Adobe Photoshop Lightroom 6

東方光画機
購入:2015/11 分類:画像処理ソフト

※2016/05/03再々編集 6年に渡った色の抵抗への結末は、「逆らってはならぬ」だった。
プロの現場のド定番(旧)

 これまで「独自色」のため回避してきた現像ソフト業界標準フォトショップへ手を出したぜ。カメラプロファイル機能だけのために。フォトショップはレタッチ用のエレメンツしか使ってこなかった。

 理由はセンサー由来によるニコンの黄色と何ヶ月も何百時間も格闘してるうちに未レビューが積もりに積もって疲れたからだ。

 下の写真にあるように色評価級の超高演色LEDで色温度換算200〜300度ていどの差分まで詰めることはできたが、そこでストップした。しかもいまのニコンは黄色くない。ニコンDfは黄色かったニコンの最終世代だ。じゃあニコンらしさ(旧)にこだわる必要はないかもと、つい先日宣言したっぽい意思をひるがえしたぜ。

 じつはニコン自身がD4Sの特集で黄色を認めていたことを最近になって知った。ニコンが黄色かったのは技術上の理由らしく、受光回路やフィルタの関係で色相のズレが起きてたらしい。つまり好きで黄色くしてたわけじゃないようだ。ようやく克服できたのが2014年始めだぜ。
 ライトルームとカラーチェッカーはプロの現場のド定番だった組み合わせだ。過去形で旧式。

 いまはアドビフォトショップ側がCCへ移行している。クラウドと月額制の使いやすいサービスにより複数のフォーマットや端末をカバーする総合クリエイティブソフト。ただ数ヶ月前にエレメンツを更新したばかりなので、今回はパッケージ版に留めた。なぜなら私には高速処理モバイルを持ち歩く習慣がなく、せいぜいスマホだ。マシンパワー的にも据え置きデスクトップで良い。とりあえずパッケージ版を1年ちょい使えばエレメンツ合わせて元が取れる。そこからライトルームCC&フォトショップCCに乗り換えるか検討すればいいだけ。

 フォトショップ・ライトルームで用があるのはカラーチェッカー・パスポートのプラグインだけだ。これが使えるから導入したってだけの話。

 カラーチェッカー・パスポートは2013年に購入済みだが、しばらくただのマクベスチャートやホワイトバランスセッターとしてしか使ってこなかった。こいつの真価は光源ごとにカメラプロファイルを作製できるところにある。カラーチャートの理想値へと色相全体を持ち上げるぜ。つまりは色ごとに細かく自動補正してしまう。

 ソフトウェアでもプロファイルは作れるが、ライトルームのプラグインでも実行できる。フィギュアの胸から顔の高さにターゲットが来るようにすると一番きれいに補正されるぜ。バストアップ部分を基準にしたほうが良さそう。

 さてライトルームとカラーチェッカーの組み合わせで実戦投入してみたが、最初は失敗だった。なんか背景の色に引っ張られてる。後日、よりよいと私的に思える完成色と置換した。

 原因はなんだろな? そういえばカラーチェッカー・パスポートの運用寿命は日常的に野外で使う場合、メーカー推奨2年だった。その2年にすでに到達してる……そうか! 汚れてるんだ! てなわけで脂汚れを落とせるアルコール入りクリーナーで清掃してみた。けっこう目に見える汚れが取れたぜ。

 色が変わった。安価なモニターでは確認しづらいだろうけど、すくなくともカラーマネジメント用モニターやそれに近いモニターなら差ははっきり見えるだろう。

 ところで色作りの基本はこれだな、ホワイトバランスの調整だ。

 理屈こねすぎて色が「?」な感じになってたので見直したぜ。

 2015年11月〜2016年2月は蛍光灯時代の影響を受け(考えすぎて)、ちょっとズレてた。

 さらに試行錯誤を重ね、一時は視感比較による写実色を導入していたが――

 これにはモニターと環境光の色温度差による見え方のズレという問題がつねに潜んでいる。

 なにせこうやって直接視認によって色作りする手法だから。でもフォトショップの白色点は5000K、一般モニターの白色点は6500K、かなりズレがある。妥協点として5500Kや6000Kを志向したが、後述する理由により頓挫した。

 フォトショップの白色点である5000K相当に落ち着くこととなった。つまり原点。下は無補正状態だが、超高演色LEDの優秀さが際立つ。光源の「質」を示す指標として演色評価数(Color Rendering Index)があり、Ra(レンダリングアベレージ)という単位で数値化できる。最高値はRa100、好天下の太陽光が相当する。高いほど優秀な光というわけで、Ra95を前にすればRa90の東芝キレイ色でも物足りない。プロが多用するストロボ(フラッシュ・スピードライト)は光るのが一瞬だけの代わりに、演色性は安価なモデルでもRa95以上を誇っている。プロ仕様にもなれば限りなく100に近づくので、ハイアマ以上にとって定番の光源となっている。

