSoraaをあえて使うのはほぼ見栄にすぎん。

 Soraa社のMR16型LEDでブツ撮りに向いた5000Kモデルがあったので、トップライト用に2本導入した。GaN on GaN は「窒化ガリウム上の窒化ガリウム」を意味する。日本ではウシオライティングが代理店。おもに店舗用ランプだが、写真撮影用にこいつを採用したGONG LED Cube Lightシリーズというプロ機材があり、RIFAシリーズのSDでも実店舗で撮影用として取り扱っている。日本での知名度こそ低いが、隠れたなんとかって奴だ。

 8月に導入した色評価用LED、Z-80PROは演色評価数CRI Ra97に達する。自然光はRa100、一般的な蛍光灯やLEDはRa80〜85ほどだ。光量が足らずこれとほかの光源(色評価用蛍光灯や東芝キレイ色)を組み合わせてたりしたのだが、ちょっと合わなかった。

 そこでSoraa社のLED、Vividモデルに目を付けた。平均演色はRa95に達し、R12を苦手とするところまでほぼ同じ。売れてる超高演色LEDは軒並みR12だけ低い。これは白色LEDの発光方法や紫外線抑制に由来する共通欠点で、簡単には改善できない。

 R12を得意とするパーフェクトなLEDもあるが、かわりに新たな欠点(ブルーライト・お値段・効率・明るさなど)を抱え業務用ばかり、消費者向けの一般商品がほとんどまったく存在しない。たまに出てもさっぱり売れず市場よりすぐ消える。そんな中でR12の欠点を残す正統的(?)なVividは消えるどころか米国中心に億円単位で売れており順調に最新モデルが市場へ投入され基本性能を向上、大手家電メーカーへと追い付こうと頑張ってる。ニッチな超高演色光源では珍しい。

 日本国内で手に入るのはレビュー時点でVivid2、つまり第二世代だ。改良ペースがものすごくわずか1〜2年でモデルチェンジするため、米国ではすでに第三世代(Vivid3)だが、演色性能は初代の2012年から変わってない。最大光量や発光効率、寿命や重量、発光面積などが改善されてるだけだ。発色性は色評価用に使えるニュートラルさで、実物で体感しないと分からないが、最初の比較写真で片鱗は伺えると思う。原理的には変換効率および演色性で最高性能を出せる紫色チップ+3色蛍光体。

 後部のごちゃごちゃはヒートシンクといい、効率よく放熱するための金属パーツだ。普通の電球型蛍光灯や電球型LEDだと白い陶器で構築される部位にあたる。凹凸の激しいヒートシンクはダイクロハロゲンという強い指向性のランプに共通している。

 指向性とは狭い角度という意味だ。このLEDはなんとわずか11度というとっても狭い範囲に光を集中させる。

 Soraa社はSNAPシステムという磁石取り付けフィルタを採用しており、照射角度・範囲・形状・色温度をあるていどの範囲でコントロールできる。フィギュア撮影に向いた光は拡散だから、一番広がる60度のものを買ったぜ。

 手持ち照明器具の口金はE26だけどハロゲンランプの代用としているMR16型Vividは小さめのE11だ。そこでRIFA-Z付属の変換アダプターを使う。青山陶器のシンプルにして高性能な奴だぜ。2本目もおなじのをホームセンターで探して買ってきた。品質管理基準の厳しいSDが採用してるパーツだしAmazonでも評判は高かった。

合体

 RIFA-Zに付けた図。60度の広角化スナップアクセサリを付けてる。

初点灯

 うむ、狭い。用途がまるで違うため、さすがのRIFA-Zでも補いきれない。この意味では大手家電の電球型LEDは汎用性が高く優秀だ。

 ついでにSoraa社のLEDは密閉器具一切非対応だからディフューザーの一部を常時開放することになる。推奨される室温は最高でわずか40度までだ。温度が高くなりすぎると発火事故防止のため光量を自動で下げる機能が付いており、このランプを面光源で使いたいなら格好悪くとも換気は必須。発展途上だから今後に期待。

 こうなったぜ。わずかな補正だけで白い。白がきれいに白く見える環境って、じつはけっこうレアだ。

 よく見ないと分からないていどだけど、Soraa社のほうが東芝キレイ色より確実にZ-80PROと合う。キレイ色のほうはどうも色の幅が狭いというか、のっぺりしてる印象だ。

