SONY コンパクトオーディオシステム CAS-1 & AKG オープンエアー型ヘッドホン K712 PRO + AKG C200

東方光画機
購入:2017/11 分類:スピーカー/ヘッドホン

 わりと本格っぽいかもなソニーのデジタルオーディオ入門セットだぜ。ただし卓上限定。オーストリアのヘッドホンも買った。けいおん!の澪が使ってた「澪ホン」の数世代後継で、さらにリケーブル済。モニターがEIZO&AdobeRGB対応で映像見る環境が良質なのに、音質のほうが数百円レベルだったので、一気にクオリティと自己満足のバランスを取った。

SONY コンパクトオーディオシステム CAS-1
 近距離で高音質・アンプ部とスピーカーが独立してるなどの条件で評判をもとにリサーチし、見つけたのがソニーが2015年に発売したCAS-1だ。カーオーディオを除き、屋内&自室用でこの手のオーディオシステムは人生初となる。ざっと7万円、寸前まで使用してたPCサウンド関係ツールの数十倍から百倍近いお値段だけど、趣味としてのオーディオ機器では安い部類だぜ。ハイレゾ対応。

 コンポとスピーカーの接続は、まるで前世紀に戻ったかのように自己主張が強い。中身は無酸素銅と呼ばれる高効率の導体で、たとえば電線に広く使用されている電力事業な水準のハイスペック銅線だ。

 スピーカーの下は遮断を意味するインシュレーターと呼ばれる足付き。CAS-1のはスパイク型、金属の上を布、下をゴムで挟む多層構造。さらにインシュレーターの下にオーディオボードないしスピーカーボードと呼ばれるスチール板があるぜ。これらはスピーカーの設計性能どおりの音を「できるだけ維持」する制振パーツ群だ。
 スピーカー本体の基本材質は木製で、上下にバスという音響増幅のためのパイプが走っている。足回り含め、追加投資不要だ。

 現状PCとの接続は有線でなくBluetoothになっている。2017年春にあったWindows10の大型アップデートで、ソニーのサウンドドライバが非対応となり、Windows機はソニー推奨ソフト以外ではUSB接続でCAS-1をまともに鳴らせなくなった。そこまで知らずに買ってしまったが、どのみち音質の改善が劇的すぎてまったく困ってはいない。
 ※解決済

※11/13公式サポートを通じUSB接続で鳴るようになった。うちの環境だと「ほかに音が物理的に鳴る経路がある状態」が必要だった。ソニーでなくそちらを鳴らしてる間にソニーのUSBを抜いて指し直すだけ。障壁は最初だけで、一度認識させ既定のデバイス設定をしておけば、もうひとつのスピーカーは必要なくなるぜ。大型アップデートの不具合はUSB2.0用ドライバが原因で、ソニーだけでなく多くのメーカーが巻き込まれてる模様。とりあえずこれで本来の性能を発揮できる。ハイレゾ対応は有線接続のみだ。

 下の図にあるようにハイレゾのカバーする高周波帯(4万〜)はおおむね未成年のうちしか聴き取れず、私にはハイレゾの高音域は「空気の振動」としてしか感じられないが、肌を刺激する振動のあるなしが「体感」に与える臨場感の差は段違いだ。ハイレゾの真価はむしろ高濃度の情報量そのものだろう。FLAC(ハイレゾ対応)とmp3(ノーマル)は両方とも圧縮形式だが、最高音質でのデータ量は10倍も違う。

 CAS-1の配置だぜ。通常のPCスピーカーとさほど変わらないが、とにかく音質はまるで別世界だ。独立したアンプがある時点で音質は変わる。PC的にはサウンドチップやサウンドカードの上位版だ。さらに技術のソニーらしく、大型スピーカーとほぼおなじ構造をミニチュアで実装しまくった。プラスチック外装のスピーカーになど二度と戻れそうにない。

 オーディオ趣味において電源ノイズ対策は必須らしいが、システム一式パッケージされたCAS-1は抜かりない。安定化電源って奴らしい。アナログだと電源タップから投資するレベルだが、デジタルアンプはデジタル信号の強弱より起伏の小さいノイズはすべて自動カットされるので、ノイズ対策はより小規模で済むぜ。