 というわけでフィギュアレビュー撮影にはストロボ級の演色をもつRa95〜97の超高演色性LEDを使用している。下の写真は上の比較で使ったランプたち。

 さらに上となる、Ra98の世界を見てみよう。演色性では限りなく太陽光に近い。

 下はフォトショップの白色点である5000K相当固定で無補正状態の、東芝製で統一した一般〜超高演色光源ごとによる差だ。ぱっと見では違いが分かりづらいが――

 アップにすると如実な違いが見て取れるぜ。フィギュアの肌色に注目。下の写真だとストロボに近いRa98は肌色が血色豊かで言うことなし、ただし4万円。Ra90のキレイ色は価格的に2000円前後とお手軽なので、多くの玩具ブログがブツ撮りに導入している。ちょっと前まではRa84の蛍光灯が最多集団で、フォトラも採用している。Ra70の一般LEDは……さすがに論外。

 カラーチェッカー・パスポートの威力を示す。Ra98だろうがRa70だろうが力づくで補正してしまう。すごいぜマクベスチャート。ただしこれにもアップにすると差が見えてるが――

 おまけとして電球色の超高演色LEDによる補正を示す。フォトショップの白色点とは色温度で2300Kもの違いがあるんだぜ。

 Ra84の蛍光灯をRa97・2700KのLEDと置き換えて、マクベスチャート補正後のアップ比較だ。見ての通り補正の良し悪しは元となる光源の状態で決まる。
 5000Kに近く、かつ演色性が高いほど有利に補正されるぜ。
 高演色性LEDは色温度が高いほど開発が難しく、通販サイトなどで見かける超高演色LEDの大半が色温度の低い電球色だ。そいつで写しても並演色LEDていどの発色しか得られない。あくまでも理想的なのは5000Kに近い高演色の光だ。
 残念ながらRa98のLED(東芝TRI-R・STROKE2)は4万円もするため、撮影用に数を揃えるのは厳しい。蛍光灯ならRa99の色比較用が1000円前後で売っているが、さまざまな理由から蛍光管タイプしか存在せず、フィギュアを写すには大きすぎるぜ。それに蛍光灯は最高性能に達するまで点灯から20分もかかり、LEDと比べ撮影テンポが悪い。

 フィギュアを写すのに適した5000K前後の高演色LEDは、2016年5月時点でRa99が数十万・Ra98で4万・Ra97で2.5万・Ra95で6000円・Ra90で2000円。ほとんどの人が当然のようにRa90の東芝キレイ色を選択する。補正前提である以上、コスパの悪いRa95〜97を使用しつづけているのは完全に見栄で、意味はあまりないぜ。普通でなくともキレイ色を奨めている。キレイ色ではすでにRa95のキレイ色PROが登場しており、LED電球としての商品化が望まれる。

 先の比較から洩れた蛍光灯と、さらに撮影用のSoraa Vividとの補正比較。双方とも5000Kモデルであり、純粋な演色勝負となるが、やはり元の光源が高演色であるほうが、補正後の出力結果が良好になる。大半の照明環境下では残念ながら左側のように見えてしまうだろう。ゆえに右側は演色レベルでより正しいにも関わらず、ファンタジーな発色として鮮やかに見えてしまうのが残念だ。鮮やかというより「本来の色」というのが正しい。

 以上のように遠回りをしまくって、ホワイトバランスの基準がようやく定まってきた。5000K相当&グレーカードフィギュア後方という基準だ。じつは2010年5月から2016年4月17日まで、グレーカードで得られた数値からさらに色温度を弄っていた。理由はフィギュアの前でホワイトバランスを取ると、なんか全体が黄色っぽく見えるからだ。これはニコンの黄色がさらに強調されるわけで、補正がすっかり常態化していた。いわば色への抵抗であり叛逆だ。

 2016年3月から4月までのバランス。6000K相当で写実重視のバランス。でもちょっと赤が足りないっぽい。

 1000K相当ズレた6000K相当の欠点は淡い背景。なんか薄いぜ。フィギュアが薄いぜ! 高演色LEDを使ってる意味がない。おかしいな、高演色はコントラストそのものが底上げされるというのに。

