Nikon AF-S NIKKOR 24-85mm f/3.5-4.5G ED VR

東方光画機
購入:2014/03 分類:ズームレンズ

 軽量フルサイズ路線に合わせニコンが発売した標準ズームを買ったぜ。用途はおもに記録撮影ないし観光撮影。高画質欲しいときはこれまで通り単焦点で行く――が、今後はズームの使用比率を高めようと思う。

 じつはレンズ交換中のミスで2010年の夏から使っていた標準ズームのシグマ 17-50mm F2.8 EX DC OS HSM が落下死した。ケツから落ち基部がやられ装着すらできず合掌だぜ。2万枚は写してるはずだから元は十分に取っていると思う。これまでありがとう。生き残ったのは77mmの保護フィルタ。EXUSのやつガラス厚が並の保護フィルタの2倍もあるせいか、何事もなく生還しやがった。

 単焦点レンズ運用は常に落下事故の危険を抱えるが、まさかそのリスクを減らすはずのズームレンズで起きるとは。とりあえず資金を貯めて狙っていた高価なレンズ(70-200mmF4など)は今後もしばらく買わないでおこうと思った。20万円のレンズだろうが一回のミスでオシャカだ。壊れずとも確実に光軸がブレるから調整などで何万も吹っ飛ぶ。私がこれまで買ったレンズの最高額はマイクロ105mmの8万円止まりで、これが写真活動の中心となっているから、ひとつの基準となる。新しい標準ズームはAPS-C用からフルサイズ用へ移行、ニコン純正の軽量な24-85mmにした。2012年発売。

 D600やD610などのキットレンズ箱なし品を中古3万数千円で手に入れた。しかもほぼ未使用。落下死したレンズから77mmフィルタを受け継ぐ。24-85mmVRのアタッチメントは72mmだが72mm→77mmのステップアップリングを挟み77mmを付けた。この状態だとレンズフード付けっぱなしとなり、外せないので注意だ。72mmの保護フィルタを買わなかったのは、減光フィルタやクロスフィルタ、円偏光フィルタがすべて77mmのため。みんな72mmで揃えると3万円からの追加出費になる。それにしても77mmは前玉の迫力が違うぜ。レンズ自体は安物だけど。入手額は所有レンズ中で最安価だ。
 ※2014年10月、方針転換で効果フィルタ運用の終了にともない、72mmへ買い換え。

 24-85mmはAPS-Cでいえば16-57mmくらいになる。広角にやや頑張った感じ。開放F値は3.5-4.5。APS-C用のキット標準だと望遠側がF5.6くらいになるのでこちらもすこし健闘している。重さは465g。先代のシグマニッパチより100gほど軽い。

 85mmに伸ばしたところ。85mmといえばボケを楽しむふんわり写真の定番焦点距離だ。APS-Cだと60mmくらいかな。評価サイトの評判はきわめて並。歪みが大きめなことを除けば可も不可もないごく普通のレンズ。でも今回のレンズ落下死を受け、野外撮影での稼働率は高めにするつもり。単焦点使い気取ってたかが観光地でレンズ落としてるとか世話ないぜ。仏閣を綺麗に撮ろうとズーム→単焦点で落としたから。ズームでも単焦点でもカメラ2台で個別に2本付けて代わる代わる写せばいいんだよ。以前はそうしてたしな。今後はD7000も使ってやらないとね。それでは写りを見ていく。

 まず絞りをきっちり絞って全体を解像させる写り。F10まで絞るとウェブサイト掲載サイズでは単焦点との見分けは付かない。

 等倍だぜ。単焦点のほうがわずかに解像度が高いようだが、確実に見分けられるやつがいれば変態だな。動き物を狙わず写真全体を解像させる限りにおいて、高価なズームや単焦点にこだわる必要はない。私は被写体の99%以上が静物だ。