 透明感ある音の根底にはスピーカーでの木製および炭素繊維素材の採用がある。40センチを超えるような大きいスピーカーが用いる素材や構造を、これでもかと詰め込んでいるスピーカーだぜ。おかげさまで通常の大型スピーカーが苦手とする「近距離での高音質」を実現した。スピーカーサイズが縮まれば、すなわち得意とする音響レンジも短縮される。これによって完結した「オーディオシステム」が卓上レベルで実現したんだぜ。あまり音量を出せない集合住宅などで有利だ。

AKG オープンエアー型ヘッドホン K712 PRO
 深夜などはヘッドホン。これまでのオーディオ環境がウンコすぎ、高級ホンなら「なにを買っても大きく改善される」状態なので、ここは見た目にこだわってみた。選んだのは独特の二重ヘッドアームを標準的に採用するオーストリアのAKGブランドだ。アーカーゲーと呼ぶ。使わないときはLEDスタンドに掛けてる。

 K700番台は同社量産型のハイエンド。ハイレゾに対応している。フリーサイズで、頭に被った瞬間に自動調節される仕組みだ。フリー式は最近だと多くのヘッドホンが実装してるありふれた機能だが、AKGは1975年にはすでに開発に成功してたようで、欧米を中心としてスタジオ用ヘッドホンなどとしてけっこうなシェアを獲得している。つまりこの2重アームはフリーなヘッドホンの初期型構造ってわけだが、後発が「いかに普通の見た目でフリーサイズにするか」の方向になっちゃったので、かえって個性的な見た目となっている。

 K712は「けいおん!」の秋山澪が使ってたK701の数世代くらい後継――なのだが、いまでも4機種ほど平行生産してる。固定ファンがモデルごとに付いてしまうオーディオ界では平常運転らしい。さすがに「澪ホン」は廃番だぜ。けいおん放送当時ですでに発売から何年も経っており、日本国内相場は8万→4万まで下がってた。高校生でも背伸びすれば手が届くお値段……え、初値8万? K712スタート4.5万で3万前後で買えるんだけど。

 ブランドイメージもあり、あえて古い形式のまま機能美を進化させてきたAKG。K700番台のイヤーバッドは開放型という仕様で、遮蔽性が低い。音抜けが良くなるそうだ。あと音量を抑えておくとインターホンが鳴らされてもすぐ気づく。これって意外と重要な要素だと思う。音質の代償として音漏れもあり、屋外や人混みでの使用には向かない。自宅やスタジオ向き。

 いまのところソニーのCAS-1アンプを通して聴いている。CAS-1アンプはヘッドホン&イヤホン専用の基盤を備えており、最新のウォークマンが実装してるデジタル処理技術の恩恵を受けられる。CAS-1のヘッドホンアンプは単体だと3万はするやつで、しっかりハイレゾ対応。じつにお買い得。接続端子はオスメス双方にオーディオ上級、金メッキ。
 ネット上で一部ユーザーがCAS-1のヘッドホンアンプは無音時のかすかなノイズ(ホワイトノイズ)が酷いと指摘してたが、少なくともAKG K712では聴き取れない。無音は普通に無音だったよ。ただしオーディオテクニカの奴では無音時の砂嵐を確認した。どうもヘッドホンやイヤホンの種類によって発生したりしなかったり、相性などもありそう。

 PC側の銀色な端子は使わない。銀のやつは使用初期だけ電気伝導率が金メッキより高いが、時間が経つほど錆や汚れで性能は逆転するという。オーディオはエージングとか1000時間単位の長期使用を前提にしており、最初だけアレでもトータルで良いなら安定性で優れる金がいいというわけで。それにマザーボードの安価サウンドチップなんかより、ソニーが半世紀以上も蓄積させてきたオーディオ技術の施しを享受するほうが有意義に決まってる。