 Z-80PROとSoraa Vivid のみをそれぞれ点灯したもの。Soraaのほうは真上からなので失礼。発色としてはSoraaのほうがすこし優秀に見える。ただしSoraaの高演色モデルはまだまだ暗い。魔理沙が光量不足。色温度4300は適性色温度相当へ持ち上げるためのカウンター補正。ディフューザーなどを通すと色温度は必ず落ち、5000度なら4600〜4800度くらいになる。デジタルではさらに色温度を下げる行為で元の色温度相当に合わせる。具体的な数字は環境や好みによって大きく変動するぜ。

 キレイ色で苦労してた理由がこれ。ほかの光源とおなじ色温度にすると、明らかに黄色い。おかしいんじゃなくキレイ色独自の基準によるものだ。それは高演色じゃなく美演色ってところ。白がやや赤味を帯びるバランス。人の肌色を強調したり、料理を鮮やかに見せたりするぜ。その違いがZ-80PROとどうしても合わなかった。残念。日本の大手家電が市場投入してる高演色商品はキレイ色や美ルックなど、女性受けするものが多い。そのランプの輝きに正確さは求められてない。あるのは「光による化粧」だ。

 色の違ってる照明を混ぜてると、色作りに時間がかかる。左は変化の小さいSoraaをトップに配置したもので、微調整のみわずか30秒で色が決まった。ところが美演色のキレイ色が混じると、とたんに蛍光灯時代とほぼおなじ5分になる。蛍光灯は色評価用クラスを除いて光源そのものが色被りしており、色を「必ず」作らないと使い物にならない。キレイ色の赤味をそのまま受け入れるか、あるいは退治するか――除去する方向で動くなら、色作りという苦労が待っている。

 2灯目いってみよう。こちらはZ-LIGHTだ。

 おっとスポットライト仕様じゃいけないぜ。60度アクセサリで広い範囲を照らす。

 でも直射はきついな。LEDは通常なら影が多重に重なるが、シングルコアのSoraaは蛍光灯とおなじ一重だ。LEDチップをいくつも使うのが普通なのに、シングルでの発光にこだわるメーカーさん。

 Z-80PROを付けてもくっきり影が残る。

 ならば拡散させる。RIFAのものとおなじ素材で色を合わせる。

 これで光量不足は解消した。キレイ色なら一灯で十分だが、Soraaは光が足らず2本使うのは仕方ない。いずれ第4世代くらいでRIFA-Zだけで足りるモデルが出るだろうと思うが、日本メーカーにも期待したい。単発で出て売れずに――というのばかりだ。発光エネルギーの多くを幅広いスペクトラムの確保へ振り分けるため、高演色は高演色というだけで光量が不足しがちになるし、数も出にくいのでお値段までご立派なものだ。リーズナブルな美演色タイプを使うならおなじ美演色だけで固めるほうがいいだろう。

※2016/04/25追記
 懸念どおり、撮影シーンによっては仕事を果たしきれないレビューが出ていた。

 ライティング見直しの一環で、ちょっとした工作。まず不要なLEDを分解し、カバー部分を取り外す。

 Soraaが採用してる交換フィルタSNAPシステムを逆手に取り、フィルタに接着してしまう。

 これで簡易の電球型LEDになった。下の写真でE26・E17変換アダプターが小型のものに置換されている。すこしでもディフューザーとの距離を確保するためだ。

 火傷するほどの高熱になるヒートシンクと、カバーの端は1〜2mmほどしか距離の余裕がない。でも磁石が強力なので、がっちり保持している。精度を誤れば火事は必至なので、とってもヤバいぜ。簡単なように見えて「安全性の最大限の確保」などで3時間近くかかってる。カバー側を根気よく細かく削ったり。

 だが苦労のおかげでこのような均一の光を得られた。久しぶりの「面光源」だ。やはりRIFA-Zはプロ用の灯具だから、それにふさわしい拡散性があったほうが道具も喜ぶ。

 これだけ違いがある。「電球型」は偉大なり。半球で乳白色の素材はネットなどでいくらでも安く入手可能だが、なにせ「演色が命」のSoraa Vividだから、LED専用品での拡散にこだわった。最良解は大手メーカー製LED電球からの流用だろう。消費者が検証しネット上で報告しちゃうから、大手メーカーほど公称値通りに仕上げてくる。つまりLED向けとして正確な「乳白」素材だ。