 フルサイズ24mm、APS-C16mm相当は広い範囲が写るぜ。

 構図内に暗所と明所を同時に。色乗りは悪くない。

 これだけ写れば十分に使える。

 観光写真はこんなイメージ。ズームレンズは単焦点より四隅が弱いが、きっちり絞れば問題ない。

 変わったものを見つけてスナップ。

 Dfを買ってから35mm版用の標準ズームがなかったが、構図をその場でぱっと決められる利点は大きいな。これで所有する7本のレンズすべてがAPS-C&35mm両用となった。なおこのレンズ、焦点距離35mm付近は歪みがほとんどないので、建物を無補正できれいに写しやすい。下の写真がその例。

 こちらは補正した例。アンパンマンな自動販売機、無補正だと輪郭が糸巻き型へ変形してしまう。安いズームレンズの宿命ともいえる歪曲という現象だが、いまどきのデジタル写真はきれいに直してしまえるから問題ない。ほんの4〜5年前まで20万円は投資しないと得られなかったスマートな写りが、いまはデジタル補正でぱっと一発。最安価のデジイチでも採用してる便利機能だぜ。

 つづけてボケ。ぱっと見ではわかりにくいが、こちらは差が出た。

 等倍だ。このレンズのボケは単焦点より硬い。ただし以前の標準ズーム17-50mmF2.8OSよりは柔らかい。シグマのレンズは高解像の代償としてボケを犠牲にしている傾向があると思う。ニコン純正のボケはまだ素直。

 ボケを語るにはあえて厳しい条件で。二線ボケが起こりやすい被写体。おなじF値&焦点距離による、センサーサイズでのボケ味の変化だぜ。35mmフルサイズとAPS-Cでは、どう見ても35mmのほうが余裕を示す。写る範囲は2.2〜2.3倍ほどちがう。最近の単焦点レンズを使えばさらになだらかにボケてくれる。Dfに装着する限り、このレンズをためらわずいろんな被写体へ向けることができそうだ。

 安いレンズだがこれくらいのサイズなら解像感もしっとり、背景もボケている。

 17-50mmF2.8OSに多かった年輪ボケがこのレンズだと小さい。ズームレンズには点描が木の年輪のようにボケるイヤな現象があるが、このレンズはシグマと比べそれが起こりにくい。ボケの質では上だ。

 APS-Cだと茎の部分が二線ボケ傾向でうーんと唸るはずなのだが、35mm版では目立たなくなる。イメージセンサーのサイズが大きくなることのメリットは色々あるが、ボケ味も関係している。

 普通に花撮りで使えたぜ。24-85mmVRはけして解像度の高いレンズではないが、この系統の写真に解像力はたいして必要ない。むしろ「写りすぎる」マクロレンズよりレタッチが少なくて済む。

 テレ端85mmのボケはなだらかで美しい。3万ちょいで買えた安レンズとは思えない世界だ。ただし歪みがあるぶん人工物は注意。自然相手なら解像感確保のためできるだけ無補正で行きたい。デジタル補正はどうしても解像度を下げるんだぜ。

 広角側でのボケ絞り開放付近であればとくにおかしなところはなく使いやすい。思えばシグマ17-50mmの広角にはたまに四隅のボケが「流れる」現象があった。24-85mmは四隅までボケがわりと均一に感じる。絞るほど解像感が増すが、背景によって煩くなることもあるので注意。

 出先の食事風景を写すにはちょうどいいレンズだ。あるていど絞らなければ実用的な写真が得られないから、暗めのズームでも問題ない。

 下はF8だがAPS-CF5相当だから背景はけっこうボケている。高感度に強いから画質劣化はほとんど気にしなくてもいいし。ISO1600くらい。まったくザラつきが見えない。

 最後に高感度でのボケ。暗所でせわしく動いてるのを確実に「止めて」写すべく、このワンちゃん写真ISO感度12800だぜ。D7000だと目も当てられないんだがプロ用センサーを積むDfは許容範囲だ。ただしDfはシャッタースピード1/8000が使えないし露出補正も3段まで。AFエリアが狭く内蔵フラッシュもない。お互いに欠点を補っている。