 有線ヘッドホンでもっとも壊れやすいパーツはケーブルで、AKGには断線対応にケーブル交換できるモデルが多い。AKGはオプションとして音質を追求した純正ケーブルを用意しており、K712で日本国内だと AKG C200 が該当する。日本メーカーonsoのOEMだ。同社はソニーなどの高級ケーブルも手がけている。
 K712の付属ケーブルは音質よりタフネスを優先させたものらしい。AKG製品はレコーディングといった業務の現場で不特定多数の酷使に晒されており、ケーブルが強く引っ張られるなど日常茶飯事だろう。自分の持ち物でなければ手荒な扱いになりがちなものだ。

AKG C200 (AC-3.5M-MXLR3-2M)
 というわけで個人オーナー向けAKG純正アップグレードケーブルを購入した。値段はなんと1万近くもし、コストの半分以上が超高純度99.999999%の6N無酸素銅だが、じつは純度の高まりによる音質改善は科学的な計測だと1%もないそうな。そのわずかな差を技術コストを掛けた設計・加工で極限まで維持するのが高級ケーブルの真骨頂だという。一般的なケーブルはどうしてもその辺りの精度がコスパ優先で落ちてしまい、元の素材以上に性能差が生じるとのこと。わずか1%、されど1%。はじめは1%にすぎないのに、5%にも10%にも開いていく。お値段はパーセントどころか数倍から数十倍だけど。

 使用した感想は、素人でも「おっ!」というものだったぜ。クロストークと呼ばれる混音らしきものが減り、左右の分離がくっきりした。聞き取れた違いはそれくらい。ケーブルの音質はいかにクロストーク等を抑制し、想定された音響を正しく伝達するかが重要だという。むろん強度や実用・価格など理想を阻む現実的な事情・問題も多くあり、C200のようなオプションパーツが必要になってくる。

 ケーブルの違いはデジタル信号の段階ではあまり発生しない。数千キロを経ても保たれるデジタル信号の正確さは量子化誤差以上の強弱によって担保され、まともな環境であればエラーの余地はない。0と1の「山と谷」が「ノイズ以上」の起伏でくっきりしてるのがデジタル信号で、通信の途中で混入したノイズの限りなく100%が受信側や中継点でフルオート排除される。むろん完全ではないが、通常のデジタル通信にあるデータエラーの再送機能は、オーディオデジタルに存在しない。そのためオーディオ用USBというジャンルがある。

 アンプを通過した先、アナログでは全情報垂れ流しゆえ、添付されるノイズの100%が出力へ反映されてしまう。スピーカー・イヤホン類の最終出力(音声化)は必ず物理的なアナログ技術に頼らなければならず、そこに高性能なケーブル導体の需要と出番がある。
 アナログなオーディオケーブルの役割は「いかに音の劣化を抑えるか」であって、相対的な改善はあっても絶対的な向上は起こらない。ゆえにクロストークのおそれが小さいスピーカーケーブルはそこそこで構わないようだ。イヤホン&ヘッドホンのケーブルは左右がひとつに束ねられて干渉が起こりやすく、ケーブル品質による音の違いが出やすいとされている。

 最後に、これまでのスピーカーとヘッドホン。音への意識が低すぎ、過去に買った人生でもっとも高価なスピーカーでも3000円にすら届いてなかった。だいたい数百円から千数百円ていど。調べると下の2機種、対応周波数の上限がたったの16〜20Khzだったぜ。なんとmp3の標準である22Khzにすら達してない。

 新スピーカーはハイレゾ上限192Khz、おなじくヘッドホンは40Khzだ。これくらい基本性能が良いと、音楽ないし動画プレイヤーソフトのエフェクト効果とかフィルタ処理はかえってノイズを増幅させる結果になってしまうため、立体音響を除きすべて切っている。
 フィルタが逆に音質を下げるとか、素晴らしいものを買ったぜ。オーディオ趣味などないので、カメラでいえばせいぜいレンズ交換型の入門機レベルだが、これでしばらく打ち止めだろうな。よほどでないと上は必要ない。どのみち本物を聞き分ける耳なんかないし。


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