パンプロダクト 039 撮影用大光量45W高演色LED電球【Ra95/E26】 ×2個 機材 ホビーレビュー

機材
購入:2016/10 分類:光源

プロの撮影家が企画・開発した業務用LEDだぜ。明るくて超高演色。 フィギュアで最近増えてきたテカテカコーティング瞳。顔は人形の命なので、映り込んだ反射を除去するのにC-PLフィルタを使ってるのだが、偏光性能は光源一個にしか対応できない。多灯ライティングとC-PLフィルタの相性はものすごく悪いんだぜ。しかしライトを減らすなら明るいLEDが必要だ。環境光の影響を下げるには、照明が明るいほうがいい。 以前から単体で大光量かつアームライトに装着可能な高演色LEDを探してて、できれば性能保証もありそうなのが良くて、1年待ってついに出た。企画・指揮は日本人だ。9月に新発売されたばかり。 商品名は「撮影用大光量45W高演色LED電球【Ra90/E26】―― しかも購入寸前に改良が施され、演色性能がCRI Ra95(最大100)へとレベルアップした。商品名は改訂が間に合わずまだ【Ra90/E26】のままだが、本レビューではあえて勝手に【Ra95/E26】としている。どうせ近日中に変わるだろう。Ra90とRa95じゃ「格」が違うから、Ra90のままで据え置くとも思えない。 ブランドは「039」。中国大陸は上海在住の撮影家(映像&写真)、海原修平氏の個人ブランドだ。立ち上げは2016年――生まれ立てだぜ。印字されてる数値のうち110Vは大陸向けで、日本国内販売されるぶんは私が購入した第2ロットできちんと100Vになってる。おかげでフリッカーが出ない(テスト済)。中国や韓国の撮影用灯具には日本のガラパゴスなレア電圧に対応しきれず、フリッカーが起きるモデルがとても多いぜ。でも日本人が手綱を握ってる企画商品だから、印字改訂こそ間に合わなかったが、抑えるべきスペックだけは修正してきた。 この枠の部分は冷却機構だ。ブーンと空冷。45Wと大食いで、白熱電球360W以上相当の明るさになるという。 まずはレギュラー照明環境を示す。色評価用LEDと美術館&商品展示用LEDを4つ使っている。拡散させまくってるので、スペック上は合計2162ルーメンありながらF10で1/6秒と、わりと長い。 露出固定で039の45W撮影用LEDを付けた。RIFA-Zを使用。さらに補助でレフ一枚。たった1灯で4灯合計より余裕で明るい。計算したら7000ルーメン以上という数値が出たが、現実的なエネルギー効率を考えれば5000ルーメンくらいだと思うので、直進性が思ったより高いか、レフの効果で増幅されたか。なんにせよ明るい。 固定のまま2灯だともう真っ白。2灯目は左サイドに配置したら、換算14000ルーメン以上という、目を疑うすさまじい明るさになった。なにこれ凄い。レフ2枚の効果もあり、実際はたぶん換算10000ルーメンくらいだと思う。 適正露出にするとシャッタースピードが2と2/3段早くなった。明るさは6倍以上。だから2162ルーメンに対して14000ルーメン以上という変態的な換算値になる。もっとも2162のほうは拡散で実質500ルーメン以下なので、45W×2のほうも実質は3500ルーメンていどだろう。 2つを並べてみる。色再現はすばらしい。Ra95クラスで数千ルーメン、しかもE26口金。「ぼくの考えた最強のLED」が具現、まさに爆誕したな。45Wのほうがメリハリ的に強い光となり、陰影の強弱がはっきり付いている。私の好みは細かい調整の効く4灯のほうだ。どちらで写すかは気分次第だが、すくなくともC-PLフィルタ使用時は039の45Wを使うだろう。マクロレンズだってニコン純正とカールツァイスで中望遠&標準マクロのセットを用意し、ノリや気まぐれで使い分けている。 選択肢が増えるのはいいことだ。ぜいたくな悩みだぜ。039は撮影用LEDの業界標準である色温度5500Kなので、ほかの5000Kモデルと合わせての撮影ができない。これと合うのはおなじ撮影用LEDだけだが、ストロボにしか興味のない日本メーカーは及び腰、アメリカはいまいちレスポンスがにぶく、中韓メーカーモデルは動きこそ早いがフリッカーの危険がつねに付きまとう。見極めは慎重にな。
とりあえず明るいので1~2灯でも周辺光の悪影響を最低限に抑制できる。朝や夕刻といった、窓からの入射などで色温度の低い時間帯の撮影は、こいつで挑めば安心できそう。高演色LEDが暗いという常識はすでに過去のものになりつつある。もっとも……これがスペック通り長持ちしてくれるかは知らん。だから使用頻度的にはしばらくピンチヒッターに留まりそうだな。半年もすれば情報がもっと集まるだろう。


アクセサリー レビューリスト
© 2005~ Asahiwa.jp