Gabor Horvath Raw Therapee

東方光画機
無料:2016/04 分類:画像処理ソフト

 フジフイルム機の実力を引き出す現像ソフトだぜ。X100Tの純正コンバーションレンズを購入した一環として導入。フリーソフトで無料。

 これを見て欲しい。FUJIFILM X100T で写した桜だ。解像感が低いが、大幅なトリミングにより表示領域5.49%になっている。等倍。

 さておなじ領域を今回紹介する Raw Therapee で現像したものが下の図だ。いきなり解像してる。なおこの記事の解像・非解像の違いはスマホや解像度の低いモニターではほぼ分からない。

 さらにトリミング。表示領域0.74%と、極小までアップ。左がRawセラピー、右がフォトショップ。シャープネスは最低限で、ノイズ消し処理を皆無にしている。どうしてフォトショップは解像しないのか? 桜の花などのディテールが溶けてこんもりしてしまうこの現象は、ポップコーン現象と呼ばれている。海外ではマッシュポテトなどと言われてる。

 原因はFUJIFILMが採用するイメージセンサーのカラーフィルター配置にある。X-Transセンサーは周期性がどうのこうのと6×6で最小単位となるフィルター配列を用いる。通常のセンサーは2×2で、モアレや偽色が発生しやすいとされる。フォトショップはX-Transをうまく処理できない。

 細部のディテールが潰れるが、Web公開用の通常サイズであれば問題ない。ただしトリミング耐性が下がるので、あまり切り取りが利かないぜ。

 じつはこのディテールが潰れる現象、当のフジフイルム自身が解消しておらず、撮って出しjpgや公式現像ソフトでは必ず微細なディテールが潰れる。それどころかほぼすべての現像ソフトが対応してない。フジフイルムの業界シェアはまだまだ低く、なかなか対応してくれない。2×2用のデモザイク処理を6×6に掛けてしまい、ディテールが溶けるのだ。色が違ってるのは、ライトルーム側の設定がニコン機と合わせてるため。

 そこでRawセラピーの3-passデモザイクだ。2×2が1パスなので、その3倍で6×6、すなわちX-Transセンサーのマトリクスを正確に処理できる。それによって浮かび上がるディテールは上の写真で見るように、等倍の隅々まで解像してる素晴らしいものだ。わずか1.39%なのに、ローパスレス&単焦点レンズの威力を見せつけている。写ってるのは谷を挟んだ数百メートル彼方の木だ。この解像を引き出すアルゴリズムは、純粋な処理速度を犠牲とする。処理落ち、ソフト強制終了……フジフイルム機のRawを大量に読み込ませると、うちの環境だと100枚ていどで動かなくなる。デモザイクだけでこれだから、ノイズ処理をはじめとする細かい調整など困難だ。まさに修行。

 さらに Raw Therapee では他機種との色合わせも難しい。私はニコンDfとX100Tでマクベスチャートのカメラプロファイルを通し、色合いをほぼ一緒にしている。ところがこれが使えない(正確には使いづらい)ので、色合いがまったく違ってしまう。ニコンは見たまま写実だが、フジフイルムはフィルム再現を強く指向し、正確な色の再現に熱心ではない。下の比較だとX100Tデフォのカラーは桜の雰囲気を優先した赤系へ強みを含ませたバランスになっており、ニコン機とは色がまったく違う。これでは2台の写真を混ぜた記事は困難となるので、普段はライトルームだけで解像より色合わせを優先しているぜ。だがRawセラピーの超解像も魅力だ。等倍トリミングが可能なため、23mm(35mm相当)レンズなのに400mm相当の大幅な切り取りができちゃうのだ。ゆえにたまにだが使用している。


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