 色温度補正でフィギュアが薄くなってた理由はこうだ。下は色相環という。

 色温度とは下の方向の補正をさす。

 だが色の補正にはもう一種類あり、色偏差と呼ばれている。

 現像ソフトなどでも色温度と色偏差(色かぶり)の2種類だけで、幅広い色の補正を実現している。

 つまりだ、色温度が動けば本当は色偏差も動いてるのだが、その差分は素人じゃどうにも「勘」になっちまうわけで、とても決まった数値化ができない。

 その結果がこのトホホだ。5000K相当に逆らってはいけなかった。視感比較の早々たる破綻だった。

 ようはホワイトバランスセッターが色温度・色偏差の両方できっちりと仕事をしてくれる5000K相当で色が決まれば、そこで終わりなわけで。試行錯誤してるうちに、フィギュアの後方で数値を取ると上手い具合に色が填りやすいことに気付いた。あくまでも私の好みだが。

 仮説は2つ立てている。まずフィギュアは立体なので、全方位より光の影響を受けると考えた。単純比較で平面の2倍、色被りしやすい。

 ならば平面のグレーカードはもっと奥にないと、フィギュアの色を見極められないのでは? という考え。斜行の影響は45度ですでに半分、60度で1/4にまで減ってしまう。

 仮説2は色の錯視だ。色彩学によれば、おなじ色でも周辺の影響を受けて印象が変わる。それを補うのがフィギュア後方で取得するホワイトバランスによる「過剰補正」ではないかという奴。

 なんにせよ理屈は知らんが、すでにこの方法で常用だぜ。

 背景に多色を使う場合は――

 台紙置かずに取得しておけばOKだ。

 改めて6000K時代の補正結果を。うーん、ちょっと違う。

 5000K相当で、かつグレーカードをフィギュア後方に置いたもの。やはり引き締まってる気がする。これでいくべし。

 背景が濃いと、1000K相当の違いはあまり生じない。

 だけど淡いと劇的に違ってくるぜ。写実路線(記録色)をやめたので、コントラスト調整などで色を作る(期待色)、本来のやり方へ回帰した。これでようやく高演色LEDをちゃんと活かせる。

 カラーチェッカー・パスポートのカメラプロファイルは、照明配置を大きく変えないかぎり使い回しが可能だ。大事なのはあくまでも光源の特性であって、背景紙はさほど関係ないようだぜ。

 極端な条件を通してみたが、結果はさほど変わらなかった。こいつは凄いぜカラーチェッカー・パスポート。

 一度作ったプロファイルはしばらく使えるぜ。ディフューザーの経年劣化などがあるので、とりあえず月1くらいの頻度で更新している。

 カラーチェッカーを使うと色再現が演色レベルで限りなく最大値の100へ近づくので、トーンカーブによる持ち上げはシルキーピックスのときよりずっと小さくて済む。ほぼ平ら。超高演色LEDのおかげでシルキーでもトーンカーブは小さくなってたが、補正なしでもいいんじゃないかってくらいにまで色乗りが良好になった。淡い背景用や撮影機材関連用にすこし濃くなるカーブをプリセットに用意している。

※2015年12月8日追記
 ところでレポの写真だが若干「変かも……」と感じる人もいるだろう。だからホワイトバランスを取得する「高さ」を変えてみた。これまでは背景紙にほとんど接するような低さで10年もやってきたが、それをフィギュアの顔や胸の位置にしてみた。

 ま、いいいんじゃねーの?

 ホワイトバランスセッターの高さを変えることで、ニコンの黄色が抜けてなお残ってた赤さがいくぶん緩和された感じがする。

 いい感じに白いぜ。やはり顔の高さがいいみたいだ。色被りって高さや照明の集中でどうしてもムラが生じる。ならみんなが注目する顔から胸くらいが良いっぽい。

 このレポ、内容がめっちゃ偏ってるな……いちおうライトルームで期待してる機能を――まずレンズのプロファイル。歪みとか減光を強力に補正してくれる。どんな癖レンズも良玉になるが、ボケ味だけはどうしようもないな。

 水平および垂直のティルトシフト的なオート補正。こいつもまあ便利。シルキーピックスだと1分くらい掛かる作業が数秒で終わる。

 なおシャープは例によってゼロだ。現像時は鮮明度放棄で出力し、ピンポイントでシャープネス掛けたりjpg出力時に輪郭を強調したりする。このほうがjpgのデータ量を抑えられ、ボケも良くなる。代償は解像感の低下だがニコンDfみたいな「いまどき1600万画素」機でシャープ処理はギザギザとの戦いになる。発色が独自性を失うからには、こちらのほうはまだまだ残しておきたい。

 このレビュー、ちっともライトルームじゃないな。まあいいか。とりあえず作業工程が減るのはいいことだ。月1くらいのカメラプロファイリングで、ニュートラルでくっきりした気持ちの良い色を維持できそう。